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樋口一葉研究会 第二十七回例会へ

2014年06月14日 | 樋口一葉
今日は樋口一葉研究会(以下一葉研究会)の、第二十七回例会(1)に出席するため、
会場の駒澤大学まで行ってきました。

一葉研究会は、今から十年以上前、私は大学院で樋口一葉の作品について、
勉強をしていた時から、ずっと参加している研究会です。(2)

毎年6月に例会があり、11月に大会があるのですが、できるだけ都合をつけて出席をします。
特に11月の大会は、一葉の命日の11月23日に行われることが多いので、予定が入らないよう、早くから手帳に書き込んでいます。
こうした研究会は敷居が高い印象がありますが、大規模な学会に比べるとアットホームで、
先生方との交流もしやすいので、院生などにもおすすめです。

今回は昭和文学会という、国文学研究の中で規模の大きい学会と重なってしまったため、
いつもより参加者が少し少なめでした。
しかし、徳永夏子氏は、一葉日記がどのように受け止められてきたかを丁寧に発表され、
関礼子氏(以下関先生)は、一葉の後期小説にある<悪>についてをご講演をされ、
多くのことを得ることができました。

特に、今回の関先生のご講演内容は、「講演」のよさが活かされた内容だったので、
私は一葉作品の<悪>の部分を、「ぶるっ」と体で感じずにはいられませんでした。

例会終了後、懇親会がいつもあるのですが、私は子どもが生まれてからは、
なかなか参加していなかったのですが、今回久しぶりに参加することができ、
例会とは違った、自由にいろいろな意見を交わす機会に恵まれました。

こうした場所に参加すると、雲の上のような存在の先生も、
普通の人間であることに気が付きます。(?!)

2ヶ月前に林真理子さんの講演を聞いた時も、同じようなことを感じたのですが、(3)
これらは私にとって、とても大きなヒントとなりました。

帰宅後、関礼子先生の一葉文学についての講演録(4)を読み返したくなり、
再度読み返したところ、今回のご講演と繋がるところがあり、
近年の論文をもっと読んでみたい気持ちがわいてきました。

私の中で、文学研究の快感がよみがえってきたのです。

そして、今までは文学研究は論文を書かなければ意味がないと思っていましたが、
研究会に出席し続けてきたことや、絵本という文学を読み続けてきたことは、
できる範囲で小さな文学研究を続けてきたと、言えるのではないかと思えてきました。
研究者にとって論文を書くことが、何よりも重要であることは百も承知ですが。

できていないと嘆くのでなく、できていることを喜びたい。

世の中の物差しで見たら、できていないと言われるかもしれませんが、
今は私の物差しを、できることを大切にしたいと思います。

「継続は力なり」

院生時代、お世話になった、恩師の言葉を思い出したのでした。

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【注】

(1)研究発表 「明治末期から大正期の女性の日記と樋口一葉」 徳永夏子(日本大学他非常勤講師)
講演 一葉における<悪>という表象 ――後期小説の転回―― 関礼子(中央大学文学部教授)

(2)樋口一葉研究会の詳細については、過去ログ 「樋口一葉研究会」 参照。

(3)過去ログ 「林真理子 特別講演 「小説を書く時間」」 参照。

(4)関礼子 「講演録 リアルとロマン――樋口一葉の文学――」 『中央大学国文』第55号、平成24年3月。


【今日読んだ本】

★ 平山暉彦 作・絵 『今日はハロウィン』福音館書店、2013年(月刊予約絵本 こどものとも 通巻691号)。
「娘のお気に入り。読むとハロウィンが待ち遠しくなる!」(51/100 再読)


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