⊂FREESPACE⊃

なんと6年越しの復活。
ケドメ(旧名 ミッチ・ミキハラ/MIC(H))の活動報告拠点にでもしようと思います。

いがらしみきおモダンホラー傑作集 ガンジョリ - いがらしみきお

2008年01月15日 | ◎ざっくりモノモノ感想
前の日の記事のレスに
暗いのはダメと書いておいて
こういうのはしっかり読んじゃうんだぜ。
ま、しっかり娯楽作だし、妹が買ってきたものですけど。
名前のとおり、『ぼのぼの』が有名な
いがらしみきおのホラー作品を集めた短編集です。
(個人的には『忍ペンまん丸』がなじみ深いです)

個人的には"観音哀歌(エレジー)"の
ホラーともコメディとも風刺とも似つかない
独特の雰囲気がすごく好きです。
人間のしょうもない部分を悲観的に嘆くんじゃなくて、
「ま、そういうのもアリじゃん?」と
おもしろがって描いているのに
なんとなく共感するところがあります。
結果的に人間以外の意思が何も働いていないというのも
怪奇現象ものの話としては異色なのでは。

ほかのホラー作品は、プロットだけを見ると
さして斬新なものではないんですが、
いがらしみきお独特の
描線、擬音表現が妙に生々しくて、
あの絵でホラーを描くと言うだけで
成立してしまうんですよねえ。
あと、こっちでの人間描写もリアルなんだけど
やっぱりあんまり内面的なところには
踏み込んでいない感じ。
"みんなサイボー"はその距離感を
そのまま作品にしてしまったような内容です。
あくまで娯楽作品ということで
割り切って描いてる・・・だけとは
オイラは思いませんでしたけど、考えすぎかなあ。

そんなにオイラはホラーに詳しいわけじゃないんで
怖さについては保証できませんが、
いがらしみきお作品とその描写に興味があれば
一読の価値はあるんじゃないかな、と思います。