これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

日本の活性化❸ー3 :直面している政治/経済問題

2022-06-18 09:23:43 | 自衛隊
【はじめに】
 今回は『骨太政策』の一環として打ち出した防衛予算の増額問題に絞って、私の考えを書きます。 ウクライナ戦争の反省で急に飛び出した方針なので、政治家達は可笑しな議論をしています。

【課題 :防衛予算の増額】
 ウクライナ戦争の反省から日本とドイツは軍事予算をGDPの2%まで増額すると発表しました。2021年度の防衛予算は5.53兆円でしたから、日本は5年以内に5兆円程増額する事になります。 先日、防衛予算の増額を『骨太政策』の一環として閣議決定した様ですが、増額のスケジュールは明示しない様です。 岸田氏が5年先まで首相を続けるとは思えませんから、「今の所は、安倍晋三氏をはじめとした防衛力強化要求議員達の顔を立てておこう!」と軽く考えている可能性が有ります。

 この財源を消費税で賄うとしたら、『2%』ほど税率をアップする必要が有ります。

《日本軍とすべき!》 
 自衛隊の予算を増額して10兆円にすると、自衛隊はアメリカ軍、中国軍(中国人民解放軍)に次ぐ規模になります。 予算を増額する前に日本国憲法を改正して、『日本軍』と規定すべきだと思います。 「専守防衛が任務だから、自衛隊は軍隊では無い」などと、世界に通用しない話を続けていたら国際的な信用をなくしてしまいます。

 逆に、国民投票で「憲法9条の改正を認めない」との判定が出たら、自衛隊の予算を増額すべきでは有りません。 政府は、早急に憲法改正の是非を国民に問うべきです。

 以下の議論は国民投票で『憲法9条の改正が是(ぜ)』とされ、自衛隊が日本軍と称される様になったと仮定して進めます。

《有事を政治的に想定すべきです!》 
 今までは限られた予算の枠内で、防衛省は装備、人件費、演習費などを何とか遣り繰りして来ました。 急に予算を増額すると政治家達が言い出したので、正直・自衛隊の幹部は戸惑っていると想像します。

 与党の軍事に詳しい政治家達が、「どういう有事に対応するか?」議論して→→政府に報告し→→政府はアメリカと有事の際の分担を議論して→→防衛省で「どんな装備が必要か? 自衛隊員を何人増やす必要が有るか?・・・など」詳細検討して→→防衛省で必要な金額を出して→→政府が政治的判断をして→→予算化すべきです。

 岸田内閣、官僚、防衛省で『想定有事』を決め→→予算化したら金が幾ら有っても足り無い事になりそうに思います。コストパフォーマンスが重要です。 GDPの”2%”をベースにした議論は止めるべきです。

《台湾有事① :難民の受け入れ》
 中国は軍を年々増強し、台湾への脅迫的な軍事演習等を行って来ました。 従って、中国が台湾に侵攻する恐れが無いと考えるのは誤りだと思います。 台湾有事について、次の二つのケースを考えておく必要が有ります。

ケース❶ :台湾が独立を宣言した為に中国が侵攻した。
ケース❷ :中国が一方的に侵攻した。

 ❶の場合はアメリカは軍を派遣しないと予想します。❷のケースではアメリカが軍事介入すると予想します。

 いずれのケースでも、難民の受け入れが問題になります。台湾に近い与那国島(1,680人)、西表島(2,379人)、石垣島(49,000人)等の住民を避難させる必要が有ります。台湾在留の日本人(19,432人/2022年3月)、欧米諸国の人、その他の国の人の受け入れも必要です。

 台湾人(人口≒2,300万人)の一部が自力で与那国島に逃げてきた場合、日本は安全な場所まで運んで、仮設住宅、生活物資などを支給する必要が有ります。

 事なかれ主義の現在の政治家達は、「台湾有事の難民問題は、何とかなるだろう!」と放置すると予想します。 世界的に尊敬される国家になる為には、ウクライナ戦争でのポーランドやルーマニアの難民受け入れ状況を参考にして、軍事費の増額分の一部で難民対策をして置くべきです。

