ずっと読みたいと思っていた本「西の魔女が死んだ」を読み終えた。
とても面白くて、どんどん物語の中に引き込まれて一気に読んでしまった。
私は観ていないが、映画にもなったのだとか。
機会があれば映画も観たいと思うが、本を読みながら情景が浮かんできて、まるで一本の映画を見終えた気分になっている。
ところで本のタイトルから、黒いマントをつけて箒に乗った魔女が出てくる児童書なのかと思っていたが違っていた。
いじめで不登校になった中学生の少女が、祖母の家でしばらく暮らすというお話で、あまりあらすじを書いてしまうと、これから読もうと思っている方がつまらなくなってしまうので書かないが、少女の祖母の言葉の一つ一つが心に響いてくるような本だった。
「大切なのは意志の力、自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です」
「魔女になるにはどうしたらいいの?」と孫娘に聞かれて、祖母が答えた言葉だが、ワクチンを打つか打たないかという非常に心が疲弊する議論を経験したあとだったせいか、この言葉はとても心に響いた。
自分で決めるというのは、とてもエネルギーがいる。
誰かの指示に従っている方がどんなに楽かと思う。
賃金を貰う仕事は指示に従わなければいけない場合が多いが、それ以外、生きていると自分で決めなければいけないことの方がずっと多い。
そのことに気づいて自分で決めることを意識し始めたのは、それほど昔のことではない。
それまでは親とか夫とか友人とか、世の中の大多数の意見とかに合わせて生きてきた。
その方が楽だったし、多分間違ってはいないだろうと思ったから。
でもいつからか、自分で決めることを意識する様になった。
それにしても自分で決めることに慣れていないと、自分で決めたことになかなか自信が持てない。これは今でもたまにある。
ただ自分で決めることを意識しだしてから、少し自分が変わってきたと思う。
自分の人生は誰のものでもなく、また誰のせいでもない。それがはっきりとわかったことは、自分で決めると決めたことが関係していると思う。
「意志の力って、あとから強くできるものなの?」と孫娘に聞かれて、祖母が答えた言葉もまた心に響く。
「生まれつき意志の力が弱くても、少しずつ強くなれますよ、、、最初は何も変わらないように思います。そしてだんだんに疑いの心や、怠け心、あきらめ、投げやりな気持ちが出てきます。それに打ち勝って、ただ黙々と続けるのです。そうして、もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われるころ、ようやく、以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が起こるでしょう。そしてまた、地道な努力を続ける、退屈な日々の連続で、また、ある日突然、今までの自分とは更に違う自分を見ることになる。その繰り返しです」