新潮社新書、山下聖美著。
宮沢賢治の入門書らしいが、よくわからない本だった。
要は、宮沢賢治の伝説を覆したがっていたのかもしれないが
悪意がないから、中途半端に終わっている。
悪意があるので有名なのは青江舜二朗の宮沢賢治-修羅に生きる (講談社現代新書 1974)が印象深かった。
あれだけ悪意のある、宮沢賢治の評伝を読んだことがない。
1974ということは、出たばかりのを読んだことになる。
発見した一つのことは、宮沢賢治は戦争を否定していなかった、ということだろうか。
賢治が信仰した国柱会というのを、昔は意識したことがなかったが、戦前の軍国主義の精神的支柱になっていた教義らしい。
ただ、賢治は国柱会に深く帰依していた、という説とすぐに別の道を歩んだという説がある。
その国柱会の本部が一時期あったのが三保だ。妹、トシの納骨のため賢治は美保を訪れている。
今日、ミ保を自転者で走ったときはそんなことを意識しなかったが、帰ってきてこの本を読んだら、「どんな気持ちで賢治はこの地を歩んだんだろう」と、思わずにはいられなかった。
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