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将棋の日記

竜王戦22_1

2009-10-15 20:27:13 | 棋譜解説(タイトル戦)
渡辺竜王に挑戦する森内九段の第22期竜王戦です。

先手:森内九段
後手:渡辺竜王

戦形:角換わり腰掛け銀

序盤から定跡形を離れて、本当に読みの力の勝負の将棋となりました。
終盤まで均衡が保たれるのか、先手または後手が微差で良くなりそのまま押し切る展開なのか、それとも一方的な展開になるのか。
どのような展開になるのかが、予想がつかない展開になりました。
とても、ワクワクしながら観戦をしていました。


当然、将棋ファンは専門誌(将棋世界、週刊将棋、新聞の将棋欄)をご覧になると思うので、ロジカルが感心した局面を選びました。


▲6六銀は、とても新鮮に見えました。
これで、1局の将棋なるとは、なんとも将棋の奥の深さが・・・。


えっ!
飛車の筋に、玉が入るとは・・・。
こんな指し方で勝てるのかと疑いますよね!


△5二銀、▲3六歩、△3三銀、▲7七銀とお互いに銀を引く展開とは・・・。
それだけ、局面が難しい将棋だからお互いに銀を引く訳で・・・。
将棋の緊迫度がある局面なのがよく分かります。


次の▲3四銀、△同銀、▲4三歩成、△同銀、▲1一角成があるので、先手が良さそうに見えますが・・・!?


ほぅ!
△4七歩の手裏剣がありましたか!?
これがあるから、▲3四銀に△同銀と取れる訳ですね!
ふむふむ!

指されればなるほどの手筋ですが、ロジカルは▲3四銀の読み筋として、とても感心をしました。


▲3四歩と取られても、駒の損得はなく、先手の角のラインを消す△5五銀ですか?

ロジカルは若手の将棋というよりも、老獪な指し手に見えました。
大山名人、中原名人が指しているのかなと・・・!


先手の指し方が分かりやすい指し方になっている印象です。
なので、後手の玉が寄せられるか、寄せられないか!?


後手は先に受ける訳ですね!
ここでも、老獪な指し手に見えます。


飛車取りより、先手の指し手が忙しくなっているとは・・・。
これで、後手が勝ちならば脱帽の手ですね!


△9五歩と△2二玉がセットなんですね!
攻防をセットで勝ちを読み切るのは、すごいです。

結果は渡辺竜王の勝ちです。


<<< まとめ >>>
序盤は▲6六銀から定跡形を離れて、本当に将棋の力と力のねじり合いの将棋でした。
後手は△7五飛より1歩得を主張しているだけで、駒の損得はわずかに後手良し。
しかし、局面は最後まで均衡が保たれる将棋でした。
最後の詰む詰まないは、1手違いより見ている方がハラハラしました。
しかし、△9五歩と△2二玉の攻防の手より後手が勝ちとなりました。

個人的には、角換わりの将棋は好きなので、見ていて楽しかったです。

最近のタイトル戦

2009-06-29 12:59:53 | 棋譜解説(タイトル戦)
今年は、棋王戦を除いて、すべて羽生四冠がタイトル戦に出ています。
王将戦、棋王戦、名人戦、棋聖戦です。

これからは、王位戦、王座戦、竜王戦と続きます。
王位戦で羽生四冠以外のタイトル戦の対局が見れます。
深浦王位vs木村八段です。

2つ連続(棋聖・王位)の挑戦権を獲得した木村八段です。
羽生棋聖に挑戦している棋聖戦では、2勝1敗と後1勝で棋聖を奪取のところまで来ました。
相手は、羽生棋聖なので、その後1勝が途方もなく遠い感じがします。
しかし、和服での2勝をしたので、そういう意味では木村八段は良かったと思います。


Logicalから見た棋聖戦の第3局です。


オーソドックスな矢倉になり、▲3七銀戦法になりました。
プロは、矢倉を指すと全体の駒を使うので安心感があるといいますね!
長年採用されながら結論が出ないので、それだけプロには魅力がある戦法だと言えるのでしょう!


