⊂FREESPACE⊃

なんと6年越しの復活。
ケドメ(旧名 ミッチ・ミキハラ/MIC(H))の活動報告拠点にでもしようと思います。

drummania (ドラムマニア)

2007年02月22日 | ●音楽ゲーム回想録

・『drummania』オイラなりの解説
『beatmania』のヒットを受けて、
コナミは自社発売の音楽ゲームに
"BEMANI"のブランド名を冠し、
さまざまな楽器やシチュエーションを題材とした
ゲームをつぎつぎに送り出していくが、
本作『drummania』はドラムがテーマとした商品。
ドラム
の入力デバイスには
YAMAHA製のドラムパッドを採用しているほか、
キック用のデバイスも搭載されており、
数あるBEMANIブランドの音楽ゲームの中でも
ひときわリアル志向が強く感じられる。
それゆえに操作に慣れるまでには
相応の時間と経費が必要となるためか、
当初の反響は比較的おとなしいものだったが、
少しずつ上級者も増えはじめると、
徐々に注目が集まるようになった。
ギター(ベース)が題材の『GUITAR FREAKS』シリーズと連動して
セッションプレイを楽しめることも売りのひとつ。



これ、こんなに早い時期にリリースされてたんですね・・・。
『beatmania』から3、4年は経ってからの
リリースと感じていたんですが。
いやあ、時間の感じ方が当時とぜんぜん違いますわ。
あ、ちなみに時系列的にすっ飛ばしている音ゲーもありますが、
それはオイラがその時点でまだ遊んでいなかったり、
とくに思い入れがないものだったりするので、
とりあえず割愛してあります。

オイラはむかしから、なんの因果か
リズムというものに妙なこだわりがありまして。
実際のドラムスなんか中学校の吹奏楽で
ちょこーーーーーっとやった程度なのに
「これ(『drummania』)は俺のためにあるゲームだ!」
なんて思い込んでいて、
へんな期待のしかたをしていたような気がします。
今よりずっと妄想癖が強かったですしね。
時すでに19歳にもなっていたのに。

ま、それはさておき、実際に遊んでみての感想としても、
やはり最初のころはキックにとにかくまごついていて、
(暗譜して実践するのとオブジェで見て反応するのとでは
 また別の話です)
正直、あまりおもしろいとは感じていなかったように思います。
以前のオイラなら、そのまま遊ぶのをやめても
おかしくなかったのですが、
第一印象があまり良くなかったのは
『beatmania』でも『DDR』でもいっしょのことでしたし、
また前述の「このゲームは俺のためにある!」という思い込みも手伝い、
根気よく続けることにしました。

・・・にしても、苦労しましたけどね。
なにせ自分自身が先人なのです、今回に限っては。
初心者の難関かつ、もっともキャッチーな曲と言える
"ACROSS THE NIGHTMARE"までがんばる人は多かったのですが、
そこで満足してしまうのか、
上位クラスの「REALモード」で遊んでいる人を見かけることは
リアルタイムではあまりありませんでした。
となると、他の人のモーションを参考にしたり、
うしろから譜面を盗み見するなどの機会はほとんどありません。
苦行のように感じた瞬間も、ないことはないです。

しかし、このゲームについては、
難易度が高ければ高いほど、こなせた時の
快感のフィードバックも確実に大きいことに気づきはじめ、
少しずつ、本心からのめりこむようになっていきます。
とくにサウンドトラックが発売されると、
楽曲自体が持つ魅力にも改めて心動かされ、
(この初代作はあからさまにハードロックに寄っていない点でも
 個人的嗜好に合うものになりました)
気がつけば「REALモード」の制覇などはあっという間で、
隠しモードの「EXPERT REAL」を必死にやりこむ毎日になりました。
しまいには、
「『DDR』なんて足を動かすだけで音を鳴らせるわけでもないし」
なんて暴言も・・・はい、
『DDR』にハマっていたときの『beatmania』に対する暴言と
いっしょのケースでございます。あはははは。

『drummania』シリーズはオイラに何か強い展望を
与えてくれたというわけでは決してなかったのですが、
その後もずっと遊びつづけています。
そしてなんとなく、BEMANIシリーズに付き合ううえでは、
このシリーズが最後の砦になる、とも感じています。
最高難易度の譜面がつねに「正解」、という
特異さも関係していますが、
数ある音楽ゲームのなかでも
修行中にツラい時期の多かった本シリーズへの愛着が、
オイラにとってはとくに強いからなのかもしれません。


beatmania GB

2007年01月20日 | ●音楽ゲーム回想録

・『beatmania GB』オイラなりの解説
『beatmania』シリーズが盛り上がりを見せていたころに
ゲームボーイ(モノクロ、カラー両対応)用に発売されたソフト。
アーケード版に収録されていた楽曲の移植と、
本作オリジナルの楽曲が半々で収録されている。
本格的なサウンドが売りの『beatmania』シリーズであっただけに
貧弱な音源しか持たないゲームボーイへの移植には懸念の声があり、
関心を示さない者も多かったが、
収録された楽曲には
音源の特性を最大限に活用したアレンジがなされており、
またそのローテクさゆえの独特の発声は
不思議な魅力を放っているとして意外な評判があった。
シーケンス配置にもゲームボーイのボタン配列を考慮し
遊びやすく、しかしやりごたえがあるように
工夫がほどこされている。
実際に遊んだプレイヤーからは佳作として評価されることが多い。


これ『GOTTAMIX』より前の発売だったんですね。
記憶があいまいで、夏かと思ったんですが・・・。
あわてて紹介してみます。

このソフト、半分は衝動買いだったと思います。
オイラも『ビーマニポケット』やらには懐疑的でしたし
(こちらも実は評価がけっこう高い)、
ブームに踊らされる感覚もないことはなかったです。
ただ、コナミという会社はファミコン、MSX時代に、
独自の音源チップをソフトに搭載するという
力技を見せたことを知っていたので、
本作『beatmania GB』でもひょっとしたら
それくらいはやってくれるかも、と淡い期待もあったのでした。
雑誌での評価も、意外と高いものでしたし。

買ってきてゲームスタート。
プレイステーション版のタイトル画面の音楽が流れる
・・・わけですが、
やはりというか、第一印象としてはあまりにもヘナヘナな音で、
だいぶ不安になったことを憶えています。
前述のとおり、また音源搭載をかましてくれるかもなんて
思っていただけにギャップも激しかったです
(現実には、コナミが自社の工場でソフトを生産できた
 ファミコン、MSXとは事情が違うんで、
 ゲームボーイソフトに音源搭載なんてできっこないんですが)。

とはいえ、オイラはもともと
"劣化移植"というものに奇妙な好奇心があったので、
それはそれと受け取って、
その時点でも結構おもしろがっていました。
ロービット音源にも愛着はありましたしね。
世間には理解されないだろうとは思ってましたが・・・。
ゲームを進めていくうちに、
これは多くの人がやるべきだ、と
考えを改めるようになりました。

