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将棋の日記

NHK杯の決勝

2009-03-23 13:56:50 | 棋譜解説(トーナメント戦)
NHK杯の決勝戦の棋譜より
※「NHK杯の優勝」の記事にも同じことを書いています。

渡辺竜王のブログより
「羽生名人の△9四歩が妙手で逆転勝ち」という締め方をしましたが、これは誤りだったことが感想戦で判明。△9四歩には▲6二金△同玉▲6一金から、後手玉に詰みがあったのです。詳しくはNHKテキスト、専門誌をご覧下さい。

とブログよりコメントを・・・。

私なり調べてみると疑問が・・・。
トッププロの結論が間違っているとは思えないので、私に何か勘違いが・・・。
誰か、その間違いを教えてください。



詰みは苦手なので、ソフトより詰みの有無を確認しました。

確かに、▲6二金、△同玉、▲6一金ならば詰みます。
変化が2通りです。
変化1:△同玉、▲6三竜、△6二歩、▲2一飛成、△5一合、▲7二金まで
変化2:△7二玉、▲5二竜、△6二桂、▲同金、△8二玉、▲7三角成、△同玉、▲6三竜、△8二玉、▲7二竜、△9三玉、▲8二銀、△8四玉、▲7五金、△同歩、▲同竜まで

しかし、▲6二金、△8二玉ならばソフトによると詰みません。
変化が3通りです。
変化1:▲7三角成
変化1-①:△7三桂、▲7二金打、△9三玉より不詰み
変化1-②:△9二玉、▲8二金、△9三玉、▲8二金、△9三玉、▲8三馬まで
変化1-③:△9三玉、▲8四銀、△同歩、▲8三金まで
変化1-④:△同玉、▲6三竜、△8二玉、▲7二竜、△9三玉、▲8二銀、△8四玉、▲7五金、△同歩、▲同竜まで

変化2:▲7二金
変化2-①:△9二玉より不詰み
変化2-②:△9三玉より不詰み

変化3:▲7二金打
変化3-①:△9二玉、▲8二金打、△9三玉、▲8三金、△同玉、▲7三金、△9二玉、▲8三銀、△9三玉、▲8二銀不成、△9二玉、▲8一銀不成、△9三玉、▲8三金、△同玉、▲6三竜、△8四玉、▲7三竜まで
変化3-②:△9三玉より不詰み

まとめると
▲6二金、△8二玉
変化1-①:▲7三角成、△7三桂、▲7二金打、△9三玉より不詰み
変化2-①:▲7二金、△9二玉より不詰み
変化2-②:▲7二金、△9三玉より不詰み
変化3-②:▲7二金打、△9三玉より不詰み
▲7三角成、▲7二金、▲7二金打は先手の選択権なので、△7三成銀を防ぐ手があれば先手の勝ちです。

後手玉の詰みはないと思いますけど、どうすれば先手の勝ち筋になるのでしょうか?
私の棋力では理解が出来ません。


===== 2009/03/23 16:20 追記 =====
wilさん、ありがとうございます。
なるほど、▲6二金、△8二玉より先手玉は詰まない形なので、後手玉を詰さなくてもいい訳ですか!?
納得をしました。
解説をありがとうございます。

===== 2009/03/23 18:50 追記 =====
kemukujara1gouさん、ありがとうございます。
1)▲6二金、△8二玉で後手玉は詰まないけど、先手の勝ち。
2)▲2一飛成、△5一歩の時に33手詰みで先手の勝ち。
1)は詰さないで勝ち、2)は詰みで勝ちと1手指すごとに局面の捉え方(勝ち方)が違うという局面なんですね!

2)の33手詰みです。
▲6二金、△8二玉、▲7三角成、△同桂、▲7二金打、△9三玉、▲8二銀、△8四玉、▲7三銀不成、△9三玉、▲8四金、△同歩、▲8二銀不成、△9二玉、▲9一銀成、△9三玉、▲6三竜、△8三桂、▲同竜、△同玉、▲2三竜、△3三角打、▲9五桂、△同歩、▲3三竜、△同角、▲9二角、△9三玉、▲9四香、△9三玉、▲9四歩まで
銀の不成が2回、現われて、▲2一竜を活躍させる、詰め将棋のような手順です。

