minaの官能世界

今までのことは、なかったことにして。これから考えていきます。

ロボッツ

2005年08月09日 | 映画鑑賞
先週、小学生の甥っ子と「ロボッツ」を観に行った。
「姑獲鳥の夏」を付き合わせたから、その穴埋めなのだ。
前売り券は、何故か映画館で売っていなかったから、某コンビニで購入した。
ふたりで2千円は安いけれど、前売り特典なしは淋しい。
今時、特典付は常識。小学生の甥っ子まで、そう言っていたから、よけいに淋しくなった。

作品そのものは、私自身、観たかったので、別に彼にねだられなくても、連れて行ったと思う。そのへんは、とうに見透かされていて、夏休みの間、ほかにも何本かの映画を連れて行く約束をさせられた。
この前の土曜日は「金色のガッシュベル」に行ったし、その翌日の日曜日には「NARUTO」を観に行った。
後は「妖怪大戦争」かな。
これだけ連れて行ったら、多分、「亡国のイージス」に付き合ってくれる。
ここまで弱気なのは、今や、わたしと映画に行ってくれるのは、小学生の彼だけだからだ。

「ロボッツ」は予告編で観て、凝ったCGだなと感じていた。
それを確かめたくて、観に行きたくなった。
映画の中で動き回るロボット達は、一昔前のアメリカ製品によく見かけられた「真鍮にアクリル塗装」をした電気製品そのものだ。
実にリアルだ。
表面の塗装が剥げて、下地の塗装や地金が出ているところなど、まさにアートの世界。

そのような細かい芸当の積み重ねがレトロな雰囲気を醸し出し、
「おいおい、そんなんで動くのかい?」
みたいな些細な疑問を吹き飛ばして、彼らに生命を与えているように思えた。

物語は、そういうレトロなロボット・・・言ってしまえば、「旧型」「時代遅れ」のスクラップ同然のロボット達が、最新鋭のロボットに対抗して立ち上がる、言わば、反体制映画である。

主人公は彼、「ロドニー」。

声優は、なんと「スターウォーズ」の「オビ=ワン・ケノービ」役や「アイランド」の「リンカーン・6・エコー」役の「ユアン・マクレガー」なのだ。

それを訊いて、わざわざ字幕版を観に行く人もいると思うが、吹き替え版だって、凄い。
SMAPの「草 剛」君。

彼の声優ぶりは、意外なほど素晴らしい。
そもそもSMAPのメンバーは、全員役者揃いであって、香取君にしても「シャークテイル」の声優を立派にこなしているし、吾郎君だって「催眠」で見事な演技を見せてくれた。キムタクの「2046」の演技もわたしは良かったと思う。仲居君は司会で頑張っているからね。
おっと、脱線してしまった。
こんなことを書くと、わたしがSMAPの隠れファンだということがバレてしまう。
話を元に戻そう。

最新鋭のロボットは、アクリル塗装なんかしていない。チタン製のスマートな外観だ。
この冷たい感じがする最新鋭のロボットの中で「ロドニー」が一目惚れしてしまうのは、ロボット製造の大企業に勤める「キャピィー」

この声優も凄い。「X-MEN」「キャットウーマン」「ゴシカ」で有名な「ハル・ベリー」なのだ。

彼女に対抗できるとしたら、この人しかいないでしょう。ということで、吹き替え版は、「矢田 亜希子」さん。

このほかにも、「ロドニー」と一緒に戦う赤いロボット「フェンダー」役に「山寺 宏一」さん。「ビッグウェルド博士」役に「西田 敏行」さんとビックネーム連発だ。こんな反則みたいな俳優を揃えるんだったら、実写版でやったらどうなの。その方が判りやすい。

「ロドニー」は、旧型のロボットであり、そのための劣等感や負い目を感じている。
ロボットの機械的性能を比較する場合、新旧の差は決定的な差となって現れるはずであり、この物語のような設定には、もともと無理がある。
つまり、旧型が新型を打ち負かすなんていうことは、設計ミスや構造的欠陥でもない限り、あり得ないのだ。
それを、旧型ロボットに「修理すれば、まだまだ働ける」と言わせたり、反対に、新鋭ロボットに「アップグレードできないロボットは、スクラップだ」と言わせることにより、観客心理をいつの間にか旧型ロボット寄りに修正していく。
ひょっとしたら、旧型の彼らにも勝機があるかも知れない、そうであって欲しいと思わせてしまうのだ。
このへんの心理操作は実に巧みだ。
新型ロボットが牛耳る大企業が修理部品を供給しなくなったので、ロドニーは廃品を利用して、街の旧型ロボットたちを修理していく。

