将棋の形勢判断とは・・・。
日本語の形勢:変化する物事の、その時その時の状態や勢力の関係。(Yahooの辞書より)
将棋用語の形勢:駒の損得、駒の働き、玉の堅さ、手番の4つの要素より判断する
spinoza05さん(2008/07/12)
より形勢について言及しています。
具体的な局面(例1、例2、例3)から考えて見ましょう。
===== 例1 =====
私の「
最近の将棋倶楽部24の将棋」の実践譜のShogi_01より
駒の損得:互角
駒の働き:互角
玉の堅さ:居玉より互角
手番:先手
形勢は互角
駒の損得:互角
駒の働き:△2二銀が遊び駒、△3四飛が攻防。▲3八金が受け駒。遊び駒の△2二銀を考えると先手の方が効率に駒が働いているので、少し先手が良い。
玉の堅さ:先手は2枚、後手は3枚より後手が良い。
手番:先手
形勢は互角
駒の損得:銀と歩の交換より先手が良い
駒の働き:▲2三竜が遊び駒、△2九竜が攻め駒(▲5九桂の受けがある)、互角。
玉の堅さ:先手が2枚、後手は3枚より後手が良い。
手番:先手(次の▲3二竜より竜が働く)
形勢は駒得と手番より先手が少し指しやすい
結果は私の勝ち
===== 例2 =====
朝日杯のアマ-プロ戦より
芹田アマ-及川プロ戦
駒の損得:互角
駒の働き:▲7八金の受け駒、△6一金の遊び駒より互角
玉の堅さ:先手は2枚の駒、後手は2枚の駒、玉の位置が後手の方が1筋遠いので少し後手が良い
手番:後手
△6一金の遊び駒より形勢は互角
駒の損得:先手の1歩得
駒の働き:△5五銀が天王山より少し後手が良い。
玉の堅さ:先手は3枚の駒、後手は2枚の駒、玉の位置が後手の方が1筋遠いので互角
手番:後手
形勢は互角
駒の損得:後手の2歩得
駒の働き:▲9六飛、▲6九銀が遊び駒、△5五馬、△3三香、△2五桂が先手玉への攻め駒より後手が良い
玉の堅さ:先手は3枚の駒、後手は3枚の駒、玉の位置が後手の方が1筋遠いので後手が良い
手番:先手
形勢は後手の有利
結果は及川四段の勝ち
===== 例3 =====
第79期の棋聖戦の第3局より
棋聖戦_79_3
駒の損得:互角
駒の働き:互角
玉の堅さ:先手は3枚の駒、後手は広いので互角
手番:先手
形勢は互角
駒の損得:後手の2歩得
駒の働き:▲6八角は受け駒、▲2四飛は攻め駒、△5三角が受け駒、△8一飛は受け駒より互角
玉の堅さ:先手は2枚の駒、後手は広いので互角
手番:後手
形勢は互角
※後手は受け切れば良し
本譜は、△5八銀、▲2二飛成、△4二歩、▲4五銀でした。
△6五歩、▲2二飛成、△4二歩、▲4五銀、△9六歩の展開ならば後手が受け一方にならなくて、良かったと思います。
駒の損得:後手の1歩得
駒の働き:▲6八角は受け駒、▲2二竜は攻め駒、△5三角が受け駒、△8一飛は受け駒より少し先手が良い。
玉の堅さ:先手は2枚の駒、後手は広いので互角
手番:後手
形勢は互角
※後手は受け切れば良し
本譜は、▲5四歩、△同銀、▲同銀、△同金、▲2四竜でした。
この▲2四竜が駒の働きを持って、持ち駒に銀を持っているので駒の働きが先手いいです。
▲5四歩、△6四角、▲1一竜、△7四銀とすれば、後手は受け切れている感じもします。
結果は羽生さんの勝ち
===== Logical Spaceより ======
形勢判断の仕方も参考にしてください。
形勢判断は、駒の損得、駒の働き、玉の堅さ、手番の4つの要素より判断するのが、将棋の形勢判断です。
あまり、本に掲載されていないので、知らない方も多いと思います。
しかし、プロ棋士は、この4つの要素より形勢判断をしています。
ただ、棋聖戦79_3は、後手が受け切ればの条件付きの互角なので、受けが得意な方向けの将棋だと思います。 大山名人だと指すとうまく指すように思います。