フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



 4~6月期のテレビドラマもそろそろ出そろいました。私の感想を書く、恒例のテレビドラマ批評の時期です。深夜枠ドラマについては既に書いたので、今回はプライムタイムのドラマの中から感想を書きましょう。一度では書ききれないので、今回は一部になることをご了解ください。

貴族探偵 (フジテレビ系、月曜9時) 11.8%

 麻耶雄嵩(まや・ゆたか)の同名小説のテレビドラマ化作品。警察や探偵が活躍する1話完結ミステリーが全盛の昨今、主人公が変人というのも既にお約束の設定です。またまた変わった主人公があらわれましたが、ただ変わっているだけではなく、主人公は「推理しない」という推理ドラマ。なんじゃそりゃ?と思って見たところ、貴族の主人公は、「下々の者」に推理を任せるんだとか。生瀬勝久や松重豊ら芸達者な脇役ががっちり周りを固めて、態勢は万全という布陣のようです。
 ただ、疑問なのは、主人公の貴族探偵のキャスティングで、この役は相葉雅紀である必要があったのでしょうか。相葉クンと言えば、嵐の中ではどちらかといえば庶民的というか、親しみやすいキャラクターで高感度の高い人です。嵐の中で、もっとも貴族に見えない人。その彼が高貴な人物を演じているのが面白いと言えば面白いものの、似合っていないことは明らか。もしかすると、探偵なのに推理しない、主役なのに出番が少ない…というこの斬新な設定ゆえに、相葉クンを起用したのか?そんな妙な興味を持ってしまいました。この主役のキャスティングが視聴者にどう評価されるのか。局がたいへんな番組宣伝をしたので、初回はある程度の高視聴率が期待できますが、継続するかどうかはその点にかかっていると思われます。


CRISIS 公安機動捜査隊特捜班 (TBS系水24時) 13.9%→11.2%

 テレビドラマ『SP』や『BORDER』の脚本も担当した小説家・金城一紀が今回も脚本を手がけ、主役に小栗旬と西島秀俊、脇に田中哲司、野間口徹、長塚京三ら、ちゃらいイケメンとは一線を画する渋い俳優陣を起用。そして、本格的なアクションシーンの連続と、勧善懲悪の枠におさまらないストーリーの展開。これは明らかに、大人が見るにふさわしい内実を備えたテレビドラマ作品になっています。
 ただし、本格的な大人向けの作品が、実に単純な娯楽作品に対して、視聴率的には負けてしまうこともしばしばあるのがテレビドラマという世界。たとえば、同じアルファベット題名作品、同じ西島秀俊の主演で『MOZU』という作品がありましたが、テレビ視聴率だけで見れば視聴者に支持されたとは言えませんでした。この『CRISIS』の場合、特に勧善懲悪ではなく、犯人が逮捕されるとは限らないところが、リアルといえばリアルですが、視聴者の爽快感にはつながりません。その点で視聴率は内容ほどにはついてこないかもしれませんが、そ
れはもう視聴率という評価基準の限界と言うほかないでしょう。


あなたのことはそれほど  (TBS系、火
曜22時) 11.1%

 それほど好きなタイプではなかったけど、いい人と穏やかな気持ちで結婚した女性・渡辺美都(波瑠)。しかし、そんなときに、中学時代に好きだった同級生に再会してしまう…という設定。
 原作はいくえみ綾(りょう)の同名マンガ作品。いくえみ綾は、微妙で繊細の女性の気持ちを描くことに定評のあるマンガ作家。若い固定的なファンがいて、私の指導学生が卒業論文に取り上げたこともあり、そのときに集中的にこの人の作品を読みました。ただ、マンガとテレビドラマはジャンルが違います。テレビドラマはお金をとらない分、マンガよりも幅広い多くの受容者を必要とします。近年はマンガ作品のテレビドラマ化が頻繁におこなわれていますが、マンガの世界を忠実に再現しようとするだけでは成功しません。
 本作では、東出昌大の役柄がネット上で話題になっています。かっこいい役の多い東出が、今回は表面的には「いい人」なのに、どこか狂気に変貌しそうな人物を演じています。「冬彦さんの再来か」(注:冬彦とは、『ずっとあなたが好きだった』に登場するマザコン夫で、佐野史郎が演じた)という書き込みもあり、東出の怪演がマンガにはないテレビドラマの見どころ、ツッコミどころになりそうです。そこに注目して、2回目以降を見ていきたいと思います。


緊急取調室2(テレビ朝日系、木21時) 17.9%

 警察内の取り調べ室内でおこなわれる、被疑者と警察官の攻防に焦点化して1話完結作品。  2014年に放送された作品の続編第2シリーズで、設定も配役もほぼ第1シリーズのままです。
 主演の天海祐希に加えて、周囲をかためるのは大杉蓮、小日向文世、でんでんといったおじさん(おじいさん?)たち。ここまで主要キャストの平均年齢が高いドラマも珍しいのですが、それだけに若い俳優たちにはない「いい味」をみんな出しています。
 ただし、取り調べ室内の被疑者と警察官の攻防に焦点化しているということは、決定的な証拠をつかんで逮捕して終わりというドラマとは違って、いかに被疑者に自白させるかがカギとなるということです。言い換えれば、決定的な証拠をつきつけていないにもかかわらず、被疑者に自白させる過程が作品の肝(キモ)ですから、よほど綿密に練られた脚本でないと、視聴者は納得しないでしょう。つまり、「それくらいじゃ、被疑者は自白しないよ」と視聴者に思われたら作品の負け。第1シリーズも視聴率的に好評でしたが、自白に至る必然性の点で、何回か物足りないことが私にはありました。せっかく第2シリーズは高視聴率で発進したのですから、その点のクオリティーを今後も継続してほしいと要望しておきたいと思います。



人は見た目が100パーセント (フジテレビ系、木曜22時) 9.5%→6.4%

 こちらの原作は大久保ヒロミの同名マンガ作品。女子力ゼロのリケ女3人が中心人物。「女子力ゼロのリケ女」というと、ヒットした『デート』(2015年、主演:杏・長谷川博己)を思わせます。
 化粧のしかたやスカーフの書き方など、女性のファッションに時間を多く割き、コント仕立ての小ネタを随所に入れるなど、「ドラマ」の定型を破っている場面の多い作品。なかなかの面白い仕掛けのドラマだと思います。とはいえ、ネット上では主役3人のキャスティングにコメントが集中しているようです。
 その3人とは桐谷美玲、水川あさみ、ブルゾンちえみ、の3人。ネット上では、ブルゾンちえみが高評価の一方で、桐谷美玲が一生懸命さえないリケ女を演じていても、綺麗すぎて感情移入できないと書く人が多いようです。私の印象では、桐谷美玲はそこそこ頑張っていくように見えますが、水川あさみの「やつし方」はかなり物足りません。また、桐谷美玲についても、頑張ってさえなくしてはいるものの、『デート』の杏に比べたらまだまだ。綺麗な女優さんが「そこまでやるか」というくらい「ださく」「さえなく」して、それでやっと視聴者は評価してくれます。桐谷美玲が、『デート』の杏のアヒル口やネズミのメイクくらい大胆に演じたら、視聴者に支持されるんですけどね。



小さな巨人 (TBS系、日曜21時) 13.9%

 警視庁と地域の警察署を舞台にして、エリートコースから外された警察官(長谷川博己)のそこからの不屈の闘いを描きます。「警察版・半沢直樹」などとも言われているようで、確かに共通点が多くあります。プロデューサー福澤克雄らスタッフの多くが同じですし、かたき役に香川照之を起用していることや、組織の中で理不尽な扱いを受けながらそこから逆襲していくストーリー展開も共通しています。TBSの看板でもある日曜劇場(日曜日21時)という放送枠も同じですし、『半沢直樹』依頼のヒットを狙うTBSの宣伝の力の入れようもかなりのものです。
 とはいえ、人気作と共通点が多いからと言って、同じようにヒットするとは限らないのがテレビドラマの難しいところ。何より、『半沢直樹』のときは、視聴者が半沢直樹のようなヒーロー像を待ち望んでいたという状況がありました。このことは別の機会にも書きました。
 ⇒ 「『半沢直樹』は『GTO』の再来か」
  東日本大震災から2年経ち、少し単純すぎてもいいから、困難な状況を乗り越える不屈の人物像に明るい未来を託してみたい、そんな気分が当時はあふれていたのだと思います。その願望が今のこの2017年の日本社会でも変わらないのかどうか。この『小さな巨人』という作品の今後から、そのことがわかってくるように思います。