NHK杯の優勝

2009-03-22 16:04:24 | 棋譜解説(トーナメント戦)
今日はNHK杯の決勝戦が放送されました。
羽生四冠と森内九段より優勝を争います。
振り駒の結果、森内九段となりました。

先手:森内九段(前名人)
後手:羽生四冠(名人・棋聖・王座・王将)

戦形:相振り飛車

解説は渡辺竜王

対局者と解説者が永世称号保持者と豪華なメンバーとなりました。
森内九段(18世名人)
羽生四冠(19世名人)
渡辺竜王(初代永世竜王)

羽生四冠、渡辺竜王ファンである私は、最高のメンバーです。
渡辺竜王の解説は、自分の意見を持って発言するので、聞いていて気持ちが良かったです。
ただ、渡辺竜王は純粋な居飛車党なので、相振り飛車は指さないので、途中には、これは指さないでしょうという手が指されたり。


これで、相振り飛車と確定しました。
ここまでは、ノータイムで指されています。
お互いに、この戦形になればと考えていたのでしょう!

森内九段は、今期のNHK杯より対糸谷五段戦の時も相振り飛車でした。
もしかしたら、縁起を担いだかもしれません。

羽生四冠は、タイトル戦より久保八段などと相振り飛車を経験しているので、その蓄積で指している感じでした。


後手は2筋から仕掛けました。
勝てば成立する仕掛け、負ければ無理な仕掛けとなる仕掛けです。

先手は、矢倉⇒銀冠に組み替えました。
後手は、金無双です。


▲3九玉⇒▲4八玉とした局面です。
▲4八玉は、顔面受けです。 2通りの攻めを受けています。

▲3九玉形の場合
・△2六銀、▲同銀、△5九角 (飛・銀の両取り)
・△3六銀、▲同銀、△同歩、▲2三歩成、△7九角、▲5八飛、△6九銀、▲9八飛、△5七角成
つまり、▲4八玉は、△5九角と△5七角成を受けた、顔面受けなのです。


▲3二銀、△4四銀と進んだ局面です。
部分的には▲3二銀より△2一飛が死んでいる局面です。
※△6一飛とすれば助かりますが、これだと後手からの攻めは途切れてしまって、はっきり先手優勢です。

ここで、後手は駒を捌きます。
銀損ですが、△4四銀が捌きのための捨て駒の手筋です。
▲2一銀成、△3三銀は、飛・角の交換になり、▲2一成銀が遊んでいる感じなります。
よって本譜は以下のようになりました。
▲4四角成、△2四飛と銀損しながら飛車を捌きました。

△2四飛の局面の形勢判断の4つの要素の駒の損得、駒の効率、玉の固さ、手番を考えてみましょう!
駒の損得:先手の銀得です。
駒の効率:先手は▲6八飛が遊んでいるけど、後手は△2四飛より捌きました。
玉の固さ:先手の陣形はバラバラ、後手は金無双よりしっかりしています。
手番:△2四飛の時は先手

先手の森内九段、駒の損得○:駒の効率×:玉の固さ×:手番〇
後手の羽生四冠、駒の損得×:駒の効率〇:玉の固さ〇:手番×
かなり、おおざっぱですが、2:2なので微差ながら先手有利という感じでしょうか?


前図の△2四飛、▲2六馬、△同飛と進んだ局面です。
後手は飛・角交換となり、飛車が捌けた状態となりました。

▲同金直は、△2八歩があります。 よって▲同金左と指しました。


△4七金、▲5九玉、△5七銀成より先手玉が危ない形になりました。
先手の玉は大丈夫でしょうか?


前図より数手進んだ局面です。
▲9八玉よりギリギリ残している感じです。

ここで後手は、攻めがないので受けに回ります。
△5一金(△3三角の利き)より受けます。


△9三歩を△9四歩とした局面です。
この終盤の絶妙手の詰めろ逃れの手でした。

△9三歩形の場合
①▲6二金、△同銀、▲8二金、△6一玉、▲5二金まで
②▲6二金、△同玉、▲6一金として2通りの変化
変化1:△同玉、▲6三竜、△6二歩、▲7二金、△5一玉、▲5二歩、△4二玉、▲4三歩成まで
変化2:△7二玉、▲7一金打、△8二玉、▲5二竜まで (▲5五角が利いているため6二の地点に合い駒が出来ない!)

