これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

金正恩氏とジュエさん

2023-03-25 09:51:34 | 北朝鮮
【はじめに】
 2022年11月以降、金正恩氏が娘・主愛(ジュエ)さんを連れて種々の所に出掛けた時の映像が公表される様になりました。正恩氏の思惑について、色々報道されています。 日本にとっては重大な問題では有りませんが、「正恩氏が何を考えているのか?」類推するのは頭の体操になると思います。

 皆さんも頭の体操をしてみませんか! 私の体操結果を書いてみました。

【金正恩氏の健康問題】
 金正恩氏はまだ39歳ですが、以前から「健康に問題が有るのでは?」と言う報道が繰り返されてきました。正恩氏は暴飲暴食の上にヘビースモーカーです。

 正恩氏が外国に行く時は専用の便器を持参して、排泄物を国に持ち帰っている様です。正恩氏の健康状態はトップシークレットになっています。韓国の情報機関は、正恩氏の映像が公開されると、身体データを三次元分析して体重とその変化を算出しています。

 肥満が人の寿命を左右する事は常識になっています。肥満度を表すのに『ボディマス指数(BMI)』が良く使用されます。正恩氏の『BMI』を計算してみました→→なんと!『BMI≒54』になりました。

 この値は、世界保健機関(WHO)の『肥満3度』に相当し、相対的死亡リスクは『3以上』になります。多分、正恩氏は「長生きは出来そうにないから、今から後継者を育てよう」と考えているのだと思います。

 正恩氏は特別に生産された安全な食物を食べ、医者が何人も付いている様です。 然し、多分過剰なストレスに晒されて→→暴飲暴食とタバコがどうしても止められないので→→超!超!肥満体になってしまったのでしょう!

・・・ 金正恩氏のBMI ・・・
★ 身長 :h(単位はm)  ・・・正恩氏はh≒1.67m
★ 体重 :w(単位はkg) ・・・正恩氏はw≒150kg
★ 正恩氏のボディマス指数(BMI)=w/h2=150/1.67/1.67≒54

【推測A :長男を後継者】
 龍谷大学の李相哲教授が話されていた、「正恩氏の長男・金領主(リョンジュ)氏はピョンヤンで帝王学を勉強中で、正恩氏の後継者である」と言う説が有ります。

 北朝鮮は今でも儒教の考え方を持つ人が多いい様ですから、正恩氏が長男を後継者と考えるのが最も自然だと私も思います。

【推測B :ジュエさんを後継者】
 昨年から頻繫に正恩氏が娘・主愛(ジュエ)さんを伴った映像を流す理由について、次の二つの見立てが有ります。

見立て1 :主愛さんが後継者で有ると、国民に認識させる為で有る。

 正恩氏の息子が病弱だったり、気弱な性格だったり、出来が悪かったら、娘を後継者に選ぶ可能性が有ります。 その場合は、幼い頃から娘を国民に見せて、儒教の考え方を払拭させたいのでしょう!

 私が正恩氏だったら、元気な内に娘に権限を委譲していって→→数年後には院政にして→→娘の邪魔になりそうな高官達を粛正します。そうすれば、北朝鮮の国民は女性が国を統治する事に不平を言わなくなります。

見立て2 :後継者は、正恩氏の子供でなければならないと今から明確に示す為で有る。 後述の様に『白頭山血統』の中で後継者になり得るのは、妹の与正氏、兄の正哲氏、兄(正男氏)の息子・漢率氏、叔父の平一氏とその息子がいます。 これらの人を後継者には選ばないと宣言したと言う説です。

 娘・主愛を注目させて→→息子・領主氏は密かに教育して→→成人した後で国民に披露しようと目論んでいるのだと言う説です。 成人する前に正恩氏が亡くなる様な事態になったら、与正氏と主愛氏に息子・領主氏を補佐させる。

【推測C :長男は留学中】
 私は、「正恩氏が後継者には国際的視野が必要だ」と言う認識が有ったら、長男・金領主氏を先進国のどこかに留学させていると思います。例えば大使館職員の子供と偽れば、CIAなどの目を晦ませそうです。 (正恩氏と与正氏はスイスに留学しました。)

