![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/85/19458b5a08e71bdc797102da33ab712b.jpg)
この作品も、お正月用にと大事にとっておいた作品である。
友人から、お正月に観るのに相応しい「ゆるくて」「のんびり」「ほんわか」「幸せ」な気持ちになれる作品だと情報を得ていたからだ。
とりわけ「男」とか「恋愛沙汰」とかそういうことに敏感になっているわたしには、これくらい「癒し」となる作品はないだろうとまで言われた。
ふーん、そうなの。そんなに云うのなら、観てみましょう。
観始めて、しまったと思った。
これって、まるっきり少女マンガのノリじゃないの。わたしは、こういうのが苦手なのである。少女フレンドとかマーガレット、りぼん、なかよしなどの少女漫画雑誌から卒業して、もう相当な年月が経っている。・・・えっ、廃刊になっているものもあるって?
勧めてくれた彼女は、わたしにこう言いたかったのかもしれない。
「男より女友達でしょ」・・・少女趣味への回帰かぁ。とほほ
☆キーワード
「アレクの紋章」
「森江賢一」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/f9/a0cec77ae0b8528f692f085bd54c91d8.jpg)
イントロの不気味な夢は、どうやらこの小説のワンシーンらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/37/e4f4bd540c740b2fd9120a7966a61aea.jpg)
「アレクの紋章」は、主人公「司城史緒/上野樹里」の亡母の形見の本で、著者は「森江賢一」、そのストーリーは、エンディング間近になって、史緒の口から語られる。
生き別れとなった母親を探して、男の子がずっと旅を続けるというもの。「母をたずねて三千里」という話そのままである。何の変哲もない小道具だと思っていたら、これが、「笑う大天使」では、最後の最後に恐るべき効果を生む。
☆「笑う大天使」の設定
史緒の父親が亡くなった時、父親の母(史緒からすれば祖母)は、史緒の兄だけを伯爵家の跡取りとして母から取り上げ、伯爵家を追い出した。それ以来、史緒を育てるため、史緒の母は働き詰めに働いて、無理がたたってとうとう他界してしまった。
そこに現れた史緒の兄「司城一臣/伊勢谷友介」。
「早く僕が君をみつけてあげていたら・・・・・・」
と優しい言葉を史緒にかける。こんな大きな食卓の端と端では、声も届かないと思うけれども・・・・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/0f/e1f0e5eda9e3f2f41eefe2108cb6787f.jpg)
もう何も心配しなくていいのだよ、と言わんばかりに、史緒を良家の子女ばかりが通うお嬢様学校の聖ミカエル学園に転校させたのだった。それまでの庶民の暮らしから、上流社会へ投げ込まれた史緒の運命や如何に。
とは、いかにも、少女マンガにありそうな設定ではないか。何の新味もない。
ところが、これを原作者の「川原泉」は、ざっくりと見慣れない角度から切り開いて見せてくれるのである。
物語を最も安易に展開できる方法は、主人公に敵対する悪役を作ることである。主人公に様々な障害をぶつけてくる悪役。「笑う大天使」であれば、クラスメートに虐められる設定などは、それこそ誰にでも思いつく最も簡単な方法であろう。お嬢様学校なのだから、史緒に対する陰湿ないじめなどが観客の嗜虐心を煽って最適であろう。例えば、着換えの下着を隠すとか、バレエシューズの中に押しピンを入れておくとか、縄で縛ってあんなことやこんなことを・・・・・・、うへへへ。
あっ、わたしの趣味を書く局面ではなかった。
かように、安易な方法もあるにも拘らず、この「笑う大天使」の中では、クラスメートも突然現れた兄も、また、クラスメートの親やよく悪役に使われる学園理事長ですらも、みんな善人なのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/0e/6929199ed5e276c1ef620a9ead8a4403.jpg)
不気味な黒い犬ダミアンですら、史緒たちの味方なのだ。確か、欧米では黒い犬は、悪魔の使いとされていたよなぁ・・・・・・。
そんな状況の中で、物語は、実になごやかに、ゆるく進行していく。敢えて、このような設定にすることは、確かに斬新ではあるが、ある意味、拍子抜けである。いじめなんか、なーんにもないのである。クラスメートは、全員、お上品で、それこそ人を疑うことを知らない、無垢の世間知らずのお嬢様ばかりなのである。これでは、史緒でなくたって退屈だ。ストレスも溜まる。
家では、専属の料理人が、毎日、腕によりをかけてフランス料理のフルコースを用意してくれているのだが、おかあちゃんがいつも作ってくれていた庶民の食事が好きな彼女は、全然、食欲が出ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/3f/f9d5a3304d0fa0826a4fa0bef90a14f3.jpg)
手もつけないで、それを残してしまう。
兄が、また抜けている。少食の性質かって訊くんだから。
オーマイゴッド。わたしなら、むしゃむしゃ食べるけどね。史緒は、所詮、まだ苦労が足りないよ。これで、おなか空いたなー。力が出ないよって言っても説得力ないし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/bd/d7d17b69a66ebe01744b8fae36c569d0.jpg)
