minaの官能世界

今までのことは、なかったことにして。これから考えていきます。

ひとみの場合 第1章

2005年03月10日 | 官能小説「ひとみの場合」
 ふぅ……。  山内則彦は、長い嘆息をついた。  則彦は人に言えない身体の悩みを抱えていて、嘆息の長さはその深刻さを表わしていた。  則彦は病気で寝込んだこともなく、頑健とは言えないまでも、定期検診では診察した医師が感心するほど健康優等生だったから、不治の病にかかっているとか、そういった問題ではなかった。外観にしても、背は高い方ではなかったが顔の造作も人並みで、腹は引っ込んでいたし、禿げもなく、肌 . . . 本文を読む

ひとみの場合 第2章

2005年03月10日 | 官能小説「ひとみの場合」
「ディープキスしよう。」 ひとみは目を閉じている。則彦は彼女の頭をかき抱いて、口唇を合わせた。ほとんどむしゃぶりつくような勢いだった。則彦のあまりの激しさに、彼女はたじろいだようだったが、則彦が舌を入れると嫌がりもせず、反対に舌をからめてきた。彼女も興奮してきたのか、乳首が固く勃ってきた。則彦の方はどうかと言えば勃起したペニスが、バスローブの前を割ってひとみの下腹部に直接触れている。則彦は . . . 本文を読む

ひとみの場合 第3章

2005年03月10日 | 官能小説「ひとみの場合」
次の日は、地獄だった。昨日から継続したセックス衝動が次第に勢いを増し、彼を直撃したのだ。朝から先走りを垂れ流している状況で、淫らな妄想が頭の中に浮かんでは消え、全く仕事が手につかなかった。何度も、女子職員のスカートを捲り上げ、後ろから彼の一物をぶち込みたいという衝動に駆られた。それを紙一重で押し留められたのは、彼女たちがひとみほど魅力的でなかったからにすぎない。これではダメだと観念した彼は、午 . . . 本文を読む

ひとみの場合 第4章

2005年03月10日 | 官能小説「ひとみの場合」
 翌日、則彦は会社を休んだ。自宅は、いつものように出た。家族には出張で遅くなると言ってある。この理由なら、万一、自宅に戻れなくても言い訳できる。ラブホテル街にあるいつもの喫茶店でモーニングセットを注文し、ひとみの到着を待った。結局、昨晩、則彦はひとみの申出を受け入れたのだ。  昨日は、ラブホテルを出た後、しばらくしてから再び落ち合って、夕食を共にした。デリヘルは辞めてきたと、ひとみはその場で則彦に . . . 本文を読む

ひとみの場合 第5章

2005年03月10日 | 官能小説「ひとみの場合」
 二人の愛人生活が本格的に始まって、早くも1か月が過ぎようとしていた。則彦は会社が引けると、一目散にひとみの待つマンションの部屋に帰る。ひとみは二人分の夕飯の準備をして、則彦の帰りを待っている。まるで、新婚の夫婦のようだったが、普通のカップルと違うところと言えば、その部屋の中では、彼女にパンスト以外の衣服の着用が許されていないことだった。則彦が帰ってきたことを告げるチャイムがなると、ひとみは用心深 . . . 本文を読む

ひとみの場合 第6章

2005年03月10日 | 官能小説「ひとみの場合」
その晩から2週間後。  則彦は朝から商用で外出した。かねてより新商品の売り込みをかけていたところ、ようやく先方の社長とアポイントが取れたのだ。出かけるついでに近隣数社にも表敬訪問するということで、ほぼ1日の時間をつくった。午前中にメインの訪問先の用件は済ませた。なんと数億にもなる商談がまとまったのだ。気分をよくして、午後からの懸案事項にかかることにした。  「俺もどうかしてるな。」  則彦は植 . . . 本文を読む

ひとみの場合 第7章

2005年03月10日 | 官能小説「ひとみの場合」
 則彦にとって、ショックは大きかった。愛人契約上のこととは言え、身体を重ねるにしたがって、則彦のひとみに対する気持ちは愛情に近いものに変化していたのである。だからといって、彼女が彼と会っていない時に誰と何をしていようと、とやかく言うつもりはなかった。ひとみが則彦のことを愛しているわけではないことは理解しているつもりであったが、こうして現実に彼女が若い男とセックスをするという事実を突きつけられると動 . . . 本文を読む

ひとみの場合 第8章(最終話)

2005年03月10日 | 官能小説「ひとみの場合」
「あなたの息子さん、健一さんって言うのよね。」  突然、ひとみは何の関係もないことを喋り始めたように則彦には思えた。  なにを言っているのだ、この女は・・・。則彦の心臓は早鐘のような動悸を打ち始めた。  「やーね。ちょっと、ご家族のことを言っただけで、そんな怖い顔をして。でもね、わたしって、とてもいい奥さんになれると思うンだ。だって、料理も得意だし、家事はまめにするし、セックスだって、あなた仕 . . . 本文を読む