②の変化2の時に△9三玉より詰まないので、△9四歩が詰めろ逃れの1手でした。

<初級者向けの解説>
1)△9四歩より△9三玉の局面では、▲7三角成が▲8二竜、△8四玉、▲8三竜までの詰めろですが、角がいなくなったので、△7七成銀の1手詰みです。
2)△9四歩、▲6二金、△同玉(後手に金が持ち駒となる)、▲5三金、△7一玉、▲2一飛成、△5一歩(△1五角の利き)となり、後手玉に詰めろがかからず、次の△7七金、▲同角、△同成銀が受からず後手の勝ちです。

===== 2009/03/23 05:30 追記 =====

詰みは苦手なので、ソフトより詰みの有無を確認しました。
渡辺竜王のブログより△9四歩には詰みがあったとこの事。

確かに、▲6二金、△同玉、▲6一金ならば詰みます。
変化が2通りです。
変化1:△同玉、▲6三竜、△6二歩、▲2一飛成、△5一合、▲7二金まで
変化2:△7二玉、▲5二竜、△6二桂、▲同金、△8二玉、▲7三角成、△同玉、▲6三竜、△8二玉、▲7二竜、△9三玉、▲8二銀、△8四玉、▲7五金、△同歩、▲同竜まで

しかし、▲6二金、△8二玉ならばソフトによると詰みません。
変化が3通りです。
変化1:▲7三角成
変化1-①:△7三桂、▲7二金打、△9三玉より不詰み
変化1-②:△9二玉、▲8二金、△9三玉、▲8二金、△9三玉、▲8三馬まで
変化1-③:△9三玉、▲8四銀、△同歩、▲8三金まで
変化1-④:△同玉、▲6三竜、△8二玉、▲7二竜、△9三玉、▲8二銀、△8四玉、▲7五金、△同歩、▲同竜まで

変化2:▲7二金
変化2-①:△9二玉より不詰み
変化2-②:△9三玉より不詰み

変化3:▲7二金打
変化3-①:△9二玉、▲8二金打、△9三玉、▲8三金、△同玉、▲7三金、△9二玉、▲8三銀、△9三玉、▲8二銀不成、△9二玉、▲8一銀不成、△9三玉、▲8三金、△同玉、▲6三竜、△8四玉、▲7三竜まで
変化3-②:△9三玉より不詰み

まとめると
▲6二金、△8二玉
変化1-①:▲7三角成、△7三桂、▲7二金打、△9三玉より不詰み
変化2-①:▲7二金、△9二玉より不詰み
変化2-②:▲7二金、△9三玉より不詰み
変化3-②:▲7二金打、△9三玉より不詰み
▲7三角成、▲7二金、▲7二金打は先手の選択権なので、△7三成銀を防ぐ手があれば先手の勝ちです。

後手玉の詰みはないと思いますけど、どうすれば先手の勝ち筋になるのでしょうか?
私の棋力では理解が出来ません。

===== ここまで =====


投了図です。
先手は受けがなく。
先手に金駒が1枚あれば詰むのですが、ないので後手玉が詰まない形です。
よって、攻防とも見込みがなくなったので、先手の森内九段が投了しました。

羽生四冠が勝ちました。

NHK杯の結果
優勝:羽生四冠
準優勝:森内九段

羽生四冠、渡辺竜王ファンなので、羽生四冠の優勝で終わり嬉しい限りです。
両対局者には、名局を残して頂き感謝しています。

渡辺竜王の優勝

2008-08-25 07:49:59 | 棋譜解説(トーナメント戦)
大和証券杯の決勝が行われました。

先手:鈴木八段
後手:渡辺竜王

戦型:先手四間飛車

渡辺竜王のブログ
渡辺竜王が自身で棋譜を解説しています。


先手の四間飛車となりました。 予想どおりです。


先手は立石流となり、後手は居飛車穴熊となりました。
後手の居飛車穴熊は予想どおりです。


この△3四角より局面が後手の渡辺竜王が指しやすくなりました。


後手は、飛車と(金・桂)の2枚換えとなりました。


2筋を攻撃を集中させました。


投了図です。

渡辺竜王が勝ちました。 大和証券杯を優勝で終わりました。
改めて、おめでとうございます。

ネット最強戦(7/20)

