最近、根気が続かなくて、映画を観るのも難儀している。
最後まで観続ける気力がないのだ。
その中で、この「ポイント45」は、なんとか観終ることができた。
「ポイント45」は、新作「バイオハザード」の公開が待ち遠しい「ミラ・ジョヴォビィッチ」主演だ。
冒頭にミラが演じる主人公「キャット」のインタビューシーンがある。
彼女の口から連発される卑猥な単語にはびっくりした。
曰く「ヒュージ・コック」「グレート・セックス」「グレート・ファック」等々。
これらの言葉で形容された男が、「キャット」を「支配」している男「ビック・アル」であり、「キャット」はスラムのボス「ビック・アル」の情婦なのである。
認めたくはないが、女性特有の男性依存症というものは確かに存在する。多くの場合、それはセックスと密接な関係がある。男性依存症の女性は、男性の象徴である「逸物」にある種の畏敬の念を持つ傾向があり、いきなりの卑猥な単語の連発は、それを暗示しているのだ。
それにしても、彼女のような綺麗な女優が言うと、卑猥な単語も昇華されてしまうようで、なんだか詩の朗読を聴いているような気がした。
☆象徴的なタイトル
「ポイント45」は「45口径の拳銃」を指す。
このタイトルには、2つの意味が見出せる。
ひとつは「ビック・アル」の生業である「拳銃の密売」を示している。「キャット」も拳銃には特別の思い入れがあるらしく、「ビック・アル」に逆らってまで、独自に「拳銃の密売」に手を出している。わたしには、「キャット」の気持ちが判るような気がする。「拳銃」もまた「逸物」に通じるところがあるからだ。
二つ目の意味とは、正にそのこと=「男性自身」を暗示しているのだ。
☆テーマ
単純に考えれば、夫や恋人から受ける暴力(DV)がテーマのようにも見える。 DVの被害者が、か弱い女性であることを考えると、それはそれで重要なテーマである。
また、なぜキャットがDVを受けたかを、彼女の内面から考察したとき、社会的に自立していない「男性依存」の「弱者としての女」が見えてくる。
キャットがアルのDVから脱却できたのは、ソーシャルワーカーのリズから受けたアドバイスに目覚めたからのように見える。
「唇に乳房にヒップ、女の武器よ、使わなくちゃ勿体ない」
キャットはその忠告に従い、アルから逃げ出すことに成功した。いや、正確に言えば、逃げ出したのではない。アルを完膚なきまで叩きのめし、二度とキャットに近づかないようにしたのだ。
だが、ここで疑問が残る。それならば、なぜアルとの最後の面会のときに、キャットは涙を流したのだろう。
そもそもアルから虐待されているという認識がキャットにあったのだろうか。
キャットは、アルに対して、キックまで入れる関係だったのだ。
2人が出会った頃は、それなりに魅かれ合うものがあったはずだ。なにしろアルの「逸物」は巨大で、キャットは復讐を遂げた後でも懐かしむようにアルとは凄いセックスをしていたと述懐している。男女間において、セックスの相性とはとても大切である。まして、キャットは「男性依存症」なのだ。割れ鍋にとじ蓋というが、2人は彼らなりに幸せな日々を送っていたのではないだろうか。アルに対してキャットが流した涙は、やはり彼を愛していたからではないだろうか。
本当は、貴方のことが好きなの。貴方が変れば、刑務所から出してあげる。
ボスはわたし。あなたはわたしの言うことに従わなければならない。そのことさえ、判って呉れたら。
どうして、それが判らないの。
わたしには、キャットがそう言っているように聞こえた。
うーむ、そうなってくると、キャットは男性依存症なんかではなかったということにもなる・・・・・・。
キャットは男のような性格をしていたのかもしれない。
☆本当に復讐したかったのは誰なのか
キャットは、アルの親友のライリーからも、
レズのヴィックからも、
そして、ケースワーカーのリズからも求められるほど魅力のある女だった。
一方、アルは、それに比例して嫌われ者だった。
アルさえいなければ、キャットは自分のものになる。
キャットの周囲には、そんな連中しかいなかった。誰もキャットの幸せなど考えていなかった。アルと別れて自分と一緒になれば、もっと幸せにしてやる。そういうお節介な自信過剰な人間ばかりがキャットの周りに集まっていたのが、彼女の不幸だったのだ。
どうして放っておいてくれないの。
どうして、みんなでわたしとアルのことを離れさせようとするの。
キャットはそう叫びたかっただろう。
「見返りを求めない親切なんて、わたしは信じない」というキャットの言葉は、核心を突いている。
