横歩取り戦法の定跡を解説します。
横歩取りには、△2三歩戦法、△3三桂戦法、△3三角戦法、中座飛車、△4五角戦法、相横歩取り、とあります。
裏定跡より△3八歩戦法もあります。
ここでは、△4五角戦法と相横歩取りの最新形を解説します。
詳しい定跡の変化は、定跡書を参考にしてください。
(横歩取りの基本図)
ここから、△3三桂、△3三角(中座飛車も含む)、△8八角成の3通りの変化があります。
今回は、△3三桂と△3三角は割愛します。
今回は、△8八角成を中心に解説します。
(基本図A)
・△2八歩 (△4五角戦法)
・△7六飛 (相横歩取り)
・△3八歩 (裏定跡)
基本図Aより3通りがあります。
△4五角戦法と相横歩取りを解説します。
△3八歩は、裏定跡より先手有利です。
先手有利ですが、応手を間違えやすいので注意してください。
<変化例>
▲同銀、△4四角、▲7七角、△同角成、▲同桂、△8九角、▲6八玉、△7八角成、▲同玉、△6八金、▲8九玉、△8七歩、▲7九銀、△同金、▲同玉、△8八歩成、▲6八玉まで
図面がないので、盤に並べて見てください。
△4五角戦法
基本図Aより
△2八歩、▲同銀、△4五角
これが、△4五角戦法です。
ここから、3通りの変化があります。
・▲8七歩 (後手有利 割愛)
・▲7七角 (後手有利 割愛)
・▲2四飛 先手有利
(基本図B)
上図より
▲2四飛、△2三歩、▲7七角(▲8七歩もある:形勢互角)、△8八飛成、▲同角、△2四歩、▲1一角成
基本図Bより2通りの変化があります。
・△8七銀 (先手有利)
・△3三桂 (先手有利)
基本図Bより
△8七銀の変化
△8七銀、▲7七馬、△7六銀成、▲6八馬、△8八歩、▲7七歩、△8九歩成、▲7六歩、△9九と、▲3六香、△3三香、▲1一飛まで
=== 先手有利 ===
次の▲2一飛成が速い攻めになります。
(基本図C)
基本図Bより
△3三桂の変化
△3三桂、▲3六香
より基本図Cとなります。
基本図Cより3通りの変化があります。
・△8七銀 (先手有利)
・△6六銀 (先手有利)
・△同角 (先手有利)
基本図Cより
△8七銀の変化
△8七銀、▲7九金、△6七角成、▲3三香成、△7八銀不成、▲同金、△同馬、▲3二成香、△同銀、▲4八玉、△8九馬、▲6二歩、△同玉、▲6四歩、△6八飛、▲5八金打、△6四飛成、▲4二飛まで
=== 先手有利 ===
基本図Cより
△6六銀の変化
△6六銀、▲3三香成、△6七銀成、▲3二成香、△7八成銀、▲3一成香、△6七角成、▲3三馬、△6二玉、▲2二飛、△5二金、▲4八玉、△6八成銀、▲3九金打、△7八飛、▲3八玉まで
=== 先手有利 ===
基本図Cより
△3六同角の変化
△同角、▲同歩、△5四香、▲8五飛、△4五桂、▲同飛、△5七香成、▲5八歩、△6八銀、▲同金、△7九飛、▲6九銀、△6八成香、▲同玉、△8九飛成、▲6六馬まで
=== 先手有利 ===
相横歩取り
基本図Aより
△7六飛、▲7七銀、△7四飛、▲同飛、△同歩、▲4六角
旧変化は、4通りあります。
・△8二歩 (先手有利 割愛)
・△7三角 (先手有利 割愛)
・△8二角 (最善)
・△8六歩 (先手有利 割愛)
新変化は、2通りあります。
・△6四歩 (優劣不明 割愛)
・△2七角 (優劣不明 割愛)
以下は、△8二角の変化を解説します。
(基本図D)
上図より△8二角以降の変化
△8二角、▲同角成、△同銀、▲5五角、△8五飛、▲8六飛、△同飛、
▲同銀、△2八歩、▲8二角成、△2九歩成、▲4八銀、△3八歩、▲8一馬、△3九と、▲同銀、△同歩成、▲同金、△5五角、▲7二銀、△3七角成
ここから、2通りの変化があります。
・▲6八玉 (後手有利)
・▲4八金 (後手有利の変化 プロでも研究課題)
(基本図E)
基本図Dより
▲6八玉の変化
▲6八玉、△7六桂、▲7七玉、△5九馬、▲7六玉、△7五銀、▲同銀、△同歩まで
基本図Dより2通りの変化があります。
・▲6六玉 (後手勝ち 詰みまで研究されている)
・▲8五玉 (プロでは指されていない。 後手が指しやすそう)
基本図Eより
▲6六玉の変化(図面なし)
▲6六玉、△6二金、▲6三銀不成、△8六飛、▲7六歩、△同飛、▲6五玉、△6四歩、▲5五玉、△5四歩、▲同銀成、△7八飛成まで
=== 後手勝ち ===
図面を入れられなくてごめんなさい。
盤に並べて確認してください。
▲8五玉の変化
▲8五玉、△8六飛、▲7四玉、△8一飛、▲同銀不成、△9五馬まで
後手が指しやすい感じですが、一応、優劣不明です。
基本図Dより
▲4八金の変化
▲4八金、△3九飛、▲4九桂、△4八馬、▲同玉、△3六桂、▲5九玉、△4九飛成、▲6八玉、△6二金打、▲6一銀成、△同金、▲7二金、△5二金、▲7一飛、△4二玉、▲6二金、△3三玉、▲5二金、△7六銀、▲3四金、△2二玉、▲2三歩、△1二玉、▲4一飛成、△3八竜、▲5八角、△1四歩、▲2二歩成、△同玉、▲2四歩、△1二香、▲4二金、△1一玉まで
=== 後手勝ち ===
今までは、3手目の▲4九桂の合駒をするため、指されなかった変化です。
しかし、▲4八金はプロでも研究課題の局面です。
一応は、優劣不明ということになります。
今回の変化は、棋聖戦の▲飯塚△三浦戦のプロの実践の変化です。