2008-07-21 23:28:53 | 棋譜解説(トーナメント戦)
7/20にネット最強戦より(先)佐藤棋王vs渡辺竜王戦が行われました。
戦型:後手の三間飛車
解説:山崎七段

終盤が難しいので、いろいろと調べて見ました。
詰みの有無はソフトを使用しています。

(本譜の66手目)

山崎>66手目の△5六歩で△3八角はどうでしたか、渡辺さん。
渡辺>△3八角ですか。どういう狙いですか? あー、飛を取れば▲8五銀が詰めろではない、ということですか。
佐藤>やはり▲8五銀かと。詰むような気がしましたが。

△3八角、▲8五銀、△7六桂の場合(△4九角成と飛車を取らない場合)
▲8四歩、△9二玉、▲8三銀、△同金、▲同歩成、△同玉、▲7五桂、△7二玉、▲4二飛成、△6二角、▲同竜、△同玉、▲6三桂成、△同玉、▲4三飛成(変化1)、△5三飛、▲5四金、△7二玉、▲6三角、△8二玉、▲8三歩、△9二玉、▲8二金、△同銀、▲同歩成、△同玉、▲8三歩、△9二玉、▲8一角成、△同玉、▲8二銀、△7二玉、▲7三歩成、△同飛、▲同竜、△6一玉、▲6二飛、△5一玉、▲7一竜の39手目詰み(変化2)

(変化1)


(変化2)


3行のプロのやり取りは、この変化1より▲4三飛成が消えれば、後手の詰みが消えるという意味でした。 30秒の将棋でよくここまで見えること・・・。(唖然)

では、△4九角成では・・・。
△3八角、▲8五銀、△4九角成の場合
▲8四歩、△9二玉、▲8三銀、△同金、▲同歩成、△同玉、▲7三歩成、△同桂、▲7四金、△9二玉、▲8四桂、△8一玉、▲8二歩、△同玉、▲7三金、△同玉、▲7一飛成、△8三玉、▲7二竜まで19手詰み(変化3)

(変化3)


佐藤棋王の読み通りに、▲8五銀、△4九角成、以下の詰み(19手詰み)でした。
やはり、最善は△5六歩のようです。

(本譜の68手目)

山崎>受けながら攻めると思ったのですが、これは▲8五銀のときに△7五角が詰めろ逃れ詰めろになっているということでしょう。

△7五角の代わりに、△5七歩成では・・・。
変化3と同手順より19手詰みです。

△7五角、▲5一飛成の場合(▲8四歩でない場合)
△5八金、▲同玉、△5七角成、▲6九玉、△5八銀まで5手詰め

△7五角で後手の玉は詰みません。
やはり、△7五角が詰めろ逃れ詰めろでした。

(本譜の68手目)

△9二玉、△同角のどちらも後手の玉は詰みません。

(本譜の77手目)

▲7五金は詰みではありませんでした。

(本譜の88手目)

△7八銀以下は、どう応じても先手の詰みのようです。

88手目の△7八銀の変化は
88手目の変化1:▲同金以下は35手詰み(変化4)
88手目の変化2:▲5九玉以下は25手詰み(変化6)
88手目の変化3:▲6八玉以下は19手詰み(変化7)
88手目の変化4:▲5八玉以下は27手詰み(変化8)

ソフトの詰み手順
88手目の変化1:▲同金、△同と、▲同玉、△8七金、▲6九玉、△7九飛、▲5八玉、△6九角、▲4八玉、△4七金、▲同竜、△同角成、▲同玉、△4九飛成、▲4八銀、△5七歩成、▲同角、△3八銀、▲4六玉、△4八竜、▲同角、△4七飛、▲5五玉、△5四歩、▲同玉、△5三歩、▲同玉、△6二銀、▲5四玉、△5三玉、▲6五玉、△5四銀、▲6六玉、△4六飛成の35手詰み(変化4)

(変化4)


88手目の変化1-1:△7八銀、▲同金、△同と、▲同玉、△8七金、▲同玉の変化
△6九角、▲7八銀、△8五飛、▲8六金、△同飛、▲同玉、△8五歩、▲同玉、△7四金、▲8六玉、△7五金、▲7七玉、△8六銀、▲6八玉、△5八金、▲7九玉、△7八角成、▲同玉、△8七銀打、▲7九玉、△7八金まで21手詰み(変化5)

