minaの官能世界

今までのことは、なかったことにして。これから考えていきます。

紅蜘蛛女

2007年01月12日 | 映画鑑賞
「時間潰しになればいいなぁ」くらいの軽い気持ちで観始めた。最初こそ雑用をしながらの鑑賞だったが、まずは、主人公役の女優の美しさに惹きつけられて雑用の手が止まり、

次には、主人公の気持ちに共感を覚えて身を乗り出して観始め、

最後には、主人公に感情移入してしまい、画面の前に釘付けになっていた。

これは、間違いなく掘り出し物である。
主演女優は「坂上香織」・・・彼女は、とても綺麗だ。大人の女としての妖艶な美しさが発散していた。
彼女は、その裸身を「紅蜘蛛女」の中で惜しげもなく見せつける。

彼女の年を考えると、あの体型を維持するには、どれほどの労力を費やしているのだろうかと思わずにはいられない。念のため、お断りしておくが、この作品を魅力あるものにしているのは彼女の裸体だけではない。キャリアを積んできた彼女の演技力がこの作品を見応えあるものにしているのだ。この作品が、一般のAV作品と一線を画していると感じられるのは、それ故である。つまり、この作品は、彼女の演技力に裏打ちされた、まさに彼女の女としての魅力を存分に見せつけた作品といえる。

☆見所
由美は、夫を心から愛していた。彼女の独白から察するに、親同士が仕組んだ政略結婚ではあったが、それでも彼女は夫を愛していた。恐らく、幼馴染でもあったのだろう。深窓のお嬢様が男性と知り合う機会なんて、ごく限られた内輪の世界の中でしかない。その狭い世界の中で巡り合った彼に淡い恋心を抱き、それが親同士の認め合った許婚となれば、彼女の心の傾斜は半端ではなかっただろう。

それだけに、彼女の心はガラス細工のように繊細で壊れやすかったに違いないのだ。
その結末は、日の目を見るよりも明らかである。

裕福で社会的地位も高い男には、いくらでも女は群がってくる。お金目当ての女を卑しいと言わないで欲しい。男だって、お金になびくではないか。男より社会的に弱い女は、身体で勝負するしかないから仕方がないのだ。でも、「据え膳食わぬは、男の恥」というのは、既婚者には当てはまらないと日本国憲法に明記して欲しい。
何度か男に振られた経験が過去にあれば、打たれ強くもなる。しかし、残念ながら、由美はお嬢様なのである。ちやほやされるばかりで、そんな負け犬の人生経験はなかったのに違いなかった。
だから、由美は夫の裏切りを許すことができなかったのである。
その心の変遷を、坂上香織は、モノローグと表情の変化で見事に表現している。

由美の心情は、わたしには他人事には思えず、彼女の演じる由美にどんどんと惹きこまれていった。同化していったといってもよい。
夫を刺殺するときの恍惚感と歓喜に溢れた表情は、恐らく復讐を遂げた満足感からではなく、これで最愛の夫を取り戻すことができたという歪んだ達成感からだ。

殺すことによって、最愛の夫は、もはや別の女の許へは行くことができなくなった。自分だけのものに戻ったのだ。だからこそ、由美は夫の結婚指輪をした薬指を切り落として、逃亡先まで持ってきたのだ。

こうして由美の狂気は、どんどんと深刻化していく。逃亡先で知り合った行きずりのカメラマンのケニーと夫との区別がつかなくなってくる。
圧巻は、やはりこのシーン。

既に肉体関係を持った後なのに、ケニーは由美の名前を覚えていなかった。似たような経験がわたしにもある。行きずりの情事であったとしても、悲しく悔しいものだ。

それに対する報復が足の指の切断。

これなら、男は女の名前を二度と忘れないだろう。このシーンは痛快で、長年の胸のつかえがとれたような気がした。少なくとも、わたしはそうだった。しかも、傷が癒えるまでの当分の間、この男は逃げられない。ぞくぞくするような甘美な囁きがわたしを背徳の世界へ誘う。

☆独占欲について
最愛の夫の裏切りにあい、救いようのない孤独と絶望の中にいた由美にとって、その隙間を埋めてくれたケニーは、もはや一夜限りの行きずりの男ではなくなっていた。

ある意味、由美は非常に危険な女になっていた。わたしに言わせれば、淋しい女ほど危険なものはない。そうと気付かず、由美を抱いてしまったケニーは、地雷を踏んだも同然なのだ。
当然、由美は、ケニーが毎日会ってくれるものと思っていた。