私は△7三桂が珍しい形であると感じました。
△7三角、△3三桂が普通の指し方だと感じました。
△5一銀(△8四銀にして棒銀狙い)、△1二香(穴熊)も考えましたが、▲5五歩、▲1五歩、▲3五歩からの先手の仕掛けが成立がしそうです。
後は△8五歩と形を決めているので、△7三桂の桂馬の活用が難しい感じがします。 △8四歩ならば△7三桂の桂馬の活用がしやすい感じがします。
こういう部分がプロの将棋なので難しいですよね!

※△5一銀、△1二香は、Logicalが先入観なしで自分で考えてみた手です。 プロでは指されないと思います。


▲2五歩でした。
▲5五歩、▲1五歩、▲3五歩の仕掛けが無理筋なのでしょうか?
▲3五歩には△4五歩と反発があったような感じがします。
細かい変化が分からないので、1手1手の意味が分かりませんが、推測をしながら局面を見ています。


先手は1筋の総攻撃の形(雀指し)になりました。
後手からの攻めがないことを見越して、1筋に駒を集中するのは、なるほどと思う構想です。
後手も手待ちはしていますが、最善形で待っているので簡単には崩れないと思います。


先手は1筋より一定の成果を上げたので、5筋に飛車を移動して指し手を進めるのは、なるほどを思う構想です。
Logicalの疑問として、▲3八飛はなかったのか? 少し疑問が残りました。


この局面だけを見ると、△7三桂が「桂馬の高跳び歩のえじき」になっています。
結果論かもしれませんが、△8五歩、△7三桂はあまり良くない形なのかもしれません。
△8四歩、△7三桂だと成立するのかが疑問に残ります。


後手は桂損で攻めています。 また、▲7四銀が飛車に当たっています。
ここでは、先手が受けきれば勝ち、後手が攻めきれば勝ちの局面のように感じます。
当然ながら、お互い最善手を指しての話ですが・・・。


先手は受けきった形(局面が収まった)になったので、先手の勝ちになりやすい局面となりました。
後手の陣形が堅いので、すぐに崩れないと思います。
しかし、後手からは先手を攻める手段がありませんでした。(これも結果論です。)


△3五歩は、後手の攻めがここからしかないのは、いかにも辛い感じがします。
ご存じの通り、この将棋は先手の木村八段が勝ちました。

名人戦

2009-04-13 19:33:16 | 棋譜解説(タイトル戦)
名人戦の第1局の対局を週刊将棋より棋譜を拝見しました。

日時:2009/04/09・10日

先手:郷田九段
後手:羽生名人

戦形:矢倉(▲3五歩早仕掛け)

なぜ、郷田九段は▲3五歩早仕掛けをしたのでしょうか?
最新形の矢倉をすれば、先手が指しやすい感じがしますが、何となく不思議な感じでした。


逆に、図の局面では後手の勝率が良いので、郷田九段の意図が良く分からないです。
※過去21局中、先手5勝、後手15勝、1千日手

片上五段が、羽生名人に対する、郷田九段の先手矢倉では過去に1勝もしていないという結果を発表しています。 ちょっと面白い情報です。

まだ、始まったばかりなので、これからが楽しみです。
現在は羽生名人の1勝です。

竜王戦6組

2009-01-31 14:28:34 | 棋譜解説(タイトル戦)
注目のカードとなった、金井四段vs里見女流倉敷籐花です。
里見女流倉敷籐花は、稲葉四段を新人王戦で破り、いろいろなところで報道されて話題になりました。

金井四段は、明日のNHK杯で佐藤NHK杯と対戦することになっている活躍の若手です。
予選では、高野五段、神谷七段、中村(亮)四段を破りました。
本戦では、村山五段、村中四段を破っています。

両者ともに活躍している若手棋士が、竜王戦の6組の1回戦を対戦することになりました。(読売新聞より)

先手:里見女流倉敷籐花
後手:金井四段

戦型:先手中飛車


里見女流の得意の中飛車です。


初めての穴熊です。
里見女流は、本を読んでやってみたかった。


▲8四歩でなくて、▲7九角だったそうです。


▲2一銀を取りに行く、△3一金です。
激辛流の指し方です。
金井四段は、負けられないのでと言っていました。(公式戦ですからね!)