「みんな下心があるのよ」と言ったキャットの言葉に、目を伏せてしまうリズは、この時点で本音を見透かされていたのだ。
このように考えた時、キャットが復讐したかった本当の相手が見えてくる。
彼女が復讐したかったのは、そういうお節介な「自分中心的」な連中だった。
キャットがアルに殴られたのだって、ヴィッチがアルの忌み嫌うプリエルトルコ人への拳銃の密売を仕組んだからだ。
考えようによっては、ヴィッチはわざと仕組んだのかもしれない。これで、キャットとアルが喧嘩して別れてくれれば、キャットはわたしのものになると。
彼らにそういう下心があったからこそ、アルに対する報復が完了したとき、ライリーの言葉を待つまでもなく、彼らはキャットのことを恐れ、寄り付かなくなったのではないか。
キャットは見事に目的を果たしたのだ。
そこには、「一番大切なのは自分である」という明確な自己主張があると思うのだ。
「あんたらの思惑どおりにはならないよ」と彼女は叫んでいるような気がするのだ。
DVの被害に遭う女性は、この自己主張が総じて弱いのではないか。
男に隷属することに甘んじてしまう心理構造を克服する以前に、一番大切なのは何か、それをはっきりと自覚すること。
男中心に作られているこの社会で、男に隷属すること自体に異議を唱えるのはなかなか難しいことだろうけれども、自分を大切にすることは今すぐにでも始められると思うのだ。
キャットの述懐を聴きながら、女性の精神的な自立とはどうあるべきなのか、考えてしまった。
☆見所
この作品の見所は、やはりミラに尽きる。
彼女は惜しげもなく、その美しい肢体を晒してくれる。ワンシーンだけだが、ヘアヌードもある。
彼女は「バイオハザード」「ウルトラヴァイオレット」でも全裸を披露してくれたが、その均整のとれた美しい肢体は、何度観てもほれぼれとしてしまう。彼女、思ったよりも「壁おんな」だったので、妙に親近感が湧いた。わたしの個人的見解では、乳房はあのくらいが丁度バランスがとれていて良いのだ。断じて、でかけりゃ良いっていうもんじゃない。←負け惜しみ
ともあれ、彼女の次回作が今から楽しみである。
minaお奨めの作品。
ハートは、ミラの美しきに敬意を表して、2つ半差し上げたいと思います。
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最後まで観続ける気力がないのだ。
その中で、この「ポイント45」は、なんとか観終ることができた。
「ポイント45」は、新作「バイオハザード」の公開が待ち遠しい「ミラ・ジョヴォビィッチ」主演だ。
冒頭にミラが演じる主人公「キャット」のインタビューシーンがある。
彼女の口から連発される卑猥な単語にはびっくりした。
曰く「ヒュージ・コック」「グレート・セックス」「グレート・ファック」等々。
これらの言葉で形容された男が、「キャット」を「支配」している男「ビック・アル」であり、「キャット」はスラムのボス「ビック・アル」の情婦なのである。
認めたくはないが、女性特有の男性依存症というものは確かに存在する。多くの場合、それはセックスと密接な関係がある。男性依存症の女性は、男性の象徴である「逸物」にある種の畏敬の念を持つ傾向があり、いきなりの卑猥な単語の連発は、それを暗示しているのだ。
それにしても、彼女のような綺麗な女優が言うと、卑猥な単語も昇華されてしまうようで、なんだか詩の朗読を聴いているような気がした。
☆象徴的なタイトル
「ポイント45」は「45口径の拳銃」を指す。
このタイトルには、2つの意味が見出せる。
ひとつは「ビック・アル」の生業である「拳銃の密売」を示している。「キャット」も拳銃には特別の思い入れがあるらしく、「ビック・アル」に逆らってまで、独自に「拳銃の密売」に手を出している。わたしには、「キャット」の気持ちが判るような気がする。「拳銃」もまた「逸物」に通じるところがあるからだ。
二つ目の意味とは、正にそのこと=「男性自身」を暗示しているのだ。
☆テーマ
単純に考えれば、夫や恋人から受ける暴力(DV)がテーマのようにも見える。 DVの被害者が、か弱い女性であることを考えると、それはそれで重要なテーマである。
また、なぜキャットがDVを受けたかを、彼女の内面から考察したとき、社会的に自立していない「男性依存」の「弱者としての女」が見えてくる。
キャットがアルのDVから脱却できたのは、ソーシャルワーカーのリズから受けたアドバイスに目覚めたからのように見える。
「唇に乳房にヒップ、女の武器よ、使わなくちゃ勿体ない」