あいかわらずの校務多忙につき、録画番組を見る時間がないこと、ブログを書く時間が十分にとれないことがあり、今回は書きききれなかった作品もあります。それはまた次の機会に書きたいと思います。


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 1~3月期のテレビドラマも放送から1か月半が過ぎました。私の感想を書く、恒例のテレビドラマ批評の3回目です。今回は、まだ書いていなかった作品と深夜枠ドラマについて書きましょう。


きみはペット (フジテレビ系 月曜深夜) 

 既に2月から放送されていた作品で、テレビドラマ放送は既に終盤。原作は、言わずと知れた小川彌生のマンガ作品。過去には日本でも韓国でもテレビドラマ化されています。日本では、小雪と松本潤のコンビでドラマ化されているので、そちらのイメージが強い人が多いかもしれません。可愛らしさでは松本潤よりも志尊淳が勝りますが、実はダンス(原作はバレエ)の世界では一流の踊り手という設定のカリスマ性は松本のイメージに合うのかもしれません。ちなみに韓国版ではあのチャン・グンソクが演じていました。今回のテレビドラマ作品の出来もなかなかですし、志尊淳の起用もあたっていると思いますが、既によく知られた内容ですし、深夜枠でもあるので、もう少し内容に冒険がほしいところです。


兄に愛されすぎて困ってます
 (日本テレビ系、水深夜) 

 夜神里奈の同名マンガのテレビドラマ化。6月末には映画化作品の公開が予定されており、映画化に先がけての先行テレビドラマ化ですから、映画の宣伝も兼ねているのでしょう。しかも、主演の土屋太鳳らキャストは、映画、テレビドラマともに同じ。ですから、テレビドラマの内容は、映画版で描かれていない裏エピソードとなるようです。
 本当は血のつながらない兄に溺愛される女子高生、突然おとずれたモテ期…と、内容はこれまでにも繰り返されてきたよくある設定。その分、何かの新しさや刺激がほしいところですが、それが実年齢22歳になった土屋太鳳のセーラー服でしょうか。22歳で高校生役をするのはけっしておかしくありません。しかし、知名度、演技力など、何をとっても他のキャストより群を抜いている土屋太鳳が、周囲に比べて一人だけ大人に見えてしまうのは私だけでしょうか。

100万円の女たち  (テレビ東京系、木曜深夜) 

 青野春秋の原作マンガのテレビドラマ化作品で、ラドウインプスの野田洋次郎が主演することで話題の深夜ドラマ。設定はとにかくミステリアス。売れない小説家の主人公のもとに、5人の女性たちがやってきて同居することに。しかも、5人がそれぞれ100万円を毎月主人公に支払うとのこと。いったいこれからどうなるのか、興味がつもります。
 ただ、初回は謎の設定を提示しただけですので、これだけでは何とも言えません。今後にどんな展開となるのか期待は持てるので、録画し続けるとは思いますが、あまり謎解きを引っ張られすぎるとついていけなくなるので、毎回それなりに楽しませてくれるかがカギになりそうです。


恋がヘタでも生きてます  (日本テレビ系、木曜23時)

 原作は藤原晶の同名マンガ作品。恋愛ドラマが視聴者に支持されない時代ということがしばしば言われていて、私もマスコミからそういう質問を受けることがよくあります。それに対して、「以前のような恋愛ドラマは受けないものの、現代には現代なりの恋愛ドラマはある」と答えることにしています。そのひとつの形が「恋愛苦手な人の恋愛」というテーマであり、これまでも『デート』『世界一難しい恋』などの作品が生まれてきました。
 その方向に沿った作品ということは言えますが、もとはマンガ作品ということもあり、王子様役の男性像が典型的すぎるのが、私には少し物足りないところです。ただ、強気のキャリアウーマンを演じる高梨臨と、ゆるふわな雰囲気を醸し出す土村芳の対照的な取り合わせは見どころですし、朝ドラでどちらも主役の脇を固めた二人が、今度は深夜枠で中心をどのように演じるかも興味深いところです。


孤独のグルメ6 (テレビ東京系、金曜深夜) 

 既にシーズン6と、もう説明の必要のない深夜ドラマ。「夜食テロ」と言われる深夜のグルメ番組ブームの先がけとも言える定番ドラマです。松重豊がひたすら一人で食べまくるドラマで、私もタイトルをパクらせていただいて、「孤独のグルメ」というタイトルのブログを何度も書いています。
 シーズン6のこれまで放送された2回見たところ、基本的にはこれまでと変わりませんし、変わらないところがいいところでもあります。初回は大阪に出張し、2種類の店を紹介して特別版ふうでしたが、2回目からは通常通りに戻りました。シーズン1など初期の頃は主演の松重豊以外はほとんど無名の俳優さんばかり出演していたのに、回を追うごとに出演者が豪華になってきました。近頃は、少し映るだけのチョイ役に有名俳優を起用するなど、すっかり俳優陣をぜいたくに使う番組になりました。俳優陣は豪華になっても食べる料理はあいかわらず庶民的。フレンチレストランで気どって食べる井の頭五郎を見たいとは思わないので、この構図は今後も変わらずにいってほしいところです。 


マッサージ探偵ジョー  (テレビ東京系、土曜深夜)

 深夜ドラマは、肩のこらない気楽に楽しめる普通っぽい作品と、実験的冒険的ないわゆる「とがった」作品とに大きく分かれます。この作品は明らかに前者の典型。しかも、作品冒頭に、これまで数ある「変わった探偵もの」のひとつだと、自分から宣言しているところも、変にとりつくろっていなくて潔いです。

 主人公の中丸雄一は対人恐怖があって、普段は人と喋るのが苦手。それなのに、マッサージしただけですべてわかってしまうという超人的能力を発揮します。その人物設定も面白いのですが、さわっただけでわかってしまうので、謎解きがあまりにも簡単すぎます。30分番組という放送時間が短い中のドラマなのでしかたありませんが、超人的な主人公ゆえに簡単に謎が解けてしまいすぎるというジレンマが生じるのが、少し物足りないところです。


書ききれなかった作品もありますが、それはまたに機会に。今回はこのくらいにしておきます。


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 4~6月期のテレビドラマはまだ数作品しか始まっていませんが、その前にいくつか気になっている作品について感想を書いておきましょう。というのも、新しい試みを持った作品が出ているからです。
 テレビの役割が相対的に小さくなっていく中で、テレビドラマの視聴率や存在感が低下しているという指摘は多々あります。また、人気マンガのドラマ化など、同じようなドラマ企画ばかりで飽きてしまうと、いう指摘もあります。それらの指摘自体は否定できませんが、そんな中でもテレビドラマの中で面白いチャレンジをしている作品については、注目しておきたいと思います。

 まずは 『バイプレーヤーズ』 (テレビ東京系、金曜深夜)。前回もこのブログで書いたように、6人のわき役(と言ってもかなり著名な俳優たちですが)を実名で登場させるドラマ。その他の登場人物を含めてほぼ全員が実名で登場しているのに、内容は完全なフィクションというところが斬新です。フィクションですが、この人ならこういうことをするかも…と思わせる作りいなっている工夫が見事です。
 第6話では眞島秀和や野間口徹といったより若い世代のバイプレーヤーたちが登場しました。その世代のバイプレーヤーたちで続編を作ったら…という気がします。あるいは笹野高志、平泉成
らの高齢バイプレーヤーたち、さらには木南春夏や平岩紙にらよる女性バイプレーヤー版なども面白いのでは…。そんな連想が次々にはたらいてきます。

 深夜枠と言えば、『バイプレーヤーズ』の後に放送されていた 『山田孝之のカンヌ映画祭』 (テレビ東京系、 金曜深夜)も斬新でした。山田孝之が本気でカンヌ映画祭を目指して映画製作のプロデューサーを務めるドキュメント…と見せておいて、ドキュメントなのかフィクションなのか判然としない造り。最後の方で種明かしとなりましたが、そこまでよくわからない世界に連れていかれる不思議な感覚を味わいました。
 近年、テレビ東京系列の深夜ドラマには挑戦的な作品が多く、視聴率でははかれない興味深さがあります。

