箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

このちがい、あってもいいの?

2017年12月01日 15時20分31秒 | 教育・子育てあれこれ



本日6限では、1年生で「ちがいのちがい」の学習をしました。

①〜⑤のケースについて、それぞれ
「あってもいいちがい」か
「あってはいけないちがい」か
「どちらともいえない」

この3つのどれになるかを、まず個人で考えます。

その際、選んだ理由も書き添えます。


次に、班になり、お互いの考えを交流します。

班を解いて、各班から代表者の生徒が出てきて、クラス全体に対して、班で考えたことを発表します。

それをもとに、再度、自分の考えを練り直します。


私が横についていたある班では、

⑤について、全員が「あってもいいちがい」としていました。

理由は、守山さんと村田さんは、車いすに乗っているか乗っていないというちがい→ちがいは人それぞれにあるから、「あってもいいちがい」だ。

そこで、私は4人に問いました。

「車いすに乗っているか乗っていないは、たしかにちがいだね。では、電車に乗れないことについては、あってもいいのか、あかんのか。これについては、みんなどう思う?」

質問の意味をわかった子は、うなづいて、自分の考えに書き加えをしていました。


平成28年4月に施行された障害者差別解消法では、障害があることで、当事者が不当な扱いを受けることがないように、「合理的配慮」を社会に対して求めています。

⑤のケースは、じつは、この基準に照らすと、法律に反しています。

今日の学習は、法律の話にまで触れていませんが、生徒は、いつも思いますが、柔軟です。

感覚で納得できればいいのです。学習の積み重ねは。やがて意識に変わっていくのです。

意識が変われば、行動が変わります。

中学生のこころは柔らかい。頼もしく感じます。

これが、おとなだと、なかなか考え方を変えない人もいます。

ささいな学習ですが、大切な学習を、いま子どもたちは行なっています。

生徒の気持ちを受けとめて

2017年12月01日 14時41分53秒 | 教育・子育てあれこれ

今日は、「少年を守る日」統一活動日でした。

三中の校門には、更生保護女性会、青少年を守る会、副議長、健康福祉部、教育委員会、教育委員さんたちが、分かれて立ってくださいました。

また、三中風紀委員の生徒たちも加わりました。

また、PTA地区委員さん、三中教職員も三中近辺の8箇所の交差点に立ち、登校指導を行いました。

登校してくる生徒たちに、「おはようございます」のかけ声をかけると、多くの子が笑顔で「おはようございます」と返してくれます。

8:30には、ほぼすべての生徒が学校に入ります。ひと昔前の中学は、定刻に遅れて入ってくる生徒がかなりいて、けっこうたいへんでした。

その意味で、教職員にとっての登校指導は難しさが減ってきています。

ただ、登校してくる生徒一人ひとりの心情、気持ちはどんなものかを考える必要はあります。


楽しい、ただ楽しいだけの子

家での親子げんかの気持ちを引きずってくる子

友だちとうまくいっておらず、不安な気持ちの子

学校に行きたくないけど、今日はとにかく行こうといっぱいいっぱいの気持ちで登校してくる子

学習や受験のことで悩んでいる子

「おはようございます」の言葉の裏に、生徒はみんなさまざまな気持ち・心情を抱いて学校にやってきます。ひたすら人との出会いを求めて。


そのような期待、希望、喜び、憂い、悲しみ、怒り、不安などを、学校ですべて受けいれ、「引き受けたよ」励ましていくのが三中の教職員であるべきです。

これが、生徒指導の本道であると言えるでしょう。

校則違反を取り締まる、非行・問題行動に対応するのは、生徒指導の一側面です。

教職員がすべて引き受けるつもりでも、至らなくて、子どもの気持ちとすれ違い、がっかりさせるようなかかわりになる場合もあるかもしれません。

そうならないように、生徒指導の本道をいく教職員の力を磨いていきたいです。