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ロンドンから徒然に

春のパブ

2008-04-21 | 日常
 ロンドンの冬は厳しくて色に例えるとグレーで、街を歩く人々の顔にも笑顔がありません。しかし4月になって春が来ると花が一斉に咲き誇り、嘘のようにカラフルなイメージが街を覆い、皆の表情もゆるんできます。
  …と過去の経験をもとに日本の友人たちには説明していたのですが、今年はどうも様子が違います。

 1月、2月は暖かかったのです。こんな冬なら楽勝だと思っていました。3月にはもう日本より早く桜が咲くし、このまま本格的な春が来るかと思っていたら、なんと4月になって2回も雪が降りました。気温も上がらず2月よりも低いくらいで、なかなか青空も覗いてくれません。
 おかげでいつものように一気に春が来たという感じではなく、冬と春の境目が分かりにくい変なムードです。

 それでもやっぱり花が咲いている公園や庭を見ると心が躍ります。そしてもうひとつ心を騒がせるのは、パブの軒先に飾られた花です。この花の下、屋外で立ったままチビチビとビールを飲んで友人と談笑するのは最高です。
 イギリスのビールはビターと呼ばれる、泡の少ない殆ど常温のビールが一般的なので、ラガーに慣れた日本人は最初は戸惑うかもしれません。でもこれが意外とお腹にも優しくて、他で食事をしてきた後でもけっこう飲めるのです。

 仲間同士で行くと、割り勘という野暮なことはしません。誰かひとりが皆の分を払います。これをラウンドというのですが、1ラウンド(?)で終わるわけがなく、人数分だけ順番に支払いが回ることになります。例えば4人で飲みに行くと順番に4回別の人が支払います。で、結局割り勘と同じことになるんですけどね。
 1パイント(0.568リットル)入るグラスが一般的なので、何ラウンドもするとけっこうな量になります。あまり飲めない人は半分の量のハーフ・パイントのグラスもありますし、シャンディ(正式にはシャンディ・ガフshandy gaff)と呼ばれる、ビールをジンジャー・エールで割ったものもあるので試して下さい。

 今、来週の天気予報を見たら、気温はあまり下がっていませんでした。いよいよパブの季節到来かな。

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