キャットはその忠告に従い、アルから逃げ出すことに成功した。いや、正確に言えば、逃げ出したのではない。アルを完膚なきまで叩きのめし、二度とキャットに近づかないようにしたのだ。
だが、ここで疑問が残る。それならば、なぜアルとの最後の面会のときに、キャットは涙を流したのだろう。
そもそもアルから虐待されているという認識がキャットにあったのだろうか。
キャットは、アルに対して、キックまで入れる関係だったのだ。
2人が出会った頃は、それなりに魅かれ合うものがあったはずだ。なにしろアルの「逸物」は巨大で、キャットは復讐を遂げた後でも懐かしむようにアルとは凄いセックスをしていたと述懐している。男女間において、セックスの相性とはとても大切である。まして、キャットは「男性依存症」なのだ。割れ鍋にとじ蓋というが、2人は彼らなりに幸せな日々を送っていたのではないだろうか。アルに対してキャットが流した涙は、やはり彼を愛していたからではないだろうか。
本当は、貴方のことが好きなの。貴方が変れば、刑務所から出してあげる。
ボスはわたし。あなたはわたしの言うことに従わなければならない。そのことさえ、判って呉れたら。
どうして、それが判らないの。
わたしには、キャットがそう言っているように聞こえた。
うーむ、そうなってくると、キャットは男性依存症なんかではなかったということにもなる・・・・・・。
キャットは男のような性格をしていたのかもしれない。
☆本当に復讐したかったのは誰なのか
キャットは、アルの親友のライリーからも、
レズのヴィックからも、
そして、ケースワーカーのリズからも求められるほど魅力のある女だった。
一方、アルは、それに比例して嫌われ者だった。
アルさえいなければ、キャットは自分のものになる。
キャットの周囲には、そんな連中しかいなかった。誰もキャットの幸せなど考えていなかった。アルと別れて自分と一緒になれば、もっと幸せにしてやる。そういうお節介な自信過剰な人間ばかりがキャットの周りに集まっていたのが、彼女の不幸だったのだ。
どうして放っておいてくれないの。
どうして、みんなでわたしとアルのことを離れさせようとするの。
キャットはそう叫びたかっただろう。
「見返りを求めない親切なんて、わたしは信じない」というキャットの言葉は、核心を突いている。
「みんな下心があるのよ」と言ったキャットの言葉に、目を伏せてしまうリズは、この時点で本音を見透かされていたのだ。
このように考えた時、キャットが復讐したかった本当の相手が見えてくる。
彼女が復讐したかったのは、そういうお節介な「自分中心的」な連中だった。
キャットがアルに殴られたのだって、ヴィッチがアルの忌み嫌うプリエルトルコ人への拳銃の密売を仕組んだからだ。
考えようによっては、ヴィッチはわざと仕組んだのかもしれない。これで、キャットとアルが喧嘩して別れてくれれば、キャットはわたしのものになると。
彼らにそういう下心があったからこそ、アルに対する報復が完了したとき、ライリーの言葉を待つまでもなく、彼らはキャットのことを恐れ、寄り付かなくなったのではないか。
キャットは見事に目的を果たしたのだ。
そこには、「一番大切なのは自分である」という明確な自己主張があると思うのだ。
「あんたらの思惑どおりにはならないよ」と彼女は叫んでいるような気がするのだ。
DVの被害に遭う女性は、この自己主張が総じて弱いのではないか。
男に隷属することに甘んじてしまう心理構造を克服する以前に、一番大切なのは何か、それをはっきりと自覚すること。
男中心に作られているこの社会で、男に隷属すること自体に異議を唱えるのはなかなか難しいことだろうけれども、自分を大切にすることは今すぐにでも始められると思うのだ。
キャットの述懐を聴きながら、女性の精神的な自立とはどうあるべきなのか、考えてしまった。
☆見所
この作品の見所は、やはりミラに尽きる。
彼女は惜しげもなく、その美しい肢体を晒してくれる。ワンシーンだけだが、ヘアヌードもある。
彼女は「バイオハザード」「ウルトラヴァイオレット」でも全裸を披露してくれたが、その均整のとれた美しい肢体は、何度観てもほれぼれとしてしまう。彼女、思ったよりも「壁おんな」だったので、妙に親近感が湧いた。わたしの個人的見解では、乳房はあのくらいが丁度バランスがとれていて良いのだ。断じて、でかけりゃ良いっていうもんじゃない。←負け惜しみ
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