今日から新年度が始まった。
我が家でも今日から新しいスタートを切る家族が2名。
ひとりは長女チェリー。
いよいよ社会人としての一歩を踏み出す。
といっても、就職はまだまだ先の話で、まずは就労支援を受けて作業所で訓練を始める。
これからは、もう学校の実習ではなく、いよいよ今日から本格的にそこで働くのだと、朝は緊張の面持ちで出かけていった。
そして、もうひとり。
それは夫。
4月1日付けの人事移動で、新しい職場に移ることになり、そして新しいポストにつくことが決まった。
「いよいよ今日からだね。おめでとう!」
そう言うと、照れ笑いをしながら「これは、めでたいことなのか?これから、もっと大変になるかもしれないのに」と夫が言った。
「そうだよ。すごくおめでたいこと!」と私は答えた。
夫が今日の日を迎えることができて、本当に嬉しい。
思えば、夫は数年間、大変なストレスの中にいた。
あまりのストレスで身体を壊してしまったほどだった。
数年前、夫が人事から言い渡されたポストは、あるプロジェクトのリーダーだった。
そのプロジェクトは、そのずっと前から計画されていたものだったそうだが、あまりに難しいので、誰も手をつけようとしなかった仕事だそうだった。
失敗すれば大きな損害を出してしまうかもしれない。
でも、成功したら会社に大きな利益をもたらすことができる。
もちろん、夫もまさか自分がやるとは思っていなかったようだが、ついに会社がそのプロジェクトの実行を決め、夫に白羽の矢が立ってしまったというわけだった。
会社の人事には逆らうことができない。
「やるしかない」と始まったプロジェクトだったが、これが案の定、思うように進まず、ずっと夫は悩んでいた。
そして、仕事のことで、弱音を吐く夫を見たのは、この時が初めてだった。
「無理だ。俺にはできない」と子供のように泣きじゃくる夫の背中を、ただ抱きしめてあげることしかできなかった。
「失敗したら、責任を取って会社をやめるけどいいか?」と言われた。
子供を3人も抱えて、次のあてもなく夫に会社を辞められてしまうと、本当は困るけど「辞めていいよ。私も働くから」と、わざと明るく答えた。
でも、内心はどうしたら夫に元気を出してもらえるだろうかという事ばかり考えていた。
そして、この死ぬほど悩みぬいた期間が、たぶん夫の心を変えていったのかもしれない。
唯物主義で、見えない世界の話など嫌がる夫が、自分からそのような話を私に聞きたがった。
「魂は永遠なのか?」
「輪廻転生はあるのか?あるとしたら、何のために また生まれ変わってくるのか?」
「神はいるのか?」
そんな話を 何度も二人で話していた。
そして、夫が命がけで取り組んだ数年越しのプロジェクトが成功し、去年 会社から表彰をされた。
夫も私も地位や名誉には、まったく興味がないけれど、これは本当に本当に嬉しかった。
ひとつの大きな仕事をやり終えて、今日から新しい部署で、また新しい仕事を始める夫。
今夜は夫とチェリーの前途を祝して お祝いの宴をしようかな。
日曜日に散歩に行くと、ネコヤナギの芽が出ているのを見つけた。
地震や噴火など気になることもあるが、未来は明るいと信じたい。
我が家でも今日から新しいスタートを切る家族が2名。
ひとりは長女チェリー。
いよいよ社会人としての一歩を踏み出す。
といっても、就職はまだまだ先の話で、まずは就労支援を受けて作業所で訓練を始める。
これからは、もう学校の実習ではなく、いよいよ今日から本格的にそこで働くのだと、朝は緊張の面持ちで出かけていった。
そして、もうひとり。
それは夫。
4月1日付けの人事移動で、新しい職場に移ることになり、そして新しいポストにつくことが決まった。
「いよいよ今日からだね。おめでとう!」
そう言うと、照れ笑いをしながら「これは、めでたいことなのか?これから、もっと大変になるかもしれないのに」と夫が言った。
「そうだよ。すごくおめでたいこと!」と私は答えた。
夫が今日の日を迎えることができて、本当に嬉しい。
思えば、夫は数年間、大変なストレスの中にいた。
あまりのストレスで身体を壊してしまったほどだった。
数年前、夫が人事から言い渡されたポストは、あるプロジェクトのリーダーだった。
そのプロジェクトは、そのずっと前から計画されていたものだったそうだが、あまりに難しいので、誰も手をつけようとしなかった仕事だそうだった。
失敗すれば大きな損害を出してしまうかもしれない。
でも、成功したら会社に大きな利益をもたらすことができる。
もちろん、夫もまさか自分がやるとは思っていなかったようだが、ついに会社がそのプロジェクトの実行を決め、夫に白羽の矢が立ってしまったというわけだった。
会社の人事には逆らうことができない。
「やるしかない」と始まったプロジェクトだったが、これが案の定、思うように進まず、ずっと夫は悩んでいた。
そして、仕事のことで、弱音を吐く夫を見たのは、この時が初めてだった。
「無理だ。俺にはできない」と子供のように泣きじゃくる夫の背中を、ただ抱きしめてあげることしかできなかった。
「失敗したら、責任を取って会社をやめるけどいいか?」と言われた。
子供を3人も抱えて、次のあてもなく夫に会社を辞められてしまうと、本当は困るけど「辞めていいよ。私も働くから」と、わざと明るく答えた。
でも、内心はどうしたら夫に元気を出してもらえるだろうかという事ばかり考えていた。
そして、この死ぬほど悩みぬいた期間が、たぶん夫の心を変えていったのかもしれない。
唯物主義で、見えない世界の話など嫌がる夫が、自分からそのような話を私に聞きたがった。
「魂は永遠なのか?」
「輪廻転生はあるのか?あるとしたら、何のために また生まれ変わってくるのか?」
「神はいるのか?」
そんな話を 何度も二人で話していた。
そして、夫が命がけで取り組んだ数年越しのプロジェクトが成功し、去年 会社から表彰をされた。
夫も私も地位や名誉には、まったく興味がないけれど、これは本当に本当に嬉しかった。
ひとつの大きな仕事をやり終えて、今日から新しい部署で、また新しい仕事を始める夫。
今夜は夫とチェリーの前途を祝して お祝いの宴をしようかな。
日曜日に散歩に行くと、ネコヤナギの芽が出ているのを見つけた。
地震や噴火など気になることもあるが、未来は明るいと信じたい。