(注記) 私の知識では、❶のケースの場合、現在の法律では難民の受け入れに自衛隊は関与出来ないのでは? 多分、難民の受け入れは、海上保安庁と沖縄県警の所轄になるのでは?と思います。

《台湾有事② :米軍が直接介入した場合》
 尖閣諸島の周辺に連日の様に中国が艦船を送って来ています。日本が何もしなかったら、尖閣諸島に上陸して実効支配する恐れは有ります。然し、海上保安庁が監視船を出し続けたら、国際世論を無視した行動に出るとは思えません。海上保安庁の予算も増額して、監視船を増やし、隊員数も増やす必要は有りそうです。

 ウクライナ戦争のロシアの様に、突然・中国が台湾に侵攻する時は、中国が尖閣諸島に上陸すると言う方がおられます。私は、与那国島や西表島にも侵攻してくると予想します。

 台湾有事が発生したら、アメリカと協力して対応する必要が有ります。アメリカと事前にすり合わせて、自衛隊(日本軍)が何を担当するか決めて、必要な装備を充実させるべきだと考えます。 増額分の多くは、台湾有事対策になると思われます。

《朝鮮半島有事 :難民の受け入れ》
 私は、韓国が北朝鮮に先制攻撃をするとは考えていません。世界の反対を無視して北朝鮮を併合しても、韓国にとって何の得にもならないと思えるからです。 金正恩氏が精神異常にならない限り、北朝鮮が韓国に侵攻するとも考えられません。

 中国が台湾に侵攻した場合、中国の要請で北朝鮮が韓国を攻撃する恐れは有ります。その場合でも核兵器は使用しないと予想します。 韓国に駐留するアメリカ軍と韓国軍を、韓国に釘付けにするのが目的になると思います。従って、ウクライナ戦争の様な大規模な戦争には発展しないと予想します。

 韓国が北朝鮮と小競り合いを始めても、日本に支援をて求める来る可能性は低いでしょう。難民が多量に発生する恐れもあまり無いと予想します。朝鮮半島有事を想定した軍備の増強や難民対策に金を掛ける必要は無いと考えます。

《ロシア対策》
 ロシアは北方四島を不法占拠しており、盛んに日本の近海に戦闘機等を飛ばして来ます。太平洋艦隊も日本の近海で”当て付けがましい”演習をしています。 ロシアの下院副議長が「北海道の権利はロシアにある」と発言しました。

 然し、「ロシアが北海道に侵攻する」とは考えられません。スクランブル発進が必要な回数は増加する恐れは有ります。現在、空自の北海道の基地は千歳にしか無いので帯広空港を活用して空自の第2番目の基地にしては?と考えます。 北海道の弾薬庫を倍以上に増やす必要が有ります。 然し、北海道の自衛隊を大幅に増強する必要は無いと考えます。

《私の懸念❶ :自衛隊の定員割れの問題》 
 近年、自衛隊では目標の数の隊員が集められない状態が続いています。 特に現在は失業率が低く/有効求人倍率が高いので、予算を増額して定員を増やしても応募者は増加しないと思います。

・・・ 自衛隊の充足率 ・・・ 2021年
★ 陸上自衛隊 :159,695人 (充足率≒93.9%)
★ 海上自衛隊 : 45,329人 (充足率≒95.8%)
★ 航空自衛隊 : 46,953人 (充足率≒93.4%)
◎ 士の定員   : 55,669 (充足率≒80.7%)・・・『士』は2士、1士、士長を指します。
出典 :2021年防衛白書

 海上自衛隊は自動化して、少ない要員で運営出来る艦船の建造を始めています。 ドローン(無人機、無人水上艇)の開発に注力して、安全な所から遠隔操作出来る様にすれば、女性隊員を大幅に増やせると思います。 2021年の女性自衛官の割合は『7.9%』しか有りませんでした。

 女性自衛官が結婚しても→→子育てを支援し→→職場に復帰出来る様にすべきです! 1945年に私の故郷に墜落したアメリカ軍のB-29爆撃機には女性が搭乗していたそうです。古老達は、「米軍は兵隊不足で、女性も搔き集めてていた」と話していました。 軍隊には女性が担当出来る任務が沢山有ります。 基地の設備や武器/装備を、女性隊員が50%になる事を想定した物にすべきです!