(変化5)


88手目の変化2:▲5九玉、△3九飛、▲4九竜、△3七角、▲4八銀、△6九金、▲5八玉、△5七銀、▲同角、△同歩、▲同玉、△5六歩、▲5八玉、△4八角成、▲同竜、△5七銀、▲4七玉、△4八銀成、▲4六玉、△4七飛、▲5五玉、△3三角成、▲5四玉、△4四飛成、▲6五玉、△5五竜まで25手詰め(変化6)

本譜より▲5九玉、△5八銀、▲同玉、△5七歩成(*1)、▲同角、△6七銀成(*2)、▲同玉、△5六銀、▲6六玉、△4四角より投了
投了以下は、▲同竜、△6五金、▲同金、△6七飛、▲5五玉、△6五飛成、▲4六玉、△4七金まで

山崎>▲同角は△6七銀成。▲同玉は△5六銀▲4八玉△4七金で。
(*1)△5七歩成、▲同玉、△5六銀、▲4八銀、△4七飛、▲同竜、△同銀成、▲同玉、△5六角、▲3七玉、△4七飛、▲2八玉、△3七金、▲3九玉、△4八飛成、▲同角、△3八角成まで15手詰み

山崎>▲4九玉は△2七角で詰むので、▲6七同玉と取りました。
(*2)△6七銀成、▲4九玉、△2七角、▲3八桂、△5九飛、▲4八玉、△5七飛成、▲3九玉、△3八角成、▲同玉、△2七角、▲2八玉、△3八金まで11手詰み

(変化6)


88手目の変化3:▲6八玉、△3八飛、▲4八桂、△7九銀不成、▲5八玉、△5七歩成、▲同角、△6九角、▲同玉、△6八金、▲同角、△同銀成、▲同玉、△7九角、▲5八玉、△4七銀、▲4九玉、△3九金、▲5九玉、△5八銀打まで19手詰め(変化7)

(変化7)


88手目の変化4:▲5八玉、△2八飛、▲4七玉、△5七歩成、▲4六玉、△4八飛成、▲5五玉、△5六と、▲5四玉、△5三銀、▲同竜、△5五金、▲同角、△同と、▲同玉、△4四銀、▲同竜、△5七竜、▲4五玉、△5六角、▲5四玉、△6五角、▲4五玉、△5六角打、▲5五玉、△6七角成、▲6五玉、△6六馬まで27手詰み(変化8)

(変化8)



感想戦のやり取りは、秒読みで詰みの有無を読んでいる将棋を、あっさりと言い流して、長手数の詰み筋がありました。
アマでは、この長手数の詰みが見えないので、会話について行くことが出来ませんでした。 今回は、詰みの有無だったので、ソフトを使いました。
調べれば調べるほど、トッププロは、30秒でも感覚で読んでいることが理解できました。
これも、頭がクラクラする将棋であります。

NHK杯(決勝)

2008-03-16 12:54:21 | 棋譜解説(トーナメント戦)
今日は、NHK杯の決勝戦の生放送です。
感想戦の中に、ブログを更新しています。

先手:佐藤NHK杯(棋聖・棋王)
後手:鈴木八段

戦型:先手の銀冠vs後手の向い飛車


△5四歩だったので、鈴木八段のゴキゲン中飛車と思いきや・・・!?
佐藤NHK杯のお株を奪う、角交換の向い飛車となりました。

佐藤NHK杯は、意表を突かれたと思います。


突然の桂跳ね(▲7七桂)にどのように囲うのか分かりませんでした。
結果的には、銀冠が狙いだったようです。


読まないと、なかなか打てない手なので、打たない角と思われましたが・・・。
△3四歩を取りに行く、▲9六角です。
意表の角(▲9六角)打ちでした。


右辺(1~4筋)を相手にしないで、左辺(6~9筋)を相手にする構想で、後手の鈴木八段の指し方です。
それが△6六歩です。


△3六歩、▲3四歩の直線的な攻め合いです。
結果は、次の図面です。


先手は、飛車を取り、後手は、桂・銀を取り、後手の二枚換えとなりました。
駒割りでは、後手の駒得です。

後手は、急所の▲7八金を狙って、△6六桂です。


△5二金右、▲4三角成、△3二金、▲5二馬と進んで、次の図面です。
手堅く行くなら、△5二金右、▲3八飛成もありました。

ここで、△5二金右、▲4三角成、△同金ならば、▲7一銀以下の詰みです。


▲6八歩と合い駒をすると思いました。
合い駒をせず、▲9七玉と「玉の早逃げ8手の得」の格言通りです。
また、後手には1歩しかないので、△9五歩の端攻めがないのを見越して、▲9七玉と寄せにくい場所に移動しました。


