目の前の景色がくらりと揺れて、思わず片手が
駅ホームの床を掃いた。
それがこの夏、私が熱中症との出会いを自覚した日。
間断なく続く頭痛。
目を開けていられないほどの発汗。
事務室で少しの時間休ませてもらった。
「菩薩さまは何処に?」と駅員さんに聞いた。
と気の毒そうな顔で云った。
目の前の景色がくらりと揺れて、思わず片手が
駅ホームの床を掃いた。
それがこの夏、私が熱中症との出会いを自覚した日。
間断なく続く頭痛。
目を開けていられないほどの発汗。
昨夜10時を過ぎて読み始めたのが間違いの素。
あまりの面白さに午前2時、完徹を覚悟した。
そして午前4時、500ページ、1500枚強の
「風が強く吹いている・三浦しをん著」を読了した。
いやあ。久し振りだったなあ。
胸の震えが涙に変わったのは。
怒涛のような感動という訳ではないんだけれど
体中が活字で埋めつくされるほど
好きな本に出会ったときの私の癖で
「こういう本が書いてみたいっ」という想いが
余熱となって心も体も冷めやらず
とうとう朝まで眠れなかった・・。
ひと言で云えばやっぱり「青春小説」なんだろうな。
実は私は「青春小説」というジャンルがやや苦手で
書評でチラとその文字を目にしてさてと迷ったけれど
「三浦しおん」大好き人間としては黙殺も出来ず
図書館に予約した次第。
手元に来てからもぐずぐずと
「青春小説」やら「箱根駅伝」やらというキーワードが
どうにも折り合いが悪くて読み渋っていたけれど・・・
ホント、読んで良かった。(笑)
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ストーリーは単純で
陸上未経験7人を含んだ10人の若者が
「箱根駅伝」を目指すという破天荒とも云えるお話。
細かに云えば「うん?」とか「まさかね」という箇所は
幾つかあるんだけどね。
これは最上級の「夢物語」でもあると思うから
そんなことはどうでもいいこと。
途中からはまるで自分も走っているような気持になり
ゼイゼイはあはあと息は上がり
あろうことかふくらはぎの筋肉痛まで起きた。
今度生まれ変わったら是非とも陸上選手に、と心に決めた。
著者の力量たるや見事と云うしかない。
(ん、私が単純なのか・・?)
ともあれ一日も早く我に返らねば所属している
「歩こう会」の仲間に「走ろう会」への変更を
直訴しそうで怖い!、
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061004bk05.htm