ようは解説で書いたことの繰り返しなのですが、
スタッフがロービットであることに腐らず、むしろ逆手に取り、
しっかり作り込んでいることが伝わってくる作品なのでした。
やはりゲームボーイの単純波形による発声には
確実な魅力があり、
移植曲の一部についてはこの『GB』バージョンが
一番好きという楽曲すらあります。
特筆すべきはオリジナル曲のクオリティで、
「移植」の縛りがないだけに
音源の特性が研究しつくされたアレンジの曲が多く、
とくに"Kiiroi Kobin (JAZZ)"の音色の再現度の高さには
今でも深く感心してしまいます。
オブジェ配置もアーケード版に負けず劣らず
特徴的なものが多かったように思います。
アーケード移植曲の譜面アレンジもていねいでした。

このソフトは一番知り合いに
すすめやすかったソフトでもあります。
テレビも専用コントローラーも必要のない手軽さは
気軽に手渡してやらせてみるにはもってこいでした。
難易度も比較的控えめで、
音ゲーはほとんどやらない下の妹も
このソフトだけはけっこうやり込んでいたようです。
記憶が確かなら全曲クリアできていたはず。
クラブミュージックの文法からは
当時最も逸脱していた作品ですし、
多くのアーケード派のプレイヤーからはやはり
見向きもされないソフトでしたが、
隠れた名作として語り継ごうと
妙な決心をしたものでありました。

まさかそのわずか数年後に、
ロービットゲーム機の音源が本当に
音楽界を席巻することになるなどとは、
思ってもみませんでしたが・・・。


beatmania append GOTTAMIX

2007年01月12日 | ●音楽ゲーム回想録

・『beatmania append GOTTAMIX』オイラなりの解説
プレイステーション版『beatmania』には、
『2ndMIX』の曲を楽しめる本体ディスクのほか、
電源を入れた状態でディスクの交換を行うことで
違う楽曲セットを楽しめる「アペンドディスク」が存在し、
そのディスクは通常のプレイステーションソフトの
半額程度で販売されていた。
これはルールやシステムに大幅な改変がないまま
曲を一新して「新作」とすることが多い同シリーズを、
効率よくプレイヤーに提供する仕組みとして画期的な試みだった。
本作『GOTTAMIX』は、アーケード版にはない
オリジナルの楽曲データを収録したディスク。
本流のクラブミュージックからは
若干外れた視点からのアプローチがなされた楽曲が多く、
その方法論も多彩であり、
『GOTTAMIX』の名に恥じない
バラエティ豊かな編成となっている。
言わば外伝的な作品であったにも関わらず、
アーケード版に引けを取らない人気と評判があり、
多くの曲がアーケード版の各作品に逆移植されている。


内容に対する思い入れももちろんあるんですけど、
個人的には、ゲーム雑誌での紹介記事が
特に頭に残っているんですよね。
発表されたタイミングはまだ
『4thMIX』も稼動していないころだったと記憶してますが、
今度はどのような未知の音楽を体験させてくれるのか、と
どうしようもなくワクワクしていました。

とくに憶えているのは、
その画面写真にうつっていたオブジェ配置です。
当然フレーズの一部分が
ちょこっと載っていただけだったのですが、
こんな曲だろうか、という妄想が
どんどんふくらんでいきました。
"GENOM SCREAMS (PSYCHEDELIC TRANCE)"
"HELL SCAPER (※GABBAH)"の2曲の
紹介記事のそれは特に印象的で、
プレイするのをかなり楽しみにしていましたね。
(前者は『4thMIX』に先行収録されてしまいましたが)
今でもあのような、見ただけでワクワクさせるような
オブジェ配置にはあこがれてしまいます。

実際に遊んだときにも
意外性、キャッチーさにあふれた曲の連続で、かなり楽しみました。
それほど『beatmania』シリーズに深入りしていない妹も、
本作はかなり積極的に遊んでいたのを憶えています。
"HUNTING FOR YOU(R&B)"のような人気曲はもちろん、
"E-Girlia(HIP HOP)""RVTK-1(BIG BEAT)"のような
通向けのトラックも気にいっていたようですし
(こういう通向けのトラックが低難易度に集中していたことも
 けっこう重要だったと思います)、
"MANMACHINE PLAYS JAZZ(JAZZ ELECTRO)"という
かなり高難易度なトラックも
トレーニングモードでかなり修行をして
こなせるまでになっていました。

この『GOTTAMIX』は
リリースされた当時は、これでもそのポップさから
「軟弱」という評価を下した人もいて、
オイラも若気の至りながらそっちの流れに
乗っかりかかっていましたが、
本質をとことん追求しようとした『4thMIX』と
本質を掴みつつ、娯楽性も自然に取り入れた『GOTTAMIX』、
いま真に再評価されるべきは本作のほうなんじゃないか、
なんて思ってます。
もともと評価は高いですけど、もっと、という意味で。

通から軽蔑されまくった"GENOM SCREAMS"の配置には
オイラはかなりの影響を受けましたし、
それ以上に軽蔑された"HELL SCAPER"をきっかけに
ハードコアに目覚め、それが高じて
本当にハードコアDJになってしまったなんて人もいます。
このソフトは『beatmania』初見の友達の食いつきも
かなり良かったですし、
妹も含め、思い出話で盛り上がれる音ゲーの
数少ないひとつになっています。
こういう「イイ話」がいっぱいできてこそ、
優れた作品と言えるんじゃないでしょうか。

いや、ま、オイラが他のソフトにまつわる「イイ話」を
たまたま耳にしていないだけかもしれませんけどね。


※"GABBAH"
有名なスペルミス。ガバというジャンルは本当は
"GABBA""GABBAR"と表記します。


バスト・ア・ムーブ2 ダンス天国MIX

2006年12月01日 | ●音楽ゲーム回想録

・『バスト・ア・ムーブ2 ダンス天国MIX』オイラなりの解説

前作がスマッシュヒットを飛ばした
エニックス発音楽ゲーム、『バスト・ア・ムーブ』の第2作。
基本システムはそのままに、
"ジャスト""ジャマー返し""運だけシステム"など
新たな駆け引き要素が追加された。
演出上の仕掛けにもさらに凝ったものが用意されている。
前作との最大の違いは楽曲群で、
あえてクラシックなレイヴを意識した前作に対し、
本作では当時国内最先端のクラブシーンを反映。
ソニー・ミュージック・エンターテインメント・ジャパンとのタイアップで、
多くの著名アーティストたちが
全曲書き下ろしで楽曲提供を行った。
しかし、前作の娯楽路線を期待していたファンからの評価は芳しくなく、
ゲーム内容の大筋が前作とほとんど変わらないということもあってか、
ヒットには至らなかった。

余談だが、このソフトからちょうど一週間後に発売される
家庭用『DDR』のマットコントローラーに、確信犯的に対応させている。
(マニュアルによると、イージーモードは"踊りながらブレイできる"らしい・・・)



なんだかくやしかったなあ、これは。
かなり不当な評価を受けたソフトとして
オイラの脳裏に焼きついてしまっています。
実際はそれほど嫌われているわけでも
なかったようなんですけれども。
一週間後の『DDR』の影に隠れちゃいましたしね。

