「励ます」は、英語でencourageです。
このencourageは、
en-「中に入れる」cor「心」-age「〜すること」
となります。
つまり、「励ます」とは、相手に対して、「心を入れ込む」ことです。
大人が子どもを励ますとは、大人が子どもに自分の心を入れ込むことです。
つまり「大丈夫だよ」と、大人が子どもを励ますときに、口先だけで言っているのは、「励まし」にはならない。ほんとうに、その子のことを思っているなら、「励まし」になるということです。
ところで、大人の役割は、子どもが精神面でも生活面でも、自立できるようになるまで、助けたり、支えたりすることです。
しかし、ここで大人は一つの問題や悩みに突き当たります。
どの程度子どもを助けて、どこから子どもに一人でさせるか。
さらに、どんなときにほめ、どんなときに叱るか。
これらは、なかなか難しいことです。
これは、子どもの年齢や発達段階、また時と場合にもよるでしょうが、頭で考えることではないのです。
頭で考えるのではなく、心で考えることです。
この点で、「励ます」という行為がクローズアップされます。
子どもが失敗したときには、「もっとうまくできるはずだ」と声かけするのも、励ますことになります。
心を入れ込んでいるかぎり、このことばは、子どもを叱責をしているのではないのです。
心を入れ込んでいるかぎり、親はいつでも子どもの味方であると伝わるはずです。
心を入れ込むためには、
その子の願いはなんであるか、なにをしたいと願っているのかに、敏感にならないといけません。
一人として、同じ子はいません。
打たれ弱い子、
一人でさせた方がいい子、
努力を持続させ集中力の高い子、
おおいに大人の助けがいる子
これをよく見定めて、適切な励ましを行いたいものです。