とうとう切れた史緒は、授業を抜け出して、野外で焚き火をして、何をするのかと思ったら、お湯を沸かして、チキンラーメンを食べるという暴挙にでる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/be/1d91d87d9e6f3a1ff7d573a5ddf6c9cc.jpg)
このチキンラーメン、作者には、特別の思い入れがあるらしい。それと、ムギチョコ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/82/9b4b44ae16c4293dd73006a4ce33ed6e.jpg)
なんだかなぁ。作者の青春時代が透けて見えるようではないか。受験勉強で、夜食に食べていたのが、チキンラーメンとムギチョコなんだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/19/bc1c8421c9e8e4cb525ddf7aac7a57f9.jpg)
こういう心象風景が、ところどころで、ぼうっと浮かび上がる。それが、この作品の憎めない味になっているのだ。
☆ゆるい展開がそこはかとなく笑いを誘う
このわたしが、途中で眠りもせずに、最後まで見通すことができたのは、ここぞというポイントで的確に投入される絶妙の台詞のせいだ。
シスター・マレーナが聖書の中に、学生たちの写真を隠し持っているのをみつけて、
「ひょっとして、シスターはバラ?」(正解は百合)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/b5/44e9de65942bfff78a117df21ce526a1.jpg)
チキンラーメンを食べたり、お嬢様言葉をかなぐり捨てた後で、
「餌のいらない猫を飼ってる?」(それを猫かぶりという)
「どうして女性とのデートに、わたしをお誘いなさるのか判りませんが、みなさん不愉快そうになさいます。これからは是非3人ではなく、お2人でいらっしゃってくださいね」という史緒の言葉に対して、一臣は、「なんだ、史緒さんは兄妹2人きりで外出したいというのですね、いいでしょう、今度から、そうしましょう。でも、兄妹2人きりというのは、気持ち悪くありませんか」「阿呆やわ、こいつ」
史緒の奇跡のパワーがここで炸裂!!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/92/ca20135beb2fe61e587021319c12834d.jpg)
実は、このパワーは、例のチキンラーメン隠れ食い事件の3人ともに授かっていたのだ。彼女も、ほれこのとおり。強力な電磁パルスを発生する特殊能力で強盗を撃退。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/0c/9943520379497764d9e8b4171f20c6d9.jpg)
こんな調子で、爆笑というほどではないが、味のある緩い笑いが込み上げてくる。こういう感覚は、以前に観た「インストール」という作品で味わったことがある。
のんびりとしてゆるい感覚の作品であり、まことに平和的だ。
☆見所
冒頭に出てくる大天使ミカエルのドラゴン退治の伝説。3人の処女を守るために、天から降りてきたミカエルは、どのような関連があるのか。
つまりは、前半に張られた「良家の子女誘拐」の伏線は、聖ミカエル学園のお嬢様たちに襲い掛かる魔の手につながっていく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/11/99e11f355bd788c483d65c67d03bfd8a.jpg)
そして、史緒たちが突然得た驚異的パワーこそが、大天使ミカエルの奇跡だったという訳だ。史緒たち3人は、この奇跡のパワーを使って、誘拐されたクラスメートたちを無事に救い出す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/1a/e746ab22d2c01e58cec42ee0fafeadfc.jpg)
でもね、この巨大化は、いくらなんでもやりすぎじゃない? 唐突過ぎて笑ってしまった。
☆泣き所
もちろん「母を訪ねて三千里」のノリですよ。
貧乏な生活を強いられていた母が、自分の化粧品すら買わないのに、何故か森江賢一の作品だけは、出版されると同時に買ってくると言う。ハードカバーの新刊書ですよ。これは、高いのです。それも、大切に大切に読み込んでいる。本の擦り切れ方で、どんな読み方をしていたかは、容易に想像がつく。それこそ、愛しく舐めるように読んだに違いない。一言一句、暗記できるほど、何度も何度も読み込んだに違いないのだ。
一体、何故、母は、この本をそこまで愛読したのだろうか。
最後にポンと投げ出される兄妹の会話。
「そう言えば、お兄様のお仕事って、何なのですか」
「小説家だよ。森江賢一という・・・・・・」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/63/41bb9deb0d0b30c3be0cc33e659d4746.jpg)
それまでのあまりに平坦な平和的なゆるいストーリー展開に慣らされていたわたしは、この急激な感情の揺さぶりに耐えられなかった。
子は子で、母を思う気持ちを小説にし、母は母で名乗り出もしないで、遠くからその作品だけを愛しく見守っている。この深い愛情を見せ付けられたら、泣かずにはいられなかったです。
ねっ、なかなかいいエンディングでしょう?