オイラはやりはじめたころは
参加しているアーティストの詳細なんか知りませんでしたが、
もう嫌いな曲が一個もないんですよね。
さすがにプレイを始めた当初は
完全に違う楽曲の方向性にオイラもとまどいましたが、
ともすればグルーヴに"引っ張られる"感覚があった前作に対し、
本作のグルーヴは能動的に"乗っかる"感覚で、
4拍めのインパクト以外のリズムが
プレイヤーにゆだねられているこのシリーズのルールに
非常にマッチしているように思えたのです。

で、アーティストについて詳しくわかるようになると
それはもう、そうそうたるメンツなんです。
コーザノストラを筆頭に福富幸宏、
DJ HASEBE、ジョジョカ、モーリス・ホワイト・・・

そんな人たちが全曲書き下ろし、です。
とくにコーザノストラについては
各メンバーを分散させた上で、ソロワーク、ゲストヴォーカルなど
多彩な役割を見せており、その本気ぶりをかいま見ることができます。
スクウェア・)エニックスという会社は
たまに採算が取れるのかもわからない
豪華なメンツのゲームを発売しますが、
(去年あった『ヘビーメタルサンダー』なんかその極みです)
このゲームも、そういう流れのひとつと言っていいでしょう。
ちなみに、一年後にはやや参加メンバーが重複する
『beatmania ClubMIX』がリリースされますが、
そちらは既存曲の版権を取って収録、というものも多かったです。

ところが、一般プレイヤーからの反応は前述のとおりイマイチで、

ゲーム誌のレビューやらもこぞって
「曲が悪い」とか全否定気味に書いてましたからね。
「好みに合わない」ならまだしも。
「ヒートは炎をイメージしたキャラなのに
 なんでステージ曲がミディアムテンポなの?」なんてのもあって、
これはもう・・・かなり根に持ってますね。

まあ確かに、ゲームのほうは前作からの差別化を計ろうとしすぎて
消化不良ぎみになっちゃったところもあるとは思いますが、
ステージギミックとか、キャラの立ち方とか、
好きな部分いっぱいあるんですよねえ。
通じにくいシャレもけっこうありましたけどね。
ロボZゴールドという本来ヴォーギングスタイルのキャラが
気がつくとアフリカンダンスを踊っている、とか。

そんなわけで、ちょっとした判官びいきも手伝いつつも
かなりの思い入れがあるゲームです。
のちに、オイラはその思いのたけを
収録曲のひとつをリミックスして
音ゲーコンピレーションCDの公募にアタックする、
という行為で示したわけですが、
(身内コネもあったし、今聴くとテクノの某有名曲を
 無意識におもっくそパクっていたフレーズがあって
 ちょっとしたキズものなんですけどね。)
わりとお気に入りの曲のひとつになってますね。

あ、そうそう、このゲームはあとから
アーケード版に逆移植されてます。
知ってる人がほっとんどいなくて誰かには
「『テクノヴェルク』なみ」、とか言われましたけど。


20,November (番外編)

2006年11月20日 | ●音楽ゲーム回想録
去年もこの曲について書いたかなと思ったのですが、
みんごとスルーしてたみたいなんで
今年は書いてみます。

いちおう解説をしますと、
初代『beatmania』にはハウスというジャンル名で
非ッ常に人気のあった曲がございまして、
その曲名が"20,November"。
むかしは『ビーマニ』やってたけど、
これはよくやったよーという人も
多いかもしれません。
タイトルの示す11月20日は
この曲の作曲者であり、
初期シリーズのサウンドディレクターをつとめていた
南雲玲生(なぐもれお)さんの誕生日でもあります。

それゆえに、昔からの熱心な音ゲーマーの間では
11月20日にはにわかにお祭りムードになるのですね。
BMS作成にたずさわっている人なら
なんらかの記念曲を発表することもあります。

オイラは・・・まあ、
個人的にあんまりこの曲に対する思い入れがなくて、
正直あんまりおおっぴらに
祝う気分にはならないんですけど(笑)、
あと一年もすれば『beatmania』生誕10周年なわけで。
そっちは大騒ぎしちゃいそうですなあ。


語ってみるかい? この曲について。
いちおうネタフリだよ。




※この記事、最初「No"b"ember」と表記してやがりました。
 しかも2箇所。ひっど。指摘される前に直したよ!
 口で発音するときは常に「ノヴェンバー」って言ってるから
 まちがってないもん!

beatmania 4thMIX ~the beat goes on~

2006年11月17日 | ●音楽ゲーム回想録

・『beatmania 4thMIX』オイラなりの解説

本作品のリリースに先がけ、
7鍵盤仕様を採用した『beatmania IIDX』が
ハイエンドバージョンとしてリリースされ、
そちらが『3rdMIX』までの路線を
ほぼ受け継ぐかたちになったためか、
本流の『beatmania』シリーズは
雰囲気を一新してのリリースとなった。

前作までにあったパロディ的な要素は薄まり、
ブラックミュージック色の強い選曲、
アンダーグラウンドに徹したシックなデザインが採用された。

そのあまりの変貌ぶりから
旧来のプレイヤーからは賛否両論を余儀なくされ、
結果、多くのファンが離れる事態を呼んだことは否めないが、
以後もこの本流シリーズは
"最先端のクラブミュージック"を追いかけ続け、
いわゆる譜面構成も、その制約ゆえに洗練されてゆく。
後年まで残っていた『beatmania』プレイヤーからは
そのターニングポイントとなった本作を再評価する声も多い。


えーと、まず前提として、
オイラはこの『4thMIX』を"生き残った"音ゲーマーです。
当然この『4thMIX』は高く評価してますが、
最初っからすごいと思っていたわけではないです。
音楽の教養が薄いんで当然ですけど。
どっちかというと、この時にはすでに
音ゲーというものを"盲信"している状態で、
おもしろいかそうでないかはとくに関係なく、
そこに筐体があるからやる、という感じでした。

とは言え、当初はみんなも特に拒否反応を起こすことはなく、
そこそこのお客さんはまだついていたと思います。
それよりも問題となってきたのは、
音ゲー筐体の種類が増えてきたことによって
各筐体が音をつぶしあうような状況が生まれたことです。
当時は『DDR 2ndMIX』がブレイクの坂を急上昇中で、
そちらを邪魔しないようにということなのか、
オイラの行きつけのゲームセンターで

プレイ音量の最初の犠牲者となったのがこの『4thMIX』でした。
本当にプレイヤーを見かけなくなったのは、
ちょうどこのころからです。

オイラも例外ではないというか、
以前にも書いたとおり『DDR 2ndMIX』にはみごとハマり倒していて
そのうち「『ビーマニ』なんざ指先動かしているだけじゃねえか!」
なんて暴言を吐いたりするわけですが、
よくよく考えりゃあ、それは『beatmania』筐体の音量が
抑えられてしまった時期と重なっちゃうんですよね。

