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悪用

2008年02月10日 | 時事
生活保護の医療補助を悪用したとしか思えない出来事が相次いで発覚しました。

最初はこちら。
北海道・介護タク代詐取 暴力団風 市、言いなり(朝日新聞)

2月9日付朝日新聞より。
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始まりは06年3月だった。滝川市出身で、いったん札幌市に移っていた容疑者夫婦が滝川市に転入。「病気で働けない」などとして生活保護の認定を受けた。

滝川―札幌1往復で30万円前後というタクシー代金の詐取は、転入後すぐに始まったとされる。札幌市の主治医は「疾患は重く、地元ではなく慣れた医師が診る方が良い」「入院ではなく、通院が望ましい」という判断を示したといい、これが請求の根拠にされた。

しかし、道警の調べでは、滝川―札幌間の通院の事実自体がほとんどなかった。夫婦は滝川市内の家とは別に札幌にもマンションを構え、ここから通院していたという。
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次はこちら。
生活保護男性が新幹線・飛行機通院、10か月438万受給(読売新聞) - goo ニュース

2月10日読売新聞より。
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府などによると、男性は40歳代で、十数年前から精神疾患のため府内の病院に通院。2006年6月から生活保護を受給し始めた。同年8月に東京都内の病院を受診したが、「医師と合わない」として、同10月からは福岡市内の病院に7回通院。妻が付き添い、大阪空港や関西空港までタクシーを使ったうえで飛行機で往復していた。

このほか、愛知県や神戸市の病院に新幹線やタクシーを使って通院。生活保護受給を終える07年3月までの10か月間に、5都府県の病院で200回以上診察を受け、総額438万円の交通費を受給した。
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朝日新聞の同じ記事からの引用によると、北海道の例では、
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市は、当初から元暴力団組員であることを把握しており、「見るからに『それ風』で威圧的だった」(市職員)。
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だそうです。


「それ風」の人には何をされるのかわからないから生活保護を申請されれば認め、
明らかにおかしいと思われる医療機関への交通費請求も受付。
一方の大阪の例も「それ風」の人ではないものの、尋常ではない交通費の支給。
行政相手にはゴネたほうが勝ち、行政の人が怖いと思ってしまう人の勝ち、という
印象を強くするだけです。

生活保護は本当に困っている人のためにあるのでは?
こんな乱用・悪用される一部の卑怯な人のために、生活保護は存在するのでは
ありません。
保護を打ち切られてしまい、亡くなった男性がいましたが、浮かばれないですね。

こういう事件が相次いで発覚すると、「じゃあ支給を厳しくしましょう」となって
本当に必要でタクシーを使っている人や、本当にそこの医療機関に通う必要が
ある人まで規制対象になるんでしょうね。

「法律は弱者の見方ではなく、法律を知っている人の見方だ」と聞いたことが
ありますが、「行政も弱者の見方ではなく、うまく立ち回る人の見方」なんだと
つくづく思い知らされました。

行政の方。短絡的に規制を強めるだけでしょうが、少なくともこれは頼みます。
「健康で文化的な最低限度の生活」は守ってください。
全国民に保障されています。お願いです。