急所の桂打です。
これで、穴熊は一気に寄せ形になりました。


▲同玉、△2七香成、▲同玉、△2六銀、▲3八玉、△2七角、▲4八玉、△5七銀、▲同玉、△6五桂以下詰みだそうです。
投了図です。

金井四段の勝ちです。

第7局について

2008-12-20 18:48:03 | 棋譜解説(タイトル戦)
LogicalInSpaceが竜王戦の第7局を解説します。

残念なことが2つあります。
※多くのブログでは、勝負の結果のみを記載している方が多く見受けられます。 将棋の棋譜について解説がありませんでした。 将棋は内容も楽しみの1つだと思います。
※ネットでは多くの話題になりましたが、テレビではテレビ朝日系列の報道ステーション以外には、多く報道してないように感じます。 将棋の普及を考えるとどうなんでしょうか?
将棋はゲーム性と知的頭脳の両側面があると思います。 このような永世竜王対決の時に、もっと多くの方にプロ将棋を知って欲しいと思います。

第1局 (先)渡辺竜王 羽生四冠の勝ち 一手損角換わり
第2局 (先)羽生四冠 羽生四冠の勝ち 矢倉(▲3七銀)
第3局 (先)渡辺竜王 羽生四冠の勝ち 一手損角換わり
第4局 (先)羽生四冠 渡辺竜王の勝ち 相掛かり
第5局 (先)渡辺竜王 渡辺竜王の勝ち 矢倉(▲3七銀)
第6局 (先)羽生四冠 渡辺竜王の勝ち 矢倉(急戦)
第7局 (先)羽生四冠 渡辺竜王の勝ち 矢倉(急戦)

(全体的について)
第3局までは、羽生四冠の圧倒的な力の差を示された渡辺竜王でした。
第4局も、羽生四冠の有利で終盤を迎えました。 しかし、羽生四冠の決めてがないまま、△8九飛より逆転がはっきりしました。
それから、流れが渡辺竜王に向いて来ました。
その後は、ご存じの通りに渡辺竜王の4連勝です。(朝日オープンを含めると5連勝)
第1人者の羽生四冠が同じ相手に4連敗は考えにくいので、最後は羽生四冠が竜王を奪取すると思いました。
結果的には、羽生四冠が渡辺竜王を圧倒することで、渡辺竜王が追い込まれて渡辺竜王の力を逆に引き出した結果のようにみえました。

渡辺竜王の勝利の裏側には、同期の阿久津六段のライバルの存在があったことでしょう。
事実、第6局、第7局は阿久津流の急戦を採用しました。 今後は、後手の阿久津流は相当研究される戦法だと思います。

第7局の棋譜
控え室と感想戦のコメントがあるので、もう一度見ると楽しいと思います。

※LogicalInSpaceの解説より
※竜王戦の棋譜より
※mixiのプロ棋士より
※週刊将棋より


戦型が矢倉と決まりました。


第6局と同じ作戦を渡辺竜王が採用しました。


羽生四冠から手を変えました。 しかし、前例がある形ではあります。


ここでは、前例は△5四銀でした。
△3三銀より前例がなくなり、ここからが未知の局面となりました。

<<< 週刊将棋 >>>
プロ感覚にない新手
中央からの動きと5筋を薄くする△3三銀はバランスが悪いというのが、プロ感覚だ。
「△3三銀は考えたことがなかった」と羽生。
渡辺は研究会で指されて対応出来なかったので試したという。


ここでは、△同歩、△5一角の2つが考えられました。
△同歩は▲8二歩と打たせて、先手の歩切れを狙うのか?
△5一角より▲8五歩とすると、手が重い感じと▲8二歩と打てない感じです。


△6二飛を予想していました。
しかし、△5二飛は見せかけで、後から△6二飛する狙いがあるかもと思いました。
ここは、封じ手の局面となりました。
羽生四冠がどうするのか、注目でした。
△9一とは、香得だけど、と金が遊び駒になるので指しにくい感じがしました。
なので、別の手を考える可能性もあると思いました。

<<< mixiのプロ棋士 >>>
予想の△6二飛には
以下▲9一と△6四歩▲同歩△同銀▲7四歩△8五桂が仕方ないので後手不満だったのでしょうか。


ここは、先手が変に動くと悪くなる感じでした。
ある意味、先手は理想形に近い感じです。
そういう意味では、△9二とは理解できる部分がありました。

<<< 中継plusより >>>
渡辺「いい手でした。苦しい。▲9二とはプロの第一感です」
藤井「えー?この手が成立するなら大差ということでしょ?」
渡辺「そうなんです。苦しいんです。」