 絶対権力者が、身近で息子に帝王学を学ばせるのは極めて難しいと私は考えます。李相哲教授は家庭教師が教えていると考えられている様です。 少しでも気に入らない事をしたら、正恩氏は家庭教師だけで無く、一族郎党を抹殺してしまうでしょう! そんな恐怖を感じながら、真面な教育が出来るでしょうか?! とんでもないボンクラ息子になってしまいそうに思います。

 私が、正恩氏だったら他国に留学させて、他人の飯を食べさせます。

 中国は金領主氏の留学を受け入れるでしょうが、洗脳されて中国ベッタリにして送り返されるのは明白です。正恩氏は『良し』と考えないと思われます。「スイスかイギリスに留学させているのでは?」と私は推察しています。

【白頭山血統】
 第二次世界大戦後、日本軍が朝鮮半島から撤退した後で、共産・ソビエトの後押しで北朝鮮を統治したのが金日成氏です。1945年時点では、金日成氏の一派は弱小勢力でしたが、ソビエトが支持した為に、血生臭い権力闘争を勝ち抜く事が出来ました。

 1946年に暫定政府が誕生した時に、金日成氏が共産党の委員長に就任しました。・・・色々の事件が有りましたが・・・1971年に金日成氏が、その長男の正日氏(30歳)を後継者に指名しました。 この時は、「息子だから後継者にしたのでは無く、正日氏が優れた人間だから選んだ」と主張しました。『白頭山血統』が北朝鮮を統治すると言う考え方では無かったのだと思います。

 2010年に正日氏の三男・正恩氏が共産党中央委員に選出されて、後継者に指名されたのです。この時は、『白頭山血統』の考え方を全面に出して正恩氏を後継者に選びました。翌年(2011年)に正日氏が亡くなったので、正恩氏(27歳?)が北朝鮮を統治する様になりました。

 北朝鮮はソビエトが作った国と言っても過言では有りませんが、現在は中国の支援無しでは存続出来ない国になっています。共産主義と世襲制度は両立出来ない様に思えますが、中国は『白頭山血統による世襲』を承認している様です。「言う事を聞かなくなったら、何時でも潰せる」と考えているのでしょう。

・・・ 白頭山血統 ・・・
★ 初代=金日成(キム・イルソン)氏 :1912年~94年
★ 二代目=金正日(ジョンイル)氏 :1941年~2011年、日成氏の長男
★ 三代目=金正恩(ジョンウン)氏 :1984年生まれ、正日氏の三男
★ 李雪主(リ・ソルジュ) :1989年生まれ、正恩氏の夫人、2009年に結婚
★ 長男=金領主(キム・リョンジュ) :2010年生まれ
★ 長女=金主愛(ジュエ)さん :2013年生まれ
★ 次男(?)= :2017年生まれ
★ 金与正(ヨジョン)氏 :1988年生まれ、正恩氏の妹、崔竜海の息子(?)と結婚して2015年に出産した模様です。
★ 金正哲(ジョンチョル)氏 :1981年(?)生まれ、正恩氏の兄、独身?
★ 金漢率(ハンソル)氏 :1995年生まれ、金正男氏の息子 ・・・金正男氏には他にも息子がいる様です。
★ 金平一(ピョンイル)氏 :1954年生まれ、金日成氏の息子、子供が二人いるらしい(男=金仁剛、女=金恩松)

(注記 :女性の姓) 韓国でもそうですが、女性は結婚しても『姓』は変わりません。夫婦別姓の国です。与正氏は結婚していると言われていますが、姓が変らないので誰の息子と結婚したのか?明確にはなっていません。

同性愛者と自然体で接しましょう!