 結婚した自衛官用の官舎は、モダンで明るく快適な建物にすべきです! 「あんな官舎に住んでみたい!」と憧れる様な官舎にしましょう!」

 独身自衛官用の寮を快適な物にし過ぎるのは良くないかも知れません。 その代わり、『曹士』の制服(常装)に金を掛けて作り直すべきだと考えます。 高級な生地を使って、若者達が「カッコイイ」と思う様なデザインにしたら、応募者が増えると予想します。

《私の懸念❷ :兵器の開発と日本学術会議》 
 軍需技術と民政技術の垣根が、現在は不明確な状況になっていますが、日本学術会議は未だに軍需技術の開発に反対しています。 防衛費を増額して、政府は兵器の開発予算も増やす考えの様です。 税金の有効活用の面で、防衛省、国公立の研究所、大学、民間企業が分担/協力して研究・開発を進めるべきだと思います。

 日本学術会議を説得する事は不可能ですから、軍需技術の研究・開発に協力しない国公立及び私立大学や研究機関には、税金を使った支援をしない事にしたら良いと思います。 急に支給金額を『0』にしたら大反対運動が起こりそうですから、毎年・『20ポイント』減額して、5年後に『0』にしたら良いでしょう。

 日本は自由を尊重する国ですから、「軍需技術の研究・開発は絶対にやらない!」と言う大学が存在しても良いと考えます。 この案だったら、日本学術会議は「軍需技術の研究・開発には協力しない」と言い続けられます。そして、税金の有効活用が可能になります。

《私の懸念❸ :次期戦闘機の開発》
 次期戦闘機をイギリスと共同開発する交渉を進めている様です。私は大賛成です。 優れた戦闘機を開発して、沢山輸出出来る様になったら、自衛隊の購入価格が下げられると思います。軍需技術の進歩は民政技術を後押しします。波及効果が大きいと考えています。

 戦後長く、日本はアメリカ政府経由で多くの兵器を購入して来ました。一昔前、主要機器をアメリカから輸入したり、アメリカから支給された図面で国産化したりしていました。 然し、最新のF-35戦闘機は完成機を輸入しています。これでは、日本の航空機産業が壊滅してしまいます。

 アメリカからの武器輸入は、トンデモナク不平等です。 ①アメリカは納期を守る義務が無く、②契約金額を納入前に変更する、③アメリカ軍に納入する価格よりも高い・・・等々、民間の商取引では考えられない無理難題の契約を押し付けられているのです。

 次期戦闘機をアメリカ以外の国と共同開発したら、『不平等契約』を押し付けられ無くなると思います。 然し、アメリカがイギリスとの共同開発を許容するか?・・・色々圧力を掛けて来そうです!

《私の懸念❹ :『弾が無い!』》
 自衛隊には弾丸、ミサイル等が不足している様です。早急に対策をする必要が有りますが、簡単では有りません。

① 1ヶ所の弾薬庫に保管出来る量は限られますから、弾薬庫の数を現在の3倍ほどに増やす必要が有ります。新しい弾薬庫を設置する為には、自治体との話し合いが不可欠の様です。国の安全保障の問題ですから、政府と与野党の国会議員が協力して、地元自治体を説得すべきです。

② 日本には弾丸やミサイル等のメーカーが育っていません。私の浅薄な知識の範囲では、日本工機と旭精機工業くらいしか思いつきません。両社は大口径の弾丸は製造していませんから、2社で製造してない弾丸やミサイルは、多分輸入しているのでしょう。 『弾(たま)』が無かったら戦えませんから、民間企業の協力が得られ無い時は、兵器廠(へいきしょう)を設立してでも、国産化すべきです!

《私の懸念❺ :アメリカからの魔の手》
 武器調達予算を兆円単位で増額したら、1970年代に発覚した『ロッキード事件』や『ダグラス・グラマン事件』の様に、世界の武器メーカーが日本の有力政治家に巨額の黒い金を提示する恐れが有ります。 数百億円の金を積まれても、毅然とした態度で臨める政治家が何人いるでしょうか?