▲2三歩と1歩使いました。
結果論ですが、しない方が良かった可能性もあります。
それは、△6五香の時に▲6六歩と受けても、次に▲6二金、△5三飛、▲5四歩と打てる展開に出来ます。
まさしく、一歩千金の手だったかも・・・。
ここら辺は、1歩あるないで局面の形勢が変わる展開だと思いました。

<<< 週刊将棋 >>>
▲2三歩の変わりに
▲5二金、△2二玉、▲5一金、△8七歩成、▲6八金寄の次に▲8二飛を狙って先手優勢
羽生は「5一金が重くなるのでやめたが、飛車を取ってしまったほうが良かった」


ここでは、▲2三歩と使っているので、▲6二金、△5三飛、▲5四歩(あれば)の展開になっていたかも・・・。


ここでは、△8七歩成、▲5四香、△7八と、▲同玉、△8七金、▲6八玉、△5四飛、▲同銀成、△6七銀成、▲同玉、△7六歩の展開はどうでしょうか?


私には、この手の意味が分かりませんでした。


タイミングのいいところで、金の補充です。 この角が良いで手でしたね!


「金低の歩、岩より堅し」の格言の応用です。 金低に香と受けました。
こういう場面で格言に似た手が現れるのですね!

ここでは、▲2二銀、△同銀、▲同歩成、△同玉、▲2三銀、△3三玉、▲2四角、△4四玉の展開。
または、▲2二銀、△3二玉、▲3一飛、△2三玉、▲3三銀成、△同金、▲2一飛成の展開。
と▲2二銀の変化はなかったのでしょうか?


△3五角となると、先手が変調な感じがします。
ここで、後手が少し指しやすくなったかもしれません。

ここからが、指運(ゆびうん)になった感じです。
ここからが、頂点の2人だけの将棋の世界を楽しんでいるかのようでした。

<<< 週刊将棋 >>>
△3五角が詰めろで、角入手を図られて逆転した。


▲6五飛成は、△8七角の王手飛車が見えているので、本当に最善だったのでしょうか?
私は、▲3五同角、△同歩、▲6五金ではなぜいけないのか? 疑問に思いました。


待望の王手飛車です。


これは、△6五飛成までの詰みを見ています。
また、先手の入玉を防いでいる意味があります。

<<< 中継plusより >>>
この手がちょっと薄かったですね。(渡辺)
正しくは△7六銀だった。

<<< 週刊将棋 >>>
△6四歩は「薄すぎで、△7六銀でした」と渡辺が反省するような敗着となりかねない手だった。


▲6六角は、▲2二銀以下の詰みと書かれてありましたが、具体的な手順が見えませんでした。
▲2二銀、△3二玉、▲3三銀成、△同金以下が分かりませんでした。
この局面は、1手指した方がよく見える局面です。

<<< 中継plusより >>>
「本譜は▲6六角を食らって、もう…」(渡辺)
「しかしやっぱり、難しいか」(羽生)

<<< 週刊将棋 >>>
6六角の利きが通った。
後手玉に詰めろが続けば先手の勝ち。


▲5五同玉でした。
▲5五同角は、△4七銀、▲6七玉、△5八竜、▲6六玉、△7六金までの詰みです。
そういう意味では、角筋を止める手筋でしたね!


入玉を防ぐ△7三金です。
お互いに詰む訳ではないので、善悪は微妙でしたね!


2回目の手の意味が分からない手でした。

<<< 中継plusより >>>
どうやるんでしたか?(渡辺)
うーん…わかりません。(羽生)


この▲2四飛が悪手と言われていますけど。
▲4八飛ならば、先手の勝ち筋があった可能性があるようです。

<<< 中継plusより >>>
この手が敗着となったようだ。代えて▲4八飛なら先手勝ち筋だった。
「迷ったんですけどねぇ。こっちでしたか」(羽生)

<<< mixiのプロ棋士 >>>
▲2四飛、△6四歩、▲5五玉の局面です。
局後の検討では▲2四飛が敗着を言われていましたが、本当の敗着は▲5五玉だったかもしれません。
▲5五玉以下△4四銀打▲同成銀△同銀▲同馬△6五金▲5四玉△6三銀▲4五玉△4四歩▲同角△3三桂で急所の馬を抜くことに成功して後手勝勢になりました。

<<< 週刊将棋 >>>
▲4八飛と金を取れば、詰めろと同時に自玉の退路も用意して先手勝勢だった。


ここでは、▲3六銀はなかったのでしょうか?


