ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

旅の思い出は・・・

2016-06-02 15:57:25 | 日記
旅行でしばらくヨーロッパへ行っていた妹から「帰って来たよ」と電話があった。

現在、妹の娘が英国に留学しており、今年の夏に帰国する予定なのだが「こんな機会じゃないともう行けないから、娘が英国にいる間に行ってくる」と言って、妹は人生初の一人旅で英国へ向かった。

・・・と言っても英国の空港まで娘が迎えに来ているそうで、飛行機を間違えずに乗って行けば、多少
英語ができなくても、なんとかなりそうだという。

ここ最近、更年期症状で、ずっと神経が高ぶってイライラしてばかりの妹だったので、旅行でリフレッシュしてくるのは良いことだと私も妹が姪の所に行くのは大賛成だった。

そして先日、「帰って来たよ」と最初に聞いた妹の声は旅行前よりもずっと穏やかになった・・・ような気がした。

娘の所に行った妹は、しばらくロンドンで過ごした後、娘と一緒にドイツへ行ったそうだ。

私は電話の妹がヨーロッパの素敵な場所や建物を見て、その話をしてくれるものだとばかり思っていたのだが、意外にも妹が最初に教えてくれたのは、素敵な建物の話でも美味しかった料理の話でもなく、英国やドイツで見たホームレスや難民の話だった。

ニュースでも報道されていたが、特にドイツでは難民が多く、泊まっていたホテルの前ではイスラムのスカーフを被ったおばあさんが地べたに座り、毎日、一日中、紙コップを手にして物乞いをしていたそうだ。

また、凍傷で切断したのか手足の先が無くなった難民の男性が道端に横たわっている光景も目にして、妹はとてもショックを受けたそうだ。

そのような人々が路上にいるにも関わらず、壁一枚を隔てた飲食店の中では食べきれないほどたくさんの量の料理が運ばれてくる。

妹は食べ物を残してはもったいないと思いつつ、やはり全てを食べ切るには多すぎて、結局半分ちかくを残してしまったそうだが、「食べられない人たちがすぐそばに居るのに、こんなに食べ物を残してしまっている自分」という罪悪感でいっぱいになったそうだ。

難民を受け入れていているドイツなので、もしかしたら物乞いをしなくても最低限の生活は保障されているのかもしれない。

しかし、ドイツではそのような人たちがたくさんいて、難民ではないドイツ人たちの人種差別的な態度は観光で行った妹でさえも感じるほど強かったそうだ。

「私が出会ったドイツ人がたまたまそうだっただけなのかもしれないけど・・・駅員さんもカフェの店員もとても不機嫌で不親切な態度だった。つくづく自分はアジア人だったと思い知らされたような気がしたわ」と妹が沈んだ声で言った。

「ただね、お前はどこの国の人間なのか?と聞かれて日本人だと答えると、急に態度が変わって親切にしてくれることもあったわ」

そのように妹が言うので、私はてっきりドイツとは第二次世界大戦の時に同盟国(古い!?)だったからかと思ったが、そうではなくて中国人と間違われていたせいで冷たくあしらわれていたということが分かったそうだ。

近年、多くの中国人がヨーロッパに観光で訪れるようになり、そのマナーの悪さから中国人はとても反感を買ってるのだとか。
(一般的に日本人はマナーが良いと思われているので、日本人だと言うと一変して友好的になるそうだ)

それにしても私たちが白人の区別がつかないように、欧米の人々もアジア人の区別がつかないのは想像がつく。

そして多くの難民を受け入れて治安が悪くなっているであろうドイツで、外国人に対する態度が頑なになるのもわかるような気がする。
(まったく難しい問題ですね・・・)

ひとしきり暗い話をして、しんみりとした雰囲気になったが、その空気を打ち消すように力強く妹が言った。

「やっぱり日本はいいわ~!こんなに住みやすい国は無いって、しばらく向こうで暮らしてよくわかった。日本の設備の細やかなことと言ったら、もう痒いところに手が届くほどだもん。
だって、イギリスでホテルの部屋のトイレに入ったら、トイレットペーパーに手が届かないのよっ!信じられないでしょ。
どーしてこの位置にペーパーホルダーを付ける?って思ったわ。
まったく使う人の事を考えていない!」

(ちなみに妹の身長は170センチ近い。欧米人と比べても決して負けてはいない大きさなのだが、その妹でも手が届かない位置ってどこなのか興味深い・・・)

トイレットペーパーに手が届かなかったことを思い出して怒りが沸きあがって来たのか、妹はさらに力を込めてさらに言い放った。

「イギリスのシャワーはクソよっ!!」

イギリスのとある場所でシャワーを使ったら、頼りなくちょろちょろと出て来た水は肩のあたりで霧となって消え、全身を洗うなどとてもできなかったそうだ。

しかも熱湯か冷水のどちらかしか出ないそうで、ちょうどよい温度の温かいお湯を浴びて心ゆくまで身体を洗いたかったと妹は言った。

イギリスに限らず、海外はきっとこのような場所が多いのでしょうね。

今回は、妹にとって、あらためて日本の良さや有り難さを思い知らされた旅になったようです。

更年期がぶり返さないように、妹にはトイレットペーパーとシャワーの話は絶対にふらない様にしようと思う。














この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« たい肥を作る | トップ | 無駄なことはひとつもなかった »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事