minaの官能世界

今までのことは、なかったことにして。これから考えていきます。

L 最後の23日間

2008年02月11日 | 映画鑑賞
日曜日に「L」を観てきた。
デスノートが意外におもしろかったので、それからスピンオフ(スピンアウトも同意義の言葉として使われているそうです)したというこの作品に興味を持ったのだ。
それと、職場で「マツケン」話題が盛り上がって・・・・・・。
正直、わたしはびっくりした。
「マツケン」とは、若い子の間では「松平健」ではなく、「松山ケンイチ」を指すらしい。
現に、映画館は、中学生くらいのローティーンの女の子で一杯だった。彼は、そのくらいの年齢の女の子から絶大な支持があるようだ。念のために言っておくが、わたしの職場に中学生や高校生はいない。残念ながら、先輩を先輩とも思っていないような大卒ばかりで、みんな生意気である。精神年齢が中学生くらいの馬鹿後輩どもばかりなんである。中卒くらいの初心な子が入ってきたら、「マツケンが可愛い」なんて言っても許すし、ホントに可愛がってあげるのに・・・・・・なんて、話題がそれてしまった。
おばさま方が「ヨン」様に熱中するように、彼女たちも「マツケン」に熱中しているのだろう。聞きたくもないが、彼女たちの会話が耳に入ってくる。
「ねえねえ。マツケンって、かわいいよねぇ。でさぁ、あの声、どう思う?」
「声変りしてないんじゃないの?」
「そうそう。あのまま年とっちゃうと、声と格好が似合わないよね」
「きゃーっ」(わたしには意味不明の黄色い悲鳴だ)
ファンとは、そういうものである。

☆一番興味を惹いたこと
別に若い子に対抗したわけでもないんだけれど、「マツケン」ぢゃないんだよね。
「工藤夕貴」
彼女ね。
映画館に行く前日の土曜日に「ラッシュアワー3」をDVDで観たのが影響していると思う。彼女の演技には「インプリント~ぼってえ、きょうてえ」で驚嘆したが、「ラッシュアワー3」でも、海外の名優に交じって決して引けをとらない熱演に拍手喝采したところであった。そして、この作品での中心的配役である。素晴らしい。彼女、こういうキャラクターだったかしら。
衣装も「黒」と「白」を見事に着こなし、使い分けている。
日本を代表する女優に、いつのまにかなっていたのよね。
ジャッキー・チャン扮する主人公に、彼女が鉄扇で挑むシーンは必見!!!
もちろん「L」でも、敵役を見事に演じ切っている。「L」とのワクチンを巡る攻防戦は、「L対キラ」の知能戦に負けず劣らず見応えのあるものであった。彼女の演技を観て、女優としての風格が漂い始めていると感じたのは、わたしだけではないだろう。アイドルのまま年だけとった同世代の女優方は見習うべきなのではないかしらね(失礼!)

☆Lについて
「松山ケンイチ」はとても素敵だ。
特にあの「ひょっとこ」のお面はピッタリだなぁなんて思った。Lの目の下の隈は、原作の漫画のとおりなんだろうけれど、実写では「ひょっとこ」の顔みたいでユーモラスな感じになってしまう。そのせいだろうか、「最後の23日間」なのに「悲壮感」がない。悲壮感どころか、デスノートに自分の名前を書き込み「必要最小限の犠牲」と割り切ってしまうところが、無機質的で衝撃的だった。
でも、わたしは賛成できないな、こういう自殺志向は。
わたし自身には自殺願望があるけれど、それは人に勧めるものじゃない。
自分1人が実行するものだと思う。
「L」という作品でも「生きることの大切さ」を繰り返し訴えてはいるけれど、「L」の「生に対する淡白さ」がカッコよすぎる。これじゃ、誰かが憧れて「マネ」してしまうかもしれないじゃないか。
じっくりと鑑賞すれば、「強大な敵」である「キラ」を倒すためには、どうしても「命」を差し出す必要があったということが判るのだけれどね。
「特攻隊」を引き合いに出すまでもなく、日本人は根本的に「命をかける」のが好きだ。例えば、フォーククルセイダースの名曲「あの素晴らしい愛をもう一度」でも、冒頭の歌詞は、♪命かけてと、誓った日から♪
日本は資源のない国だから、こういう精神的なことを非常に尊ぶ国民性がある。それだけに、今の世相が悲惨なこととオーバーラップして、心配してしまうのだ。
今でも、日本人の自殺者数は、欧米諸国の中で抜きん出て多い。
どうしてか、なんて訊くまでもないでしょう?
生活苦とか病気苦とか借金苦とか・・・・・・。
自殺者が多いのは、政治の責任でもある。国民の自殺は、国家の損失でもあるからだ。
年金問題。
ワーキングプア問題。
高齢化社会問題。
教育問題。
多重債務問題。
あああ、厭になる。