2023-03-18 09:39:53 | 社会問題
【はじめに】
 日本にも性的少数者(LGBT)の方は3%~10%程おられる様です。そして、LGBTを忌み嫌う方が多いい様です。私は、一人でもLGBTに理解を示す方が増えて欲しいと願って、本稿を書きました。

【荒井勝喜元内閣総理大臣秘書官】
 荒井勝喜(まさよし)氏が、2023年2月3日のオフレコ記者会見で同性愛者に対する差別発言をしました。毎日新聞が荒井氏に一方的にオフレコ解除を通告して、荒井氏の発言内容を公表しました。 翌日(4日)、岸田総理は秘書官の職を解きました。

 日本は、「言論/思想の自由を保障された国」です。 荒井氏がドンナ思想を持っていても法律で保護されています。 然し、立場を弁え(わきまえ)た言動が必要な重職に就いている事を忘れていた様です。

 私が、記者会見に参加していた記者だったら、「ナゼ?同性愛者が嫌いなのか? 同性愛者から酷い目にあった事でも有るのか?」と聞いたと思います。荒井氏には、同情されるべき様な事件が有ったのかも知れません。(泥棒にも三分の理)

 毎日新聞の記者は”さもしい”記者魂が湧いて、「オフレコを解除して、スクープを取ってやろう! 会社から金一封が貰えるぞ!」と考えたのでは? 他社も追随しましたが、荒井氏を蹴落と様な論調ばかりでした。「性的少数者を差別するのは止めるべきだ」と主張したマスコミは、残念ながら無かった様に思います。

【私の乏しい知識】
 私には、同性愛(ゲイ、レスビアン)についての知識はチョットしか有りません。そして、親戚、知り合い、同級生に同性愛者は一人もいませんでした。同性愛者を見掛けた事は有りますが、話した事が有りません。 危害を加えた事は勿論有りませんが、加えられた事も有りません。

 私は若い頃から『動物行動学』について興味が有り、沢山本を読みました。動物行動学では、京都大学の霊長類研究所が有名です。霊長類研究所で学んだ竹内久美子氏が、余り科学的とは言えない、独断と偏見による著作を沢山著しています。面白いので何冊か買って読みました。その一冊が『男と女の進化論』です。

 『男と女の進化論』に、同性愛について書いた個所が有ります。荒井氏の問題が報じられたので、読み返してみました。 科学的に同性愛を取り扱った著作がないか?調べたら、サイモン・ルペイ氏の本を見付け、読みました。 (真面目な著作ですから、私も真面目に取り組んで読んだので、長い時間が掛かりました。)

(1) 竹内久美子著 『男と女の進化論』新潮社 ・・・初版は1990年に発行されました。同性愛については、P63~94に竹内氏の独断と偏見による考えが書かれています。

(2) サイモン・ルペイ著、玉野真路・他訳 『クィア・サイエンス(同性愛をめぐる科学言説の変遷)』 ・・・原著は1996年に出版された。

(お願い) 『クィア・サイエンス』は27年ほど前に出版されました。同性愛に関する、その後の研究結果を纏めた『本』が有ったら是非とも教えて下さい。

【新約聖書とゲイ】
 聖パウロがギリシャの(現存する)都市コリント(コリントス)の信者のために書いた手紙の中に、「男娼となる者、男色をする者」は罪人だと書きました。キリスト教では新約聖書は絶対的な存在ですから、欧米諸国では今でも『ゲイ(男性の同性愛者)』についての論争が続いています。 新約聖書には、キリストが自ら『ゲイ』について言及した個所は有りません。聖パウロが、独断と偏見で「ゲイは罪人だ」と決めつけたのだと私は思います。

 聖パウロはレスビアン(女性の同性愛者)については触れなかったので、キリスト教ではレスビアンは問題視されてきませんでした。

 聖パウロが生きたのは2000年も前です。ゲイは大昔から存在していたのです。

・・・ コリント人への第一の手紙 第6章9&10節 ・・・ 日本聖書協会発行
 それとも、正しくない者が神の国をつぐことはないのを、知らないのか。まちがってはいけない。不品行な者、偶像を礼拝する者、姦淫をする者、男娼となる者、男色をする者、盗む者、
 貪欲な物、酒に酔う者、そしる者、略奪する者は、いずれも神の国をつぐことはないのである。

(余談 :聖パウロ) 聖パウロはキリスト教徒を迫害していましたが、イエスの死後に改宗してキリスト教を伝道し、新約聖書の一部の著者になりました。従って、最後の晩餐には描かれていません。

