10月13日。前日は台風19号が上陸して、日本各地に被害をもたらし、丸子泉ヶ谷里山芸術祭も中止だったのだが、翌13日は天気に恵まれた。
展示されている作品は玉石混合だが、見事なものも結構ある。
会場は7つに分かれていて、観るのに結構時間がかかった。
第5会場で石村君に出会いしばし歓談ののち、いったん別れ、時間近くに上演場所へ入場した。
泉ヶ谷公民館で【里山おはなし会】
石村勇二
★井上ひさし作「質草」
新間好子
★藤沢周平作「桐畑に雨のふる日」
新間さんもよかったが、石村君の「質草」は本当に良かった。
一人芝居と言いながら、ほとんど落語に近い語りで、それでいて小説が素材なので、落語ともちょっと違う、ふしぎな感じだ。
落語で言うまくらの部分ではちょっと不安になったけれど、本編が始まってからは実になめらかで、途中涙が出てきたくらいだ。
話としては、黄表紙の版をする版木職人が、自分も戯作を書いてみたくなり、書いたところ出版され、書くたびに人気が上がっていったのはいいが、書く作品書く作品すべてが夢落ちで、これでいいのかと迷っていた。雪の日に姉のところへ用事があってその帰り、団子やで 団子を頼んだのはいいのだが、いざ払おうとしたら、財布がない。そこで向かいの質屋へ行って・・・。
中盤から後半にかけて、どんどん滑らかになっていった。
残念だったのは、観客の少なさ。ちょっと前に、やった公演は売り切れだったのに(だから行けませんでした)、無料の公演がガラガラとは。
お茶のサービスもあって、お得だったのに。