☆末期的救世主願望
物事万事どうしようもなくなる(解決に人智が及ばなくなる)と、大衆はヒーローとか救世主を願望するようになる。末期世相はそれは周期を同一とするものだ。それは、少数の人間が思うのではなく、世相というか、世の中が自然とそうなるのだ。
「エジソンの母」は毎週欠かさず観ているが、これこそが救世主願望ではないだろうか。わたしは、これを非常に危険な予兆だと思うのである。「L」の中でも、天才Lが、快刀乱麻のごとく難事件を解決していく様が描かれ、かつ彼の活躍によって世界が破滅から救われるのであるが、このよう構図は、まさに救世主願望ではないだろうか。努力で解決するのではなく、人智を超えたところにある1人の天才によって、物事が解決されていく、そういうプロセスが危険なのである。それは、困った時の神頼みそのものである。Lのほかにも、作中にはウィルスに感染しなかった数学的天才少年が登場する。
ふと海外の作品に目を向けると、「アイアムレジェント」もヒーローという点では似たような展開だし、一体、世界はどうなるのだろうかと不安になる。
「ファンタスティック4」にいたっては、結局、宇宙人に助けて貰うのである。
人類は、もう未来を諦めているのだろうか・・・・・・。

☆その他
パンフレットが非常に高価だった。900円もした。
別に必要もないのに、クリアファイルに入っていた。
でも、まあ、いいか。鑑賞記念だしね。



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13 コメント

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で・・ (まい)
2008-02-11 23:42:20
minaさんから見ると結局何点???


ちなみに魚座は今月の18日まで忍耐の日々らしいけれど、minaさんはどんな感じでお過ごしでしょうか?

私は何だか最近、貧乏くじの連続なんですよ。
18日まで静かにしていようと思っております。
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点数をつけるとすれば・・・・・・ (mina)
2008-02-12 00:52:53
85点くらいかなぁ。
結構、おもしろかったから。

わたしは、仕事が15日まで極めて多忙なので、お酒も控えて、頑張ってます。つまり、毎日、暗い日々を送っています。
15日が過ぎれば、ちょっとは楽になりそうですが、精神的に参っているので、そのまま逝ってしまいそうです。でも、3月には期待作がたくさん公開されるので、それを観るまでは死ねない。
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 (maikonbu)
2008-02-13 21:29:01
バレンタインに椿まつりだよ(^-^)/
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あと2日ですよ (bjsf2006)
2008-02-13 21:48:09
もう一息仕事がんばりましょう。
minaさんお薦めの期待作って興味津々です!
review楽しみにしています。
といっても無理はなさらずに。
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ひさぶりですminaさん (白銀)
2008-02-15 15:44:01
税務署問題