で、オイラがこの作品を本当に評価するようになったのは、
のちに家庭用バージョンがリリースされ、
ヘッドホンでじっくり聴く機会があってからのことです。
この『4thMIX』は、オブジェの増減よりは
判定のシビアさとリズム構成、キー配置のトリッキーさなどで
難易度を調整してあるようなゲーム内容で、
どうにもうまくプレイできず満足がいかなかったので、
トレーニングモードではかなり練習したのでした。
むかしは今よりずっと律儀でしたからね、オイラ。

その知らず知らずのうちに、曲の要所要所を
"聴きこむ"かたちになり、
気がついたらとりこにさせられてい
たという感じです。

アース・ウィンド・アンド・ファイアーすらろくに知らなかったオイラが、
(本作と、初代『IIDX』は、
 
メンバーのラリー・ダンが曲提供に参加していることが
 大きなトピックのひとつでした)
その音楽体験を振り替える上で
『4thMIX』以後の方向性には
個人的には非常に感謝しています。
とはいえ、筐体をみんなで囲んで
一緒に盛り上がるような光景は
本作を境に見ることはなくなってしまったわけです。
前述のとおり、それは必ずしも本作からの方向性だけが
もたらした結果ではないと思いますが、
『beatmania』というゲームが、本来何を目指していたのか?を考えると、
複雑な心境になることもあります。


※あ、追記追記。
 本作収録の"POPCORN (HIP HOP)"は
 オイラが全ての『beatmania』シリーズで
 最も好きな譜面のひとつです。もちろん曲もそうとう好き。


Dance Dance Revolution 2ndMIX

2006年11月02日 | ●音楽ゲーム回想録

・『Dance Dance Revolution 2ndMIX』オイラなりの解説

『DDR』第2弾。
前作の収録曲はそのままに
大幅に楽曲、譜面が追加され、
その数は当時までにリリースされていた音楽ゲームの中では
群を抜いていた。
「ダンスマニア」シリーズとのタイアップはもちろん健在で、
前作では1、
2曲しか存在しなかった
コナミオリジナル楽曲も増加し、その評価も高い。
もともと人気作だったが、
『DDR』で遊んでいる風景が多くのメディアで取り上げられたり、
独特のコントローラが印象深い
家庭用移植版が発表されるなどして
(車のTVCFでもモチーフにされた)
非常に大きな注目を集めたのはこの時期。
サウンドトラックCDもゲームサントラとしては異例のヒットを飛ばした。
また、この『2ndMIX』には、
家庭用移植に伴うプレイステーション用メモリーカードとの連動
(自作した譜面でアーケードで踊ることが可能)

『beatmaniaIIDX』シリーズとの連動
(『IIDX』側がDJとして曲を選曲、プレイをし、ダンサーとして参加する)
など、画期的な試みに対応したバージョンが存在する。


『DDR』のみならず、音ゲーというものに
心酔しきっていたのは、おそらくこのころがピークです。
どっから書いていいかわかりませんが、
とっにかく好きでしたね~、これは。
世間への浸透もすごかったですから、
"みんなと一緒に遊んでいる"感がものすごくて、
その環境も含めて楽しかったです。
ずーっと、人と趣味がズレているということで
孤独を味わってきておりましたからねえ。
こういう経験があるから、
音ゲーをマニアだけのものにしたくないという思いが
強いのだと思います。
ここを見ている音ゲーマーではない人でも、
この作品は遊んだ、という人も多いんじゃないでしょうか。

調べてみたら、『2ndMIX』は1999年の1月末から
10ヶ月もの間稼動されているんですよね。
なんだか、ずーっと飽きないまんまだった記憶があります。
1999年の記憶の半分が埋まっているかも。
乱暴なことを言うと、この時期は『beatmania』のことを
「あんなの指先でカチャカチャやってるだけじゃねえか、
 体全体を使って遊ぶほうが断然面白い!」
なんてナメた目で見てたところもありました(笑)。

1プレイ200円という金額に物怖じせずに
連続でプレイするようになってしまったのも、このころからでしたねえ。
いくらつぎ込んだか考えるとゾッとします。
そのお金でもっと大学生活を満喫できただろうに・・・とも。

家庭用移植版2作も、サントラも買いました。
サントラはロクにCDを持っていない当時のオイラは
ずっとヘヴィローテーションしてましたし、
家庭用については、当時まだ実家に住んでいた上の妹から
「ぜったいに買ってくれ!!」とカンパまでもらって、
夏に帰省したときにコントローラごと持ち帰って、
大盛り上がりしました。
父親に見られたときにすごいケゲンそうな顔されましたけど。

あー、んーと。
今回はどうもマクロ的な思い出ばっかり出てきますね。
ミクロ的なことでいえば、
"I believe in miracles"のリフ、
"DUB-I-DUB"の交互踏み、
"STOMP TO MY BEAT"の
曲、譜面への溺愛っぷり(配置ミス?もあったけど)・・・ああ、
やっぱりマニアックだわ、オイラ。

あとこの作品では「ステップバトル」という、
2人プレイ限定の対戦モードがあって、
それもかなり楽しんでやっていた記憶があります。
まさに「俺のリズムについてこい!」っていうノリで
オイラの身の回りでは好評だったんですが、
なんで無くなっちゃったんでしょうね。
まあ、不人気だったからなんでしょうが・・・

今回はふつうに思いつくまま書いてみました。
こっちのノリのほうがいいかもわからんですね。


ポップンミュージック (Pop'n Music)

2006年10月23日 | ●音楽ゲーム回想録

・『ポップンミュージック』オイラなりの解説

『beatmania』が世を席巻している中で、
『beatmania』のゲーム仕様はそのままに
そちらとはまた違った層にアピールするものとして登場。
リリースは『Dance Dance Revolution』とほぼ同時期。

ルールは数あるBEMANIシリーズのなかでも
『beatmania』のそれに一番近いが、
操作するボタンの数は9個と多め。
また、それぞれの楽曲には別個の担当キャラクターが存在し、
画面を覆い隠す、オブジェの配列を組み替えてしまうなどの
「オジャマ攻撃」を仕掛けてくることが
当初は『beatmania』との差別化として大きな要素だった
(初代作ではオジャマ攻撃は必ず介入する)。

これらの仕様はもともと、ひとつの筐体に
複数人が群がって遊ぶことを前提として
採用されたものだが、この遊び方はいまひとつ定着しなかった。


収録曲はJ-POP的なものからディスコ、アニメ主題歌など
古今東西を問わないあらゆる音楽ジャンルを扱う。
また、楽曲やキャラクターには明らかに
有名アーティストを意識しているものも多く存在し、

その巧みなパロディ性も見どころのひとつ。



このゲームはあとからの思い入れが強いです。
最初はそんなに熱心にやっていなかったと思います。
まあ、もともとそういう仕様なんですよね。
ふっとゲームセンターに立ち寄った時に
みんなでワイワイ言いながらやるのが
おそらく正しいスタイルで(今でもそう信じたいんですけど)、
パッと見もまさか、一人で遊べるようにできているとは思いませんでしたし。
誰かが、一人で高難易度の曲を攻略していて
「あ、ひとりでも遊べるんだ」と思ってから
ようやく手を出すようになります。

