箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

ヒナを助けて

2018年05月02日 16時39分17秒 | 教育・子育てあれこれ


本日、演劇部の生徒が、午後に職員室を訪ねてきました。

その手のひらには、黄色のバンダナを持っていました。

「ヒナを助けて」と言いながら、バンダナの中をそっと開けました。

中には、スズメの小さなヒナがいました。

演劇部の部室はB棟4階の西端にあります。廊下をはさみ部室と反対側のベランダの上にはスズメが巣を作っています。

子どもが拾ってきたヒナは、どうやらその巣から落っこちたらしく、羽根は動かしますが、まだ飛べません。

私は脚立を持っていき、ヒナを巣に戻しました。

「もう、落っこちないで。巣で過ごし、餌をもらい、大きくなったら大空を飛んでいきなさい」

このように、願いました。

表裏一体がおもしろい

2018年05月02日 12時07分38秒 | 教育・子育てあれこれ



私は、子どもの頃、どちらかといえば内気な性格でした。

友だちと遊んでいても、あまり友だちに話しかけることができませんでした。

そんな自分がイヤで、明るく社交的で、誰とでもすぐ仲良くなれる人をうらやましく思いました。

小中時代は幼なじみのクラスメートと9年間ずっと学年が単級でしたので、あまり悩みは深くはなかったです。

しかし、高校は学年に10学級あり、クラスは豊中市、池田市、箕面市、大阪市など、さまざまな地域から来た生徒たちで、内気な自分はなかなか友だちができず、悩みが深かったのを思い出します。

まして、田舎育ちの私には、「都会」の子は輝いていて、まぶしく見え、「田舎者」を自認する私は気後れがしました。

高2になると、幸い気の合う友だちができ、その人とはいまも付き合っています。

いまは、校長をして、たくさんの教職員、生徒、保護者の方に話すことは苦にはなりません。

年齢を重ね、今になって思うことですが、内気な人も「暗い」と言われる性格の人も、他人からは魅力的な人として見られることがあるという事実です。

私の場合は、大学時代に英語のスピーチを学び、応用して日本語の話し方の基礎が身につきました。

そして、教師になり、生徒に話す機会を得るとともに、大人にあいさつをする場合が多くなり、内気で口下手という弱点が直ってきたと思います。

仕事が性格を変えるということはあるのでしょう。


しかし、ふつうは、こんな性格はイヤだと思っていても、性格をガラリと変えるのは、たいへんな努力を要します。

また、内気以外にも、ほかに人見知りをする性格がイヤという人もいるでしょう。

口下手がイヤという人もいるかもしれません。

でも、ものは考えようです。


内気な人→思慮深い人

人見知りな人→慎重に人間づきあいをする人

口下手な人→落ち着いた人

ここに挙げた左側にならぶ性格は、一見すると短所のように思えますが、考えようによっては長所と捉えることもできます。

つまり、短所と長所は表裏一体なのです。このことは、秋元康さんも言っていました。

だから、私は三中の子が自分の性格がイヤで、自分のことが嫌いだという場合には、短所は裏返せば、長所になるよ、と話します。

ある人見知りの性格の人は、自分なことがイヤでイヤでたまらなかったといいます。

しかし、親しくなった人から「あなたと話しているとホッとするね」と言われ、「こんな私でも一人でもよかったと言う人がいるなら、自分には価値があるのだと思えました。」と語っていました。

人はそれぞれ。人の性格もそれぞれです。どれがいいとかよくないとかではありません。

それよりも、いろいろな人がいるのでクラスはおもしろいのです。いろいろな人がいて、世の中は豊かになるのです。

三中の子にも、自分の性格は短所・長所の表裏一体であるし、いろいろあるからおもしろいと知ってほしいです。