(余談 :現在のカトリック) ローマ・カトリック教会は同性愛者を罰する法律(ソドミー法)には反対していますが、聖職者は『禁欲の誓い』をしているので、聖職者の同性愛は認めていません。現実には、ローマ・カトリックの聖職者の同性愛者の割合は非常に高い様です。

【ソドミー法】
 私は旧約聖書を読んだ事が有りません。旧約聖書に『ソドム』と『ゴモラ』と言う街で背徳(ゲイの性交渉)が横行していたと書かれている様です。 同性愛の自然に反する性行為(背徳)を罰する法律の総称を『ソドミー法(Sodomy Law)』と呼びます。

 キリスト教が主流になった国の多くで『ソドミー法』が制定されました。サイモン・ルペイ氏が『クィア・サイエンス』に書いている様な、長い!長い!期間を掛けて同性愛者の権利闘争が行われ、多くの国で『ソドミー法』は廃止されました。

 イスラム教は比較的同性愛に寛容でしたが、現在、サウジアラビア、イラン等々では死刑に処せられる場合も有る様です。

【欧米諸国】
 ナチスはゲイを厳しく取り締まり、ゲイ用の強制収容所を作って5,000人~15,000人も収容し、強制的に去勢手術をするなどして沢山の方が亡くなった様ですが、記録を残していないので正確な事は分かっていません。

 アメリカでは、2003年に連邦最高裁判所が「テキサス州のソドミー法は憲法違反である」と言う判断を下しました。 アメリカでは、法的には同性愛者の権利は認められましたが、キリスト教信者の保守的な人達は現在でも「反同性愛の考え」を持っている様です。

【日本】
 日本は同性愛については寛容な国です。同性愛を取り締まる法律は、1872年(明治5年)~82年(明治15年)まで10年間ほどだけ存在した『鶏姦(けいかん)律条例』だけです。 男性同性愛者(ゲイ)の内、性器を挿入した側だけ犯罪者としました。 女性同性愛者(レスビアン)は対象外でした。 刑法は1907年(明治40年)に制定され、その後改正を繰り返しましたが、同性愛を罰する規定は一度も盛り込まれませんでした。

 日本国憲法は、マッカーサーの部下が英文で作成した草案をほぼそのまま翻訳したものです。アメリカには同性愛を取り締まる法律が、2003年まで存在していました。従って、草案の作成者達は「結婚は男女間で行われるべきで有る、親が結婚相手を決める日本の風習は止めさせるべきで有る」と考えたと想像します。それで、次の規定を盛り込んだのだと思います。

日本国憲法 第二十四条 第1項 :婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

 『両性の合意』と言う規定の為に、男/男と女/女では結婚が認められないのです。(同性婚を認める為には、憲法改正が必要です。)

【養子縁組】
 養子縁組は、法的には下記の2種類が有ります。私の常識では、『特別養子縁組』の方が一般的だと思いますが、何故か?『特別』となっています。

 特別養子縁組をする為には、養父は『夫婦』が必須条件の様です。一方、同性婚が認められていませんから、ゲイもレスビアンも特別養子縁組は出来ないのです。

 多分、同性愛者でも『普通養子縁組』は出来ると思います。。 私は、憲法を改正して同性婚を認め→→同性婚者にも『特別養子縁組』の権利を与えるべきだと考えています。

❶ 特別養子縁組 :戸籍に実親の名前が記載されない、実親との縁が切れる、養親は夫婦でなければならない。

❷ 普通養子縁組 :戸籍に実親の名前が記載される。養親は独身でも良いので、ゲイでもレスビアンでも普通養子縁組は出来ます。

【私が見聞きした同性愛者】
 私が今までに見聞きした同性愛者は、以下に述べる(1)~(5)だけです。嫌な思いをした事は一度も有りません。 テレビに出るゲイや、ドラマに登場するゲイは女装して化粧していますが、ケース(4)以外では全て普通の男性の出で立ちでした。

(1) 新大久保の路上 :1966年頃に東京の山手線の 新大久保駅の近くに有った予備校で模擬試験を数回受けた事が有ります。新大久保駅近くの食堂に入ったら、奥さんが「道をうろついている男達は”ゲイ”だ」と教えてくれました。然し、私は、その時”ゲイ”と言う言葉を知りませんでした。(国語辞典を引いても”ゲイ”は無かったと記憶しています。)