ところで、笑う大天使とは、誰のことか。多分、あの黒い犬ダミアン。
ほらほら、このシーン。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/a4/5ebd17dfede887e2e5677ba9f99fb70b.jpg)
隅っこにダミアンが写ってるでしょう。怪しいのですよ、ダミアンは。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/6a/59a6125dae6a69c9e9027ccdf4ce5bec.jpg)
それに、最後に白い羽が生えてたから。これって、コンスタンティンのおまけ映像のノリだと思いませんこと?・・・ひぇ~、あたしまでお嬢様言葉になっちゃった。
時間と心に余裕のある時に、鑑賞するにはとても良い作品だと思います。
しかし、そうでない時は、・・・忙しい現代人はそうでない時の方が多いでしょう・・・あまりお勧めしません。途中で切れて暴れることになっても、当方は一切責任を持てません。
また、思いっ切り少女趣味を満喫したい方、いわゆる「萌え」たい方には、最適の作品かもしれません。
観客を選ぶ作品とも言えるでしょう。
いずれにせよ、スウィングガールの上野樹里の好演が目立った作品でした。
minaのお勧め度・・・ハート1個半![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart.gif)
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友人から、お正月に観るのに相応しい「ゆるくて」「のんびり」「ほんわか」「幸せ」な気持ちになれる作品だと情報を得ていたからだ。
とりわけ「男」とか「恋愛沙汰」とかそういうことに敏感になっているわたしには、これくらい「癒し」となる作品はないだろうとまで言われた。
ふーん、そうなの。そんなに云うのなら、観てみましょう。
観始めて、しまったと思った。
これって、まるっきり少女マンガのノリじゃないの。わたしは、こういうのが苦手なのである。少女フレンドとかマーガレット、りぼん、なかよしなどの少女漫画雑誌から卒業して、もう相当な年月が経っている。・・・えっ、廃刊になっているものもあるって?
勧めてくれた彼女は、わたしにこう言いたかったのかもしれない。
「男より女友達でしょ」・・・少女趣味への回帰かぁ。とほほ
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「アレクの紋章」
「森江賢一」
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「アレクの紋章」は、主人公「司城史緒/上野樹里」の亡母の形見の本で、著者は「森江賢一」、そのストーリーは、エンディング間近になって、史緒の口から語られる。
生き別れとなった母親を探して、男の子がずっと旅を続けるというもの。「母をたずねて三千里」という話そのままである。何の変哲もない小道具だと思っていたら、これが、「笑う大天使」では、最後の最後に恐るべき効果を生む。
☆「笑う大天使」の設定
史緒の父親が亡くなった時、父親の母(史緒からすれば祖母)は、史緒の兄だけを伯爵家の跡取りとして母から取り上げ、伯爵家を追い出した。それ以来、史緒を育てるため、史緒の母は働き詰めに働いて、無理がたたってとうとう他界してしまった。
そこに現れた史緒の兄「司城一臣/伊勢谷友介」。
「早く僕が君をみつけてあげていたら・・・・・・」
と優しい言葉を史緒にかける。こんな大きな食卓の端と端では、声も届かないと思うけれども・・・・・・。
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もう何も心配しなくていいのだよ、と言わんばかりに、史緒を良家の子女ばかりが通うお嬢様学校の聖ミカエル学園に転校させたのだった。それまでの庶民の暮らしから、上流社会へ投げ込まれた史緒の運命や如何に。
とは、いかにも、少女マンガにありそうな設定ではないか。何の新味もない。
ところが、これを原作者の「川原泉」は、ざっくりと見慣れない角度から切り開いて見せてくれるのである。
物語を最も安易に展開できる方法は、主人公に敵対する悪役を作ることである。主人公に様々な障害をぶつけてくる悪役。「笑う大天使」であれば、クラスメートに虐められる設定などは、それこそ誰にでも思いつく最も簡単な方法であろう。お嬢様学校なのだから、史緒に対する陰湿ないじめなどが観客の嗜虐心を煽って最適であろう。例えば、着換えの下着を隠すとか、バレエシューズの中に押しピンを入れておくとか、縄で縛ってあんなことやこんなことを・・・・・・、うへへへ。
あっ、わたしの趣味を書く局面ではなかった。
かように、安易な方法もあるにも拘らず、この「笑う大天使」の中では、クラスメートも突然現れた兄も、また、クラスメートの親やよく悪役に使われる学園理事長ですらも、みんな善人なのである。
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不気味な黒い犬ダミアンですら、史緒たちの味方なのだ。確か、欧米では黒い犬は、悪魔の使いとされていたよなぁ・・・・・・。
そんな状況の中で、物語は、実になごやかに、ゆるく進行していく。敢えて、このような設定にすることは、確かに斬新ではあるが、ある意味、拍子抜けである。いじめなんか、なーんにもないのである。クラスメートは、全員、お上品で、それこそ人を疑うことを知らない、無垢の世間知らずのお嬢様ばかりなのである。これでは、史緒でなくたって退屈だ。ストレスも溜まる。