とは言っても、やっぱりそんなに熱心ではないというか、
自分が音ゲーびいきだからなんとなくやってるんだと
最初は思っていたんですが、
ズルズルとプレイしてしまう不思議な魅力がありました。
気がつけば、鼻歌で収録曲を口ずさんだりすることもあって・・・
楽曲に惹かれていたんだと思いますけど。

当時のオイラと言えば音楽なんか
クラシックとゲームミュージック、
付け焼刃のテクノ知識くらいしかありませんでしたから、
『ポップン』で触れる曲の数々に新鮮な魅力を感じました。
かなりあとになってからわかるんですが、
とくにこの一作目は音楽通も唸るような
かなり高度なパロディをしているものも多いらしく、
決して女子供をターゲットにしただけの
手抜かりのある作品ではなかったのでした。

もったいないことに、これを遊んでいた時点では
「しょせんシャレなんだよね」と思っていて、
受けていた恩恵の重大さに気付いて
あらゆるジャンルの音楽を聴きだすには
もうすこし時間が必要でした。
まあ、ゲームに影響されて・・・というのが
カッコ悪いと当時は思っていたせいもあるんですが。
(テクノは経緯が複雑だったせいかゲームを意識せずに入れた)
人間どんどん影響受けりゃいいんです。
なんの話だったっけ。


Dance Dance Revolution

2006年10月13日 | ●音楽ゲーム回想録

・『Dance Dance Revolution』オイラなりの解説

通称、『DDR』。
『beatmania』が成功を収めている中で
その亜流のひとつとして登場。
シーケンスがラインに重なったところで
タイミングよくボタンを押す、というルールは
『beatmania』とまったく一緒だが、
本作はプレイ中の操作をすべて足で行うことが最大の特徴。
効率よくシーケンス(矢印)を踏むためには
足運びにも気を配る必要があり、
自然と踊るようなステップになる、という仕組み。
また、上半身を固定されず
指示のないところでアクションをとってもミスとならない仕様のため、
パフォーマンスの自由度は非常に高い。
このため、各地で独自のパフォーマンスをしながら遊ぶ
プレイヤーに『beatmania』以上の注目が集まった。

楽曲は東芝EMIの「ダンスマニア」シリーズとのタイアップにより
新旧を問わないディスコ、ダンスポップのヒット作が多数収録。
出足こそ鈍かったものの
こういったアピールポイントが効を奏し、
社会現象クラスの大ヒットを巻き起こすことになった。


社会現象、まで行ってないかな・・・(ぉ)。

はっずかしかったですね、最初。
『beatmania』の比じゃなかったです。
とは言いつつも、音楽がテーマになっているゲームであれば
なんでも手を出すタチだったので

だれもいないときにこっそり
最低難易度の"Have you never been mellow"などをやってみたのですが、
すっごく動きがぎこちなくなってしまって、
正直、二度とやらないだろうなあと思っていました。
オイラだけでなく、リリース当初は
みんな敬遠している雰囲気があったと思います。
『beatmania』をいつもやりに行っている店には
『DDR』は置かれていなかったので、
その後はしばらく筐体を見かけることもありませんでした。

一ヶ月くらいあとになってからだったと思いますけど、
たまたま『DDR』のあるゲームセンターに足を運んだら、
プレイヤーがそこそこついている状態になっていました。
まあ興味ないなーと、そばにあった『beatmania』に興じておりましたら・・・

・・・何やら、隣が楽しそうなんですわ、これが。
チャラい兄ちゃんでしたけど
体全体で踊って楽しんでいたり、
友達とワイワイ言いながら遊んでいたり。
名曲"butterfly"もこの時に初めて聴いて、
選曲率がかなり高かったので
あっという間に耳に残ってしまいました。

もう一度やってみるか・・・という思いが頭をよぎり、
今回はギャラリーがいたにも関わらず、
コインを投入していました。
が、クリアはできるもののやっぱり動きはぎこちなく。
やっぱり慣れないとダメか、と半ば諦めつつ、
3曲目を選曲していたとき、
"butterfly"にカーソルが合いました。
難易度を表すアイコンの数は3。
難易度1、2の曲も満足にできないのに
無謀かとも思ったのですが、
耳に残るあの曲を最後にやってみて
ケジメをつける、という意味あいで選曲してみることに。

すると、どうしたことか
難易度1、2の曲よりもはるかに調子が良かったのです。
矢印の量も確かに多くなっているにもかかわらず。
当然ミスはそれなりにあったのですが、
踊り終わったあとの満足感はかなりのものでした。
いつの間にかグルーヴが体に馴染んでしまったのか、
自然と体が動くのでした。

「指示に従っていくうちに自然とステップが軽快になる」
という仕組みに気付くには
もう少し時間が必要でしたが、
("STRICTLY BUSSINESS"のあたりで気付いた)

ともかく、看板曲というものがいかに強力なものなのかを
思い知らされた一幕です。


とは言え、当時は金銭的余裕が
それほどなかったのも事実なので、
本格的にハマるようになるには
『2ndMIX』の登場を待つしかありませんでした。
この『2ndMIX』がまたオイラの人生を
大きく狂わせるわけですが・・・


beatmania 3rdMIX - コナミ

2006年09月20日 | ●音楽ゲーム回想録

・『beatmania 3rdMIX』オイラなりの解説

『2ndMIX』が待望の家庭用移植をとげ、
さらに『beatmania』熱が加速していたタイミングで発表された
シリーズ第3弾。
収録楽曲をほぼ一新し、
ヴォーカル曲も多数収録されることになった。
プレイステーション版『beatmania』からも3曲が移植され、
「家庭用で練習をしてゲームセンターでデビュー」
という流れを作ったところもポイント。
初心者向けにオブジェを削減した作品が収録されている
「EASY」モードも搭載された。
このように、全体的に一般層へのアピールを
より強めた印象が強く、
ブームの勢いを落とすことなく多くのプレイヤーに受け入れられた。
しかし、全体の難易度は『2ndMIX』のそれをさらに上回り、
ヒロシワタナベ、nouvo nudeらによる本格派のサウンドも健在。


思うところあって、このカテゴリを書きつづけることに
ちゅうちょしていたんですけれども、
ま、とくにネタもありませんし、
なにかの参考にはなるかも知れないと思ったので、
できるだけ純粋に自分の体験を書いておこうと思います。

『3rdMIX』は、完全にゲーマーとして楽しんでましたね。
とにかく高難易度の曲ばっかりやってました。できなくて。
「Queen's Jamaica (REGGAE)」、

「TRIBE GROOVE (WORLD GROOVE)」、
そして「super highway (DRUM'N'BASS)」の3曲には
とにかく泣かされました。

譜面を頭に叩きこんで、
(授業中などに・・・)イメトレをする日々でした。
といっても、目で見るだけで憶えられるほど単純な譜面では
すでになくなっていたので、
まずは曲と鳴っている音のタイミングを覚えて、
そこから譜面を類推して、
どんな譜面だったかを思い出す、という方法をとっていました。
メモを取るのはさすがに恥ずかしかったですからねえ。
このときの体験がこっそり
BMS、譜面作りに役立っているのは
言うまでもありません。