△6七角に▲9四桂でした。
この▲9四桂が詰めろです。△9一玉の1手です。

△9三玉、▲8五桂、△8四玉、▲7五金、△9四玉、▲9五金までの詰みです。


▲7一銀、△同玉と進みました。

逃げたら良いのかなぁと思っていたら、詰みですね!
1)△9二玉、▲9四香、△9三合、▲8二金までの詰み
2)△9三玉、▲9四歩、△同玉、▲9五金、△9三玉、▲9四香までの詰み
なので、取る1手でしたが・・・!?


投了図です。 △5一玉、▲5二金までの詰みです。


佐藤NHK杯(棋聖・棋王)が勝ちました。
2連覇を達成しました。

大山名人、羽生二冠(王座・王将)に続いて、3人目です。

NHK杯(準決勝)

2008-03-02 13:02:04 | 棋譜解説(トーナメント戦)
3月2日に準決勝が行われました。

先手:鈴木(大)八段
後手:渡辺竜王

戦型:先手向い飛車⇒三間飛車


先手の飛車が捌けて、先手が指しやすくなりました。


先手の(銀・桂・と)と後手の(飛)の交換なので、先手が有利になりました。
その後は、と金の遅早より後手玉は駒をはがされて、寄せられました。

どうも、後手の攻めが1手足りない展開になり、後手の渡辺竜王が負けました。
とても残念です。



来週の準決勝は、佐藤NHK杯vs長沼七段戦です。

佐藤NHK杯が2年連続の優勝をするため、決勝に出るか?
羽生二冠を倒した長沼七段が決勝に出るか?

私的には、予選から勝ちつづけているし、羽生二冠を倒しているので、長沼七段に優勝して欲しいです。

羽生二冠・久保八段

2007-12-16 12:32:07 | 棋譜解説(トーナメント戦)
今日の12月16日のNHK杯は、羽生二冠と久保八段の対局でした。
先手:羽生二冠 後手:久保八段 戦形:ゴキゲン中飛車
結果は、羽生二冠の勝ちです。


後手の久保八段がゴキゲン中飛車にしました。
最近は、後手番ではゴキゲン中飛車を採用しているようです。


先手は、天守閣美濃に囲いました。
後手は、3筋、5筋の位を取りました。


対局終了後、解説の谷川九段が後手の久保八段は、この▲6五歩を軽視したようです。


ここから、後手の即詰みです。
▲5五角、△6二玉、▲7三銀、△5二玉、▲6二金、△5三玉、▲6三金、△同玉、▲6四金、△5二玉、▲6三金、△同玉、▲6八飛、△6四歩、▲同銀成、△6二玉、▲7三成銀より投了図です。


投了図です。


12月20日にはA級順位戦より羽生二冠と久保八段の対局が行われます。
1~3月には、王将戦(2日制)より羽生王将と久保八段の対局が行われます。

王座戦の挑戦者、王将戦の挑戦者、A級順位戦と、これだけ活躍していることは久保八段はすごいことだと思います。
なかなか挑戦者になることは、大変なことであります。


今日の12月16日のPM23:00 - 23:30 にTBS系列より情熱大陸より佐藤二冠が出ます。

===== 2007年12月17日 PM6:45 追記 =====

佐藤二冠(棋聖・棋王)は、面白い将棋を指すということで紹介されました。
第46期 王位戦 第2局です。
この後手の△1二飛が、その例です。

また、今期の第20期竜王戦の対局風景も紹介されていました。
局面が緊迫すると、佐藤二冠は、よく咳きこむようです。
対局のみ癖のようで、普段の時には出ないそうです。