(2) 三宮の路上 :1971年に入社して直ぐに、部の先輩に神戸市三宮の呑み屋に連れて行ってもらいました。帰りがけに、「面白い所に連れていってやる」と言って、JR三ノ宮駅の直ぐ東に連れて行かれました。公道にドラム缶を置いて、20人程の男達(ゲイ)が焚火をして、談笑していました。 (現在、サンシティ専門店街になっている場所の近くだったと記憶しています。)

(3) 浜松町の店 :1982年頃、私は東京勤務で気心の知れた3人で週に一、二回は呑み歩きました。その内の一人は浜松町に住んでいて、「面白い飲み屋を見つけた!」と言うので、二次会に利用してみました。倉庫を改造した様な、だだっ広い店でした。

 ドアを開けると右側に20席ほどの長いカウンターが有って、奥に進むと広いスペースがあり、それを囲む様にソファーが沢山並んでいました。男達のグループと女達のグループが、10組以上がソファーに座って、楽しそうにワイワイ言いながら飲んでいました。

 暫くすると音楽が流れて、男は男、女は女のカップルで楽しそうに踊り出しました。ゲイとレスビアンの店だったのです。ダンスが終わるとソファーに座り、暫くすると、またダンスが始まりました。

 酒の肴は簡単な物しか有りませんでしたが、安く飲めた事と、皆が楽しく過ごしていたので、それ以来、月に一度はこの店で飲みました。ストレートの客は私達三人だけでした。

(4) 女装した男性 :1990年頃、家の近くの公道に平行して四、五階建ての市営住宅が有りました。PTAで「市営住宅に、子供達に一物を見せる輩がいる」と問題になりました。私が見に行くと、連れの方が「あの二階の部屋だ」と言いました。部屋の中をウロウロする大柄の女性がいました。下校する小学生の集団が近付くと、窓を開けてスカートを降ろして、無言で『一物』を取り出しました!

 子供達は完全に無視していました。彼女(?)は『骨折り損のくたびれ儲け』だったので、PTAは何もしなかった様でした。

 二、三年前に奥さんを亡くされて、それ以来、奥さんの服を着る様になり、勤めも辞めてしまった様でした。近くのスーパーで、女装した彼(?)を時々見掛けました。 彼(?)はゲイだったのでしょうか?精神障碍者だったのでしょうか?!

(5) 手を繋いで歩く男性達 :去年(2022年)お昼頃に、大阪市生野区の人通りの少ない道を散歩していると、前から作業服を着た中年の男性が、二人歩いて来ました。近くのコンビニで弁当を買ったと思われるレジ袋を持っていました。近づくと、手を握って楽しそうに話していました。 すれ違って→→振り向くと→→手を固く握りしめていました。

 聖パウロが二人を見たら「”背徳者”どもめ!」と思ったでしょう。荒井勝喜氏は「虫唾が走る」と言うかも?知れません。 私は、「楽しそうで、よろしいな!」と思いました。

【マツコ・デラックス】
 私は、マツコ・デラックス(松井貴博)氏が嫌いで、テレビに登場するとチャンネルを回します。『ゲイ』を売り物にして、発言が高飛車で傲慢な様に見えるからです。 私の妻は「ゲイは嫌いだ」と言っていますが、その主原因はマツコ・デラックス氏の様です。 マツコ・デラックス氏は、ゲイの悪いイメージを多くの人に植え付けている様に思われませんか?

 「マツコ・デラックス氏の人気は、直ぐに落ちるだろう」と予想していましたが、不思議と長く続きます。 何で人気が有るのか?サッパリ分かりません。

自動車革命と世の中の変化 (その3)

2023-03-11 12:47:11 | 工業技術
【はじめに】
 今回は、自動車革命についての最終稿です。

 私が物心付く前(1948年)に、木炭バスが故郷を走っていたそうです。1950年頃、まだ乗用車もバイクも殆ど見掛けませんでした。それから『第一次自動車革命』が始まり、故郷でも殆どの家が自家用車を持つ様になりました。その後、高齢化が進んで廃車した家が増加しています。 現在は『第二次自動車革命』が始まっています。今後、世の中はドンナニ変化するのでしょうか?!

