まつお文庫からのご案内

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新しく買った本 ’16.3月

2016-03-16 13:09:49 | 文庫のページ
①『ダンゴムシのコロリンコくん』 カズコ・G・ストーン 岩波書店 2016
 丘の上のきんいろの雨の木の下に住むダンゴムシのコロコロファミリーの物語。
 どのくらい早く、長く、ボールみたいに丸くなって、そのまま動かないでいられるか、ダンゴムシにとっては命にかかわる大事なこと。
 今日もコロリンコくんたちはその練習に励みます。季節によって、豊かに姿を変えるきんいろの雨の木が美しいです。色鉛筆で描かれた優しい色合いの風景の中で生きるダンゴムシたちの生活が楽しめます。
 作者はニューヨーク在住。
『クリスマスってなあに?』 岩波書店 2012 ジョーン・G・ロビンソン こみやゆう訳
 「テディ・ロビンソン」のシリーズや『思い出のマーニー』の作者でおなじみのジョーン・G・ロビンソンのクリスマス絵本。クリスマスが、いつからどうやって始まったのか、5人の子どもたちに母親が語る場面から始まります。後半は5人のきょうだいがクリスマスまでの日々をどうやって過ごすか、ワクワクしながら準備をする子ども達の楽しい様子がたくさんの絵とお話で語られています。
③『庭にたねをまこう!』 岩波書店 ジョーン・G・ロビンソン こみやゆう訳
 『クリスマスってなあに?』に登場した5人きょうだいが、今度はタネをまいてすてきな庭づくりに挑戦する話。
 庭に飛び出して春を見つける子どもたち。土を耕し、タネをまき、さまざまな花が咲き、野菜も実りました。夏、子どもたちは庭でパーティーを開く計画を始めます。
 どのページからも子どもたちの元気な声が聞こえてきます。エネルギッシュに動き回る子どもたちの姿は見ているだけでワクワクしてきます。
④『ゆうかんな猫ミランダ』 エレナー・エスティス/エドワード・アーディゾーニ 津森優子訳 岩波書店 2015
 時代は古代ローマ。蛮族が攻めてきて、飼い主のクラウディアの一家とはぐれてしまった猫のミランダと娘のプンカの物語。
 クラウディアたちが向かった別荘を目指して歩き出したミランダとプンカでしたが、途中で親にはぐれた子猫を見つけ、一緒に連れていくことに。子猫はどんどん増えて、気がついた時には33匹の子猫を連れた集団になっていました。この炎の町でミランダがこの子猫たちを守ることができるのか、ミランダの知恵と勇気の物語です。常に気高く賢く威厳に満ちたミランダの姿は女王猫にふさわしく、クラウディア一家と再会したときのミランダがとった決断にも感動します。
 挿絵はアーディゾーニが描いています。
⑤『キキに出会った人びと』 魔女の宅急便<特別編> 角野栄子/佐竹美保 福音館書店 2016
 『魔女の宅急便 その6』が出版されて6年が過ぎました。キキのお話にまた出会えるのはうれしいことです。シリーズ1冊目から30年の時が流れました。ずっとキキを見つめてきた作者に感謝したい思いです。
 さて物語では、キキに出会った人々が登場します。先ずパン屋のおソノさん。おソノさんに出会っていなかったら、キキはコリコの町に住むことはなかったかもしれません。そのおソノさんの子ども時代から結婚してパン屋さんを開くまでの物語。
 2人目はコリコの町の町長さん。3人目は絵描きの息子さんを亡くしたヨモギさん。そして4人目はキキと言葉をかわしたことはないけれど、空飛ぶキキを見ていた若者。
 どこでどんなふうにキキと出会った人か覚えているでしょうか。全6巻を紐解きながら、彼らがどこで出てきたか探して読み返しながら読むと、これまで知っていた物語が一層大きなふくらみを増して楽しめます。特に、ヨモギさんの味わった悲しみに寄り添う角野さんの優しいまなざしと文体が心に残ります。
 まだまだ作者にはキキのまわりで起きたことで書きたいことがいっぱいありそうです。続編を期待したいと思います。
⑥『「エルマーのぼうけん」を書いた女性ルース・S・ガネット』 前沢明枝 福音館書店 2015
 『エルマーのぼうけん』(1948年)は日本で出版されてからも50年以上になります。これからもずっと読み継がれていく幼年文学の傑作です。
 2010年の夏、87歳のガネットさんが来日して話題になりました。とてもお元気でお茶目な方だったそうです。その時、通訳としてかかわった前沢さんがその後、アメリカに住むガネットさんを訪ね、インタビューしてできたのがこの本です。ガネットさんの子ども時代のこと、『エルマ-のぼうけん』ができるまでのこと、さし絵のことなど興味深いことをたくさん知ることができます。
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