ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

感謝の心で掃除

2013-04-10 15:24:35 | 介護
一人暮らしをしている父の家へ久しぶりに行ってきた。

父は80歳を越えてから、物忘れが多くなってきて意味不明の言葉を話すことが起こったため、急遽、認知症を見てくれる病院で検査を受け、そして認知症を改善させる飲み薬を出してもらった。

その後、薬の効果が現れたのか、実家近くに住む妹によると、意味不明の言葉を話すこともなく、いつもの父に戻っているとのことで すこし安心していた。

ところが、先日 急に父の歩き方がおかしくなって道で転んでしまったと妹から電話があった。

妹によると、それは突然起こったそうで、前日まで普通に歩けていたのが、急に足が上がらなくなり、重心を踵に置いたような変な歩き方になったのだそうだ。

玄関の階段を上がろうとして、足を上げたときに転んだらしい。

幸い怪我はなかったが、その日以来、急に父の気力体力が落ちたような気がすると妹が教えてくれた。

父のことが心配だったが色々な用事が重なって、すぐに父の所へ行くことができなかった。

でも近くに住んでいる妹が、時々様子を見に行って報告してくれていた。

母が亡くなってから長い間一人暮らしをしていた父は、簡単な食事なら自分で作り、家の掃除も時々やっていたが、最近はそれもしなくなり、食事はずっと妹が運んでいる。

「毎日作る食事をすこしお父さんのところへ持っていくだけだから」と妹は言うが、やはり毎日は大変だと思う。

第一、高校や大学生の子供達と80歳を過ぎた父の食事の好みは違うので、子供の好みに合わせた時は、わざわざ父用にもう一品料理を作っているとか。

「でも食事を持っていくだけで精一杯で、掃除までは手が回らないの」と妹が言う。

妹に負担をかけている分、せめて父の家の掃除くらいは私がしなければ申し訳ない。

・・・で 父の家の掃除に行ってきたわけだが、これがまた凄いことになっていた。

部屋のあちこちに食べ残して半分くらいになったお菓子の袋が散乱し、飲み残しのお茶のペットボトルが何本も転がっている。

部屋の床は「工事中ですか?」と聞きたくなるくらい、そして靴を脱いで入るのを躊躇うくらいに、ほこりやゴミが溜まっていた。

家中がどんよりと暗い雰囲気に満ちていた。

そして、もっとも汚れていたのはトイレで、ここは妹がけっして戸を開けないというくらいの場所なのだが、真夏じゃなくてヨカッタと思ったほど臭いも汚れもひどかった。

父の名誉の為に書き加えておくが、以前の父はまったく違っていた。

綺麗好きで母が生きている時も自ら掃除をしたり、自分の服にアイロンをかけたりしていたほどだった。

違っていたと言えば我が家まで車で一時間の道のりを、父は自分で車を運転して来ていたのが、つい最近のように思える。

そして、同居するお姑のばあばが軽度の認知症と診断された時「お義母さんは大丈夫か?」と心配していた父だったが、今やそのばあばより弱っている。

2年前に亡くなった義父もそうだったが、老人になると何かのきっかけで、急激に弱っていくのかもしれない。

もうすでにお昼を過ぎているのに寝巻き姿のまま、ぼーっとテレビを観ている父を見て、こうやって人は人生を終えていくのだな、人の一生なんて短いものだと思った。

さっそく家の中の暗さや汚れを除くべく、感謝の言葉を心の中でつぶやきながら部屋中の掃除をした。

人の感謝の磁気は、たとえ悪い場所であっても、それを上書き修正することができるのだそうです。

それを知ってから、自分の家でも掃除をする時は、思い出せば感謝の言葉をつぶやきながらやっているのだけど、父の家は、更に強力かつ念入りに感謝の心を込めながら掃除をしていった。

そうやって感謝の言葉をつぶやきながら掃除をしていると、子供の頃から今まで、父が私にしてくれた色々なことが思い出されてきて、心から父に感謝の気持ちがこみ上げてきた。

私自身もう二度と後悔をしないように、出来る限りの親孝行をしようと思う。







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