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これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

米・イスラエルvsイラン戦争 (その1)

2025-07-05 20:59:14 | イラン
【はじめに】
 イランは、ガザ地区のハマースやレバノンのヒズボラに武器を与えて→→イスラエルを攻撃させてきました。 イスラエルが、堪忍袋の緒が切れて→→6月に、イランを爆撃しました。 「核保有国が非核保有国を攻撃した」と言う点では許し難い事ですが、「全面的にイスラエルが悪い」とは言えません。 然し、「アメリカが参戦したのは、国際ルール違反だ」と思います。

 イランの指導者達が、現実の状況を認識して→→イスラム原理主義から脱却して、核兵器の開発を放棄して→→イスラエルへの攻撃を止めて→→アメリカを説得して、経済制裁を解除してもらえば→→イランは豊かな国になれると予想します。 然し、イスラム原理主義から脱却する可能性は低いです。

【終戦になり得るか?】
 イラン/イスラエルの『12日戦争』は、6月24日午前1時に休戦状態になりました。 トランプ大統領は、口頭で休戦を宣言しただけで、休戦条件を文書にして→→サインする事には興味が無い様に見受けられます。 「休戦が長く続くか?」、「停戦にまで進むか?」について考えて見ました。

ケース❶ : イスラム原理主義から脱却して、核爆弾の開発を放棄したら→→イラン国民と自由主義国家が幸せになる事が出来ます。 然し、ロシア、北朝鮮、中国にとっては好ましく無いので→→「阻止しようとする」と予想します。
① イスラム原理主義からの脱却
② 核爆弾の開発を放棄

ケース❷ : イラン人(ペルシア人)は誇り高い民族ですから→→国民の多くは、「『12日戦争』を互角に戦った!」と思っており→→イスラム原理主義から抜け出せないと予想します。 中国から、最新鋭のステルス戦闘機と防空システムを購入したら→→イスラエルを敵視する武装組織を支援する様になり→→将来、イランvsイスラエル戦争が再発すると予想します。

ケース❸ : イランが、アメリカとイスラエルに対して従順を装って、「平和利用が目的だ!」と主張して→→今までの様に核爆弾の開発を続ける。 アメリカとの核協議では、平和利用目的の開発を認めさせ→→トランプ大統領の大好きな、商取引を持ち掛けます。トランプ大統領は経済制裁を解除して→→「大成果を挙げた!」と鼻高だかに発表すると予想します。

 私が最高指導者のハメネイ師だったら、(小型の)戦術核爆弾を搭載出来るミサイルを開発し、北朝鮮又はロシアから極秘に戦術核爆弾を購入し→→予告なしに、核実験して→→「核保有国で有ると!」と宣言します。 アメリカとイスラエルは、核保有国を無暗に攻撃出来ないと思います。 イスラム原理主義の国が、核保有国になったら→→ドンナ恐ろしい事になるのでしょうか?!

ケース❹ : イランが、核拡散防止条約(NPT)を破棄して、国際原子力機関(IAEA)の査定を拒否したら→→アメリカとイスラエルはイランへの爆撃を再開すると予想します。 (イスラエルはNPTに未加入です。)

 イランは、最近、「IAEAの査定には協力し無い」と国会で決議した様です。 IAEAが、過去の査定で得た「地下核施設の情報」がアメリカに流れていた可能性が有る様です。 従って、イランがIAEAに批判的なのは、致し方ないと思います。

 NPTの破棄とIAEAの査定拒否する為には→→イランが、イスラエルを攻撃出来る強力なミサイルを開発して→→中国から最新鋭の防空システムとステルス戦闘機を購入する必要が有ります。