 次に興味深かったのが 『スリル』 (NHK)。小松菜奈主演の「赤の章」と山本耕史主演の「黒の章」に分かれて、それぞれ4回の1話完結ミステリー。制作者のコメントとして、次のようにありました。
   こんなにハジケた小松菜奈さんを見たことがない!
   こんなカッコ悪い山本耕史さんを見たことがない!
 たしかにその通りでした。「キュートで楽しいミステリー」という言葉にも嘘はありませんでした。あまりミステリー好きではない私ですが、同じ設定から異なる主人公を2人たてるという面白い試みを、おおいに楽しむことができました。

 さらに、今週から始まったばかりの 『やすらぎの郷』 (テレビ朝日系、月曜~金曜12時30分)が目につきました。
 毎日(月曜から金曜まで)放送するいわゆる帯ドラマは、今ではNHKの朝ドラ(連続テレビ小説)だけになってきましたが、過去には民放の昼の帯ドラマが放送されていました。しかし、テレビ環境の変化もあって、昼の民放帯ドラマは姿を消しました。そこへあえて民放帯ドラマを復活させたところに、この作品の挑戦的な姿勢があります。しかも、脚本は倉本聰。演じるのは石坂浩二、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、五月みどり、野際陽子、藤竜也、ミッキー・カーチス、八千草薫、山本圭といったベテラン俳優たち。そして、舞台は高級な老人ホーム。
 かつての昼ドラは、その時間に家庭にいる主婦向けを強く意識していましたが、今回は設定も内容もすべて高齢者を対象とした作品になっているところが重要です。これだけ日本が高齢化社会へ移行しているのにもかかわらず、テレビドラマはあいかわらず若い女性層をもっとも重視した作りになっています。この『やすらぎの郷』が成功するなら、テレビドラマの新しい可能性が見えてくるように思います。

 テレビの役割は相対的に低下し、テレビドラマの視聴率が下がっていることは最初に書いた通りです。しかし、やれることはまだまだあるのではないか。こうした新しい試みを見ていると、テレビドラマの可能性をもう少し注視していきたいと思えてきます。


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 今年度の入学式がおこなわれました。
 3月25日(土)に卒業式、4月2日(日)に入学式と、間が1週間しかなく、しかもその期間に会議や校務がいろいろありました。おかげで、なるべく週1回(できるだけ土日)の更新を心がけているこのブログなのに、土日に更新ができませんでした。

 さて、入学式。中央大学では学生数が多いため、全体の入学式は午前11時からと午後2時からの2回に分けておこなわれます。それに続いて、各学部・学科・専攻ごとのガイダンスがあり、さらにその合間には大学院のガイダンスもあります。私たち教員にとっては、卒業式や入学式に感慨にふけっている余裕などまったくなく、とにかくスケジュールをこなしていくのに精一杯です。



 最初の写真は(今年度のものではありませんが)全体の入学式。もっとも規模の大きい式です。次は大学院スペースに飾られた、新入生歓迎のお花。そして、一番下は大学院文学研究科のガイダンスのようすです。
 学部・大学院、そして学科や専攻を問わず、この日入学した皆さんが、この場所で(楽しいこともつらいことも含めて)豊かな時間を過ごせますように。そのことを心から願っています。




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 (残念ながら今回は1週間以上、空いてしまいました。)



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  【中央大学文系卒業式(今年度の写真ではありません)


 私が勤める中央大学で、今年度の卒業式と大学院修士学位授与式がおこなわれました。


 この日は、日頃指導してきた学部のゼミ学生や大学院生たちを見送る日です。ただ、この数年はこの時期まで何かと忙しくて、ゆっくりこの日の感慨にひたる余裕もありません。日々、目の前の仕事をして、卒業式の当日も朝からいくつもの式や懇親会を次々にこなしていくような感覚。感傷的になる余裕すらありませんでした。

 ちなみに中央大学の文系分野では、学部と大学院が別の管轄の組織になっています。これは長所と短所の両方があるので一概に良し悪しは言えませんが、この卒業式・修了式当日に関しては少し不便なところがあります。
 文学部と大学院文学研究科とは、ほとんど同じ教員組織で担当していますが、組織としても事務担当部署としても別なので、卒業式・修了式当日のスケジュールは別々に進行します。したがって、私たち教員はどうしても両方のプログラムに同じように出席することができず、どちらかを選ぶしかない面が出てきてしまいます。

 私は大学院の役職に就いている関係で、どうしても大学院の行事を優先せざるを得ず、この数年はそれ以前に比べて、学部のゼミ学生たちとゆっくりお別れの時間をとることができませんでした。実は今年度はその傾向がもっとも強く出た年になってしまい、今年の学部卒業生たちとはほんの10分ほど話をして、あわただしく写真をとったくらいしか、時間を共有することができませんでした。ゼミ生の皆さん、ごめんなさい。

 ただ、その一方で、以前は時間を少ししかとることのできなかた大学院の行事の方に時間をとるようになりました。今年度は、母国からご両親(またはご両親のどちらか)を招いた大学院の修了者(留学生)も多かったので、これまでお会いしたことのなかった大学院生の保護者の方とお話するなど、普段できないことができたという嬉しい一面もありました。
 私の大学院役職の任期の関係で、卒業式・修了式の日に大学院行事を優先しなければならないのも今回が最後となります。学部・大学院ともに、卒業式・修了式より前にお別れの会を開いているとはいえ(このブログでもときどきその報告を書いてきました)、この日にどちらかの学生を優先しなければいけないのはつらいことです。来年度以降も、卒業生・修了生を送り出す寂しさと同時に、この日の過ごし方には頭を悩ませることになりそうです。


(学部国文学専攻の卒業証書授与式前のようす)。




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(博士学位授与式のようす)

 中央大学で毎年2回恒例の博士学位授与式がありました。私が所属する文学研究科からは課程博士10名と論文博士1名の学位取得者がいました。
 日本の文系学問分野において、博士学位の意味は以前とは大きく異なっています。日本の文系分野では大学院を終えるときに博士学位を取得するという思想、慣習がありませんでした。しかし、世界的な状況とはかけ離れているということもあり、博士課程で学んだら学位を取得して修了すべきという考えになってきました。なにごとにもメリットとデメリットはありますが、以前のような学位のあり方ではないにしても、並大抵の努力で博士学位まで到達できるわけではありません。その意味で、今回学位を取得した方々には心からお祝いを伝えたいと思います。


(各種奨励賞合同授与式のようす)

 その翌日には今度は中央大学の各種奨励賞の合同授与式がありました。篤志家と言われる方々の寄付を基金とした賞や学員会その他の団体による賞が中央大学には多々あり、それらの受賞者への授与式が合同でおこなわれました。
 活動内容はさまざまで、学術・文化・スポーツ、ボランティアなど、多岐にわたっています。それぞれの分野で成果をあげた学生たちをこうした機会に表彰できるのは、私たち教員にとっても嬉しいことです。近年、大学評価として、受験生数とか、競争的資金の獲得額とか、各種資格試験の合格者数とか、が示されています。もちろんそれらも大学を評価する重要な指標でありますが、数字で評価できるものがすべてではありません。そのような数字にあわられない学生たちの活動の成果を、こうした機会に顕彰していけるのであれば、それは大学にとって重要な機会になることと思います。


(合同授与式の後の祝賀会のようす)

 今回の博士学位の取得者、各種奨励賞の受賞者が、これからもそれぞれの場所で活躍してくれることを願っています。


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 中央大学の卒業式まであと2週間弱となりました。
 毎年卒業式では、その年度のゼミの報告集を卒業生に配布しています。その報告集には卒業論文への私のコメントを掲載しています。そこで、今回は今年の卒業論文を紹介します。
 今年度の論文題目の一覧は下記の通りでした。便宜的にではありますが、「小説論」と「アニメ・ドラマ論」に分けて、おおまかな時代順に並べてみました。

