大きな被害が出ている熱海の土石流は、本当に胸が痛い。
一刻も早い救出と復旧を願うばかりだが、そういえばウチも山林の中に家が建っているのだったということを思い出した。
私の父が元気だった頃、雨が降るとすぐに電話をかけてきた。
「山に面したところを見て来い。亀裂は入っていないか、崩れていないか確認して来い」と言って、心配していつも電話をよこした。
父はその昔、頼まれて教師をやっていたことがあり、専門が土砂災害などにも関係することだったので、知識がある分、余計に心配だったのだろうと思う。
「大丈夫だよ。うちはハザードマップで危険地域になっていないし」と答えていたが、父にそう言われると気になって一応家の周りを確認していた。
でも、父がいなくなり電話がかかって来なくなってから、雨が降っても見廻りをしていない。
土砂崩れなんてあるわけないという根拠のない思い込みからだが、やっぱり見ておいた方が良いだろうと、今回の災害を見て思った。
ところで、もうずっと裏の森林には行っていない。
あれだけ行っていたのに、ぱたっと行くのをやめた。
森を歩くのは大好きで、本当はとても行きたいのだが、熊との遭遇が怖くて行けない。
最近、熊が人の住む場所に出てくることがとても多くなったと聞く。
山から離れた住宅街にも熊が現れたというニュースを聞くと、あんな街にも出たのだから、こんな山の中なら会わない方が奇跡じゃないかと思う様になった。
一説によると、熊さんは餌が不足して街へ降りて来るのではないそうだ。
山林を管理する人の高齢化などで、樹木や草木の手入れができなくなったことから、熊が身を隠せる場所が増えたことが原因だという説がある。
実際に今回のコロナで山林の手入れができず、熊の出没が多くなっている町があると聞いた。
熊さんにしたら、まだ山が続いていると思って歩いて来たら、突然町の中に出てきてしまったという事なのかもしれない。
たくさんの人間が大騒ぎをして、追いかけられてパニックになってしまうのもわかる。最後は殺されるのだから、熊さんが気の毒に思える。
ただし何もしていない人間を襲う熊もいるので、遭遇するリスクはできるだけ回避したい。
また災害も同じで、他人事だと思わず災害に対する備えは十分にした方がいいと思う。
人間の住む場所に出て来るようになった熊、今回のような痛ましい災害、そして地球規模の異常気象、またコロナもそうだが、なんだか世の中は混沌としている。
悲しいことや怒りたくなることも多くあるが、一喜一憂せずに(とても難しいが)、自分のできることややりたいことを、できれば嬉々とした気持ちでしながら暮らしていけたらと思う。
それぞれが本来の自分に戻ることが、もしかしたら世界を変えていくのかもしれない。という夢物語。。。