家では、専属の料理人が、毎日、腕によりをかけてフランス料理のフルコースを用意してくれているのだが、おかあちゃんがいつも作ってくれていた庶民の食事が好きな彼女は、全然、食欲が出ない。
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手もつけないで、それを残してしまう。
兄が、また抜けている。少食の性質かって訊くんだから。
オーマイゴッド。わたしなら、むしゃむしゃ食べるけどね。史緒は、所詮、まだ苦労が足りないよ。これで、おなか空いたなー。力が出ないよって言っても説得力ないし。
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とうとう切れた史緒は、授業を抜け出して、野外で焚き火をして、何をするのかと思ったら、お湯を沸かして、チキンラーメンを食べるという暴挙にでる。
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このチキンラーメン、作者には、特別の思い入れがあるらしい。それと、ムギチョコ。
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なんだかなぁ。作者の青春時代が透けて見えるようではないか。受験勉強で、夜食に食べていたのが、チキンラーメンとムギチョコなんだろう。
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こういう心象風景が、ところどころで、ぼうっと浮かび上がる。それが、この作品の憎めない味になっているのだ。
☆ゆるい展開がそこはかとなく笑いを誘う
このわたしが、途中で眠りもせずに、最後まで見通すことができたのは、ここぞというポイントで的確に投入される絶妙の台詞のせいだ。
シスター・マレーナが聖書の中に、学生たちの写真を隠し持っているのをみつけて、
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チキンラーメンを食べたり、お嬢様言葉をかなぐり捨てた後で、
「餌のいらない猫を飼ってる?」(それを猫かぶりという)
「どうして女性とのデートに、わたしをお誘いなさるのか判りませんが、みなさん不愉快そうになさいます。これからは是非3人ではなく、お2人でいらっしゃってくださいね」という史緒の言葉に対して、一臣は、「なんだ、史緒さんは兄妹2人きりで外出したいというのですね、いいでしょう、今度から、そうしましょう。でも、兄妹2人きりというのは、気持ち悪くありませんか」「阿呆やわ、こいつ」
史緒の奇跡のパワーがここで炸裂!!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/92/ca20135beb2fe61e587021319c12834d.jpg)
実は、このパワーは、例のチキンラーメン隠れ食い事件の3人ともに授かっていたのだ。彼女も、ほれこのとおり。強力な電磁パルスを発生する特殊能力で強盗を撃退。
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こんな調子で、爆笑というほどではないが、味のある緩い笑いが込み上げてくる。こういう感覚は、以前に観た「インストール」という作品で味わったことがある。
のんびりとしてゆるい感覚の作品であり、まことに平和的だ。
☆見所
冒頭に出てくる大天使ミカエルのドラゴン退治の伝説。3人の処女を守るために、天から降りてきたミカエルは、どのような関連があるのか。
つまりは、前半に張られた「良家の子女誘拐」の伏線は、聖ミカエル学園のお嬢様たちに襲い掛かる魔の手につながっていく。
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そして、史緒たちが突然得た驚異的パワーこそが、大天使ミカエルの奇跡だったという訳だ。史緒たち3人は、この奇跡のパワーを使って、誘拐されたクラスメートたちを無事に救い出す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/1a/e746ab22d2c01e58cec42ee0fafeadfc.jpg)
でもね、この巨大化は、いくらなんでもやりすぎじゃない? 唐突過ぎて笑ってしまった。
☆泣き所
もちろん「母を訪ねて三千里」のノリですよ。
貧乏な生活を強いられていた母が、自分の化粧品すら買わないのに、何故か森江賢一の作品だけは、出版されると同時に買ってくると言う。ハードカバーの新刊書ですよ。これは、高いのです。それも、大切に大切に読み込んでいる。本の擦り切れ方で、どんな読み方をしていたかは、容易に想像がつく。それこそ、愛しく舐めるように読んだに違いない。一言一句、暗記できるほど、何度も何度も読み込んだに違いないのだ。
一体、何故、母は、この本をそこまで愛読したのだろうか。
最後にポンと投げ出される兄妹の会話。
「そう言えば、お兄様のお仕事って、何なのですか」
「小説家だよ。森江賢一という・・・・・・」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/63/41bb9deb0d0b30c3be0cc33e659d4746.jpg)
それまでのあまりに平坦な平和的なゆるいストーリー展開に慣らされていたわたしは、この急激な感情の揺さぶりに耐えられなかった。
子は子で、母を思う気持ちを小説にし、母は母で名乗り出もしないで、遠くからその作品だけを愛しく見守っている。この深い愛情を見せ付けられたら、泣かずにはいられなかったです。
ねっ、なかなかいいエンディングでしょう?