【小説論】
田川理紗 江戸川乱歩「孤島の鬼」論
海野小太郎 川端康成と「孤児根性」
鈴木花捺 井伏鱒二『山椒魚』論
宮城遙    海野十三『十八時の音楽浴』論 -アンチ・ユートピアを視座として-
土屋裕貴 三島由紀夫『憂国』論
高野陽介 辻仁成『海峡の光』論
三上稚葉 「冷静と情熱のあいだ」論
野下翔太郎 横山秀夫『クライマーズ・ハイ』論
白坂彩乃 恩田陸「黄昏の百合の骨」論
髙橋慧 辻村深月論
徳川耕平 「吃音」文学論 ~なぜ吃音を描くのか~

【アニメ・ドラマ論】
篠崎健    仮面ライダー変遷論
池上卓弥 庵野秀明『新世紀エヴァンゲリオン』論―アニメで描かれるロボットの姿―
斎藤里沙 『借りぐらしのアリエッティ』論
藤咲敦美 テレビドラマ『ライフ』論
安藤有希子 テレビドラマ『わたしを離さないで』論
田島夏美 『問題のあるレストラン』論


 今年も力作が揃い、ゼミ学生たちの努力の成果に接することができて幸いでした。どのような進路に進むとしても、この体験が卒業する学生たちの今後にとって必ず大きな財産になると信じています。
 皆さん、これからもお元気で。


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 村上春樹が新作長編小説『騎士団長殺し』を発表したことが、マスコミに取り上げられることが多くなっています。その関係で私もいくつか取材を受け、日本テレビ『スッキリ!!』には録画出演しました。

 放送は3月2日(木)。『騎士団長殺し』発売とファンたちの歓喜のようすや、読者の反応のインタビューなどが放送されました。テレビなどでこうした放送がよくありますが、ひとつの話題にかける時間が短いこともあって、ごくごく皮相的な紹介にならざるを得ません。しかし、今回は朝の情報番組ということもあり、ニュース番組などよりは時間に余裕のある構成(約20分間の放送)になっていました。そのため、村上春樹作品の紹介、研究者や編集者のコメント、一般読者の反応など、こうしたテレビ放送にしては、かなり良心的な「村上春樹入門」特集になっていました。せっかくなので、私の大学の講義の初回導入に学生に見せてもいいかと思ったくらいです。

 さて、肝心の『騎士団長殺し』をどう評価するか。これは私の研究者としての本分なので、いずれ論文等で果たしたいと思います。ただ、現在のところ、私の周囲から聞こえてくる評判はあまり芳しいものではありません。私も感じるのは(あるいは村上春樹作品を読み続けてきた誰もが感じるのは)、これまでの村上春樹作品との重複が多すぎることです。女性に去られた男性、地下に閉じこめられる体験、現実の世界からの離脱、肉体関係を媒介しない不可思議な妊娠、戦争や侵略と現在とのつながり、などなど。これまでの村上春樹作品との重複がこの『騎士団長殺し』には目につきすぎます。
 もちろん、村上春樹作品は、過去の作品と重複させながら前に進み、新たな要素を書き加えることをしてきました。それ自体はこの作家の特徴なのですが、それにしても今回の作品はその要素が多すぎて、今まで描いてきた要素からどこへ前進したのかが見えにくくなっています。強いていえば、これまでの村上春樹作品で描かれた「女性に去られた男性」という構図が、この『騎士団長殺し』ではもう一度去った女性が男性のもとに戻り、再び新たな関係を築くという展開になっています。この点にわずかながら、これまでの村上春樹作品にない新たな要素を感じさせますが、それだけでは物足りないと言わざるを得ません。

 詳しくはまた研究の世界で果たしたいと思いますが、まずは村上春樹の新作への疑問を書きとめておくにとどめたいと思います。


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 私はテレビドラマ研究者ですので、テレビやDVD録画を見ている時間がとても長くなります。ただし、あくまでテレビドラマが中心ですので、それ以外のジャンルの番組を見る時間はどうしても短くなります。それでも、子どもの頃から好きなスポーツ中継、フィクションとの対比で関心のあるドキュメンタリー番組、現代社会や文化の動向に関係のあるニュース番組なども、一定時間視聴することはあります。中でも、夜の23時台は、テレビドラマが一段落するこもあり、この時間にはニュースを見ることがよくあります。

 そういえば、NHKは4月からニュース番組のアナウンサー、キャスターを大幅に入れ替えるとのことで、かなり話題になっています。
 ニュース番組の批評は私の専門分野ではありませんが、ニュース番組も、視聴者をいかにひきつけるかで工夫していることは、テレビドラマと変わらない部分があります。そんなことを考えながら23時台のニュースをチラ見することが多いのが私の日常ですので、今回は23時台のニュース番組についての感想を書いてみます。

 どのニュース番組を見るかは、その日によって違うのですが、まず一番の安定株はTBS系のニュース23でしょう。1989年開始の老舗ニュース番組で、最初の8年半は筑紫哲也がメインキャスターを務め、硬派の真面目なニュース番組としてすっかり定着しました。その後も、膳場貴子、岸井格、星浩らを起用し、奇をてらわないニュース番組として抜群の安心感がありました。ただ、雰囲気が硬いというか暗いというか、見ていて楽しくないと思うことはあります。岸井さんなどは、解説している内容はいいと思うのですが、喋り方がエラそうというか、上から目線が強くて、その頃からあまり見なくなりました。

 「ニュース23」と違い、華やかなタレント路線に進んだのは日本テレビ系のNEWS ZERO。この時間は長年「NNN今日の出来事」が放送されていましたが、2006年に「ZERO」になりました。キャスターは元官僚の村尾信尚、他にも俳優の櫻井翔、板谷由夏、桐谷美玲、過去にはタレントの小林麻央や山岸舞衣ら、そうそうたる著名人を起用してきました。人気とりの面もありますが、番組の作りに視聴者目線を重視している印象はありました。私も一度出演したことがあるから言うわけではありませんが、これまでわりと見ることが多かった番組です。ただ、正直言って、必然性のないタレント起用と感じることは何度もありました。

 上記2番組は10年以上続くニュース番組ですが、フジテレビはそれまで長年続いた「あしたのニュース&すぽると」を終了させ、2016年4月からユアタイムとなりました。それまでは、「ニュース23」「NEWS ZERO」と30分ずれていることから、その日の都合によっては「あしたのニュース&すぽると」もわりとよく見ていました。しかし、「ユアタイム」になってから見なくなりました。原因は、はっきり言いますが、メインの市川紗椰さんです。市川さんはモデル&タレントですし、もともとはサブの役割のはずだったのが、メインを予定していた人の降板で急きょメイン役になってしまいました。ですので、市川さんの責任ではなく、もともとニュース番組のメインを任せられる人ではなかっただけのことです。とてもではありませんが、この方にニュースを伝えてもらいたいとは思いません。タレントとしてはあのささやくような喋り方は一つの特徴かもしれませんが、キャスターをやってもらいたい人とは思えません。完全な制作サイドの失敗だと思います。(紗耶ファンの皆さん、ごめんなさい)。

 テレビ東京系もこの時間にWBS (ワールドビジネスサテライト)を放送しています。こちらは番組名の通り「ビジネス」に特化したニュース番組。文学・文化現象に重点をおく私はあまり見ませんが、たまに関心のあるテーマを放送するので見てみると、私のような経済素人でも、けっこう面白く見られます。暇を持て余すなら見てみたいのですが、残念ながらそこまで手が回りません。

 上記の民放ニュースに対して、NHKも2016年4月から40分間(11時15分~55分)のニュースチェック11を始めました。これはNHKとしては攻めてきたな、と私は思いました。というのも、民放のニュース番組が並んでいる時間帯にぶつけてきたわけですし、ラジオ番組のDJ風の内装など、「従来のニュース番組」らしくないニュース番組で対抗してきたという印象でした。そういう番組なので、私は昨年4月の番組開始以来あまり見ていませんでした。しかし、ときどきチラ見しているうちに、なんとなく馴染んできたところがあります。この番組の特徴は良くも悪くも「ゆるい」ところです。「論説委員」とか「専門家」とかを出してこないで、有馬嘉男と桑子真帆が、肩に力を入れないでおしゃべりをするような雰囲気でニュースを伝えます。桑子真帆アナウンサーは「ブラタモリ」で人気を得たように、NHKアナウンサーにしては親しみやすく、この番組にはぴったりです。
 ただ、桑子人気に乗じて、NHKは4月改変で桑子アナを「ニュースウォッチ9」に移動させるとか。桑子アナの良さはその親しみやすいところですから、ニュース番組らしいニュース番組である「ニュースウォッチ9」に合うかどうか。近頃「攻め」のNHKがどういう「ニュースウォッチ9」にするつもりなのか、そこもあわせて見どころです。