《『12日戦争』で明白になった事》
 イランは、イスラエルを敵視する武装勢力に武器を支援していたのに、自国の防衛力を高める努力をして来なかったのです。 

・・・ 明白になった事 ・・・
❶ イランの防空システムは零弱で→→『12日戦争』で1/3が破壊された模様です。
❷ イランの制空権は壊滅状態になりました。
❸ アメリカのバンカーバスター(地中貫通爆弾)でも、イランの地下核施設を完全に破壊するのは難しい。
❹ イスラエル軍だけで、イランに地上侵攻するのは非常に難しい。
❺ モサド(イスラエルの諜報機関)が恐るべき能力を有する事を証明しました。

《ホルムズ海峡の封鎖》
 「最高指導者のハメネイ師の頭が異常にならない限り、ホルムズ海峡は封鎖しない」と私は予想しています。

 万一、封鎖されると→→「日本の電気料金とガス料金は『2倍』になる」と言う予想が有りました。 日本に入って来る、原油と天然ガスのタンカーの『80%』は、ホルムズ海峡を通過している様です。

・・・ ホルムズ海峡は封鎖し無いと予想する理由 ・・・
❶ 封鎖したら、イランも貿易が出来なくなります。
❷ 封鎖しても、アメリカとイスラエルの被害は小さい。
❸ ペルシャ湾に面する、アラブ諸国を敵に回す事になります。
❹ 日本、韓国、ヨーロッパ諸国も敵に回す事になります。
❺ 中国も敵に回す事になります。

【中東諸国の問題を理解する為には!】
 「中東諸国の問題を理解する為には、マホメット(モハメド、ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ)が活躍した時代の知識が必要だ!」と私は考えています。

 預言者・マホメットは、570年頃に現在のサウジアラビアのメッカで生まれました。マホメットは、アラブ人です。 マホメットがイスラム教の創設者で有る事を、日本人の多くは知ってると思います。 キリストは軍隊を持たないで布教しましたが、マホメットは真逆で、沢山の兵士を集めて→→敵対する勢力と戦い→→布教しました。

 当時のイランは『ササン朝ペルシャ(226年 - 651年)』が統治していました。 イランの住人は、主として『ペルシア人』で、宗教はゾロアスター教でした。

 マホメットは632年に亡くなりました。 マホメットの後継者(カリフ)は、信徒達が選びました→→632年~661年までカリフは四代続きました。 この時代を『正統カリフ時代』と呼びます。 聖戦(ジハード)を繰り返して→→イスラム教を布教しました。 651年にササン朝ペルシャを滅ぼし→→ペルシャ人はイスラム教徒になっていきました。 ペルシャ人達は『シーア派』が多かったと思われます。

 アラブ人は、男系を重視します。 マホメットの息子達は、全て早世(早逝)しました。 マホメットの娘が従弟(アリー)と結婚していました。 アリーは第四代のカリフになりました。 (一~三代目のカリフはマホメットの血筋では有りません。)

 イスラム教徒(ムスリム)の中で少数派である『シーア派』は、「イスラム教の指導者(イマーム)はマホメットの血統者で無ければならない」と主張しました。 換言すると、「イマームは、第四代カリフだった『アリー』の子孫で無ければならない」事になります。

 マホメットの祖先から別れた『ウマイヤ家』がメッカに有りました。 第四代カリフのアリーが暗殺された661年に、ウマイヤ家がシリアのダマスカスに『ウマイヤ朝』を建国し→→カリフを世襲化しました。 (ウマイヤ朝は広大な領土を獲得しましが、750年に滅亡しました。)

(私が不思議に思うこと) イラン(ペルシャ)は、アラビア人に侵略され→→(自主的だったか/強制的だったか分かりませんが)イスラム教に改宗しました。 私の感覚では、「侵略者が持ち込んだ宗教を1,370年以上も”後生大事”にしていること」が理解出来ません。

【20世紀以降のイラン】
 1979年に発生したイラン革命まで、イランは王制国家で、親米で親イスラエルでした。 逆に、他の周辺のイスラム国家は、反米で反イスラエルでした。

 イラン革命後に、イランはイスラム原理主義国家になり→→反米で反イスラエルの色合いを強めていきました。逆に、他の周辺のイスラム国家は、近年、アメリカ及びイスラエルとの関係改善の方向に動いています。

 イランは、「平和利用が目的だ!」と主張して→→ウラン235の濃縮を始めました。 原子力発電に使用する場合は、ウラン235を『2 ~4%』に濃縮すれば十分ですが、イランは『60%』に濃縮したウランを→→貯蔵しています。 従って、原子爆弾の開発が明確です。 (原子爆弾を製造する為には、『100%』近くまで濃縮する必要が有ります。)

 イラン革命後に、アメリカはイランに経済制裁を加えました。 「イランが核兵器を開発しているのでは?」と言う疑惑から、経済制裁に参加する国が増えました。 (日本は、国連安保理が決議した制裁を履行していおり→→貿易額は激減しています。 然し、今でもお互いに大使館を置いています。)

 西側諸国及び周辺のイスラム諸国と上手く付き合えないイランは、ロシア、中国、北朝鮮との関係を重視する様になり→→悪の枢軸国の仲間入りをしたのです。 そして、ウクライナ戦争では、ドロンをロシアに供給し、ドロンの製造技術をロシアに渡しました。

【現在のイラン】
 日本を「ジャパン」と呼ぶ様に、昔、ヨーロッパ諸国はイランを「ペルシア」と呼んでいました。 近年まで、親米、親イスラエルの王制国家でしたが、1979年にイラン革命が起こり、反米、反イスラエルの「イラン・イスラム共和国」になりました。 イランで生産される絨毯を、今でも「ペルシア絨毯」と呼んでいます。

 イランは、多民族国家で、人口が爆発的に増え続いています。 1980年は3,929万人でしたが→→44年後の2024年には『2.2倍』の8,663万人でした。(イスラエルにとって、イランの人口増加は脅威の一つだと思われます。)

・・・ イランの人口の推移 ・・・ 出典:世界経済のネタ帳『イランの人口の推移(1980~2025年)』
★ 2024年≒8,663万人
★ 2020年≒8,404万人
★ 2010年≒7,416万人
★ 1990年≒5,450万人
★ 1980年≒3,929万人

 イランは、地下資源に恵まれた国です。ウラン鉱石も産出していますが、石油の生産量はOPECの中で第2位で、輸出しています。 石油の精製設備が無い為に→→ガソリンなどは輸入しています。 天然ガスの埋蔵量は世界第2位ですが→→液化設備が整備されていない等々が原因で→→殆どを国内で消費しています。

 イランの工業技術は進んでいます。 特に、バイオテクノロジーと医薬品製造の分野では国際競争力が有り→→医薬品を輸出しています。

 イランでは、人口の『35%』が農民だそうです。 穀物の『50%』程を自給している様です。 ナツメヤシ、ピスタチオ、花卉(かき)を輸出しています。

・・・ イランのデータ ・・・
★ 建国 :1979年 ・・・イラン革命で誕生、正式名称は『イラン・イスラム共和国』
★ 国土 : 165万km2 ・・・日本の面積(37.8万km2)の『4.4倍』ほども有ります。
★ 人口 :9,157万人(2024年) ・・・出典:ウイキペディア『イラン』
★ 多民族国家 :ペルシア人≒61%、アゼルバイジャン人(アゼリー人)≒15%、クルド人≒10%、ロル族≒6%  ・・・出典;ウイキペディア『イラン』:9,157万人(2024年) ・・・出典:ウイキペディア『イラン』
★ 議会 :一院制
★ 政府 :最高指導者⇒⇒大統領、第一副大統領
★ 国軍 
★ イスラム革命防衛隊 :最高指導者が直轄
★ 兵力 :国軍と革命防衛隊を合わせて『61万人』ほどです。
★ 徴兵制 :男子2年間
★ 情報機関 :イスラム革命防衛隊は情報機関を兼ねています。
★ 宗教 :人口の99.8%がイスラム教徒、 国教は『シーア派』 ・・・人口の90〜95%がシーア派
★ 石油 :OPEC第2位の石油生産国、世界石油埋蔵量の10%
★ 天然ガス :天然ガスの埋蔵量は世界第2位、生産量の98%を国内で消費
★ 農産物の輸出 :ナツメヤシ、ピスタチオ、花卉(かき)など
★ 工業 :バイオテクノロジーと医薬品製造

