演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

目線をそろえる

2009年12月19日 08時37分37秒 | 演技
目線をそろえられますか。
数人で演技をするときに、同じものを見ていることを示すもので、
「あれはなんだ」
「え?」
「ほらあれだ」
「なるほど、あれか」
というようなときです。

本人たちは前を向いているので
目線があっているかどうか分かりません。
こういうときは、あらかじめ目標を決めてください。

一番後ろの非常灯とか
脇の時計とかです。

プロも大体そうやっています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

役者に適した人

2009年12月11日 12時31分20秒 | 演技
役者に適している人は
しゃべるのがうまい人ではありません。
テレビを見ているとわかると思いますが
役者さんは普段しゃべるのが苦手な人が多いです。

一番適しているのは
台詞をしゃべっているときに
一番自由になれる人です。

逆にしゃべるのが好きな人は
案外裏方が向いています。

漫才とかお笑いも、うまくしゃべれる人が面白いとは限りません。

あの人は無口だから
役者に向いていないのではなく
あの人は無口だから
一度配役してみよう、と発想を切り替えてみてください。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

センテンス

2009年12月09日 22時59分05秒 | 演技
脚本に「、」があったり「…」があると間を開ける人がいますが
これは間違いです。
書いている人間は、そのときの気分で「…」を入れますが
実際には、そんな読み方だと面白くならないことがほとんどです。

なぜなら、書いているときって結構いい加減だからです。

で、すばらしい役者が独自の解釈で
区切るところを変えても
なるほどと、作者は思いますが
台本を変えることはありません。

自分で考えて区切りましょう。

出来れば一回も区切らないで読んでみるのも手です。
区切りたくなるところが分かるかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手の置き所

2009年12月08日 00時20分32秒 | 演技
演技をやっているときの手の置き所は意外と難しい。
演出している時はあまり言わないようにしているが
本当は、気をつけたいところかもしれない。
うまい役者の、手の置き所
あるいは手の演技に気をつけてみたい。

実はものすごくうまい役者がいた記憶があるのだけど
思い出せないのだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会話するということ

2009年12月05日 08時21分11秒 | 演技

前に「説明する」「語る」「会話する(しゃべる)」は違う、と書きましたが、一番端的にこれを実感できるのは「落語」です。
落語はほとんどが会話で構成されています。
ただ、本筋に入る前に「枕」で時代背景を説明したりします。
それから、たとえば「芝浜」というような落語では次のように語りだします。

「魚屋といいましても、店を構えているのもあれば、天秤棒に魚を入れる器を下げまして、ほうぼう売って歩きます、棒手振りという魚屋もあります。その棒手振りの熊五郎。大変に酒が好きで、仕事に行かない日が続きます。借金だらけ。暮れへかかって、にっちもさっちもいかなくなった。」
これは地の文とも言いますが、ここが語りです。
それから、会話になります。
いかがですか、一度落語を聴いてください。
図書館だと無料でCDを貸してくれます。


枕については
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%90%BD%E8%AA%9E
本筋に入る前に演目に関わりのある小話が語られ、これを「枕」という。これの果たす役割は、小話で笑わせて、本題の前に聴衆をリラックスさせる、本題に関連する話題で聴衆の意識を物語の現場に引きつける、落ちへの伏線を張る、などが挙げられる。
古典落語の演題の中には、現在では廃れてしまった風習、言葉を扱うものがあり、それらに関する予備知識がないと、話全体や落ちが充分に楽しめないことがあり、枕がこの目的にあてられることも多い。

芝浜はこちらで。
http://kkubota.cool.ne.jp/shibahama.htm

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

重心の移動

2009年12月01日 00時01分11秒 | 演技
回れ右、後ろ向け後ろ、って出来ますか?

では、声を出してゆっくりとやってみましょう。

1.「なんだって」ややゆっくり。
2.「なーんだって」かなりゆっくり
3.「ぬあーんだって」じっくりためて。

では次に、腰から下は回転しないで上半身だけ回して同じ台詞を。

何が違うのでしょう?
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台詞はどう語るか

2009年11月10日 20時31分29秒 | 演技
台詞は、会話と語り、そして説明があります。
これを間違えると、意味のない笑いが随所に入る説明になったりして
とても聞き苦しいものとなります。

あなたは演じ分けているでしょうか。
感情の入れ方が違うのですが、これを説明してもなかなか理解してもらえません。

台詞の区分が出来ていないからです。

でも、一番いい出来の年の生徒は、他の学校の芝居を観たあとで、この区分がどこで出来ていないかを明確に言い当てていましたから、高校生のレベルでも出来ることです。

区分できますか。
で、どう演じ分けますか。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ト書きは最低限でもとりあえずは読める

2009年11月04日 23時48分22秒 | 演技

チャペックの「RUR」の冒頭です。

 幕前

ナレーション 商品名「ロボット」。この商品は、当社が開発した人造人間であり、人間のあらゆる労働を肩代わりしてくれる、万能労働者です。また、一台あたりの値段も大変安くなっておりまして、何かとお困りの人件費の削減にもお役に立つこと間違いありません。RUR、ロッサム世界ロボット製作所の「ロボット」を、ぜひお買い求め下さい。……