ところが、ニキという恋人がいるケニーは、由美と会うつもりなど全くない。

何故、会ってくれないの、今、何をしているの。
募る焦燥感。これが、由美の歯止めの利かなくなった独占欲の源泉だ。
ケニーの跡をつけ、ニキとの情事を見届ける由美。

可愛いものね、わたしから逃げられると思っているの。
微笑みさえ浮かべる由美。
作品には、そのシーンは描かれていなかったけれど、わたしには、由美のその凄みのある微笑が見えたような気がした。

それも、全てを覚悟したうえでのことだったからだとしたら、由美の女の性が哀れではある。


おもしろかったです。というより、わたしの心境にぴったり。この主人公は、わたしのことではないかと思ったほどです。
個人的に、嗜好が物凄く一致した作品と申し上げておきましょう。
したがって、ハートは最高の3つを差し上げたいと思います。


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14 コメント

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おやっ (kurumi)
2007-01-13 15:45:57
女性の趣味、いいですな~
好きなタイプです

また見に来ます
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Unknown (エクスカリバー)
2007-01-14 08:14:56
デビューの頃ガミちゃんのファンだった人間から見ると、その後の路線変更はある意味辛かったですけれどね(苦笑)。
色々と壁にぶち当たったのでしょうけれど。
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kurumiさんへ (mina)
2007-01-14 09:42:59
はじめまして。
kurumiさんて、女の方ですよね。
ブログを読んで、そう思ったのは、わたしの勘違い?
まあ、性別なんて、どうでもいいのですけれど。
ホワイトカラー・エグゼンプションの記事には、共感しました。
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エクスカリバーさんへ (mina)
2007-01-14 09:46:40
やっと、気がつきました。
彼女、確かウルトラマンにも出演していた。
ウルトラマンコスモス!
どこかで観たなぁとは思っていたんです。
路線変更ねぇ。
デビュー当時は、アイドルだったそうですね。
彼女には、彼女なりの事情があったのでしょう。
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Unknown (エクスカリバー)
2007-01-14 14:02:09
確か中学1年でデビューして、その頃は後藤久美子や宮沢りえ、喜多嶋舞らと共に美少女として持て囃されてました。
デビュー時のPVは大林宣彦が監督だったし。
でも、その後はパッとしない存在になっちゃったんですが、イキナリ19歳の頃だったかにヌード写真集を出してビックリ。
『ウルトラマンコスモス』にも出てましたけど、舌足らずというか滑舌の悪い喋り方は相変わらず。ただ、コンスタントに仕事はこなしてるみたいですね。
それにしても勿体無い素材だったなぁ・・・。
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エクスカリバーさんへ (mina)
2007-01-14 14:38:59
後藤久美子や宮沢りえらと肩を並べていたんですって。ちょっとびっくり。
そう言えば、宮沢りえは、復活を遂げたからいいものの、他は鳴かずとばずですよね。
後藤久美子は、アレジと結婚して、海外逃亡してしまったし・・・・・・。
坂上香織のイメージで、一作、エロチックサイバーアクションものを書いてみたくなりました。
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ガミちゃん?? (猫姫少佐現品限り)
2007-01-27 12:50:27
へぇ~、、、知らなかった、、、アイドル。
mina ってかなり、危ない女だったのね。
てかあの切り取ったモノ、最初は指だとは、思いませんでした、、、
ぎゃははは!!
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猫姫さまへ (mina)
2007-01-28 10:53:26
そうです、わたしはかなり危険な女かもしれない。
しかし、「愛のコリーダ」の「阿部定」みたいに、男のシンボルをちょん切るなんてことはできないと思うなぁ。007カジノロワイヤルを観ても、あの拷問シーンは趣味じゃなかったし。
というか、kyokoは、あの切り取ったもの、指じゃなかったら、何だと思っていたの?
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なかなか知られてないんだな (tal)
2007-01-28 20:28:30
実は坂上香織・・・かなり好きです。こちらや猫姫さんところのコメント見て、知られてないんだな・・と思い、アイドル時代の映画の記事、TBしときます。でも僕は脱いでから好きになったけど(恥)。
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こんにちは! (@KOBA)
2007-01-28 21:07:31
怖い、怖い、怖い!
軽い気持ちでHしたケニーは良いけど、
ケニーの彼女、ニキがかわいそうでした。
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