ところで、笑う大天使とは、誰のことか。多分、あの黒い犬ダミアン。
ほらほら、このシーン。
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隅っこにダミアンが写ってるでしょう。怪しいのですよ、ダミアンは。
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それに、最後に白い羽が生えてたから。これって、コンスタンティンのおまけ映像のノリだと思いませんこと?・・・ひぇ~、あたしまでお嬢様言葉になっちゃった。
時間と心に余裕のある時に、鑑賞するにはとても良い作品だと思います。
しかし、そうでない時は、・・・忙しい現代人はそうでない時の方が多いでしょう・・・あまりお勧めしません。途中で切れて暴れることになっても、当方は一切責任を持てません。
また、思いっ切り少女趣味を満喫したい方、いわゆる「萌え」たい方には、最適の作品かもしれません。
観客を選ぶ作品とも言えるでしょう。
いずれにせよ、スウィングガールの上野樹里の好演が目立った作品でした。
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巨大化、あれは確かにやりすぎだって思いましたね。
ダミアン、最初は悪の手先だと思っていました。
でも、こうやって画像を見せていただくと、もう一度見てもよいのかも…っていう気になります。もう二度と見るもんかって思っていたんですけど(^^;
こういうストーリーがあるようなないような作品は、おもしろかったのかそうでなかったのかがよく判らず、評価が難しいですよね。でも、何か気になってしようがない魅力があるんです。
スウィングガールの時もそうでしたけれど、樹里ちゃんの魅力ですかねぇ。
簡素な感想の自分と違って、読み応えのある文章、じっくり読んでしまいました。自分もコメディと思って観ててまさか泣かされるとは思っていなかったのでびっくりです。
樹里ちゃんはひいきの女優さんなので評価は甘いんですけど…
今後もかぶる記事がありましたらよろしくお願いします。
樹里ちゃん、こういう役は、ホントに上手いですよね!
また、寄らせてもらいますから、よろしくお願いします。
原作のファンだったのでやっと見ましたが、後半着いていけませんでした。
鯵の開きがチキンラーメンまでは許しますが、何故にこの乱闘シーンが必要だったのか・・・トホホです。
良かったのは、歩きながらの月かな。
原作にある、あの読後の幸福感というか、なんともいえない充足感は微塵も感じられないですものね。
何の意味もないはずの言葉は、妙に哲学的な響きを持った言葉に思えてくる、あの言葉の奇跡も、この映画には表現されていませんでした。
しかし、わたしのようにこの原作者を知らない、つまり「花とゆめ」の読者ではなかった人間も多いと思うのです。そういう人間には、この映画は彼女の存在をアピールするまたとない機会となったのではないでしょうか。例えば、NANAしかり、奇談しかり。
わたしも、この縁を機会に、彼女の作品を読みましたから。
月夜のシーンは、確かに大きな「三日月」がロマンチックでしたね。
この映画私のブログにもリンクさせていただいてるのですが、わたし実は、この映画の小田一生監督が、大学で教育実習生をやっていたころの教え子なのです!
映画監督になったと聞いたときはほんとびっくりしましたが、当時から非凡な才能を発揮していたので、(とにかく絵が上手かった!)監督になったのは自然な成り行きだったのだろうと思いました。
もともと特撮技術畑の監督なので、そういう演出になったようですが、原作好きなひとにとってはちょっと複雑な物があるようですね。
てか、ねぇねぇ、その、フィッシングって、いったい何なの??
ちゃんと、教えてyo!
「ヴィドゲンシュタイン」とか「クープランの組曲」とか「バビンスキー反応」なんて単語がでるけど、ぬるいコメディってところがいいです。
特撮はいいんですけれど、その辺の小ネタが削られたのは、ちょっと寂しかったですね。