《武器輸出規制の歴史》
 日本国憲法には、武器の輸出を禁止/制限する規定は有りませんが、佐藤内閣と三木内閣が国会答弁で、『武器輸出三原則』と呼ばれる発言をしました。 その後の国際情勢の変化を鑑みて、2014年に安倍内閣が武器輸出三原則を撤廃して、『防衛装備移転三原則』を閣議決定しました。

 2020年の時点で、日本から輸出された武器は殆ど無い様です。先進国は武器の輸出に力を入れています。 各国とも政府が前面に立ってメーカーと協力して商談を進めています。 日本には国際競争力の有る武器が少ないので、今後とも苦戦すると予想します。(韓国は近年、1,000億円ほど武器を輸出しています。)

 欧米諸国はウクライナに武器を無償で送っていますが、日本は武器輸出三原則の規定で、紛争当事国への輸出が出来ない→→無償供与も出来ない→→仕方なく、防弾チョッキを送りました。 私は、「ウクライナに武器を送って良いか?」国会で議論すべきだと思います。

 武器を輸出する為には、実戦での使用実績の有無が重要になると思います。 不謹慎な考え方ですが、ウクライナ戦争は武器の有効性を確認する絶好の機会です。 日本が独自に開発した兵器が有るのなら、ウクライナに送るべきです。 少し調べて見ましたが、ウクライナが欲しがりそうな兵器は見つかりませんでした。

・・・ 2014年・防衛装備移転三原則 ・・・
① 移転を禁止する場合の明確化
   次に掲げる場合は、防衛装備の海外移転を認めないこととする。
 ★ 当該移転が我が国の締結した条約その他の国際約束に基づく義務に違反する場合
 ★ 当該移転が国際連合安全保障理事会の決議に基づく義務に違反する場合
 ★ 紛争当事国(武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国際連合安全保障理事会がとっている措置の対象国をいう。)への移転となる場合
② 移転を認め得る場合の限定並びに厳格審査及び情報公開
③ 目的外使用及び第三国移転に係る適正管理の確保

・・・ 1976年の政府(三木内閣)の国会答弁 ・・・
① 三原則対象地域については「武器」の輸出を認めない。
② 三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。
③ 武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。

・・・ 1967年の政府(佐藤内閣)の国会答弁 ・・・
 次の国には武器の輸出を認めない。
① 共産圏諸国向け
② 国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向け
③ 国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向け

日本国憲法 (その4)

2019-05-18 14:45:15 | 自衛隊
 今回も、憲法第9条についてです。私の考えは、侵略戦争には強く!強く!反対しますが、自衛隊を軍隊と規定する事には賛成します。日本は、苦し紛れに”専守防衛”と言う言葉を創作し、70年間も使い続けて来ましたが、もう死語にしませんか!
 第二次世界大戦後に大国間の戦争は起こっていませんから、核兵器は大国間の抑止力になっています。強力な通常兵器は、中小国間の抑止力になっていると、私は考えています。

【憲法第9条に関する私の見方】
 吉田茂は頭の回転の速い方だった様ですから、「憲法憲法第9条は、当面は日本にとって非常に有利な内容だ!」と気付き、大いに利用したのだと思います。憲法草案を作成したマッカーサーのスタッフは、最貧国に近い状況にあった日本を助ける内容にしたつもりでは無かったでしょう!

 戦後すぐに”冷戦”が始まり、朝鮮戦争が勃発するとアメリカは再軍備を要求しました。第9条を盾にして軍事費を抑え、1948年から始まっていたPKOやベトナム戦争への派兵を拒む事が出来たのです。湾岸戦争までの、45年間も第9条を利用して来たのです。

★ 第1次吉田内閣 :1946年5月~ 1947年5月(憲法公布)
★ 第2次~第5次吉田内閣 :1948年10月~ 1954年12月(朝鮮戦争)