 最初にも書いたように、私はテレビドラマ研究者ですからニュース番組には詳しくありませんが、ニュース番組がいかに視聴者をひきつけるのか、その点にも注目して見続けていきたいと思っています。


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 今回取り上げるレストランプティ・ファンベックのことは、以前にもこのブログで一度書いたことがあります。
 ⇒ 高幡不動「プティ・ファンベック」
 その後、頻繁にではないのですが、お祝いごとや節目の記念に何度かこのお店を訪れました。ですが、コースのお料理を全部紹介しようと思うと、それなりに時間がかかるので、なかなかブログに書く余裕がありませんでした。今回はちょうど入試の仕事なども一段落したところなので、がんばってお料理を紹介しようと思います。ただ、前回同様、お店に行ってから日数がかなり経ってしまったので、お料理について忘れていることがあったらご容赦ください。

 このお店の特徴はまずは「立地」と「空間」です。京王線高幡不動駅から徒歩5分ほどの住宅地にあり、近隣は繁華街でも商店街でもありません。しかも、レストランとしての店舗ではなく、完全な一軒家。したがって、通りがかってふらりと入るということはほとんどないので、客はこの店の評判を知って、この店を目指してやってくるのだと思います。

 この夜いただいたのは、5940円のディナーコース。前菜・魚料理・メイン料理(選択)・デザート2品・パン・コーヒーの構成です。料理ひとつひとつに惜しまずに時間と労力がかけられているのが特徴です。また、近年は軽めのフランス料理を出すレストランが多くなっているように思いますが、この店は料理はどっしりと満足感があり、その点も特徴のように感じます。
 この日いただいたのは、下記のようなお料理でした。


(アミューズ・小さなオードブル)
山栗のビスク


(オードブル)
「フォアグラとパンデビスのテリーヌ」


(魚料理)
ヒラメ・ズワイガニ・牡蠣と真鱈の白子、バルサミコ酢とサフラン


(メイン料理)
「フランス産牡牛のポアレ、マデラ酒ソース」

(一品目のデザート)
「苺のカクテルとクリームババロア」
※すみませんが食べるのに夢中で写真を撮り忘れてしまいました。


(二品目のデザート)
「温かい林檎と栗の渋皮のパイ」


 先に書いたように、いずれのお皿も手間暇を十分にかけていて、しかも満足感のあるお料理ばかりです。たとえば、魚料理ではヒラメ、ズワイガニ、牡蠣など数種類の海産物が盛り合わせで提供されています。しかし、それらはブレゼ(オーブン蒸し料理)とポアレ(フライパン焼き料理)の違う料理法で調理されており、それが一皿に盛り合わせられています。すなわち、食材のヴァラエティと料理法のヴァラエティが組み合わされて、それらが一つの皿に結実しているというわけです。
 あるいは最後のパイ料理も同様です。栗料理には手間がかかりますが、林檎のやさしい甘味と栗の渋皮のほんのりとした渋味が一つの料理になっています。私はスイーツも好きですが、甘すぎるよりも、酸味・苦味などのアクセントがあるものの方が好きなので、嬉しい料理の締めくくりでした。しいて言えば、フォアグラ料理は、オードブルとしては、私には少ししつこかった気がしますが、それは好みの問題かと思います。それも含めて、十分な満足感のあったこの日のコースでした。

 私が勤める中央大学の近隣には、本格的なフレンチレストランはあまりありません。お祝いごとや接待では立川や都心に出ることも多くなります。しかし、このお店「プティ・ファンベック」は、最初にも書いてように、中央大学からもっとも近い本格フレンチレストラン。また、ぜひ行ってみたいと思っています。


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 1~3月期のテレビドラマも放送から1か月半が過ぎました。私の感想を書く、恒例のテレビドラマ批評の3回目です。今回は、まだ書いていなかった作品と深夜枠ドラマについて書きましょう。


ホクサイと飯さえあれば (TBS系火25時) 1.2%→0.9%→1.1%

 一人暮らしを始めた大学生・山田文子(上白石萌音)。彼女は、ぬいぐるみのホクサイと会話しながら、お金がなくてもきちんと料理をする、という話。鈴木小波原作マンガのテレビドラマ化作品で、近年は深夜のグルメドラマが増えました。しかし、他のグルメドラマと違って、お金のない大学生が主人公で、登場する料理も安い食材に手間をかけたもの。その意味で、他のグルメドラマ作品に比べると、この作品はほほえましいです。つつましいです。あたたかいです。マヨネーズを自分で作るところなんか、ちょっと泣けてきます。でも、私はマヨネーズ好きじゃないですし、自分で作ってまでは食べたくないです。


レンタルの恋』 (TBS系水24時) 1.3%→1.9%→2.3%

 剛力彩芽が「レンタル彼女」を演じるドラマ。「レンタル彼女」とは、1時間いくらで恋人としてつきあってくれる女性のこと。手を握る以上のタッチはなしということで、エッチなドラマではありません。とはいえ、時間で彼女を借りるという話には、私は少し抵抗があります。結婚式にきてくれる親戚や友人が少ないから人を雇って動員する、というのとは違って、やはりここにはお金で疑似恋愛を買うという意味が含まれています。
 まあ、そういうかたいことは抜きにして、楽しみどころは剛力彩芽の毎回のコスプレでしょうか。レンタル主の趣味に応じて、第1話は戦隊ヒーロー、第2話はお姫さま、第3話は女子校生、第4話は魔女っ子と、毎回まったく異なる服装で登場します。『増超能力師探偵所』の中村ゆりも毎回コスプレしますし、前クールの『逃げ恥』から続く近年の流行でしょうか。剛力ファンの皆さんはおおいに楽しんでください。



ラブホの上野さん  (フジテレビ系、水曜26時)

原案・上野、作画・博士の原作同名マンガのテレビドラマ化作品で、もとはTwitter上の恋愛相談だったとか。ラブホテルが舞台の少しエッチ系のドラマですが、深夜枠の中でも遅い時間帯なので、それもありでしょう。インテリでドSキャラのラブホ店員・上野さんが、ラブホ客の恋愛相談に応じるというのが基本的な設定です。
 たしかにラブホというのは、人間関係や特に恋愛問題が表面化する場所であり、それらを描くには絶好の舞台なのかもしれません。しかも、プライムタイムでは扱いにくい舞台でもありますから、その意味では深夜枠ならではの恰好の題材と言えます。ただ、恋愛相談の内容がちょっとありきたりかなあ。どうせ深夜枠ならもっとディープに踏み込んでほしい気がします。
 ドラマの本題とは関係ありませんが、ラブホの清掃員は往年のアイドル・麻丘めぐみ。お姫さまカットで大人気だったのは私の中高生の頃の話です。ああ、なつかしい。


増山超能力師事務所(日テレ系、木23時) 4.5%→3.2%→3.6%→3.8%→2.6%

 日本テレビ系木曜23時台は、弁護士とか探偵とかを主人公に、内容もあまり難しくなく、軽い気持ちで見られるドラマを放送する枠としてすっかり定着しています。あまり高望みはせず、手堅い娯楽作品という狙いで、その分だけ失敗がありません。超能力者の事務所というのが目新しいところですが、作品の大枠としては、あまり冒険しないところが特徴です。
 ただし、今回のキャスティングには少し冒険があって、興味をひかれます。というのも、いい人や気の弱い人を演じることの多い田中直樹が上級超能力者で事務所長に、可憐な女性役の多い中村ゆりが気の強い元女番長に、クールで知的な役の多い浅香航大がエロいこと好きのお調子者に、と意外な配役。それなのに、オタク役ならこの人という柄本時生が、この作品でもやっぱり二次元好きの変人役。どうせなら柄本時生にも、イメージとぜんぜん違う役をやってほしかったです。