佐藤二冠が唯一、勝てない相手が羽生二冠だと紹介されていました。

将棋の記憶は良いそうですが、普段の奥様が買ってもらった物は、忘れるようです。

30分でしたが、面白かったです。

羽生二冠の大逆転

2007-10-14 19:12:12 | 棋譜解説(トーナメント戦)
今日のNHK杯の放送がありました。

羽生二冠vs中川七段

先手:羽生二冠
後手:中川七段

戦形:相掛かり

<参考URL>
羽生二冠vs中川七段の棋譜
棋譜に私の解説を書きました。

終盤は、羽生二冠の攻めが切れ模様でした。


147手目の▲9八角打が勝負を諦めない羽生マジックでした。


155手目の▲2二銀から綺麗な即詰みでした。

すごい大逆転でした。
羽生ファンとしては、とても貴重な将棋を見せて頂きました。


※お知らせ
将棋倶楽部24の実践譜(10局)(Update 2007/06/08)
簡単なソフト

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朝日オープン

2007-04-30 11:02:09 | 棋譜解説(トーナメント戦)
朝日オープンの第3局です。

自動更新がないので、15分間隔で解説をしようと考えています。
Logical Space(アマ三段)の解説なので、その点はご理解してください。

<参考棋譜>
第3局

先手:羽生朝日(三冠)
後手:阿久津五段

戦形:一手損角換わり⇒角交換型の後手向い飛車

2手目は、△3四歩です。△8四歩ならば矢倉模様です。
3手目は、▲2六歩です。▲6六歩ならば先手の振り飛車模様です。
4手目は、△8八角成です。△8四歩ならば横歩取り模様です。
これで、一手損角換わりの戦形になりました。
先手は、3通りの対策が一般的です。
1.腰掛け銀にする
2.早繰り銀にする
3.棒銀にする
それぞれ、後手は指し方が異なります。
6手目は、△4二銀です。
▲2二角は成立しません。
△3三角、▲同角成、△同銀となり、後手が手得します。
7手目は、▲4八銀です。▲3八銀ならば棒銀です。
▲4八銀なので「腰掛け銀」、「早繰り銀」になりそうです。
10手目は、△2二飛です。
後手は、「腰掛け銀」、「早繰り銀」の両方をさせません。
しかし、△8三歩と△4三歩の地点に傷が出来ました。
▲6五角と打つでしょうか? または、成立するでしょうか?
11手目は、▲6五角打です。予想通りの展開です。
12手目は、△7四角です。格言通り「角には角で対抗」です。
13手目は、▲5六角です。
▲4三角成は、△5二金より馬が死んでいます。
15手目は、▲同歩です。これで、先手は2手得しました。
ただし、格言で「角交換の時は5筋の歩を突くな」とあります。
なので、傷になる可能性も秘めています。
16手目は、△5二金です。△4三歩の地点を守りました。
17手目は、▲6八玉です。ここで囲うのがタイミングです。
18手目は、△6二玉です。後手も囲います。
ここでは、△7二銀はしてはいけません。▲8二角と打たれてしまうからです。
ただし、△7四歩が突いてあると、△7三角があるので成立しません。
微妙な形の違いで角打ちが成立する、しないがあります。
22手目は、△8二玉です。
これで、角交換型の後手向い飛車になりました。
一般的には、振り飛車の角交換は、居飛車が指しやすいと言われています。
そうなると、先手も後手も囲いをどうするか?
24手目は、△2四歩です。
将来は、△4四銀⇒△3三桂とでもして飛車交換をするのでしょうか?
後手が、△4四銀ならば先手は▲3六歩⇒▲3七桂とするのでしょう。

先手は、▲4九金を動かすことができません。△3九角と打たれる筋があるからです。先手は駒組みが少し難しいと思います。
27手目は、▲7八金です。
▲3六歩を予想していました。それで、飛車交換を拒否すると思っていました。
しかし、後手の△6一金が浮き駒なので飛車交換が成立するようです。
<例>
△3三桂、▲3六歩、△2五歩、▲同歩、△同飛、▲同飛、△同桂、▲2一飛、△7二銀、▲2五飛成より先手の桂得です。
29手目は、▲5五歩より位を取りました。
30手目は、△3五歩より位を取りました。

ここで、両者ともなかなか動きずらい局面になりました。
後手は、場合によっては千日手でも良いので、先手から動く必要があります。
先手も下手に動くと無理攻めになる恐れもあります。
難しい局面です。