【湾岸戦争の反省】
 1990年8月2日、イラクが隣国クウェートに侵攻して、豊富な石油資源を奪ってしまいました。1991年にアメリカを中心に結成された多国籍軍(50万人)がイラク軍を攻撃しました。圧倒的な力の差で、戦争は約40日で終結しました。多国籍軍側の戦死者は、予想よりはるかに少ない、381名だったと報告されています。

 日本は石油を中東から輸入していますから、当然多国籍軍への参加要請が有ったとおもいますが、海部内閣は憲法第9条を盾にして、自衛隊は派遣しませんでした。その代わりに、1990年8月に10億ドル、9月に10億ドル、開戦後に90億ドルと、”みみっちい”出し方で巨額の軍費を提供しまいました。政府がクウェートやクルド人に渡すと説明していた金の、殆どはアメリカに渡していました。その為に、ワシントンポストにクウェートが出した感謝広告に日本は入っていませんでした。(ドイツは入っていました。)

 多国籍軍の総戦費は610億ドルほどで、湾岸諸国が360億ドル、ドイツ70億ドル、日本110億ドル(他に周辺国への経済援助20億ドル)を拠出しました。戦費の20%は、日本が出したのです。

 憲法第9条を盾にして、PKOや多国籍軍への参加を拒む事が出来なくなっている事を政治家達は痛感したと思います。結局、湾岸戦争が終結した後(1991年4月)に、海部内閣は機雷などを除去するために自衛隊をペルシャ湾に派遣しました。(私は、なんと無能な内閣なんだろうと思いました!)

(余談) 韓国は医療部隊(154名)を派遣し、戦闘終結後に空軍の輸送機5機(160名)を追加派遣しました。全員、無事帰還された様です。(盧泰愚大統領の時代でした。)

(海部俊樹氏について) 海部氏は反主流派の三木派に所属し、清廉潔白が売りで、総理になるまでに文部大臣を2回(8カ月+11カ月)経験しただけでした。1988年にリクルート問題が発覚し、その後の参議院選挙で自民党が大敗したために、竹下登が(クリーンだと言われていた彼を)短期間の”中継ぎ投手”のつもりで担ぎ出したのです。海部氏は総理になるとは夢にも思っていなかったでしょう!湾岸戦争への対応に失敗したのは、不適任な彼を総理にした自民党の議員達の責任だと、私は思います。

【日本の経済発展と憲法第9条】
 終戦直後の貧しい時代に、軍事費に国家予算を割く必要が無かったのは、日本の復興にとっては極めて好ましい事だったのです。日本の経済復興は、1950年~52年の朝鮮特需と1966年からのベトナム特需のお蔭と、憲法の第9条を盾にして軍備費を抑える事が出来た事が大きかったと思います。

(余談) 私は、大学で江戸時代の出島における交易を研究されている先生から、日本史を教えて頂きました。4月の講義は、(出島の話しでは無く)終戦直後にどのようにして、外貨を得たのか?がテーマでした。非常に興味深い話しだったので、講義ノートを大切に保管していたのですが、引越を繰り返す内に無くなってしまいました。その為に正確な数値は記載出来ませんが、”パンパン”と呼ばれる女性達が貴重な外貨を稼いでくれたのです。彼女達の貢献については、封印してしまった様で、書籍も見つからないし、インターネットでも記事は見つかりません。

【竹島問題と尖閣諸島問題】
 現在でも、自国の領土を守るためには軍隊が必要不可欠です。竹島問題と尖閣諸島問題を見れば明らかです。

 竹島は一般人が住める環境では有りません。江戸時代には、竹島の周辺で日本と朝鮮半島の漁師が漁業をしていたのです。併合時代は日本の領土でしたが、終戦後直ぐににマッカーサーが日本の漁船が操業して良い範囲(マッカーサー・ライン)を規定しました。マッカーサー・ラインは日本の国境線を決めたものでは有りません。マッカーサー・ラインは少しずつ広げられましたが、竹島は含まれていませんでした。1952年に、李承晩が竹島を内包した李承晩ラインを宣言しました。マッカーサーは認めない趣旨の通告をしましたが、李承晩は、警察官を駐屯させて、今日に至っているわけです。

