本番が近づいてくると
慣れていない演出は演技のことばかりが気になるものだが
演技はきちんと台詞が入っていれば
舞台の上で流れができるので、なんとかなるものだ。
むしろ、本番が近づいたら次の点に注意したい。
1.始まり方
幕が開いたときに、何を見せるのかだ。
誰もいなくて音楽だけが鳴っている、なんてのは頭の中のイメージでは素敵に見えるが
自分が観客の立場だったら、退屈だ。
音楽からはじめたかったら、客席の電気が消えたときから鳴らし始めるとか
観客が飽きない工夫が欲しい。
あと、幕が開いたときに、役者は動いているのか、それともストップモーションから入るのか。止まっている役者の間を一人だけが動くとか。
シーンによっては全員が足踏みしていたり、歌っているのもいいだろう。
2.転換
本当に暗転が必要なのか、もう一度チェックしよう。
暗転するなら、暗転時間を短くする工夫をしてみよう。
さらに、止まって暗転するのか動いたまま暗転するのか
暗転してからどのぐらいで動き始めるのか、チェックする。
逆に明るくなるときにどういう状態でいるのか。
転換がきれいだと芝居はスマートに見える。
3.終わり方
幕をどう下ろすのかだ。
これは、観客にどういう感情を見せたいかを考えると
案外簡単に決まる。
余韻をどこにもたせるのかだ。
どたばただったら
幕が下りる瞬間まで大騒ぎも面白いだろう。
台本の内容によっては
照明がぱっと消えて
誰もいない舞台に天井からの
スポットがひとつ入って終わるのが
一番かっこよかったりもする。
余韻を計算して
音楽と照明をさりげなく使う
これがコツだ。
4.照明を感情に合わせて変えない
悲しいシーンだからホリゾントをブルーにするとか
怒りのシーンだから赤にするとかを、してはいけない。
感情は役者が表現するもので、照明は役者をよく見せるためのものであるのが基本だ。
役者がかっこよく見える照明を考えるのが重要だ。
照明がかっこよく見えるのは本末転倒。
5.笑い
ここまできたら笑いは無理にとりに行かない。
自分たちがつまらなくなったことでも
客には新鮮だから。
妙に大げさな演技にしたりすると
かえってすべる。
6.部分にこだわらないで通しの練習をする
とにかく、舞台全体が流れないと作品にならない。
細かいところが気になるかもしれないが
全体を通すことで、出演者は全体の流れを体に覚えさせることができる。
台詞の忘れ防止につながる。
とにかく、一日一回は通しで練習するのが望ましい。
うまいシーンを作るのではなくて
だめなシーンを作らないほうが、舞台はスマートなのだ。
自分が高校生の演劇部を教えていた時
本番直前1週間前に言っていたことをまとめてみた。
あまり約にはたたないかな。
慣れていない演出は演技のことばかりが気になるものだが
演技はきちんと台詞が入っていれば
舞台の上で流れができるので、なんとかなるものだ。
むしろ、本番が近づいたら次の点に注意したい。
1.始まり方
幕が開いたときに、何を見せるのかだ。
誰もいなくて音楽だけが鳴っている、なんてのは頭の中のイメージでは素敵に見えるが
自分が観客の立場だったら、退屈だ。
音楽からはじめたかったら、客席の電気が消えたときから鳴らし始めるとか
観客が飽きない工夫が欲しい。
あと、幕が開いたときに、役者は動いているのか、それともストップモーションから入るのか。止まっている役者の間を一人だけが動くとか。
シーンによっては全員が足踏みしていたり、歌っているのもいいだろう。
2.転換
本当に暗転が必要なのか、もう一度チェックしよう。
暗転するなら、暗転時間を短くする工夫をしてみよう。
さらに、止まって暗転するのか動いたまま暗転するのか
暗転してからどのぐらいで動き始めるのか、チェックする。
逆に明るくなるときにどういう状態でいるのか。
転換がきれいだと芝居はスマートに見える。
3.終わり方
幕をどう下ろすのかだ。
これは、観客にどういう感情を見せたいかを考えると
案外簡単に決まる。
余韻をどこにもたせるのかだ。
どたばただったら
幕が下りる瞬間まで大騒ぎも面白いだろう。
台本の内容によっては
照明がぱっと消えて
誰もいない舞台に天井からの
スポットがひとつ入って終わるのが
一番かっこよかったりもする。
余韻を計算して
音楽と照明をさりげなく使う
これがコツだ。
4.照明を感情に合わせて変えない
悲しいシーンだからホリゾントをブルーにするとか
怒りのシーンだから赤にするとかを、してはいけない。
感情は役者が表現するもので、照明は役者をよく見せるためのものであるのが基本だ。
役者がかっこよく見える照明を考えるのが重要だ。
照明がかっこよく見えるのは本末転倒。
5.笑い
ここまできたら笑いは無理にとりに行かない。
自分たちがつまらなくなったことでも
客には新鮮だから。
妙に大げさな演技にしたりすると
かえってすべる。
6.部分にこだわらないで通しの練習をする
とにかく、舞台全体が流れないと作品にならない。
細かいところが気になるかもしれないが
全体を通すことで、出演者は全体の流れを体に覚えさせることができる。
台詞の忘れ防止につながる。
とにかく、一日一回は通しで練習するのが望ましい。
うまいシーンを作るのではなくて
だめなシーンを作らないほうが、舞台はスマートなのだ。
自分が高校生の演劇部を教えていた時
本番直前1週間前に言っていたことをまとめてみた。
あまり約にはたたないかな。
清水邦夫さん・高校演劇の検索をしていてたどりつきました。
偶然このエントリを拝読し、はっとしました。
>6.部分にこだわらないで通しの練習をする
高校生のとき、初演出をさせていただき大失敗した苦い思い出があります。
本当に、そう思います。
まずは、流れないと いけないんですね。
今思えば、何をこだわってしまったのか、全体のプランも無いのに、細かい指示を出し繰り返し出だしばかり返してしまい、お互い煮詰まっていました。
井の中のかわずでした。
今は芝居からは遠ざかっていますが、コーラスやピアノでも同じような場面があり、役に立ちそうなので、この「本番直前」に書かれたことを胸に刻みました。
とても勉強になりました。(自分が高校時代に聞きたかったとは思いますが。)
まだまだ、人生で生かせそうな気がします。ありがとうございました。
ここでは、気にかけないといつまでも気がつかないことを心がけて書こうと思っています(演劇についてはですが)。
当たり前のことはかえって言われるまで気がつかないものなのです。
私は「泳ぐときは鼻から息を吸ってはいけない」というのを50歳になって知りました。「鼻から吐いて、口から吸う」のが基本なのだそうです。これができるようになって1km泳げるようになりました。