奪い愛、冬  (テレビ朝日系、金23時) 6.6%→5.1%→5.8%

 深夜枠と言ってもこの作品は23時台
、24時以降放送の作品より制作費も視聴率も高いようです。
 物語は、池内光(倉科カナ)と
奥川康太(三浦翔平)の婚約から始まります。幸せいっぱいの2人のようですが、そこに、光が大好きだったのにいきなり姿を消した森山信(大谷亮平)があらわれ、光の心が揺れていく…という展開。そこに、森山のちょっとこわい妻(水野美紀)や奥川を溺愛する母親もからんでドロドロの人間関係になっていきます。
 この作品のキャッチフレーズは「ドロキュン」だそうです。「ドロドロ」の愛憎劇なのに、ピュアなラブ・ストーリーとしての「キュン」とするシーンが多いのだとか。ただし、これは長所となるか短所となるか、紙一重です。つまり、「ドロドロ」なのか「キュンキュン」なのか、中途半端でどっちつかずになりかねません。結局どっちやねん! この二つが両方あったら最強なので、今後の展開でそうなっていくことを期待したいところです。


バイプレイヤーズ  (テレビ東京系、金24時)1.8%→1.9%→2.8%→2.7%

 今回の深夜枠ドラマの中では、私はこの作品を一押しにあげます。テレビ東京系の金曜深夜0時頃開始の「ドラマ24」は、過去にも『モテキ』『勇者ヨシヒコ』『鈴木先生』『まほろ駅前番外地』など、興味深い作品を次々に放送してきました。プライムタイムドラマよりも実験的、尖鋭的な作品が放送されることが多く、その意味では、今一番注目したいドラマ枠になっています。
 その「ドラマ24」で今回放送されている『バイプレーヤーズ』は、6人の脇役俳優さんが役作りのために同居生活をするという設定。脇役といっても、主役級の俳優さんも多く、6人そろうと、かなりぜいたくな顔ぶれです。フィクション作品なのに、遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研の6人が実俳優名で登場し、タイトルバックでは、それぞれの俳優名が二重に出てきます(つまり、「遠藤憲一役を演じる遠藤憲一」という意味)。
 内容はもちろんフィクションなのですが、もしかしたら本当にこんなことありそうと思わせますし、他局放送の『相棒』にそっくりの作品をドラマの中で制作させたり、階段落ちに関連して平田満(『蒲田行進曲』で伝説の階段落ちを演じた俳優)がちょいと顔を見せたり、役作りに凝ることで有名な田口トモロヲをもじったストーリーを作ったり、遊び心も満載。テレビ東京系ドラマでは、ぜひこういう実験的な作品を今後も制作してほしいと思います。


銀と金  (テレビ東京系、土24時)

 福本伸行原作マンガの実写ドラマ化作品。キャストは民放連ドラ初主演の池松壮亮と、原作者指名のリリー・フランキー。
 私は裏社会にもギャンブルにもあまり関心はありませんが、1回目を見て、ドラマの世界に引き込まれるところがありました。ドラマには視聴者の日常を見せて共感させるものと、視聴者には日常体験できない世界を垣間見させるものがありますが、この作品は明らかに後者。体験したくはないけど覗いてみたい裏社会の怖さを見せてくれます。
 リリー・フランキーはまさにマルチ・タレント。私は直前に『深夜食堂』で餃子屋の実直な主人を演じているのを見たので、あまりの落差に驚かされました。彼がどれくらい恐く見えるかがこの作品の鍵になりますが、十分に「闇のフィクサー」に見えました。


豆腐プロレス  (テレビ朝日系、土24時)

 AKBメンバー宮脇咲良らがプロレスに挑戦する女子校生を演じる作品。アイドルとプロレスという組み合わせが意表を突きますが、そう言えば、1980年代にミミ萩原というアイドル出身のプロレスラーが本当にいましたから、実は不思議な組み合わせではないのかもしれません。ミミ萩原は、アイドル時代はミミという芸名だったと記憶しています(もっともミミ萩原は、プロレスラーとしては体も華奢で、弱すぎたレスラーだったと思います)。女子プロレスからアイドル並みの人気タレントが過去におおぜい輩出されていますから、この組み合わせは実は絶好なのかもしれません。ちなみに共演の松井珠理奈はけっこう女子プロレスラーに似合っています。松井は『私、結婚できないんじゃないくてしないんです』では中谷美紀の高校生時代を演じていましたが、私には中谷と松井が似ても似つかなくて、どう見てもミスキャストだと思っていました。今回の方が適役だと思います。


スーパーサラリーマン 左江内氏 (日テレ系土21時) 12.9%→9.6%→9.2%→8.9%

 深夜枠ではありませんが、まだ感想を書いていなかったのがこの作品。その名の通り「さえない」中年サラリーマンが、ひょんなことからスーパーマンになるという話。渋くてかっこいい中年男性を演じることの多い堤真一がダメダメの中年サラリーマンを、中年になっても元気で若々しい女性を演じることの多い小泉今日子が「鬼嫁」を演じるという配役が、意表を突いてまず面白いところです。
 スーパーマンというと「冒険アクション」ドラマを連想しますが、この作品は実は家族ドラマ、ホームドラマの性格が強く、親子視聴者の多い「土曜9時」枠にはうってつけと言えるでしょう。その意味では十分に面白いのですが、配役の意外性の効果は次第に薄れていくので、あとはこの家族で、ストーリー面でも意外性を作っていけるかが鍵になります。



書ききれなかった作品もありますが、それはまたに機会に。今回はこのくらいにしておきます。


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 1~3月期のテレビドラマも放送から1か月が過ぎました。私の感想を書く、恒例のテレビドラマ批評の2回目です。


カルテット  9.8%→9.6%→7.8%

 特徴のある作品の多い今期のテレビドラマの中でも、特に特徴があるのがこの作品です。シンプルではありません。わかりやすくもありません。大きな事件やドラマもありません。けっして派手ではありません。それでいて、なぜか見始めると目を離せなくなるのがこの作品です。
 脚本の坂元裕二は作品によって多様な作風を使い分けているように思いますが、この作品は、過去の作品で言えば『最高の離婚』の雰囲気に近いと言えるでしょう。しかし、『最高の離婚』よりもコメディ色を薄め、その分だけ会話の「含み」、つまり表面にはあらわれない意味を重視しているように思えます。これは『最高の離婚』に限らない坂元裕二脚本の特徴で、坂元脚本では、多くのセリフに表面の意味とは別の、背後に含まれた意味が込められています。それを読み解く楽しみが坂元脚本にはあり、その意味では、視聴者への要求レベルが高いところがあります。
 主要な4人を演じるのは、松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平という芸達者でかつ一癖ある俳優たち。この役者陣に含みのあるせりふを語らせる会話劇が、この作品の最大の見どころ。派手な事件がなくても楽しめる大人のドラマになっています。

突然ですが、明日結婚します 8.5%→6.9%

 「フジテレビ」「月9」「恋愛」は、私の年代にとっては三種の神器のような貴重なもの。なつかしくもあり、期待感もあり、ぜひがんばってほしいドラマです。とはいえ、一昔前のドラマ感が満載で、少し心配なところもあります。
 週1回放送のドラマの場合、ストーリーよりも主人公が視聴者に好かれるかどうかが重要、という意味もあります。またあの人に会いたい、という気持ちが湧くかどうか、そこがカギだからです。
 しかし、この作品の主人公は、とにかく「結婚したい」「結婚したい」の大連発。今の時代に、なぜこのキャラクターを設定したのかが、私にはよくわかりませんでした。このブログで何度か書いたように、「恋愛するつもりなんかないのにはからずも恋愛してしまう」というのが現代の恋愛ドラマの一つの定型。この作品では「結婚したい」オーラがまぶしすぎて、私はちょっと引いてしまいそうです。しかも、主人公は「結婚したい」だけではなく「仕事のできる女」という設定でもあります。仕事もできて、でも仕事に疲れたようすはなく、若くて、美人で、やたらと結婚したくて…。う~ん、視聴者が感情移入できるかどうか心配です。



