数年前に亡くなったある有名な方が「自分が死んだことをわかっていない人が多すぎる」と、あの世から伝えてきたのだとか。
それが本当かどうかはわからないけれど、成仏できずにまだこの世をうろうろしている人は確かに多いと感じる。
先日の夜、寝ようと布団に入った時のことだった。
布団に入ると、すぐに灯りを消して寝るということは無くて、いつも布団の中でしばらく本を読むことにしている。
この時も布団に入って本を広げたのだが、本を開いた瞬間、耳元で大きな声がした。
「出て行け」
あまりに大きな声だったので、驚いて思わず本から視線を外して顔を上げたら、部屋のドアのそばに黒い影がいて、部屋から出て行こうとするところだった。
早速、翌日からすぐに床供養を始めた。
招かざる客が家から出て行ってくれるように、成仏してくれるようにという思いで供養をする。
この方法を知ってから、家の中で見るモノに対しては恐怖心があまり無くなった。
(無理ですが)できれば子どもの頃に、、、いや10代後半から20代前半まででもよいから、これを知っていたらよかったのにと思う。
ところで結婚してからは、まったく霊的なものを見たりすることは無くなっていたのだが、何故かここ数年再び見るようになった。
あんなに怖い思いをしていたのが嘘のように無くなって安心していたのだけど。
ただ先にも書いたが、それを避ける術を学んだお陰で、恐怖心がずっと少なくなったのはとても助かっている。
結婚するまで住んでいた実家には、古くからずっと住んでいる見えない先客がいた。
当時は存在を感じても、ただなす術もなくひたすら怖かったという思い出しかない。
また亡き母も霊感が強い方で、母も家の中に何かが居ることはわかっていたのに、お盆やお彼岸などの特別な期間以外は、仏壇にお参りすることはあまりしなかった。
また父も私たち子どもも然りで、神棚も仏壇もあったのに家族の誰もお参りせず、それらはもったいないことに、ただのお飾りになっている状態だった。
これではご先祖も子孫を守りたくても力が出なかったのではないかと思う。
とはいえ、あの頃は家の中で、そのような見えないものの話をするのはタブーだったし、そんなことを話すのは恥ずかしいことだと思わされていた。
それは、もしかしたら世の中全体もそうだったかもしれない。
だから今の方が、見えない世界を信じている人が多くて、私としてはずいぶん生きやすくなったなあと思う。
そして何より肉体は無くなっても魂は生き続けるという事実(私はそう思っている)は、今後の生き方を考える上でとても大きな意味を持つことになった。
ずっと死なないのであれば、いつまでもこの世を彷徨わずに、さっさと次の段階へ行けるような生き方をしたいものだと思う。
ところで「出て行け」と耳元で叫んだのは誰だったのか。
これは驚いたのだけど、実は自分だった。
自分の声がはっきりと耳元で響いた。
まったく意図していなかった言葉で、なぜ叫ぶ自分の声が聴こえたのかは謎だ。。。
世の中にはまだまだ不思議なことがたくさんある。
今度はどんなことが起きるのか。
ちょっぴりわくわくしている自分がいる。