
【選挙とは】5180
出口治明氏の心に響く言葉より…
若い世代には「投票したい候補者がいないから、選挙に出かける気にならない」という人がいます。
この意見は、前提が間違っています。
「政治家というものは、魅力あふれる優秀な人物がなるべきだ」という考えが根底にあるからです。
政治家になりたがっている人間に、どれくらいまともな人物がいるでしょうか。
冷静に考えれば、わかると思います。
「まともではない人たちのなかで、相対的にちょっとはマシな人物を選ぶ忍耐のことを選挙と呼ぶ」
これは二〇世紀を代表する連合王国の政治家ウィンストン・チャーチルの言葉です。
政治家を志す人たちの大部分はまともではない。
目立ちたがり屋であったり、モテたいと思っていたり、私腹を肥やそうとたくらんでいたり、ろくでもない人間ばかり。
そんな連中ばかりが立候補しているのだから、他の候補者に比べて「ちょっとはマシかな」と思える人物を見つけだすのは忍耐がいる仕事だと。
当時に比べたら、いまはインターネットがあるから、ちょっとマシな候補者を探し出すのは簡単です。
候補者の政策や発言、実績などを調べて、「このなかで一番マシなのは誰か」「ちゃんと働いてくれそうなのは誰か」「自分の感覚に近いのは誰か」と見極めるということです。
そういう情報収集は、若い世代はお手のものでしょう。
さらにチャーチルはこう言いました。
「民主主義というのは最低のしくみだ。過去の王政や貴族制を除けば」
民主主義はまったくアテにならないしくみだけど、民主主義が誕生する以前に比べたら、 よっぽどマシだというわけです。
チャーチルに言わせれば「人間は愚かな奴ばっかりだから、何ごともちょっとマシなものを選んで進歩していくしかないなぁ」というわけです。
これは世界中の人が、選挙や民主主義について知っておくべき最低限のコモンセンスです。
チャーチルの言葉を知っていれば、「候補者のレベルが低いから、投票なんて馬鹿馬鹿しくてやってられない」といったトンチンカンな意見は出てこないはずです。
議会制民主主義といえば、人類が発展させてきた理想の政体、ベストの政体だと考えがちです。
しかし民主主義は決してベストではありません。
あくまで、他の政体に比べたらベターといったところです。
完璧ではありませんから、いつワースやワーストに転げ落ちてもおかしくないのが民主主義です。
そういう認識で、議会や選挙を捉え直す必要があります。
北欧では選挙について、次のように教えているそうです。
「あらゆる選挙について、メディアは事前予想を発表する。
その予想どおりの結果を望むなら、有権者には三つの方法がある。
第一は、投票所に出かけてそのとおりに投票する。
第二は、投票所に出かけて何も書かない白票を投じる。
第三は、投票所へ出かけないで棄権する。
どの方法を選んでもメディアの事前予想と同じ結果となる。
もし、事前予想のとおりでは自分は嫌だと思ったら、とるべき方法は一つしかない。
それは投票所へ足を運び、 事前予想とは別の名前を書くこと。
これが選挙というものだ」
実に、具体的かつ現実的な説明で感心します。
みんながこのように教わったら、若い世代も選挙に出かけていくことでしょう。
『日本の伸びしろ』文藝春秋
https://amzn.to/3VleDOK
本書の中に「選挙」についてこんな一文があった。
『ある外国人に「日本人の政治に対する姿勢は、本当に不思議ですねぇ」と言われたことがあります。
日本人の知り合いたちと居酒屋で飲んでいたら、たいてい「いまの政府はけしからん」「あの経済政策は間違っている」という話になる。
若い世代も政治への関心はわりとあって、酔ってくると政権批判に熱が入ってくる。
いくつかの集まりに顔を出したら同じ調子なので、「これは次の選挙で新政権が誕生するな」と楽しみにしていたら、そんなことはまず起こらない。
あれだけみんなが政治について熱く語っているのだから、投票率はオーストラリアみたいに90%を超えてもよさそうなのに、いつも50%をやっと 超える程度。
「政府は自分たちでつくるもの、そのために行うのが選挙です。自分が投票に出かけても出かけなくても大勢に影響しないと考えるのは、まったく根拠がない思い込みですよ」
その外国人は、居酒屋での熱気はどこへいってしまうのかと首をかしげていました。』
日本の直近の投票率は55.93%(2021年10月衆議院選挙)だ。
これは戦後3番目に低い水準。
世界各国の2016年から2020年の投票率(米国ピュー研究所調べ)で一番高いのがトルコの88.97%、続いてスウェーデンの82.08%、オーストラリアの80.79%だ。
このうち、トルコとオーストラリアは法律によって投票が義務づけられている。
「政治家を選ぶ選挙で、人気を基準に考えてはいけない。人気で選ぶなら、ドナルド・ダックが上院議員になってしまう」(オーソン・ウェルズ)
「政治において、人は都市や州を治めるのに最もふさわしい人に投票すると誰もが思っている。しかしときに顔のいい者や、単に雄弁な者に投票してしまうものだ」(プラトン)
政治家に限らず、経営者も、多くの組織のリーダーも、自分の知り合いたちにしても、非の打ち所がない理想的な人物などひとりもいない。
誰しも、欠点を抱えている。
もちろん自分も。
これはどんな人間関係でもいえること。
片目をそっとつぶらない限り、人間関係はうまくはいかない。
ベストではないなかで…
「少しでもマシな人を選ぶのが選挙」という言葉を胸に刻みたい。