 尖閣諸島は1895年に日本が沖縄県に編入しました。96年に実業家の古賀家に期限付無償で貸与し、1932年に古賀家に払い下げました。一時期、200名以上が住んでいましたが、1940年に全住民が撤退し、また無人島になりました。1971年以降に中国と台湾が領有権を主張し始めました。尖閣諸島周辺は好漁場の様ですが、中国が尖閣諸島に固守するのは、軍事的な理由だと思います。(面積が4km2ある魚釣島に軍事基地を建設するのが、最大の狙いだと推察します。)自衛隊と日米安保の存在で、日本は尖閣諸島を実効支配出来ているのです。

★ 1945年8月15日 :終戦
★ 1945年9月27日 :マッカーサー・ライン(日本漁業の操業区域)
★ 1945年12月1日 :陸軍省・海軍省廃止。
★ 1952年1月18日 :李承晩ラインを宣言(竹島を韓国領と主張)
★ 1952年2月12日 :アメリカが李承晩ラインの不承認を通告
★ 1952年4月 :韓国が竹島に警察官を駐屯させた。
★ 1952年4月25日 :マッカーサー・ライン廃止
★ 1954年7月 :保安隊→自衛隊

【自衛隊は軍隊か?】
 『自衛隊は専守防衛が任務だから軍隊では無い』と言うのが、歴代内閣の公式見解です。自衛隊の実力は世界の十番以内に入る、強力な軍隊です。幾ら厚顔な政治家や外交官でも海外で『自衛隊は軍隊では無い』とは言えなくなっていると思います。

 正直に申し上げると、私は殆ど自民党に投票したことが有りませんが、国会で自民党の大臣が「自衛隊は軍隊では無い」と言う答弁をされているのを聞くと、何時も気の毒でなりません。こんな苦しい答弁をしなくていい様に、憲法を改正すべきです。(多分他国の人は、「自衛隊は強力な軍隊なのに何を言っているのか?」と不思議に思われて来たとのでは?)

【軍隊は必要と思いますか?】
 堀江貴文氏は、TV番組で「中国が尖閣諸島を欲しいというのなら、戦争するよりは上げた方が良い」、「沖縄もくれと言うのなら、上げたら良い」と言っていました。自衛隊が無かったら、とっくの昔に、中国は尖閣諸島に軍事基地を建設していたと、私は思います。

 軍事的に弱小のウクライナから、ロシアがクリミヤを奪ったのは(つい最近の)2014年の事です。ロシア人が多く住む、ウクライナの東部では、ロシアの支援を受けた独立運動/内戦が続いています。

 日本共産党は昔は軍隊を持つことに反対していましたが、近年は方針を変えて、在日米軍を撤退させ→全ての国と友好関係を築き→軍隊を持つ必要が無い状況にした後に→自衛隊を解散させると主張しています。(夢物語では有りますが、そんな時代が来たらいいですね!)

【兵器の進歩と専守防衛】
 近年の兵器の進歩は目覚ましいです。然し、専守防衛のための兵器が開発されているのでは無く、「如何に遠くの安全な所から、敵を攻撃するか?』が開発の主眼なのです。戦闘機などが搭載するミサイルを例にして、現状を示します。沿岸から約22km沖までが領海で、44㎞までが接続水域、370kmまでが排他的経済水域です。その外が、航行自由な公海です。

 第二次世界大戦では、零戦が機銃で敵の戦闘機と空中戦をしましたが、現在は空対空ミサイルで戦う時代になっています。現在、射程距離が最も長い空対空ミサイルはロシアのKS-172で、400kmも有ります。日本が保有する最長射程距離の空対空ミサイルはAAM-4で、およそ100kmです。

 最近、防衛庁が開発した空対艦ミサイル”ASM-3”の射程距離は200kmも有りますが、この性能では不十分な状況になり、急遽、400kmの開発に着手した様です。射程距離が400km有れば、公海の上空を飛んでいる戦闘機が、敵国の軍港に係留する敵艦を攻撃出来ます。

 アメリカから導入するF35ステルス戦闘機に搭載予定の空対地ミサイル(JSM)の射程距離は300kmと言われています。アメリカ軍の所有するALCM-Bは2,500kmもあります。(自衛隊員の命を守るためには、世界標準以上の射程距離を有するミサイルが必要です。)