嫌われる勇気  8.1%→6.4%→6.6%→7.2%

 毎クール必ず何本も放送される、いわゆる「警察・刑事もの」「犯罪もの」ドラマ。変人主人公が特異な能力を発揮して犯罪を解決するというのもほぼ近年の定型で、この作品もその定型に沿った作品です。
 ただ、少し変わっているのは、原作本との関係です。このドラマの原作は、アドラー心理学の解説書で、推理小説や犯罪小説ではありません。それを大胆に警察・刑事ドラマに作り変えているところが、大きな特徴になっています。
 とはいえ、実際に制作されたテレビドラマ作品において、アドラー心理学がどれくらい有効に機能しているかと言うと、私はあまり感じられませんでした。心理学者・大学教授(椎名桔平)と新米刑事(加藤シゲアキ)の対話に原作本の要素が残っていますが、それがあまり活きているようには見えません。香里奈のの変人刑事ぶりはななかなか似合っていますので、あまり難しい理屈を言わないで、主人公の変人ぶりをお笑いにして、もっと豪快に笑いとばすくらいの度量があってもよかったように思います。


視覚探偵 日暮旅人 11.2%→10.7%→9.4%

 こちらは一昨年放送されたスペシャルドラマの連続ドラマ版。原作は山口幸三郎の小説シリーズで、テレビドラマ版では、松坂桃李が特殊な視覚能力を持った探偵を演じます。変人ではありませんが、特殊な能力をもった主人公が謎を解決していくという点では、近年の警察・刑事ドラマの定型に沿っています。
 ただ、この作品では殺人などの大きな犯罪はおこらず、主人公は捜しもの(たとえばいなくなった猫を見つけるとか)などを請け負う探偵です。その分だけ、「犯罪解決」「謎解き」が中心というわけではなく、特殊な視覚能力をもった主人公が、その能力によって人の秘密や心の中にかかわっていくところに重点があります。
 また、主人公の能力には限りがあって無制限には使えず、能力を使うと自分の身体にダメージがあること。また、主人公には、実は血のつながっていない保育園生の娘がいること。こうしたことによっても、ストーリーは謎解きではなく、人間の「情」を描くことに重点を置くことになります。その点で、日曜22時半という遅い時間帯よりは、親子でも見られる土曜21時に持ってきてもいい作品だったように思えます。


下剋上受験  10.9%→10.6%→7.4%→9.0%

 『ビリギャル』のヒットの後だったので、「受験で大逆転」という風潮に乗った便乗作品かと思って見たら、これがどうして、なかなかのしっかりした作品でした。ブームに乗るどころか、むしろ家族のあり方を描こうとした、普遍的なテーマを扱った作品です。
 重要なのは阿部サダヲ演じる父親と深田恭子演じる母親の設定です。『ビリギャル』では父親を悪役(家族を理解しない自分勝手な人)と設定することで人物関係の構図をわかりやすく作っていましたが、『下剋上受験』では両親ともに子どもに理解があるものの、2人とも中学卒業で、そこに受験上のハンディキャップがあるという設定です。その中卒の2人がいかに子どものために努力するかという点が大きな見どころになっています。
 そう思うと、私は昭和の名作ドラマ『パパと呼ばないで』や『雑居時代』の石立鉄男と杉田かおるの名コンビを思い出しました。そそっかしくて無骨な人間ながら、本当はやさしくて情に厚い中年男を演じたら石立鉄男にかなう俳優はいませんでした。その意味では、『マルモのおきて』に続いて子ども思いの中年男を演じる阿部サダヲは、「平成の石立鉄男」と呼ぶべき貴重な俳優なのかもしれません。初めての母親役を演じる深キョンもはじめはちょっと違和感がありましたが、見慣れてくると、ちょっとおバカな子ども思いの母親に見えますし、阿部サダヲとはなかなkいいコンビに思えてきました。


大貧乏  7.7%→4.4%→4.8%→5.0%→4.5%

 企業に勤めるシングル・マザー(小雪)が突然失業し、事故も重なって「大貧乏」になり、彼女に憧れていて、今はエリート弁護士になったかつての同級生(伊藤淳史)が彼女を助けようとする、という話。視聴率的には苦労していて、ネット上では「小雪が貧乏に見えない」「髪型も使っているドライヤーも金がかかってる」「伊藤敦史が小雪の同級生に見えない(実年齢は7歳差)」などの書き込みが多くなされているようです。
 作品を擁護するなら、主人公は突然貧乏になったので、仕方ない気もします。それまでは普通の暮らしをしていたので、髪型も使っている製品も、ある程度良いものでもかまわないはずです。しかし、重要なのは、そういう説明がつくという理屈ではありません。視聴者から見て「生活感」「貧乏感」というものが画面に出ているかどうかなのでしょう。たとえば、映画『容疑者Xの献身』でヒロインを演じた松雪泰子は、とても綺麗ではありますが、お弁当屋さんに勤めるつましいシングル・マザーに見えました。綺麗ではあるけど「やつれた」感じが出ていました。この映画はシリアスで、コメディ色の強い『大貧乏』とは違いますが、『大貧乏』の場合、視聴者にとって、「ああ苦労しているんだなあ」「弁護士(伊藤)、助けてやれよ」という同情的、共感的な気持ちになれるかどうかは重要な点です。その点で、作中人物にやや感情移入しにくいのではないでしょうか。


深夜作品等については次回にまた書きたいと思います。


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 先日おこなった大学院のお別れ食事会に続いて、今週は学部のゼミのお別れ懇親会がありました。

 大学院と学部とでは少し履修の制度が異なります。私が所属する中央大学大学院の国文学専攻の場合、大学院生の側から言うと、大学院生の方から指導教員を選んで、主としてその教員の研究指導を受けることになります。ただ、大学院の授業はほぼすべてが少人数科目ですから、指導教員以外の演習科目も当然履修します。
 一方、学部の場合、学生が指導教員を選ぶことは大学院と同じですが、ゼミと言われる演習科目については指導教員のゼミだけに出席するのが普通です。ですので、2年間継続して固定メンバーで履修することなります。その点で言えば、学部のゼミというのは、一種の部活やサークルのような雰囲気になってくるところがあります。

 1月も末。今年度の授業期間もそろそろ終了しますので、その学部ゼミの4年生も卒業が近づいてきました。そこで、卒業する4年生と来年度に履修を継続する3年生とのお別れ懇親会が開催されました。
 私が中央大学に勤めて27年目ですので、私が今回送り出すのは27回目の卒業生です。また、2年連続のゼミ制度ができたのは私が赴任した後ですので、今年卒業するのは、私のゼミ生としては18期生たちでした。毎年毎年こうして4年生を卒業させていると、わたしにとってはいつの間にか当たり前の、何度も繰り返される行事になってしまいそうです。しかし、卒業する学生たちにとっては一生に一度の大学卒業であり、一度だけのゼミのお別れ会。その1回きりの会を今年も大切にして、4年生たちを見送りたいとあらためて思いました。

 宇佐美ゼミ18期生たちが、それぞれの進路でこれからおおいに活躍してくれることを、心から願っています。



       


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 1~3月期のテレビドラマはまだ始まったばかりですが、既に2回放送されたドラマもあります。ですので、恒例のテレビドラマ批評を早めに始めていきたいと思います。
 というのも、今クールのドラマはなかなか個性のある、興味深い作品が並んでいます。言ってみれば、平凡な作品ではなく、特徴のある「とがった」作品が目立つように思います。

東京タラレバ娘 13.8%

 今回初回放送で特に目立ったのがこの作品でした。東村アキコの同名マンガのテレビドラマ化作品。30代になっても彼氏もおらず、「あのときこうしていたら…」とタラレバを繰り返す3人組を吉高由里子、榮倉奈々、大島優子が演じています。
 原作マンガのイメージに合っているかと言えば、少し違和感はありますが、近年珍しいくらい気持ちよく「コメディ」に徹しています。もてないアラサー女子をこの3人の美人女優が演じるのですから、少しでもお笑いに遠慮があれば視聴者がしらけてしまいます。「こんな綺麗な人たちが男性にもてないわけないじゃない…」と思わせないくらい、渾身のお笑いを繰り広げています。だからこそ、ときどきしんみりと「このままじゃ私はずっと一人きりなのかもしれない…」というつぶやきに視聴者が共感できるというものです。
(『花子とアン』で夫婦を演じた吉高由里子と鈴木亮平の微妙な関係もけっこう笑えました。)
 ひとつだけ心配があるとすれば、以前のこのブログ 「『逃げ恥』に見る現代の恋愛像」 で書いたように、恋愛する気持ちのない人の恋愛を描くのが現代の流行だということ。それと比較すると、「恋がしたい」「男がほしい」と切実に願う主人公像は少し前の時代の定型でした。その点で、この作品のテーマは、現代的というよりは少し前の時代のドラマに近いのですが、それを打ち破るくらいのパワーがあると初回を見て感じました。この勢いで第2回以降もがんばってほしいものです。