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出口治明氏の心に響く言葉より…
若い世代には「投票したい候補者がいないから、選挙に出かける気にならない」という人がいます。
この意見は、前提が間違っています。
「政治家というものは、魅力あふれる優秀な人物がなるべきだ」という考えが根底にあるからです。
政治家になりたがっている人間に、どれくらいまともな人物がいるでしょうか。
冷静に考えれば、わかると思います。
「まともではない人たちのなかで、相対的にちょっとはマシな人物を選ぶ忍耐のことを選挙と呼ぶ」
これは二〇世紀を代表する連合王国の政治家ウィンストン・チャーチルの言葉です。
政治家を志す人たちの大部分はまともではない。
目立ちたがり屋であったり、モテたいと思っていたり、私腹を肥やそうとたくらんでいたり、ろくでもない人間ばかり。
そんな連中ばかりが立候補しているのだから、他の候補者に比べて「ちょっとはマシかな」と思える人物を見つけだすのは忍耐がいる仕事だと。
当時に比べたら、いまはインターネットがあるから、ちょっとマシな候補者を探し出すのは簡単です。
候補者の政策や発言、実績などを調べて、「このなかで一番マシなのは誰か」「ちゃんと働いてくれそうなのは誰か」「自分の感覚に近いのは誰か」と見極めるということです。
そういう情報収集は、若い世代はお手のものでしょう。
さらにチャーチルはこう言いました。
「民主主義というのは最低のしくみだ。過去の王政や貴族制を除けば」
民主主義はまったくアテにならないしくみだけど、民主主義が誕生する以前に比べたら、 よっぽどマシだというわけです。
チャーチルに言わせれば「人間は愚かな奴ばっかりだから、何ごともちょっとマシなものを選んで進歩していくしかないなぁ」というわけです。
これは世界中の人が、選挙や民主主義について知っておくべき最低限のコモンセンスです。
チャーチルの言葉を知っていれば、「候補者のレベルが低いから、投票なんて馬鹿馬鹿しくてやってられない」といったトンチンカンな意見は出てこないはずです。
議会制民主主義といえば、人類が発展させてきた理想の政体、ベストの政体だと考えがちです。
しかし民主主義は決してベストではありません。
あくまで、他の政体に比べたらベターといったところです。
完璧ではありませんから、いつワースやワーストに転げ落ちてもおかしくないのが民主主義です。
そういう認識で、議会や選挙を捉え直す必要があります。
北欧では選挙について、次のように教えているそうです。
「あらゆる選挙について、メディアは事前予想を発表する。
その予想どおりの結果を望むなら、有権者には三つの方法がある。
第一は、投票所に出かけてそのとおりに投票する。
第二は、投票所に出かけて何も書かない白票を投じる。
第三は、投票所へ出かけないで棄権する。
どの方法を選んでもメディアの事前予想と同じ結果となる。
もし、事前予想のとおりでは自分は嫌だと思ったら、とるべき方法は一つしかない。
それは投票所へ足を運び、 事前予想とは別の名前を書くこと。
これが選挙というものだ」
実に、具体的かつ現実的な説明で感心します。
みんながこのように教わったら、若い世代も選挙に出かけていくことでしょう。
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本書の中に「選挙」についてこんな一文があった。
『ある外国人に「日本人の政治に対する姿勢は、本当に不思議ですねぇ」と言われたことがあります。
日本人の知り合いたちと居酒屋で飲んでいたら、たいてい「いまの政府はけしからん」「あの経済政策は間違っている」という話になる。
若い世代も政治への関心はわりとあって、酔ってくると政権批判に熱が入ってくる。
いくつかの集まりに顔を出したら同じ調子なので、「これは次の選挙で新政権が誕生するな」と楽しみにしていたら、そんなことはまず起こらない。
あれだけみんなが政治について熱く語っているのだから、投票率はオーストラリアみたいに90%を超えてもよさそうなのに、いつも50%をやっと 超える程度。
「政府は自分たちでつくるもの、そのために行うのが選挙です。自分が投票に出かけても出かけなくても大勢に影響しないと考えるのは、まったく根拠がない思い込みですよ」
その外国人は、居酒屋での熱気はどこへいってしまうのかと首をかしげていました。』
日本の直近の投票率は55.93%(2021年10月衆議院選挙)だ。
これは戦後3番目に低い水準。
世界各国の2016年から2020年の投票率(米国ピュー研究所調べ)で一番高いのがトルコの88.97%、続いてスウェーデンの82.08%、オーストラリアの80.79%だ。
このうち、トルコとオーストラリアは法律によって投票が義務づけられている。
「政治家を選ぶ選挙で、人気を基準に考えてはいけない。人気で選ぶなら、ドナルド・ダックが上院議員になってしまう」(オーソン・ウェルズ)
「政治において、人は都市や州を治めるのに最もふさわしい人に投票すると誰もが思っている。しかしときに顔のいい者や、単に雄弁な者に投票してしまうものだ」(プラトン)
政治家に限らず、経営者も、多くの組織のリーダーも、自分の知り合いたちにしても、非の打ち所がない理想的な人物などひとりもいない。
誰しも、欠点を抱えている。
もちろん自分も。
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