最後まで残っていたのは、
やはり「super highway」でした。
聴き慣れないオルガンの不協和音は
それだけで"大ボス"の風格を感じましたし、
俗に"階段"と呼ばれる、16分で連なったオブジェ群は
ピアノアレルギーであった自分にはまさしく鬼門で、
当初は文字通り恐怖を覚えていた曲でした。
その恐怖に打ち勝つためか、
なにがなんでも打楽器として叩いてやる!と
無理矢理交互で叩ける方法を模索したりしていましたね。

ある日、トレーニングの成果か
ついにオルガン地帯をほぼミスすることなく抜けることができて
初クリアが目前となったときには
心臓バックバクものでした。
ところが、プレイはまだ終わっていないわけで、
その緊張感に耐えられなかったのか
最後の小節でボーダーラインを割る大ミスをしてしまい・・・
画面からはブーイングが飛んできました。

その瞬間、
「惜しいーーーーーーーーっ!!!!!!」
と響きわたるギャラリーの声。

そうだよねえ、みんながんばってるんだもんねえ。

高難易度化や、高得点を追い求める風潮などには
やや冷ややかなオイラではありますが、
この時代はまだギャラリーも多く
越えるべき目標もみな共通でわかりやすかったせいか、
不思議な一体感がありました。
自分もいつか、みんなに恐怖を与えられる
ボス曲を作ってみたいもんです。


beatmania 2ndMIX その2

2006年06月12日 | ●音楽ゲーム回想録
『beatmania』が大ヒットしていたころは、
筐体に列や人だかりができるのは
当たり前の現象でした。
そんな時代だからこそ享受することができた
楽しみ方も多くあるわけで。


『beatmania』のもともとの料金設定は
200円です。今でもごくまれに
1プレイ200円の筐体を見かけるかも知れません。
そして、ゲームそのものの難易度は高く、
最後までプレイできてもせいぜい
10分程度しか遊べません。
だからこそ、『beatmania』で遊ぶときには
(金銭的に余裕のある人を除けば)みんなどこか慎重でした。
列ができていることを利用して、
前の人がプレイしている最中に
多くを学ぼうとやっきになっていたものです。
幸いこのころの収録曲には
非常に特徴的な譜面が多く、
それを目に焼き付けておいて
イメージトレーニングをしていた人も多いと思います。

オイラの場合は特にこの傾向が強く、
プレイは1日に1回と決めていたので
かなり必死でした。
(それでも計算上
 一か月で4、5,000円以上は飛ぶんですぜ?)
2曲目とかで退場させられた時は
その日ずっと気分が重かったですね。
でもおかげさまで、
「20,Nobember(ハウス)」、「Ska a go go(スカ)」という
当時最も話題になっていた難曲は
ものの数回でクリアすることができました。
「OVERDOSER(ミニマルテクノ)」は
一番イメージトレーニングが容易だったので
一発目にできましたね。
逆に、誰もやらないようなマイナー曲には
てこずりまくりましたが・・・
「U gotta groove(ヒップホップストリート)」とか
「LOVE SO GROOVY(ハウススピリチュアル)」とか・・・


また何より、普段ゲームをやらなそうな人も
ギャラリーとしてそばから見物していたり、
ゲームに興味を持って並んでいたりしたのも
このころならではの特徴だと思います。
幅広い層のみんなが
一つになって遊んでいる感じが
とにかく楽しかったですね。

そんな人たちの前でたまたま
「20,Nobember」をほぼ完璧な状態でクリアできた時、
「カッコイイーーー!!」なんて歓声が
聞こえてきたことがあります。
これに気を良くしたオイラは(若かったなあ)、
だったらもっと凄いのを見せてやるよ、と
最難関曲「Ska a go go」を最後にセレクト。
ところどころミスはありつつも
クリア自体は難なく達成できました。
ところが・・・そのギャラリーたちの反応は芳しくない。
恥ずかしいのではっきりした様子は見てないのですが、
想像できる原因はいくつかあります。

1つめは、動作や譜面にヒいていたということ。
この曲のラストは譜面を見る限りでも
かなり大袈裟でしたし、
それに相反するかのように、
演奏には妙にこちょこちょした動作が求められるわけです。

2つめは、クリアしたはいいけどミスも多かったこと。
それも画面上のミスではなく、演奏上のミス。
ゲーム内容を知らないギャラリーにとっちゃ
いくらGREAT繋げようが聴こえが悪けりゃミスなわけで。

3つめは、楽曲にピンと来なかったこと。
ハウスは4つ打ちのわかりやすいダンスミュージックでしたけど、
スカは当時、世間的にはマイナーなジャンルでしたからね。
そうじゃなくても、
ハウスが現在でも名曲として名をとどめているのに比べ、
スカはどうでしょうか?
オイラは結局、ゲーム的な印象しか
残っていなかったりします。

上記のような状況は
現在じゃ解決されるどころか加速しきってしまい、
プレイヤーとギャラリーの間の越えられない壁として
完全に居座ってしまったように思います。
2ndMIXの時代からこの萌芽があったということには
色々と考えさせられてしまうのですが・・・
詳しい考察はまた、こんど。

beatmania 2ndMIX (その1?)

2006年05月18日 | ●音楽ゲーム回想録

・『beatmania 2ndMIX』オイラなりの解説

1作目のヒットを受けて発表された、
『beatmania』シリーズ第2弾。

前作の内容をベースに
新曲や旧曲のリミックスが追加収録された。
より高い難易度の楽曲の登場は
より多くのゲーマーたちを熱狂させ、

楽曲面でもより本格的な
クラブサウンドが多数収録されたことにより、
前作から引き続く口コミの波を
さらに加速させることになった。
注目度の高い筐体を利用して
自らに制限を課したプレイや

体を張ったパフォーマンスなどを行う
プレイヤーの登場も話題に。
結果として本作はゲーム外のメディアでも
取り上げられるほどの大ヒット作になり、
"音ゲー"というジャンルの認知度を絶対的なものにした。



本日は『beatmaniaIIDX RED』の発売日、
だからと言うわけではありませんが。
実はこの記事、何ヶ月も
書いては消し、書いては消しを繰り返しておりまして。
触れるべき点は多いわ
思い入れはありすぎるわで
どっから書いていいのか
わかんなくなっちゃったんですよね。
なので、必要最低限のことだけ話すように努めます。


とりあえずこのゲームについて
もっともオイラに影響があったことと言えば、
夏休みで実家に帰っている間に
ゲームをプレイできないことによる
禁断症状が出た事ですね。
もう指が勝手に動くんです。
そのときにいちばん想定することが多かったのは、
収録曲である「Acid Bomb(HARDTEKNO)」でした。
当時『beatmania』といえば
ほとんどの店が非常に高い音量に設定していて、
その中でも耳をつくような特徴的な音が多かったこの曲は、
(いちど選曲して迷惑がられたことすらある!)
オイラの中で強く印象に残っていたのでした。