『嘘の戦争 11.8%→12.0%

 次に興味を引いたのが、『嘘の戦争』と『A LIFE~愛しき人~』です。言わずと知れた、SMAP解散後、草なぎ剛と木村拓哉の初めての主演ドラマです。ちまたでは、解散派だった草なぎとそれを阻止した木村の代理戦争のように取り上げる人もいるようです。そうした場外の事情を反映してか、YAHOOのアンケート調査「2017年の冬ドラマのうち、あなたが一番期待している作品は?」に対して、次のような結果でした。(出典→ http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/entertainment/27362/result

   1位 『A LIFE』  24.6%
   2位 
『嘘の戦争』 22.1%
   3位 
『おんな城主直虎』 7.9%
   4位 『精霊の守り人』 5.2%
   5位 『下剋上受験』 5.1%
   6位 『スーパーサラリーマン佐江内氏』 4.4%
   7位 『カルテット』 4.1%

 『A LIFE』と『嘘の戦争』が3位以下を大きく引き離して、断トツの1位と2位です。YAHOOの意識調査なので、回答者の年齢層がテレビドラマ視聴者層とそのまま重なるわけではありませんが、この2作品の注目度が高いことが伺われます。
 ここまでを見た印象では、私は『嘘の戦争』の方に軍配を上げたい気がします。前作『銭の戦争』は韓国ドラマのリメイク版でしたが、今回はオリジナル作品。それでも、貧富の差や執念の復讐劇といった、韓国ドラマに多い特徴をこの作品も備えています。以前は「いい人」役の多かった草なぎの暗い面、すごみのある面が近年は評価されてきて、この作品でもその特徴がよく活かされています。日本人はどちらかというと過ぎたことを早く忘れてしまおうとする民族で、復讐劇は流行りにくいという懸念はありますが、草なぎのダーティーヒーローぶりもは今後も期待したいと思います。

A LIFE~愛しき人~』 14.2%

 『嘘の戦争』と比較されることの多いこちらの作品『A LIFE』
は、今クールの民放連続ドラマでは最高視聴率で発進しました。主演の木村拓哉と竹内結子との組み合わせは、『プライド』(2004年)で高視聴率をたたき出したときと同じコンビです。加えて、枠役に松山ケンイチ、浅野忠信、菜々緒、木村文乃らを起用する豪華キャスト。番組宣伝にも力を入れていますし、しかも放送枠は過去に『半沢直樹』などの高視聴率をあげたTBS日曜劇場枠と、見たくなる要素は揃っています。ただ、あいかわらず、すべてがキムタクをかっこよく見せるためにしつらえられた作品という印象はぬぐえません。このブログを書いている時点でまだ1回しか放送されていませんが、既視感満載といったところです。
 それが一概に悪いというわけではありません。たとえば、かつての名優・高倉健の演じる役柄は常に「不器用」で「まっすぐ」な男性でした。それを見ていて、高倉健の演じる役の幅が狭いと言って文句をいう視聴者は誰もいませんでした。高倉健ほどの俳優になれば、役柄の幅広さなどを視聴者は求めませんし、そんなものは超越されてしまいます。あとは、キムタクがそこまでの存在になれるかどうかでしょう。高倉健のようにひとつの役柄だけをどこまでも追究するか、阿部寛のように長身二枚目モデルなのにコメディもできるという幅広さをも求めていくか、これからのキムタクに問われるのはその点だと私は思います。

おんな城主 直虎  16.9%→15.5%

 特徴のある「とがった」作品といえば、この作品もそうです。NHK大河ドラマといえば50年以上続く定型枠で、「とがった」作品とは対極にありそうで
すが、開始から4回目までは主役を子役が務めるというのは異例のこと(過去には『独眼竜政宗』くらいでしょうか)。なぜかと言えば、子役が出ることがいけないからではなく、子役に視聴者が感情移入してしまいすぎると、後から大人の俳優が交替したときに、視聴者が自然に気持ちを切り替えられなくなってしまうからです。
 今回異例の子役4回放送になったのは、脚本家・森下佳子のこだわりだったとのことです(出典⇒ http://www.oricon.co.jp/news/2084270/full/ )。その理由は「直虎、井伊直親、小野政次の子ども時代の関係性が、あとあとまでドラマの軸となっていくから」だそうで、そこまでこだわった子役の時代から、柴咲コウ演じる大人の時代への移行が、視聴者にもスムーズに受け入れられていくか。その点がひとつのカギになるように思います。
 なお、「女性主人公」で「歴史上それほど有名な武将・偉人ではない」といった特徴が、あまり評判のよくなかった過去の大河ドラマと共通するといったインターネット上の書き込みもあります。たしかにその懸念もありますが、同じ脚本家による朝ドラ『ごちそうさん』がそうだったように、今回の主人公像には大きな魅力と可能性が感じられます。これからの主人公たち(子役3人)の今後に期待したいと思います。


就活家族  11.0%→9.8%

 「とがった」作品としてもう一つあげておきたいのが『就活家族』です。近年のテレビドラマでは恋愛よりも仕事に焦点があたることが多くなっており、この作品では家族4人ともに仕事で苦労するようすが描かれます。大学生の就活だけではなく、たとえばその父親もあるトラブルによって求職をしなくればならなくなるなど、家族全員の仕事のようすが詳しく描かれるのがこのドラマの特徴です。私も大学教員として、学生の就活の苦労を見ているので、こうした課題がテレビドラマで前面に取り上げられることは歓迎すべきことです。
 ただし、その仕事の苦労を描くために、少し現実を軽んじてはいないでしょうか。たとえば、父親の会社(一流の大企業です)の採用試験で態度が悪い大学生を不合格にしたところ、その大学生は大銀行の頭取の息子で、その銀行から融資を受けるためにはその息子に頼み込んでどうしても入社してもらわなければならなくなり、不合格を取り消して再面接をする…という話。コネ入社自体はあることなのかもしれませんが、大銀行が大企業に多額の融資をするのに、頭取の息子の機嫌ひとつで融資するかどうかが決まる…。そんな大銀行があるんでしょうか。町の小規模な金融屋ではあるまいし、そんないいかげんな大銀行があるとは思えません。他にも、同姓同名の生徒の内申書を取り違えて、両者の進学先が入れ替わる? 受験先って一校しかないんでしょうか。あるいは単願受験だったら、そもそもそんなに偏差値の違う学校をはじめから受験しないんじゃないでしょうか。いくら仕事の苦労を描くためとはいえ、ここまで現実から乖離したストーリーを見ると、私はかなりの違和感を持たざるを得ません。せっかくいいところに着眼したドラマなので、もう少し地に足がついたストーリーを期待したいと思います。

他の作品については次回にまた書きたいと思います。


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 私が勤務する中央大学で指導を担当している大学院学生と、年度末の食事会をしました。
 この食事会は、今年度で修了するなど、中央大学を離れる大学院生たちとのお別れの会を兼ねています。

 現在、私が指導している大学院生たちの出身国や希望の進路はまちまちです。今回参加してくれた人たちの国籍は日本・中国・エジプト・インドネシア・韓国。それぞれの文化の背景や違う進路の希望を持ちながら、同じ場所で日本の文学や文化を学ぶことには大きな意義があると思っています。

 まだ今年度の学期や学位の最終試験が終わっていないので、正式な決定はまだされていません。ですが、前期課程(修士課程)を修了する4人のうち、2人は後期課程(博士課程)に進学し、2人は中央大学を離れて4月から社会に出る予定です。

 中央大学で学んだことが、それぞれの皆さんの今後のためになることを願っています。




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