△2五歩より後手の勝ちが決まった感じです。
2度目の△3五角より王手飛車となりました。


投了図です。
▲2二飛以下は駒が豊富ですが、詰みはないようです。

竜王戦の第6局

2008-12-10 21:43:49 | 棋譜解説(タイトル戦)
新潟県の龍言で行われている、竜王戦の第6局が行われています。

先手:羽生四冠(名人・棋聖・王座・王将)
後手:渡辺竜王

戦型:後手の急戦矢倉

初めにお断りしています。
自分のオリジナルで書いていません。
ネットより情報を集めて書いています。


△5三銀右⇒△8五歩⇒△5五歩の形の急戦を阿久津六段の阿久津流と言うそうです。
明日の11日(木)の東京将棋会館の大盤解説は阿久津六段です。
阿久津六段から直接に変化を教えてもらえそうです。

羽生四冠は、先手を持って8戦して8勝です。
渡辺竜王は、後手を持って2戦して1勝1敗です。
その内の1局が立会の中村九段です。

過去のデータから見ると、羽生四冠が有利な展開のようです。
渡辺竜王の作戦(秘策)が注目の展開です。

竜王戦の第2局

2008-10-30 13:53:46 | 棋譜解説(タイトル戦)
北海道で竜王戦の第2局が行われています。

先手:羽生四冠(名人・棋聖・王座・王将)
後手:渡辺竜王

戦型:矢倉(▲3七銀戦法)

現在は、お昼の休憩中です。
7番勝負では、矢倉は1度は現われると思われましたが、第2局で現れました。
後手の渡辺竜王が追随形にするのかと思いましたが、△9三桂より後手から主導権を握る指し方になっています。

mixiより某プロ棋士によると、△9三桂の前例は2局しかないそうです。
そういう意味では、まだ未開の分野かもしれないですね!

予想の範囲内です。
ただ、注目は後手の渡辺竜王が穴熊にするのかが注目です。

===== 2008/10/31 18:00 追記 =====
現在は、122手目です。
後手の渡辺竜王が、後手から主導権を握る展開になりました。
微差ですが、後手の仕掛けが少し無理気味の感じがします。
分かりやすく言えば、1手違いぐらいのレベルです。

羽生四冠は、受け切ってカウンターを狙う展開になりました。
面白い展開です。 勝ち負けも楽しみですが、内容も楽しいです。
どちらが勝つのでしょうか?

===== 2008/10/31 19:00 追記 =====
羽生四冠の2連勝となりました。

第19期の時も、佐藤棋聖を相手に、渡辺竜王は2連敗でした。
これから、快進撃があるでしょうか?

王座戦56_2

2008-09-17 23:27:21 | 棋譜解説(タイトル戦)
9/17(水)に、王座戦の第2局が行われました。

先手:木村八段
後手:羽生王座(名人・棋聖・王将)

戦型:矢倉(▲3七銀戦法)


ここで通常は、△7三角です。
羽生王座は、△4二銀右と指しました。
同一局面の将棋(2008/09/05の記事)
最近の将棋で先手番より2局を経験している羽生王座です。
つまり、△7三角では後手が不利なることを実践で証明していることになります。
(つまり、先手の穴熊が優秀を意味します。)


▲6五歩を結果的には緩手になりました。 本譜のように△同桂でした。

駒損の将棋は、条件付きで成立する場合があります。
それば、「玉が固く」かつ「攻めが切れないこと」が条件です。
なので、後手は攻めが切れなければ、成立しています。

本譜は細いながら攻めが切れなかったので成立していました。

結果は、羽生王座が勝ちまして2勝となりました。


竜王戦、王座戦の8番勝負と言われましたが、次回に木村八段が負ければ6番勝負となります。
今までの5局は、木村八段は先手番のみ勝ちがあるので、次回の後手番で勝てるでしょうか?