『MOTHER2』、『攻殻機動隊』、『DEPTH』と
テクノ要素をもつゲーム作品には
それまでも何度か触れているわけですけど、
まだこのテの音楽を聴きこむには
勇気が足りなかったのです。
しかし、実家に帰っている間の
この禁断症状によって、
ついに「どうやら俺はテクノとやらを愛している!」という
結論に至ります。

その後、雑誌などで特集を組まれ、
ゲームに収録されている音楽ジャンルの詳しい解説や
そのジャンルでのオススメCDが載せられたり、
『beatmania』の企画として
様々なオリジナルCDが発売されて
それがまた軒並み高いクオリティを
保っていたことなどから、
なだれ込むようにクラブミュージックの世界に
浸るようになります。
(じっさいにクラブに足を運ぶまでが
 また長いんですが、それは別の話)


また、オイラが尊敬してやまない
HARDFLOORというユニットに興味を持ったのも
やはり「Acid Bomb」が最大のきっかけです。
話すとちょっと長くなるの
でここで解説はしませんが、
関連のある曲なのです。

このようなことがあって以来、
音ゲーはオイラにとって
様々な音楽への興味の門戸を開く
重要な存在となってくれました。
製作者の側もそれを意図して
シリーズを作りつづけてくれていたようで、
そこに対する感謝はホントに尽きないです。

ただし、このオイラの音ゲー観(のひとつ)は
あとで多少の調整が必要となってきますが・・・
それはまた別の音ゲーの話のときに。

『2ndMIX』の話題は、まだ続く?



○ピックアップ - ヒロシワタナベ


初期『beatmania』を語る上で
ぜったいに外すことのできない人物のひとりです。
むかしからの音ゲーファンならば
ここに異論はないでしょう。

もともと"Quadra"として
テクノ、ハウス界では著名な存在でしたが、
縁があって『2ndMIX』から
様々な名義を使い分けて
多くの楽曲を提供してくれておりました。
「Acid Bomb」を作ったのもこの方です。
専門分野であるハウス、テクノ以外にも
ヒップホップやレゲエ、ブレイクビーツ系の作品も
『beatmania』では披露しており、
普段のファンにとっても新鮮に映るかも知れません。

初代『beatmania』に収録された楽曲は、
どちらかというとパロディ要素を多く含んだものが多かったのですが、
この方が妥協のないクラブサウンドを提供してくれたことで
『beatmania』の雰囲気はグンとシリアスなものになりました。
また氏はゲームにもかなり精通していて、
ゲームプレイも考慮に入れた上で
楽曲を組んでくれていたらしく、
その譜面も非常に特徴的なものが多く
ファンの間での評価が高いです。

のちにシリーズ企画盤として
ゲームに収録された楽曲のフルバージョンを
多数収録し

beatmania HIROSHI WATANABE*beat indication』が発売されますが、
これがまたとてつもないクオリティで、
(収録曲である大作ハードハウス
 「I’VE GOT TO LET YOU KNOW」は
 ヒロシワタナベ自ら絶賛していたほど!)
いちゲーマーがクラブミュージックに興味を持つには
これ以上ない環境が整っていたわけです。

オイラ以外にも、氏を通して
クラブミュージックに興味を持ったという人は多いですが、
そこにはやはり人の真摯さが
強く力を持っていたのだと思います。

ちなみに現在は『beatmania』シリーズからは
遠ざかっていますが、
最近では"KAITO"名義での活躍が有名で、
ヒロシワタナベその人として
写真家としても活動しております。
興味のある方はぜひとも追っかけましょう


ああっ、ぜんぜんシンプルになってない!


beatmania

2006年03月17日 | ●音楽ゲーム回想録

・『beatmania』オイラなりの解説

クラブDJのプレイをシミュレートする、
という触れ込みでアーケードに登場した、
大型筐体が特徴的なリズムアクションゲーム。
上から降ってくるオブジェを
判定基準となるバーに来たところで
タイミングよく受け止める、というシンプルなルールだが、
(実際のクラブDJの行う動作とはほとんど共通しない)
それまでの音楽ゲームよりも複雑な
リズム反応と操作が求められる内容で難易度は高く、
そのことがアーケードゲーム愛好者の
嗜好と合致したことで支持を得る。
また大型筐体による大音響と存在感は
多くの人の目を引き、
DJという題材がファッションとして機能したのも手伝って
ゲーマー以外にも口コミで徐々に広まっていった。


えーと、いちおうオイラは
「beatmaniaは初代からやってる!」
なんて豪語しておったのですが、
実際のところこの初代は、
受験のために上京した時にたまたま
どこかのゲームセンターで見かけて、
1、2回やっただけなんですよね。
ひょっとしたら世間ではすでに『2ndMIX』が稼動していたかもしれません。

このころのオイラは、
まだクラブミュージックに本格的にのめり込むまでには至っておらず、
DJというものが何たるかなんてわかんなかったのですが、
他の人が遊んでいるのを見て、
『パラッパ』『バスト』以上に単純明快なルールであることがわかると、
興味を持たずにはいられませんでした。

しかし、1プレイの料金は200円。
・・・高い。
しかもどうやら、一回のプレイでは最長でも4曲しか遊ばせてもらえず、
ものの10分で終わってしまう様子。
何よりも、このゲームは目立ちます。目立ちすぎる。
当時のオイラが普段の状況なら、
絶対に手を出さないところでした。

ところが、その時点では志望校の合格も発表されて、
受験遠征用のお金がちょっと残っていたものですから、
ごほうびのつもりでコインを投入してみたのでした。
目立つことへの恥ずかしさも、
「旅の恥はかき捨て」の精神でなんとかなります。
どうせ明日には帰るんだ。

第一印象は・・・正直に言いましょう。
よくわかりませんでした。
思っていたより操作が難しくて、
面白さを感じるどころではなかったのかも知れませんし、
200円という大金を払った事に対して満足が得られたか、
とか考えてしまったり、
DJという題材がクッソ真面目な田舎者にとっては
不良っぽく見えていたのも事実だったので、
それに対する引け目もあったかも知れません。

かと言って、決してつまらなかったわけではなく、
この時の心境をあらわすなら、
「たぶん面白かった」くらいのもんです。
混乱しててよくわからなかったということですね。

しかし、このようなシンプルなルールと画面構成のゲームが
すんなり受け入れられているという状況は、
古くからゲームをやっていたオイラとしては
なんとなく懐かしみを感じるものでもありました。


田舎に戻って、
大学に通うために再び上京するまで、
しばらく『beatmania』には触れられない状況になります。
『2ndMIX』でのその再会は、
自分にとってあまりにも衝撃的なものでしたが。



○ピックアップ - クラブオーナーのお姉さん

あまり知られていない事実ですが、
この初代にはプレイヤーにアドバイスをくれる
クラブのオーナーらしきお姉さんがおりました。
ステージが始まる前に
これからプレイする曲の難所や、
実際のクラブプレイであれば
どんなタイミングでかけるべき曲なのか、
などの解説までしてくれます。