33手目は、▲5四歩と仕掛けました。
△同歩ならば▲3一角が狙いです。
35手目は、▲3一角です。

先手は1歩損です。しかし、馬ができるので優劣は微妙です。

===== ここで昼食休憩です =====

37手目は、▲7五角成です。
先手は、▲5七馬⇒▲3五銀とするか?(攻め)
▲7五馬が3九の地点を守っているので、▲4九金を▲6八金まで移動するか?(守り)
攻めと守りのどちらの手を指すか注目です。
39手目は、▲8六歩です。
▲8四歩からの玉頭を狙うのか?
▲8五歩⇒▲8六馬より守りを厚くするのか?
40手目は、△5一飛です。
先手は歩切れなので、後手は△5五歩⇒△5六歩⇒△4五桂が狙いでしょうか?
42手目は、△5五歩です。やはり、△5六歩が狙いです。
43手目は、▲8四歩です。やはり、玉頭を狙いに行きました。
46手目は、△6四歩です。後手は高美濃にして、飛車先を延ばす狙いです。
47手目は、▲6六馬です。5筋を受けました。
49手目は、▲2五歩です。8筋の歩の交換より1歩が入りました。
なので、後手の▲3四歩を狙いに行きます。
▲2五歩⇒▲3六歩という手順です。
54手目は、△6五歩です。
▲同馬には、△5七歩成と△5四金があります。
△5七歩成は、▲5二歩より連打の歩があります。(先手は3歩あります。)
なので、△5七歩成は怖くありません。
△5四金は、▲6六馬、△5五銀、▲同銀、△5五金より位を取られます。
なので、△5四金の対応が難しいと思います。
56手目は、△8七歩です。
特に狙いはないと思います。
終盤で陣形を乱す手は指すことが出来ないので、中盤の今のタイミングで陣形を乱すことが狙いだと思います。
58手目は、△5七歩成です。後手はと金を作りました。
59手目は、▲8三歩です。玉頭を狙いました。
60手目は、△同銀です。私は、△7一玉を予想していました。
△7一玉は、利かされなので指す気にはなれないのでしょう。
でも、△同銀も囲いを崩すのでかなり勇気が必要な手だと思います。
64手目は、△7二玉です。8筋の歩の連打より歩が手に入るので、△7一玉よりは△8三同銀の方が歩が得る分得なのかもしれません。
65手目は、▲3四歩です。待望の桂頭狙いです。

そろそろ、終盤に入りそうです。

66手目は、△8六歩です。陣形を乱す手筋です。
68手目は、△8五歩です。後手も先手の玉頭に嫌みをつけます。
70手目は、△6九角です。
▲2八飛の横利きがあるので、今すぐどうこうはないです。
将来、△6七とを狙っています。
71手目は、▲3三歩成です。これで、先手の桂得になりました。
▲7五桂または、▲6四桂が狙いです。
72手目は、△6七とです。狙いのと金です。
73手目は、▲5二歩です。「大駒は近づけて受けよ」の格言通りです。
75手目は、▲4三とです。先手の羽生朝日は終盤の速度計算をしたと思います。
つまり、▲4三とで間に合うか?
間に合わなければ、何か受けの手を指していたと思います。
76手目は、△6二飛です。私は、△1二飛が最善のような感じがします。
△1二飛、▲5二歩が気になったのでしょうか?

ここの局面では、もう終盤に入っています。
▲4四と、▲7五桂など攻めが間に合うか?
先手は、△8七角成⇒△7七との寄せが速いか?
などの敵玉と自玉の速度計算をしていると思います。

78手目は、△6八歩打です。先手の飛車の横利きを止めました。
82手目は、△6八角成です。先手玉を寄せに行きました。
84手目は、△7七とです。先手玉は、ギリギリ残しています。
88手目は、△8六歩です。先手玉は、△8七金、▲8九玉、△7八銀の詰めろです。
89手目は、▲7八銀打です。詰めろを受けました。
90手目は、△7四歩です。▲8三歩の拠点を取りに行きます。
91手目は、▲5四とです。格言の「と金の遅早」です。
93手目は、▲6三歩です。
後手は投了をしました。

これで、羽生朝日の2勝1敗になりました。



もし、良ければ将棋倶楽部24の私の指した将棋でも見てください。

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