箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

心を入れ込む

2017年06月17日 13時16分44秒 | 教育・子育てあれこれ


「励ます」は、英語でencourageです。

このencourageは、
en-「中に入れる」cor「心」-age「〜すること」
となります。

つまり、「励ます」とは、相手に対して、「心を入れ込む」ことです。


大人が子どもを励ますとは、大人が子どもに自分の心を入れ込むことです。

つまり「大丈夫だよ」と、大人が子どもを励ますときに、口先だけで言っているのは、「励まし」にはならない。ほんとうに、その子のことを思っているなら、「励まし」になるということです。

ところで、大人の役割は、子どもが精神面でも生活面でも、自立できるようになるまで、助けたり、支えたりすることです。

しかし、ここで大人は一つの問題や悩みに突き当たります。

どの程度子どもを助けて、どこから子どもに一人でさせるか。

さらに、どんなときにほめ、どんなときに叱るか。

これらは、なかなか難しいことです。

これは、子どもの年齢や発達段階、また時と場合にもよるでしょうが、頭で考えることではないのです。

頭で考えるのではなく、心で考えることです。

この点で、「励ます」という行為がクローズアップされます。

子どもが失敗したときには、「もっとうまくできるはずだ」と声かけするのも、励ますことになります。

心を入れ込んでいるかぎり、このことばは、子どもを叱責をしているのではないのです。

心を入れ込んでいるかぎり、親はいつでも子どもの味方であると伝わるはずです。

心を入れ込むためには、
その子の願いはなんであるか、なにをしたいと願っているのかに、敏感にならないといけません。

一人として、同じ子はいません。

打たれ弱い子、
一人でさせた方がいい子、
努力を持続させ集中力の高い子、
おおいに大人の助けがいる子

これをよく見定めて、適切な励ましを行いたいものです。