後者のプレイタイミングの解説は、
クラブに馴染みのない人にとっては
けっこう新鮮なものがありました。
恐らく、こういったシチュエーションも含めて
"DJシミュレーション"だったのでしょうね。
当時の音ゲーが『beatmania』ただひとつで、
多くのゲームセンターが
店内に響きわたる音量にセッティングしていたのも
あわせて考慮すると、
『beatmania』がもともと
どのように楽しんでもらいたいものだったかが
見えてくるかも知れません。


ただこのお姉さん、
『OVERDOSER』(TECHNO)という曲の説明では
「リズムマシンが壊れているから自分で音鳴らして」
なんて言ってくる始末。
アヴァンギャルド極まりません。
最初に遊んだときは正直、
「へー、そんなこともあるのか」
なんて思っておりましたが。


バスト・ア・ムーブ ダンス&リズムアクション

2006年02月16日 | ●音楽ゲーム回想録
○『バスト・ア・ムーブ』オイラなりの解説

格闘ゲームと某テレビ番組のダンス対決企画から
ヒントを得て作られたという、ダンスバトルゲーム。
1対1の対決形式で
決められたコマンドを入力して
キャラクターにダンスをさせ、
最終的にカメラに
大きく映し出された、つまり"目立った"方が勝利となる。
発売前は『パラッパラッパー』以上に地味な存在だったが、
シンプルで敷居の低いルール、
デザイナー田中秀幸によるアートワーク、
プロのダンサーが起用され
本格的な動きを見せるキャラクター、
エイベックスから提供された
アッパーなレイヴチューンの数々など
それぞれの要素が高い評判を獲得。
おもに口コミで評判が広まっていった結果
スマッシュヒットした。




これはソフトそのものは
(当時実家で高校生をしていた)妹が買いました。
オイラ自身は、友人の家で
外付けスピーカーの爆音で遊ぶ事が多かったですね。
おかげで、ゲーム内容そのものの印象は
あんまり強くなかったりします。
格闘ゲームに使うジョイスティックを使って
がっっちゃがっちゃかがちゃがちゃバン!
とかリズミカルにうるさいボタン音を
鳴らしていたのも懐かしい思い出です。

あとで実家に帰省中に
スピーカーを介さずに遊んだときは、
音のギャップにビックラこきましたね。
なんだか遊んでいても
迫力がなくてつまらないのです。
音の感じ方ひとつで、ゲーム自体の面白さが
こんなにも変化するのか、と
ショックを受けました。
音響装置の重要さを認識したわけですが・・・
オイラは貧乏性なので、
むしろあまり豪華な環境で
音楽を聴かないようにしよう、
なんて決心していた記憶があります。
トッホホホ。
今でもそのしこりは残ってますね。

本来は、全てのコマンドを暗記してからの対人戦が
一番楽しくなるらしいんですが、
そこに行きつくまでに
みんな飽きちゃっていたのがもったいなかったですね。
無理もないと言えば、そうですけど。


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○ピックアップ - 『笑ってポン!』

ショーティーというキャラクターのステージに使用される
ひたすらキュートなダンスポップです。
おそらくこのゲームの中では
1,2を争う人気曲。
とはいえ、歌詞にはそこかしこに
パンチのきいたフレーズがありまして、
その作詞者はなんと榎本可奈子。

「サイアク 女便混んでる
 男の子の方に行っちゃえ
 それでは便器にバイバイキン」

のくだりはあまりにも奇抜すぎて
にわか榎本ファンの友人が
ショックを受けたりしてました。
オイラもサントラCDを買うまで
なんかの空耳かと思ってましたね。
将来ぜったい大物になると思ってましたが・・・
最近見ないなあ。

DEPTH

2006年02月03日 | ●音楽ゲーム回想録
○『DEPTH』オイラなりの解説

幻想的な空間をイルカの姿で漂いながら
アドリブで音を鳴らし、浸る。
そこにはペナルティもクリア目的もない。
各ゾーンに散らばる音のパターンを集めた後は、
エディターで好きなパターンを組み合わせ、
そのトラックをBGMにして
それぞれの空間で泳ぐ事ができる。

"ルールに則って障害を乗り越える"という
それまでのほとんどのゲームの
常識に反する内容のため
人を選ぶ作品ではあったが、
本格的なサウンドエディターの搭載と
デザイン性の高さから
音楽ファンを中心に熱烈に支持された。

本作と『グルーヴ地獄V』、『BEAT PLANET MUSIC』は
スウィープステーションという同じシリーズとして
括られている。




これも、『パラッパ』のときと同じく
友人が持ってきた体験版で遊んだのが最初です。
BGMのパターンをいじくることはできず、
デフォルトのBGMにアドリブを加えながら
泳げるだけでした。

実はこの体験版を遊んだのは『パラッパ』も含めて
もう製品版が世に出てからのことだったのですが、
この数週間前に載っていた
『DEPTH』のファミ通でのクロスレビューの内容を
妙に意識していましたね。
ファミ通のレビューは、
当時は明らかにゲームではないソフトも
評価の対象にされていましたが、
『DEPTH』のレビューは7点、6点など、
微妙な採点を挙げるレビュアーが多かった中で、
ただ1人のレビュアーだけが10点満点をつけたことで、
ファミ通読者の友達との間で
何かと話題にしていたのでした。
7点をつけたレビュアーの
「まったくの音楽素人が適当に操作しているだけでも
 ちゃんと音楽として成立する」
という評価内容もオイラには印象深かったです。

で、実際に遊んでみると、
本当に適当な操作でも耳当たりのいいアドリブが
勝手に決まってくれるのです。
デモだけでしたがエディター画面の映像もあり、
単純な音のパターンが組み合わさって
一つの楽曲として成り立っていく過程が見られました。
オイラはテクノやハウスどころか
打ち込みの音楽自体まったく知らない身でしたが、
「こんな単純な構造で音楽ってできちゃうんだなあ」
と感心しきりでした。

製品版を買ったのは、
やはり『パラッパ』と同じタイミングでした。
当初から集中的にやり込むということは
ありませんでしたが、
何かの気分転換の際に引っ張り出して
浸ってみることが多かったですね。
しかし引っ張り出してくるごとに、
まだ聴いた事のなかったフレーズを探り当てたり
より効果的なパターンの組み方に気付くなど
新たな発見があったため、
そのうちずぶずぶと、このソフトの魅力に
ハマっていくことになりました。
クラシックかゲームミュージックしか
知らなかったオイラには、
なおのこと新鮮さが際立ちます。
そのうち自分自身も
クラブミュージックに傾倒するようになりますが、
土台としてこのソフトがあったことに
疑いの余地はありません。

のちにPCを購入し、
DTM(つってもBMSですが)を始めてからは
このソフトの音源としての優秀さを再確認し、
自作楽曲に多用する事になります。
現在は、テレビとPCの位置が遠すぎるため
『DEPTH』を音源として活用することは
ほとんど無くなってしまいましたが、
トラックの組み方のコツを
じつに簡単な方法で、しかも体で憶えさせてくれた
このソフトへの感謝の気持ちは
絶える事がありません。



因みにこのソフト、
中古なら500円前後で手に入ると思います。
興味のある方は気軽に手にとってみては?
今でも新鮮さは失っていない作品だと思います。