 第一幕  

ロッサム世界ロボット製作所社長室。下手に入口。正面奥には窓がいくつかあり、その向こうに立ち並んでいる工場の煙突が見える。上手には管理局の部屋がつづく。ドミンは大きな事務机を前にして、回転椅子に坐っている。下手の壁には汽船と鉄道の大きな路線図が数枚あり、上手の壁には印刷されたポスターが貼られている(内容は幕前のナレーションのようなもの)。壁のものとは対照的に、床には美しいトルコじゅうたんが敷かれ、ソファ、革製のアーム・チェア、書類整理用の棚がある。窓際の机の近くで、スラがタイプライターで手紙を打っている。

 

これを一行、社長室である、としたとしてそのあとの台詞が解釈不能だとは思えません。

 

ドミン (口述している)いいか?

スラ はい。

ドミン イングランド、サウサンプトン、E・M・マクヴィッカー株式会社御中。「当社としましては、輸送中破損いたしました商品の保証はいたしかねます。積み込みの際、貴社の船がロボットに適さないことは、船長に忠告済みでありますので、当社が責任を負うところではございません。なにとぞご了承下さい。今度とも、ロッサム世界ロボット製作所をよろしくお願いします。」  

スラはドミンがしゃべっている間、じっと動かず坐っていたが、しゃべり終わるとすぐタイプライターを打ち始め、数秒で終えると、完成原稿を引き抜く。

 ドミン できたか?

スラ はい。

ドミン では次。アメリカ合衆国、E・B・ハイソン代理店御中。「ロボット五〇〇〇台の注文を確かに承りました。貴社の船をこちらにお回しになる際、復路用に往路と同量の石油、石炭を積み荷にお載せくださるようお願いします。その分の費用は、当方から一部、口座振込にてお支払いいたします。今後とも、ロッサム世界ロボット製作所をよろしくお願いします。」  

スラが再び素早いタイプを繰り返す。

 ドミン できたか?

スラ はい。

ドミン では次だ。ドイツ、ハンブルク、フリードリッヒ製作所御中。「ロボット一五〇〇台の注文を確かに承りました。」(電話が鳴り、取る)もしもし、社長室だ。ああ、確かに。そうだ、電報を打っておいてくれ。よろしく頼む。(電話を切る)ええと、どこまで行ったかな。

スラ 「ロボット一五〇〇台の注文を確かに承りました。」

ドミン ロボット一五〇〇台、一五〇〇台か。  

マリウス登場。 ドミン 何事だ?マリウス 女性が面会を希望しておられます。

ドミン 女性? 誰だ。

マリウス 存じません。名刺をお持ちになりました。

ドミン (名刺を読んで)ああ、グローリィ会長の紹介か。通してくれ。

マリウス どうぞお入りください。  

ヘレナ・グローリィ登場。 マリウス去る。

 ヘレナ こんにちは、はじめまして。

ドミン どうもはじめまして。(立ち上がって)今日はどういったご用件でしょうか?

ヘレナ 取締役のドミンさんでいらっしゃいますね?

ドミン ええ。ヘレナ お願いがあって参ったのですが――

ドミン グローリィ会長のご紹介とあらば、ぜひおうかがいいたします。

ヘレナ グローリィ会長はわたくしの父です。わたくし、ヘレナ・グローリィと申します。

ドミン お嬢様、わたくしどもとしてましても、会長のお嬢様をお迎えできるとは、たいへん光栄なことにございます。それに――

ヘレナ わたくしに、お引き取りくださいと言えないこともですか?

ドミン お掛けください。スラ、君は席を外しなさい。

 

斜体のところはなくても、まあ意味が通じるところです。色を変えたところは、演出上押さえなくてはならないところでしょうか。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脚本の読み方

2009年11月03日 21時16分53秒 | 演技
ト書きをどう読むのか。
というか、ト書きって読んでますか?
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ついでだから忘れる練習も

2009年11月02日 20時25分13秒 | 演技
台詞を覚えることは、なかなか難しいものです。
ついつい正確に覚えよう覚えようとして、結局本番で忘れてしまうことがよくあります。

私はなるべく早く覚えて、早く忘れよう、と指導していました。

50分ぐらいの芝居なら、半分ぐらいまで午前中で覚える努力をするのです。
もちろんきちんとは覚え切れませんが、このスピードで覚えると、すぐにたち稽古に入れます。
すると、読んだだけでは見えなかった部分がたくさん見えてきます。

でも、急いで覚えたことって、すぐに忘れることが多いのです。
一夜漬けと同じですから。
忘れると、相手の台詞を初めて言われたかのように受け止めることができるようになります。
で、また急いで覚えます。

こうやって練習するうちに、台詞を記憶の深層で記憶することが出来るようになります。

無意識のうちに、台詞が出てくるようになるのです。

急いで覚えて急いで忘れる、試験勉強と同じです。
なぜ、練習で活用しないのでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする