【はじめに】
トランプ氏はバイデン政権の間→→「大統領に帰り出づば!こんな政策に取り組みたい」と構想を練っていた様です。 ヘリテージ財団が2023年4月21日に、『プロジェクト2025』と言う本を発行しました。 この本は900ページ程有る様なので、勉強嫌いのトランプ氏が読んだとは思えませんが、多分、側近は『プロジェクト2025』を参考にして、トランプ氏に政策を提言しているのだと想像します。
今回は、トランプ氏が仕掛けた『米中貿易戦争』に絞って、私の見立てを書きます。
コメント :このブログは、2025年5月17日にameba ブログに投稿したものです。
【トランプ氏とは?!】
先日、某コメンテーターが「トランプ氏は『反知的』な人間だ!」と言っていました。 私は、「非知的、無知、迷妄な人間だ!」と思っています。
もしも、知的な指導者だったら「AAと言う政策を実施したら→→ABと言う課題を解決出来る→→然し、ACと言う問題が発生する可能性が有る」と悩みます。 多くの国の指導者は→→即断しないで→→「AA政策を採用すべきか?」、「すべきで無いか?」検討します。
トランプ氏は、「AAと言う政策」を思いついたら→→実行して→→相手国や国民の反応見たり、市場の動向を見て→→取り下げたり、修正したりする人間です。 「AAと言う政策」が国際ルールに反していても→→「屁とも思わない」人間です。 アメリカが世界一の経済大国なので→→相手国が嫌々でも対応せざるを得ないのです。 石破茂総理が、同様の言動/行動をしたら→→「気が触れたのでは?」思われて→→相手にして貰えないのは明確です。
【トランプ大統領の米中関税戦争】
《第一次トランプ政権の時》
第一次トランプ政権(2017年1月~21年1月)の時は、膨大な貿易収支の赤字を問題視して→→(生産国を限定しないで)太陽光発電パネル、鉄鋼、アルミニウム製品等に関税を掛けました。 中国がアメリカ製品に報復関税を掛けたので→→米中の関税戦争が始まりました。 この過程でアメリカは『ファーウェイ』に対する規制を始めました。
2019年6月のG20大阪サミットに出席する為に来日していた、トランプ大統領と習近平主席が会談しました。 その後、中国が折れたので→→貿易戦争の激化は食い止められました。
第一次トランプ政権の時の米中貿易戦争は、2020年1月から始まった『新型コロナウイルス禍』で→→多くの国の経済が低迷し始め→→米中は貿易戦争を続けられ無くなりました。 (『新型コロナウイルス』が米中貿易戦争の仲介役を務めたと私は思いました。)
習近平主席は、アメリカに対する依存度を下げる政策(脱アメリカ政策)を始めました。 その一部の政策は、バイデン政権時代に成果が出る様になりましたが、大半は未完の状態で→→第二次トランプ政権に突入しました。
中国の対策❶ :20年12月に『輸出管理法』を制定し→→7種類のレアアース(サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウム)の輸出に国が制限/禁止出来る体制を敷きました。
中国の対策❷ :東南アジアの国(タイ、ベトナム等)に中国企業が大急ぎで沢山工場を建設し→→アメリカ等々に輸出する製品を製造する様になっています。 (第二次トランプ政権になると→→中国国内で製造される製品に関税を掛けても、東南アジアに設けた中国企業の製品がアメリカに輸出される恐れが有ります。 トランプ大統領は、東南アジアの国に対する関税を日本等より高く設定しました。)
中国の対策❸ :第一次トランプ政権が始まった2017年に、中国が開発した商用飛行機『COMAC C919』が初飛行しました。 『COMAC C919』は中国国内では飛行できる様になりましたが、アメリカ連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)の型式証明を得ていないので、海外便には使用出来ません。 従って、中国の航空会社はボーイング社製やエアバス社製の航空機を多数運用しています。
米中関税合戦が始まって直ぐに、習近平氏は(怒り心頭に発したのか?)ボーイング社が納入していた飛行機を→→送り返しました。これは、全くの愚策だと思いました。国際線を運行する中国の航空会社は、ボーイング社の協力無しでは成り立ちません。 (5月13日、中国政府はボーイング社製品の輸入を解除しました。)
中国の対策❹ :中国は、アメリカ以外の市場開拓に努力し始めました。 第一次トランプ政権が始まった17年のアメリカへの輸出依存度は『22.4%』でしたが、23年には『14.6%』まで低下していました。
中国の対策❺ :半導体の重要性が近年益々高まっています。 中国政府は、半導体の国産化に注力して来ました。 最先端の半導体を、自国の技術と装置で製造するのが、中国政府の夢です。 集積回路の設計、最先端半導体製造装置の開発等々に優秀な人材を投入し、莫大な金を注ぎ込んでいます。 然し、マダマダの状況です。
中国の対策❻ :中国は、人工知能(AI)の開発に力を入れて来た様です。2024年5月にDeepSeekが安価なAIソフト『DeepSeek-V2』を上市しました。 AIの分野でのアメリカの独走を、是が非でも阻止する構えです。
《私見 :人工知能(AI)と通信速度の進歩》
アメリカと中国は、人工知能(AI)の開発に莫大な金を投入しています。 一方、2020年頃から日本でも、通信速度は第五世代(5G)が普及し始めました。 「10年以内に、先進国では種々の分野で革命的な変化/進歩が進む!」と私は予想しています。
AIを活用出来ない国は、国際競争力を無くしてしまうでしょう! 例えば、レベル5の自動運転自動車の時代がもう直ぐやってきます。 法律の整備と道路の整備を急ぐ必要が有るのです。
AIの進歩は良い面だけでは無いでしょう! 「AIを悪用した犯罪が増加する」と予想します。 政治家にはAIに関する知識が不可欠になって来ています。
《バイデン政権時代の中国》
バイデン大統領の時代(21年1月~25年1月)、アメリカの対中国・貿易不均衡は更に悪化しましたが、米中貿易戦争は再発しませんでした。 アメリカの貿易収支と財政収支は悪化しましたが、「バイデン大統領は何も対策しなかった」と思います。
中国は、2021年頃から製造設備を増強して→→『世界の工場』は更に巨大化しました。 かつての中国の製品は『安かろう悪かろう』でしたが、現在は品質が大幅に向上し、日本を含む欧米諸国が価格では対抗出来ない状況になっています。
《第二次トランプ政権になって》
25年1月に第二次トランプ政権が誕生すると→→中国に対してだけで無く、友好国にも関税戦争を仕掛けました。
中国は2020年頃から、前述の様に対米依存度を下げる政策を進めて来ました。 中国にとって、アメリカとの貿易は現在でも重要です。 バイデン政権時代に、中国の依存度を下げる政策は全く行われませんでした! トランプ氏は、第一次政権の時よりもアメリカは不利な状況になっていたのに→→関税ゴッコを始めました。
私が習近平主席だったら、「子供の喧嘩には参加しない」と、トランプ氏の関税ゴッコは無視したと思います。 アメリカは、中国製品無しでは”やっていけ無い”し、中国はレアアースと言う強力な武器を持っているので→→関税戦争でアメリカが一方的に勝利する事は考えられません!
・・・ 第二次トランプ政権の米中関税戦争 ・・・
★ 25年2月4日 :米→中国に『10%』の追加関税、中国→米に製品の一部に報復関税
★ 25年3月4日 :米→中国に対する追加関税を『20%』にアップ、中国→米への報復関税
★ 25年4月3日 :米→中国に『34%』相互関税
★ 25年4月4日 :中国→米に『34%』相互関税
★ 25年4月9日 :米→中国に対する相互関税を『84%』にアップ、これで合計関税は『145%』
★ 25年4月11日 :中国→米にに対する関税を『125%』にした。
★ 25年5月12日 :米中が非間関税引き下げ ;米→30%、中国→10%に引き下げました。
★ 25年5月13日 :中国がボーイング社製商用飛行機の輸入禁止を解除しました。
【米中貿易戦争の予想】
米中貿易戦争は、アメリカにとっても中国にとっても→→大きな痛手です。 そして、多くの国が→→『とばっちり』を食らって→→経済が混乱します。 世界の多くの国の国民は、『対岸の火事』だと、のんびりしておれません。
トランプ大統領と習近平主席は、子供の喧嘩の様に『意地の張り合い』をして来ましたが→→4月頃から、秘密裏に接触し→→5月12日に、お互いに90日間、関税を『115%』下げると発表しました。
米中は、お互いに重要な貿易相手国です。 現在、中国にとって、アメリカから輸入すべきで無い製品は殆ど無いと思われます。 将来、国産化が進んでアメリカからの輸入量を少なくしたい状況になったら→→中国は専制国家ですから→→関税を掛けなくても、「国産品を優先的に使え」と指示すれば事足ります。 従って、中国は対米関税を『0%』にすると予想します。
トランプ氏は、製造業を復活させたいと考えていますが→→玩具と安価な衣服の製造をアメリカで復活させるのは難しいと思います。 トランプ大統領の任期中に、製造業を復活させるのは至難の業です。
トランプ氏は、中国を含めた全ての国に対して『10%』程度の関税で我慢すると予想しています。 アメリカの貿易と財政の悪化の根本原因は、『国民が、身の丈以上の贅沢な暮らしを続けている為だ!』と私は見ています。 アメリカには消費税(付加価値税)が有りません。消費税の代わりに、『10%』の関税を掛けるのが丁度良いと思います。
・・・ アメリカと中国の出来事 ・・・
★ 習近平氏が主席に :2013年~
★ トランプ大統領(第一次) :2017年1月~21年1月→→米中貿易戦争に突入
★ 習近平主席が訪米 :2017年4月
★ 新型コロナウイルス :2020年~
★ 中国が輸出管理法制定 :2020年
★ バイデン大統領 :2021年1月~25年1月
★ トランプ大統領(第二次) :2025年1月~
◎ アメリカの中間選挙 :2026年11月3日 ・・・選挙の前に米中貿易戦争を終結させる必要が有ります。
【米中貿易不均衡の推移】
トランプ氏は、「中国が無理やりにアメリカに物を売って→→アメリカの仕事を奪っている」と考えている様に見受けられます。 アメリカは人手不足の状況ですから、トランプ氏の見立ては誤りです。
アメリカの❶貿易収支、❷経常収支、そして❸財政収支は放置出来ない程の大赤字が続いています。 これらの赤字は、中国だけが原因では有りません。 中国との貿易不均衡が解消されたとしても→→アメリカの貿易収支は大赤字が続くことになります。
2022年のアメリカの貿易収支は『-131百億ドル』の赤字で、その内『-38.5百億ドル(約30%)』が中国との貿易によるものでした。
・・・ ①中国の貿易 ・・・ 出典:世界経済のネタ帳、24年はJETRO
★ 24年 :輸出≒358百億ドル、輸入≒259百億ドル、収支≒99百億ドル
★ 23年 :輸出≒338百億ドル、輸入≒256百億ドル、収支≒82百億ドル
★ 22年 :輸出≒354百億ドル、輸入≒271百億ドル、収支≒84百億ドル
★ 21年 :輸出≒332百億ドル、輸入≒268百億ドル、収支≒64百億ドル ・・・バイデン大統領
★ 20年 :輸出≒259百億ドル、輸入≒207百億ドル、収支≒52百億ドル
★ 19年 :輸出≒250百億ドル、輸入≒208百億ドル、収支≒42百億ドル
★ 18年 :輸出≒249百億ドル、輸入≒214百億ドル、収支≒35百億ドル
★ 17年 :輸出≒226百億ドル、輸入≒184百億ドル、収支≒42百億ドル ・・・第一次トランプ政権
★ 16年 :輸出≒210百億ドル、輸入≒159百億ドル、収支≒51百億ドル
・・・ ②アメリカの貿易 ・・・ 出典:世界経済のネタ帳
★ 23年 :輸出≒202百億ドル、輸入≒317百億ドル、収支≒-115百億ドル
★ 22年 :輸出≒207百億ドル、輸入≒337百億ドル、収支≒-131百億ドル
★ 21年 :輸出≒175百億ドル、輸入≒296百億ドル、収支≒-118百億ドル ・・・バイデン大統領
★ 20年 :輸出≒142百億ドル、輸入≒241百億ドル、収支≒-98百億ドル
★ 19年 :輸出≒164百億ドル、輸入≒257百億ドル、収支≒-92百億ドル
★ 18年 :輸出≒166百億ドル、輸入≒261百億ドル、収支≒-95百億ドル
★ 17年 :輸出≒155百億ドル、輸入≒241百億ドル、収支≒-86百億ドル ・・・第一次トランプ政権
★ 16年 :輸出≒145百億ドル、輸入≒225百億ドル、収支≒-80百億ドル
・・・ ③アメリカの対中国貿易 ・・・ 出典:有限責任監査法人トーマツの棒グラフ
★ 22年 :輸出≒154十億ドル、輸入≒539十億ドル、収支≒-385十億ドル
★ 21年 :輸出≒152十億ドル、輸入≒506十億ドル、収支≒-354十億ドル ・・・バイデン大統領
★ 20年 :輸出≒124十億ドル、輸入≒431十億ドル、収支≒-307十億ドル
★ 19年 :輸出≒107十億ドル、輸入≒447十億ドル、収支≒-340十億ドル
★ 18年 :輸出≒100十億ドル、輸入≒539十億ドル、収支≒-439十億ドル
★ 17年 :輸出≒130十億ドル、輸入≒506十億ドル、収支≒-376十億ドル ・・・第一次トランプ政権
★ 16年 :輸出≒116十億ドル、輸入≒461十億ドル、収支≒-345十億ドル
・・・ ④中国の貿易に占めるアメリカの割合(依存度) ・・・
★ 23年 :輸出≒14.6%
★ 22年 :輸出≒15.2%、輸入≒5.7%
★ 21年 :輸出≒15.2%、輸入≒5.7% ・・・バイデン大統領
★ 20年 :輸出≒16.6%、輸入≒6.0%
★ 19年 :輸出≒17.9%、輸入≒8.0%
★ 18年 :輸出≒21.6%、輸入≒4.7%
★ 17年 :輸出≒22.4%、輸入≒7.1% ・・・第一次トランプ政権
★ 16年 :輸出≒22.0%、輸入≒7.3%
トランプ氏はバイデン政権の間→→「大統領に帰り出づば!こんな政策に取り組みたい」と構想を練っていた様です。 ヘリテージ財団が2023年4月21日に、『プロジェクト2025』と言う本を発行しました。 この本は900ページ程有る様なので、勉強嫌いのトランプ氏が読んだとは思えませんが、多分、側近は『プロジェクト2025』を参考にして、トランプ氏に政策を提言しているのだと想像します。
今回は、トランプ氏が仕掛けた『米中貿易戦争』に絞って、私の見立てを書きます。
コメント :このブログは、2025年5月17日にameba ブログに投稿したものです。
【トランプ氏とは?!】
先日、某コメンテーターが「トランプ氏は『反知的』な人間だ!」と言っていました。 私は、「非知的、無知、迷妄な人間だ!」と思っています。
もしも、知的な指導者だったら「AAと言う政策を実施したら→→ABと言う課題を解決出来る→→然し、ACと言う問題が発生する可能性が有る」と悩みます。 多くの国の指導者は→→即断しないで→→「AA政策を採用すべきか?」、「すべきで無いか?」検討します。
トランプ氏は、「AAと言う政策」を思いついたら→→実行して→→相手国や国民の反応見たり、市場の動向を見て→→取り下げたり、修正したりする人間です。 「AAと言う政策」が国際ルールに反していても→→「屁とも思わない」人間です。 アメリカが世界一の経済大国なので→→相手国が嫌々でも対応せざるを得ないのです。 石破茂総理が、同様の言動/行動をしたら→→「気が触れたのでは?」思われて→→相手にして貰えないのは明確です。
【トランプ大統領の米中関税戦争】
《第一次トランプ政権の時》
第一次トランプ政権(2017年1月~21年1月)の時は、膨大な貿易収支の赤字を問題視して→→(生産国を限定しないで)太陽光発電パネル、鉄鋼、アルミニウム製品等に関税を掛けました。 中国がアメリカ製品に報復関税を掛けたので→→米中の関税戦争が始まりました。 この過程でアメリカは『ファーウェイ』に対する規制を始めました。
2019年6月のG20大阪サミットに出席する為に来日していた、トランプ大統領と習近平主席が会談しました。 その後、中国が折れたので→→貿易戦争の激化は食い止められました。
第一次トランプ政権の時の米中貿易戦争は、2020年1月から始まった『新型コロナウイルス禍』で→→多くの国の経済が低迷し始め→→米中は貿易戦争を続けられ無くなりました。 (『新型コロナウイルス』が米中貿易戦争の仲介役を務めたと私は思いました。)
習近平主席は、アメリカに対する依存度を下げる政策(脱アメリカ政策)を始めました。 その一部の政策は、バイデン政権時代に成果が出る様になりましたが、大半は未完の状態で→→第二次トランプ政権に突入しました。
中国の対策❶ :20年12月に『輸出管理法』を制定し→→7種類のレアアース(サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウム)の輸出に国が制限/禁止出来る体制を敷きました。
中国の対策❷ :東南アジアの国(タイ、ベトナム等)に中国企業が大急ぎで沢山工場を建設し→→アメリカ等々に輸出する製品を製造する様になっています。 (第二次トランプ政権になると→→中国国内で製造される製品に関税を掛けても、東南アジアに設けた中国企業の製品がアメリカに輸出される恐れが有ります。 トランプ大統領は、東南アジアの国に対する関税を日本等より高く設定しました。)
中国の対策❸ :第一次トランプ政権が始まった2017年に、中国が開発した商用飛行機『COMAC C919』が初飛行しました。 『COMAC C919』は中国国内では飛行できる様になりましたが、アメリカ連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)の型式証明を得ていないので、海外便には使用出来ません。 従って、中国の航空会社はボーイング社製やエアバス社製の航空機を多数運用しています。
米中関税合戦が始まって直ぐに、習近平氏は(怒り心頭に発したのか?)ボーイング社が納入していた飛行機を→→送り返しました。これは、全くの愚策だと思いました。国際線を運行する中国の航空会社は、ボーイング社の協力無しでは成り立ちません。 (5月13日、中国政府はボーイング社製品の輸入を解除しました。)
中国の対策❹ :中国は、アメリカ以外の市場開拓に努力し始めました。 第一次トランプ政権が始まった17年のアメリカへの輸出依存度は『22.4%』でしたが、23年には『14.6%』まで低下していました。
中国の対策❺ :半導体の重要性が近年益々高まっています。 中国政府は、半導体の国産化に注力して来ました。 最先端の半導体を、自国の技術と装置で製造するのが、中国政府の夢です。 集積回路の設計、最先端半導体製造装置の開発等々に優秀な人材を投入し、莫大な金を注ぎ込んでいます。 然し、マダマダの状況です。
中国の対策❻ :中国は、人工知能(AI)の開発に力を入れて来た様です。2024年5月にDeepSeekが安価なAIソフト『DeepSeek-V2』を上市しました。 AIの分野でのアメリカの独走を、是が非でも阻止する構えです。
《私見 :人工知能(AI)と通信速度の進歩》
アメリカと中国は、人工知能(AI)の開発に莫大な金を投入しています。 一方、2020年頃から日本でも、通信速度は第五世代(5G)が普及し始めました。 「10年以内に、先進国では種々の分野で革命的な変化/進歩が進む!」と私は予想しています。
AIを活用出来ない国は、国際競争力を無くしてしまうでしょう! 例えば、レベル5の自動運転自動車の時代がもう直ぐやってきます。 法律の整備と道路の整備を急ぐ必要が有るのです。
AIの進歩は良い面だけでは無いでしょう! 「AIを悪用した犯罪が増加する」と予想します。 政治家にはAIに関する知識が不可欠になって来ています。
《バイデン政権時代の中国》
バイデン大統領の時代(21年1月~25年1月)、アメリカの対中国・貿易不均衡は更に悪化しましたが、米中貿易戦争は再発しませんでした。 アメリカの貿易収支と財政収支は悪化しましたが、「バイデン大統領は何も対策しなかった」と思います。
中国は、2021年頃から製造設備を増強して→→『世界の工場』は更に巨大化しました。 かつての中国の製品は『安かろう悪かろう』でしたが、現在は品質が大幅に向上し、日本を含む欧米諸国が価格では対抗出来ない状況になっています。
《第二次トランプ政権になって》
25年1月に第二次トランプ政権が誕生すると→→中国に対してだけで無く、友好国にも関税戦争を仕掛けました。
中国は2020年頃から、前述の様に対米依存度を下げる政策を進めて来ました。 中国にとって、アメリカとの貿易は現在でも重要です。 バイデン政権時代に、中国の依存度を下げる政策は全く行われませんでした! トランプ氏は、第一次政権の時よりもアメリカは不利な状況になっていたのに→→関税ゴッコを始めました。
私が習近平主席だったら、「子供の喧嘩には参加しない」と、トランプ氏の関税ゴッコは無視したと思います。 アメリカは、中国製品無しでは”やっていけ無い”し、中国はレアアースと言う強力な武器を持っているので→→関税戦争でアメリカが一方的に勝利する事は考えられません!
・・・ 第二次トランプ政権の米中関税戦争 ・・・
★ 25年2月4日 :米→中国に『10%』の追加関税、中国→米に製品の一部に報復関税
★ 25年3月4日 :米→中国に対する追加関税を『20%』にアップ、中国→米への報復関税
★ 25年4月3日 :米→中国に『34%』相互関税
★ 25年4月4日 :中国→米に『34%』相互関税
★ 25年4月9日 :米→中国に対する相互関税を『84%』にアップ、これで合計関税は『145%』
★ 25年4月11日 :中国→米にに対する関税を『125%』にした。
★ 25年5月12日 :米中が非間関税引き下げ ;米→30%、中国→10%に引き下げました。
★ 25年5月13日 :中国がボーイング社製商用飛行機の輸入禁止を解除しました。
【米中貿易戦争の予想】
米中貿易戦争は、アメリカにとっても中国にとっても→→大きな痛手です。 そして、多くの国が→→『とばっちり』を食らって→→経済が混乱します。 世界の多くの国の国民は、『対岸の火事』だと、のんびりしておれません。
トランプ大統領と習近平主席は、子供の喧嘩の様に『意地の張り合い』をして来ましたが→→4月頃から、秘密裏に接触し→→5月12日に、お互いに90日間、関税を『115%』下げると発表しました。
米中は、お互いに重要な貿易相手国です。 現在、中国にとって、アメリカから輸入すべきで無い製品は殆ど無いと思われます。 将来、国産化が進んでアメリカからの輸入量を少なくしたい状況になったら→→中国は専制国家ですから→→関税を掛けなくても、「国産品を優先的に使え」と指示すれば事足ります。 従って、中国は対米関税を『0%』にすると予想します。
トランプ氏は、製造業を復活させたいと考えていますが→→玩具と安価な衣服の製造をアメリカで復活させるのは難しいと思います。 トランプ大統領の任期中に、製造業を復活させるのは至難の業です。
トランプ氏は、中国を含めた全ての国に対して『10%』程度の関税で我慢すると予想しています。 アメリカの貿易と財政の悪化の根本原因は、『国民が、身の丈以上の贅沢な暮らしを続けている為だ!』と私は見ています。 アメリカには消費税(付加価値税)が有りません。消費税の代わりに、『10%』の関税を掛けるのが丁度良いと思います。
・・・ アメリカと中国の出来事 ・・・
★ 習近平氏が主席に :2013年~
★ トランプ大統領(第一次) :2017年1月~21年1月→→米中貿易戦争に突入
★ 習近平主席が訪米 :2017年4月
★ 新型コロナウイルス :2020年~
★ 中国が輸出管理法制定 :2020年
★ バイデン大統領 :2021年1月~25年1月
★ トランプ大統領(第二次) :2025年1月~
◎ アメリカの中間選挙 :2026年11月3日 ・・・選挙の前に米中貿易戦争を終結させる必要が有ります。
【米中貿易不均衡の推移】
トランプ氏は、「中国が無理やりにアメリカに物を売って→→アメリカの仕事を奪っている」と考えている様に見受けられます。 アメリカは人手不足の状況ですから、トランプ氏の見立ては誤りです。
アメリカの❶貿易収支、❷経常収支、そして❸財政収支は放置出来ない程の大赤字が続いています。 これらの赤字は、中国だけが原因では有りません。 中国との貿易不均衡が解消されたとしても→→アメリカの貿易収支は大赤字が続くことになります。
2022年のアメリカの貿易収支は『-131百億ドル』の赤字で、その内『-38.5百億ドル(約30%)』が中国との貿易によるものでした。
・・・ ①中国の貿易 ・・・ 出典:世界経済のネタ帳、24年はJETRO
★ 24年 :輸出≒358百億ドル、輸入≒259百億ドル、収支≒99百億ドル
★ 23年 :輸出≒338百億ドル、輸入≒256百億ドル、収支≒82百億ドル
★ 22年 :輸出≒354百億ドル、輸入≒271百億ドル、収支≒84百億ドル
★ 21年 :輸出≒332百億ドル、輸入≒268百億ドル、収支≒64百億ドル ・・・バイデン大統領
★ 20年 :輸出≒259百億ドル、輸入≒207百億ドル、収支≒52百億ドル
★ 19年 :輸出≒250百億ドル、輸入≒208百億ドル、収支≒42百億ドル
★ 18年 :輸出≒249百億ドル、輸入≒214百億ドル、収支≒35百億ドル
★ 17年 :輸出≒226百億ドル、輸入≒184百億ドル、収支≒42百億ドル ・・・第一次トランプ政権
★ 16年 :輸出≒210百億ドル、輸入≒159百億ドル、収支≒51百億ドル
・・・ ②アメリカの貿易 ・・・ 出典:世界経済のネタ帳
★ 23年 :輸出≒202百億ドル、輸入≒317百億ドル、収支≒-115百億ドル
★ 22年 :輸出≒207百億ドル、輸入≒337百億ドル、収支≒-131百億ドル
★ 21年 :輸出≒175百億ドル、輸入≒296百億ドル、収支≒-118百億ドル ・・・バイデン大統領
★ 20年 :輸出≒142百億ドル、輸入≒241百億ドル、収支≒-98百億ドル
★ 19年 :輸出≒164百億ドル、輸入≒257百億ドル、収支≒-92百億ドル
★ 18年 :輸出≒166百億ドル、輸入≒261百億ドル、収支≒-95百億ドル
★ 17年 :輸出≒155百億ドル、輸入≒241百億ドル、収支≒-86百億ドル ・・・第一次トランプ政権
★ 16年 :輸出≒145百億ドル、輸入≒225百億ドル、収支≒-80百億ドル
・・・ ③アメリカの対中国貿易 ・・・ 出典:有限責任監査法人トーマツの棒グラフ
★ 22年 :輸出≒154十億ドル、輸入≒539十億ドル、収支≒-385十億ドル
★ 21年 :輸出≒152十億ドル、輸入≒506十億ドル、収支≒-354十億ドル ・・・バイデン大統領
★ 20年 :輸出≒124十億ドル、輸入≒431十億ドル、収支≒-307十億ドル
★ 19年 :輸出≒107十億ドル、輸入≒447十億ドル、収支≒-340十億ドル
★ 18年 :輸出≒100十億ドル、輸入≒539十億ドル、収支≒-439十億ドル
★ 17年 :輸出≒130十億ドル、輸入≒506十億ドル、収支≒-376十億ドル ・・・第一次トランプ政権
★ 16年 :輸出≒116十億ドル、輸入≒461十億ドル、収支≒-345十億ドル
・・・ ④中国の貿易に占めるアメリカの割合(依存度) ・・・
★ 23年 :輸出≒14.6%
★ 22年 :輸出≒15.2%、輸入≒5.7%
★ 21年 :輸出≒15.2%、輸入≒5.7% ・・・バイデン大統領
★ 20年 :輸出≒16.6%、輸入≒6.0%
★ 19年 :輸出≒17.9%、輸入≒8.0%
★ 18年 :輸出≒21.6%、輸入≒4.7%
★ 17年 :輸出≒22.4%、輸入≒7.1% ・・・第一次トランプ政権
★ 16年 :輸出≒22.0%、輸入≒7.3%