《蛸(たこ)国家イラン》
 「イランは蛸(たこ)の様な国だった」、「現在は、足が捥(も)げたか、死に掛けた蛸だ」と言われた方がいました。 「上手いたとえ話だ」と感心しました。

 ”足”を使って→→イスラエルを攻撃してきました。 ”足”の一本で有ったシリアのアサド政権は崩壊し→→現在のシリアは反イランになっています。 その他の”足達”は弱体化しています。

★ 頭はイラン ・・・今回のイスラエルの攻撃で、防空システムが1/3程破壊され→→制空権がガタガタになっている様です。
★ 足① :シリアのアサド政権を支援していましたが→→2024年12月に、アサド政権が崩壊し→→新政権は、反イランの立場を取っています。
★ 足② :ガザのハマース ・・・2023年の人質事件以来、イスラエルの攻撃でハマースの武装組織はガタガタになっている様です。
★ 足③ :レバノンのヒズボラ
★ 足④ :イエメンのフーシー派
★ 足⑤ :イラクのシーア派
 イラクは、人口の60%強がシーア派で、30%程がスンニ派です。 イランとイラクはシーア派が多いいですが、仲が良いとは言えません。

【最高指導者を選ぶ制度】
 イラン・イスラム共和国が誕生して、7世紀の『正統カリフ時代』の制度を(修正して)復活させました。 即ち、間接選挙で選ばれた宗教指導者(最高指導者)に国の全権を与える制度です。

 国民が、イスラム法学者(ウラマー)の中から直接選挙で専門家会議(シューラーイェ・ハブレガーン)の委員(88名)を選び→→専門家会議がイスラム法学者の中から→→最高指導者を選びます。

 専門家会議には、最高指導者の選出、監督、罷免の権限が与えられています。 最高指導者の任期は『終身』となっていますが、高齢などが原因で統治するのが難しくなったら→→最高指導者を罷免して→→新たな、最高指導者を選ぶ事が出来る様です。

 最高指導者の選出は、死亡した場合か、罷免した後でしか行え無いようです。 最高指導者の世襲を避ける為に、最高指導者は、自分の子供や孫を後継者に指名出来ない様です。

 専門家会議は、1983年に設けられました。 委員の任期は8年です。 専門家会議は、半年に1回開催されている様です。 (ホメイニー師が初代の最高指導者になったのは、1979年でした。)

・・・ 歴代最高指導者 ・・・
★ 初代 :ルーホッラー・ホメイニー師        (タカ派) ・・・1979年~89年
★ 二代目 :アリー・ハーメネイー(ハメネイ)師  (保守派) ・・・1989年~

【ハメネイ師】
 現在の最高指導者で有る『ハメネイ師』は、高齢『86歳』です。 マホメットの血筋では無く、ペルシア人でも無く、アゼルバイジャン民族の一人です。 国民の圧倒的な支持を得ている分けでは有りません。

 ハメネイ師は、原爆を「悪魔の兵器」と考えている様です。 その為に、「ウラン235の濃縮を『60%』以上にはしなかったのだ」と私は思っています。

・・・ アリー・ハーメネイー師(ハメネイ師) ・・・
★ 出生 :1939年 (86歳) ・・・ペルシア人では無く、アゼリー人(アゼルバイジャン民族)です。
★ イラン革命 :1978年 →→イラン・イスラム共和国
★ ハメネイ師が大統領に就任 :1981年~89年 ・・・第3代
★ ハメネイ師が最高指導者に選ばれた :1989年~ ・・・第2代


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