世の中が映画のリングとパルスの
クロスシミュレーションの時代なので
なかなか難しそうですね

結局ITコントロールが必要不可欠なようなきがします


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天才っていいな (Ken)
2008-02-17 00:29:26
こんばんは。
あの、安倍さんが名前間違えた警察官の、宮本さんでしたっけか、あの方も日頃から立派なおまわりさんだったんでしょうが、結局、死んじゃったからヒーローになったんですよね。おっしゃるように死なないとヒーローになれないのかな、という気もしてきます。
福田さんをTVで無気力・無策、と無反応だったっけか(?)3Mとか言ってましたが、今さらながら、福田さんてどうして立候補したのだろう?と不思議に思います。ぬらりくらりかわすだけで、他人事みたいにしてるし、どーいう志で日本の総理になったのか?解りません。まさか、政治家としていつかはなってみたい名誉欲だけじゃないでしょうねえ‥。もう今の時点で老後のこととかしか考えていないのでは?と心配になるような姿勢に見えるけど‥。
馬鹿みたいですけど、僕は少年時代とか天才というものにものすごく憧れてました。鉄腕アトムを作ったのが天才・天馬博士だったように、漫画のヒーローを作り上げるのはいつも天才だし。シャーロックホームズも天才だし。夢想的に憧れ続けていたんですけど。
野党から民衆を救済する天才が登場しないかなあ、とも思いますけど、でも反面、政治面の天才って、危険な面もはらんでるような感じもする。経済の天才が現れて欲しいですけど、でもこの日本の構造社会では一人の天才ではどうにもならないでしょうね。支配層・富裕層には迷惑な存在になるだろうし。
漫画版のデスノではエルよりもキラの方が主役ぽいですけど、映画の方も実はメイン主役はキラだったのかも知れないけど、エルの方が人気があったんでしょうね。今度のスピンオフもエル人気からでしょうし。工藤さんはすごいですね。外国映画で通用する英語を喋るんだから。
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maikonbuさんへ (mina)
2008-02-17 08:35:48
最近、寒いね。この寒さも、椿さんが終わるまでというから、来週からは温かくなるかなぁ。そうぢゃないと、死んでしまう。仕事もめちゃめちゃ忙しいしさ。
15日で一応仕事に区切りがつくから、そうしたら、少しは余裕が出るかもしれません。
バレンタインは寂しく過ごしました。
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bisf2006さんへ (mina)
2008-02-17 08:44:08
コメントありがとうございます。
わたしが期待しているのは、やっぱり「ジャンパー」かな。瞬間移動能力って、タイムトラベルと同じくらい凄い超能力だと思うのです。タイムトラベルものだと、「時をかける少女」や「サウンドオブサンダー」「バタフライエフェクト」とかに随分と熱中しました。でも、瞬間移動については、あまり作品にとりあげられていなかったので、期待大なんです。
そう言えば、「バタフライエフェクト2」がDVDで発売されるそうなので、これも密かに期待しています。「ライラの冒険」はちょっと騒がれ過ぎかな。でも、観に行きます。
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白銀さんへ (mina)
2008-02-17 08:58:28
コメントありがとうございます。
税務署問題は苦手なので、触れませんでした。すみません。
税金は国家の血と言われ、税務署の職員さんは、それこそ懸命に徴収に駆け回っていますけれど、税金の使い方を見ると、あまりに悲惨です。
「生活保護」を水際作戦でカットするくらいなら、ほかにカットすべきものはたくさんあると思います。
無駄な使われ方を税の徴収官の方々はどう感じているのかしら。訊いてみたいです。
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kenさんへ (mina)
2008-02-17 09:12:16
コメントありがとうございます。
福田さんには、あまりに無策だし、責任回避の技術だけ長けているに過ぎないので、怒る気もしません。はやく辞めればいいのに。日銀総裁も、同様で顔も見たくないです。どうして、こんなに能力のない者が、トップに就くんでしょうか。日本って、こんなに人材がいなかったのかしらねぇ。
寒いのは、シベリア寒気団の影響ばかりぢゃないような気がしてきました。
工藤さんは確かに凄いと思います。
最近「スキヤキウェスタンジャンゴ」のDVDを観ましたが、「ぼってえぎょうてえ」に引続いて、この作品も全編英語劇です。池崇史監督作品。伊藤英明,佐藤浩市,伊勢谷友介,安藤政信,石橋貴明,木村佳乃,桃井かおりといった豪華キャストに混じって、どういうわけかタランティーノが出てました。「キルビル」ののりかなぁ。木村佳乃が妙に艶っぽくて、ぞくぞくしました。
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