(羽生四冠の将棋界の記録)
羽生王座は、ここでも同一タイトル連続保持が16期から17期に更新できるのでしょうか?
永世七冠、2度目の七冠独占もすごい記録ですが、連続保持もすごい記録だと思います。

竜王戦挑決第1局

2008-08-30 02:05:37 | 棋譜解説(タイトル戦)
29日に竜王戦の挑戦者決定戦3番勝負の第1局が行われました。

先手:羽生四冠(名人・棋聖・王座・王将)
後手:木村八段

戦型:矢倉(▲3七銀戦法)

竜王戦中継サイト

500局以上を指して、勝率1位の羽生四冠と、勝率2位の木村八段の勝負です。
竜王戦と王座戦を合わせて、8番勝負の序章が始まりました。
※100局にしますと、2位が糸谷五段、3位が木村八段となります。(2008/08/28 現在)

正直、面白い将棋でした。 とても感動してました。
矢倉の将棋なので、先手が主導権を握り、後手は受けになるのは、誰が指してもそういう展開になります。 これを踏まえましょう。


王位戦の第5局と局面が一致して、同じ進行になりました。
羽生四冠にとっては、過密日程を考えると前例がある将棋の方が読みやすいと思います。
木村八段にとっては、準備の1手を用意する必要がある将棋でした。
※私も何でも指す方なので、前例のある将棋の方が楽です。 戦型が違うと狙いとか違うので、感覚を合わせるのに苦労します。 私の実体験より。

ここで、木村八段の準備の1手の△2五桂でした。
ここから、羽生四冠が攻め切れるか、木村八段が受け切れるかが注目の焦点になります。


△5六歩に2八の飛車を▲3八飛と寄った局面です。
王位戦のように、技をかけて勝つという将棋より、ポイントを稼いで先手の主導権を活かして、ジワジワと指す作戦となりました。
△3六歩(技をかけて)と△2五桂(ジワジワと)では、先手の指し方が違うものだなぁと感じました。

ここまでの後手の指し方が勉強になります。 先手の狙いを消しながら受けつつカウンターを狙う指し方でした。 簡単に後手玉は寄りませんでした。


この局面をよく見ると、先手の1歩損で駒の損得はほとんどない局面なのです。
なので、後手玉に技をかける将棋ではなくて、ジワジワとポイントを稼ぐ将棋なのが分かります。 先手は主導権と穴熊が主張になっています。


後手の△3三玉に対して、先手はどうするのだろうと思って見ていました。
ここで、▲6四歩、△同角より▲6六飛を見せて指す狙いでした。
矢倉らしい、全体を見て指す指し方です。


飛車、角交換になれば、△1二角が狙いとありました。
△5五角ならば、▲6三飛成と出来ません。 9九玉が取られます。
後手は△5七歩より6八角の角筋を止めました。


ここまで、後手は受けてばかりでした。
ここで、△5七とと後手の攻めが始まりました。


先手は後手の攻めを受けとめました。
ここもよく見ると、先手は2歩損してますが、駒の損得はありません。
なので、先手は一気に寄せるではなくて、ジワジワとポイントを稼ぐ将棋が、この終盤でも羽生将棋の大局観だと思いました。


▲6六桂が予想外の決めてとなりました。
6六桂、7七角、3一馬が活躍することを見越しての指し方でした。
ある意味、羽生マジックなのかも知れません。


▲4七馬が6九竜に当てて、手番を取りました。
次の▲7四桂が厳しいです。


この馬引きは驚きました。 この局面で寄せるなら分かりますけど、受けて勝ちを得る将棋の展開にはビックリでした。


上記から後手の攻めがなく、先手が攻めて1手1手の寄りを正確に攻めて勝ちきりました。 やはり、竜王戦の賞金が高いので、木村八段も簡単には諦められなかったと思います。
191手目の激闘の末、羽生四冠が勝ちました。


羽生四冠が先手の主導権をより攻めて、木村八段が受けました。
木村八段は「千駄ヶ谷の受け師」とも言われているので、羽生四冠の攻めにどこまで、受けてカウンターを狙うのかが注目でしたが、長手数でしたがギリギリに受けましたが、羽生四冠の読み(▲6六桂より)が勝っていました。


挑戦者が羽生四冠だと、複雑な気分です。
羽生四冠、渡辺竜王、瀬川四段のファンなので、ファンの棋士の活躍をすると、とても嬉しいです。

羽生四冠が挑戦者になれば、後世に残る棋譜を残すことを願うだけです。 どちらも応援する予定はありません。