年に一度、毎年夏に集まっている学生時代の友人達との集いが、今年は中止になった。
理由はもちろんコロナ。
再び感染者が増えてきたこともあり、大人数で食事会を開くのはどうかというのが皆の意見だった。
また東京から来る友だち二人が、今年は来ることができないというのが決定打になり「今年はやめましょう」ということで話はまとまった。
今回夫の方は故郷で友人と会ったが、それは友人の方から会おうと言ってくれたからだそうだ。
もしも言ってくれなければ、夫は友人とは会わなかったという。
同じ道内でも感染者数が多い札幌から感染者の少ない地域へ行くのは、気が引ける。万が一、会った後に友人が感染していることが分かったら、自分が移してしまったのではないかと思うからだと夫は言った。
コロナが流行り始めてから、みんな人と会うことに非常に敏感になったと思う。
知人や友人に会うのはできるだけ避けるようになり、どうしても行かなければいけない買い物や病院ではマスクが必須になった。
出かける時に財布・携帯電話のほかにマスクも絶対に忘れてはいけない物の仲間入りをしたのは、マスク無しでは入店お断りという店もあるからで、せっかく行ったのにマスクが無くて入れないのは悲しい。
マスクで自分を守ることはもちろんだが、最近ではどちらかと言うと他人の目を意識してマスクをつけることの方が大きいと、私自身は感じるようになってしまった。
ところで外出する時、唯一マスクをせずに出かけるのが近所の散歩で、周りは野山が多く、人ともあまり会わず会話をすることもない為マスクはしない。
また歩いて心拍数が上がってくると、マスクをしたままでは苦しくなる。
というわけで、今朝もマスクをせずに散歩へ行ってきた。
今日は、すこし遠くの公園まで歩くことにした。
着いた公園は歩く人の姿もなく静まり返っていたが、ちょうど入口から入ってくる親子連れが見えた。
ベビーカーを押して3~6歳くらいの小さな女の子二人を連れたお母さん。
ふたりの女の子は、それぞれ手に小さなバケツを持っていた。
「今日は暑いから水遊びかな?」と思いながら親子とすれ違った時、若いお母さんが笑顔で「こんにちは」と挨拶をしてくれた。
マスクをしていないのでお顔がよく見える。
親しみのある、とてもいい笑顔の方で、思わず私も笑顔になって「こんにちは」と言ったら、小さな女の子たちが口々に「こんにちはー」と挨拶をしてくれた。女の子たちも、とっても可愛らしくていい笑顔だった。
マスクをしていたらわからなかった笑顔だったかもしれない。
今後、この状況はどうなっていくのだろう。
もしかしたらこの先もずっとマスクでの外出や、人とは直接会って話をしないということが習慣になるのかもしれない。
そうしたら互いの顔が分かる状況で笑顔で挨拶を交わしたり、直接会って話をするということは、とても貴重で稀なことになるのかもしれない。
そんな未来にならないことを願いながら、あの親子の素敵な笑顔を思い出していた。