環境保護の関心が日本よりも数段強い欧米では、この場面の効果は絶大だと思われる。
さらに、敵役の「グレッグ・キニア」が

「キャピィー」に地位を利用して言い寄る場面を挿入することにより、憎しみの対象を新型ロボット側の象徴である「グレッグ・キニア」に集中させていく。
もちろん「キャピィー」は「ロドニー」の味方となり、一緒に戦うことになるのだ。
いかにも、ハリウッドらしい真っ当なストーリーではないか。
これは皮肉で言っているのではなく、わたしは、こういう判り易い「勧善懲悪」ものが好きなのだ。
因みに、わたしは、「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」の大ファンである。

このように考えると、「ロボッツ」は、展開が読めて、安心して観れる期待通りの作品とも言えるだろう。
大人のわたしも、十分、楽しめたし、小学生の甥っ子もおもしろかったと言っていたので、ハートは3つ差し上げることにした。

minaお勧めの作品のひとつです。この夏休み、ご家族連れで是非どうぞ。


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます! (yosshy)
2005-08-10 01:11:08
ロボッツ面白かったですよね♪

笑えるシーンもたくさんあって、すごく楽しめました。



僕は字幕版で観たんですが、吹き替えも気になりますねw

DVDが待ち遠しいです(´ー`)
返信する
はじめまして (ジージョ)
2005-08-10 15:17:47
TBありがとうございます。



レトロな感じのロボットたちがステキでしたね。

彼らを観るだけでもこの作品は良かったと思います。



読みやすい映画レビューで参考になりました。

返信する
アンティーク人気 (みったん(・∀・))
2005-08-11 19:44:19
こんちわ~(・∀・)ノシ



ロボッツ、かわいいですねぇ♪

声優が凄いランナップなんで、気になってました。



でも、

ストーリーは?というとやっぱ「コドモ向け」

な映画なのかな?

と思ってました。

minaさんのレポみて、

チョット行きたくなりました。(´∀`)ありがとね。



・・・でも、

妖怪大戦争で大爆笑したいのも本当。

どっちを先に見に行こうかなぁ??

迷うところディス(;´Д`)
返信する
みったんさまへ (mina)
2005-08-11 23:41:12
うーん、どの記事にコメントしようかと、

結局、全部読んでしまいました。

みったんのプログって、カラフルだし、

いろいろイラストとか切り絵とかあって、楽しい。

どに書いてもそぐわない様な気がして、結局、ここに書いてます。

コメント、ありがとう。

minaは、今度の週末に「妖怪大戦争」を観に行く予定です。

minaは、水木しげる先生の大ファンなんです。

戦争で片腕を失われたのに、あの描写力。

本当に凄い。

その水木先生が、ちらっとでも映画に出ているなら、そして、そのお年から考えれば、もはや最後の作品とも思えるので、どうあっても観に行くつもりです。

「ゲゲゲの鬼太郎」があまりにも有名ですが、戦記ものにも秀作がいくつもあります。

ソロモン沖海戦を描いた作品など、恐らく水木先生しか描けない名作と思います。

是非、終戦記念日にこれらの作品を皆さんに読んでいただきたいと思うのです。

そして、片腕を戦争で失った水木先生が、それらの作品を描いた理由に思いを馳せて頂きたいと思うのです。
返信する
こちらこそ、ありがと。 (みったん(・∀・))
2005-08-14 00:52:15
こんばんわw

遅くなってごめんなさい。

レス付けてくれてありがとです。

って、めさめさ褒めてくれてる(≧∀≦)ノ

ほんと、ありがとう★

全然minaさん、気にしないで気軽に書き込んじゃってくださいよぉ。



実はオイラ、minaさんみたいなカコイイ文章書くのにも憧れています(・∀・o川

だから・・・これからも巡回ブログのひとつなのです
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