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将棋の日記

第3回 電王戦について

2014-03-21 13:57:23 | 将棋ソフト情報
私は、土曜日にアルバイトが入っているので、ライブでニコニコ生放送は見られません。
後日、菅井五段と習甦の棋譜を拝見しました。
また、明日の佐藤六段とやねうら王のソフトの入れ替えも、かなりの反響があって、さまざまな意見がありそうです。

色々な方が、ブログで書かれているので、反響がすごいですね。
<菅井五段と習甦の関連サイト>
日本将棋連盟
遠山五段のブログ
片上六段のブログ
ssayさんのブログ
ものぐさ将棋観戦記さんのブログ

<佐藤六段とやねうら王の関連サイト>
日本将棋連盟
片上六段のブログ
ssayさんのブログ
nanaponさんのブログ


私は、観戦する立場、自分で対局する立場、プログラマーの立場の視点から電王戦を見ているので、色々と考えさせられます。
<感想1:菅井五段と習甦について>
アマ二段とアマ三段の対局だと、アマ二段側が、10番に2局ならば勝てるぐらいとか、よく言います。
将棋ソフトがプロ五段に対して、10番に5局(電王戦の結果だけならば8局)ならば勝てるぐらいまでに来ている印象があります。
相手の棋風を事前研究が出来る点では、プロ棋士側が有利だと言えます。

将棋ソフトが事前研究をされて、プロ棋士側が負けるということは、将棋ソフトが強いと認めないといけないでしょう。
しかし、菅井五段は、事前に振り飛車宣言をして、将棋ソフトが対抗形に強いことを承知で、戦形を選択している訳で、また、あえて将棋ソフトの特有の弱点をつく指し方をしないで、正攻法で将棋ソフトと対局に挑みました。

菅井五段が正攻法で対局をして、将棋ソフトが勝ったということは、正攻法でもプロ棋士レベルの棋力があることが分かりました。

見る立場からすると、将棋のプロ棋士(将棋で生計を立てている)が負けるのは、見るのはつらいという意見もあるでしょう。
そういう意味では、プロ棋士が負けるのは見たくないという意見もあると思います。

プログラマーの立場からすると、将棋ソフトがプロ棋士より強くなっている『Xデー』がいつかは来るというだろうと思います。
将棋ソフトの事前研究の団体戦の結果で、将棋ソフトが勝ち越せば、その『Xデー』と言えると思います。
『Xデー』後は、プロ棋士と将棋ソフトがどのように共存をするのかが、課題になると思います。
その時に、チェスの文化がとても、参考になることは、よく言われていることです。

<感想2:佐藤六段とやねうら王について>
プログラマーの立場から言えば、現在の将棋ソフトは、すべて完成版ではないという、共通認識が必要だと思います。
完成版の将棋ソフトというのは、必勝法のアルゴリズムを搭載した将棋ソフトという意味です。
二人零和有限確定完全情報ゲーム
先手必勝、後手必勝、引き分けの3種類のどれかに必ず分けられるというゲーム理論です。
そういう意味では、現在の将棋ソフトも、必勝法を持たない状況の中での開発なので、まだまだ改良の余地がある訳です。

なので、提供した時点の将棋ソフトは、必勝法のアルゴリズムではないので、改良の余地があるので、例えバグが含む将棋ソフトと言えども、修正版の入れ替えは、必要がないと思います。

そういう意味では、『電王戦 第3回 第2局』は、将棋ソフト側として今後は、どうするのかを考える必要性があると思います。
将棋ソフトの開発者は、「将棋コンピューター選手権用の将棋ソフト」と、「電王戦用の将棋ソフト」の両面を持つ将棋ソフトを開発する必要があります。
そういう意味では、開発者には相当の負担がかかります。
具体的には、前回の入玉対策、時間処理、開発環境と対局用のハードの違い、並列処理のアルゴリズム、対局時間による読みの打ち切り処理などなどが考えられます。
私の提案としては、電王戦に出場する将棋ソフトに対して、バグチェック一覧表を作成して、事前に開発者にバグチェックして欲しいと思います。