【兵器のコストパフォーマンス】
 攻撃用ミサイルの方が迎撃ミサイルよりも、ずっと安いのです。北朝鮮は、日本を攻撃出来る弾道ミサイル(ノドン)を既に150-200発保有していると言われています。

 弾道ミサイル”ノドン”の価格は不明ですが、もっと高性能な巡行ミサイルのトマホークの価格は2億円程です。ノドン対策として自衛隊が2基導入を予定している、イージス・アショアに搭載する迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は1発30億~40億円もします。1其に8発しか格納できません。2基の総額は6,000億円以すると言われています。(それでも、百発百中とは誰も言っていません。)

 北朝鮮は、更に配備数を増やす恐れがありますが、迎撃システムを拡充するよりも、発射地点を狙って巡行ミサイルを発射する体制を取った方が、ずっと安くなります。

【国連の平和維持活動(PKO)に派兵すべきだと思いますか?】
 内紛の続いている十か国以上に、現在も国連はPKOを派遣しています。私は、状況を熟慮して、自衛隊を派遣したら平和の維持に本当に効果が有ると判断したのなら、派遣に賛成します。戦死の可能性だけでなく、隊員が精神に異常をきたす恐れが有る事も考慮して派遣の有無を決定して欲しいと考えています。

 ”円”と金は、何故か?紛争や問題が起こると高くなりますね!概ね、日本の経済は平和な時は発展します。特に東南アジアの安定が重要です。平和を維持するために、強力な軍隊を派遣する必要があるのは、悲しい現実です!

【国際的なテロへの対策が必要と思いますか?】
 アルカダ、イスラム国(IS)、タリバン等の国際テロ組織が存在し、これらの組織を壊滅させる事は不可能だと思います。彼らは、警備の手薄な国や都市で事件を起こそうとしています。オリンピックと万博が開催されますが、今までの警察は各県から警察官を動員して、開催地の警備を増強しました。私が、国際テロ組織の幹部だったら、手薄になる地方で事件を起こします。

 ビッグイベントの時は、手薄な所が出来ない様に自衛隊の力を借りる必要があります。私が防衛大臣だったら、警備を行う時用に、(若い人達が”カッコイイ”と思う様な)特別の制服と武器を準備します。自衛隊をPRする絶好の機会になります。

(余談) 2010年前後に勤務していた会社での話しです。二十歳代の男性社員が異常なほど兵器が好きで、遠方の自衛隊の公開イベントにも出掛けていました。彼は、時々韓国に行ってピストルの射撃を楽しんでいました。韓国には旅行客でも入れる射撃場が有るようです。日本に武装した過激派集団が誕生したら、彼は参加するのでは?と心配しています。

【同盟国を増やすべきです!】
 21世紀になって、中国が軍事強国になって来ました。日本だけで中国と対陣するのは不可能になっています。アメリカの相対的な力は、年々低下しているので、”世界の警察”の役割を果たすのは難しくなっています。

 日本はアメリカに頼るだけでなく、考え方を共有できる国々と同盟を結ぶべきだと思います。中国には日本が敵でない事を認めてもらい、言うべき事ははっきり言うべきです。中国と対等な友人にはなれません。中国は、今後も経済が発展し、軍備を拡充し、日本との差を広げていくと思われるからです。戦後、長い間、日本はアメリカに”ノー(NO)”と言えませんでした。中国には、慇懃無礼では無く、堂々とした態度で接していくべきです。”ノー”は小声で言うのでは無く、はっきりと”ノー”といいましょう!

(余談) 私の知り合いに、今でも本家と分家の習慣を続けている方がおられます。正月に土産を持って本家に挨拶に行くと、高価な土産を頂くのだそうです。昔は、日本と中国は朝貢外交をしていました。何時、何をどれだけ持ってこいとは強制されませんでした。使節を派遣すると、帰りには沢山土産を頂き、何よりも文明を吸収させて頂きました。将来、中国が超大国になっても、朝貢外交にはならないと思われます。無理難題を要求する様になるかも知れません。