【第一次自動車革命】
 日本では戦後急激に自動車が普及しました。私は、終戦から2016年までを『第一次自動車革命』の時代だったと思います。自動車は生活と産業にとって不可欠な物になり、自動車産業は急激に成長して外貨を稼ぎ、『自動車は国家なり』と言える状況になりました。

・・・ 自動車の保有台数の推移 ・・・ 出典=検察庁の資料
★ 1950年 :70万台 ・・・終戦は1945年
★ 1960年 :300万台
★ 1970年 :1,900万台
★ 1980年 :3,900万台
★ 1990年 :6,100万台
★ 2000年 :7,600万台
★ 2010年 :8,000万台
★ 2018年 :8,300万台
(注記) グラフから読み取った数字なので多少正確さに問題が有ります。

 『第一次自動車革命』を達成する為に、国と自動車メーカーがドンナ工夫と努力をして来たのか? 概要を以下に書いておきます。(私も少しだけですが、参加出来ました。)

 現在市販されている車には、ユーザーに知らされていないコネクターが付いていて、専用のパソコンに接続すると→→どの系統が破損しているのか?表示する様になっています。

(1) 道路網の整備 :1963年に日本で最初の高速道路が開通しました。(名神高速道路;尼崎IC~栗東IC) 国道、都道府県道等々が整備/新設されました。過疎地では産業が少なかったので、道路工事が重要な産業になった時期が有りました。

(余談 :故郷へ) 私の家は神戸市に有り、故郷は和歌山県田辺市龍神福井です。昔は車で6時間以上かかりましたが、高速が出来たのでキッカリ3時間で帰れます。集落から龍神温泉まで昔は山越えのクネクネ道を車で走ると、2時間ほどかかりましたが、トンネルが数本出来たので30分で行けます。集落の人達は、時々公営の露天風呂を楽しんでいる様です。

(2) 車の価格 :日本は、(世界に例の無い)軽自動車と原動機付自転車の優遇処置を取ったので、庶民でも買える様になったと思います。(軽自動車の優遇は1949年から始まりました。)

(3) 騒音対策 :保有台数が増加すると、車が発生する騒音が社会問題になって来ました。高速道路の周辺では沢山騒音訴訟が起こされました。①防音壁/能動制御防音壁の設置、②高機能塗装(水と空気を通す塗装)、③ノージョイント化(路面のつなぎ目を無くす)などの対策が施されて、道路周辺の騒音は低減しています。

 なお、高機能塗装は水溜まりを減らすので、スリップ事故を減らす効果も有ります。 更に、水と空気を通すので、道路の横に植えた樹木が、道路の下に根を広げる事も出来→→都市部の緑化に少し貢献しています。

(4) 排気ガス対策 :1999年当時の石原慎太郎知事が、真っ黒いススの入ったペットボトルを見せて、ディーゼル車の排気ガス問題を呈示しました。以来、メーカーが努力して『クリーンディーゼル』と呼ばれるディーゼルエンジン車が開発されました。

(5) 燃費の向上 :大昔の車の燃費は『数km/リットル』でした。①エンジンの吸排気弁の改良、②DOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)、③ターボチャージャーを設ける、④エンジンを電子制御する、⑤車体の軽量化、⑥車体を流線形にして空気抵抗を減らす、⑦タイヤの性能改善・・・等々で大幅に燃費は改善されています。 ガソリン車でも『20km/リットル』以上が達成されています。

 究極の燃費向上策はハイブリッド車の開発でした。 『30km/リットル』以上のハイブリッド車が市販されています。 燃費が向上すると→→燃料の消費量が減り→→排気ガス量が減り→→環境汚染問題が軽減します。

(余談 :私とDOHCの思い出) 私は大学で機械工学を学びました。(1970年)4年生になると『卒業設計』と『卒業実験』が必修でした。授業の無い時間、(夕方から夜に)各自が取り組むのです。『卒業設計』では、自分で機械と仕様を決めて、強度/性能計算書を作成し、組立図と主要部品の製作図を作成しました。

 1969年に日産がスカイライン2000GT-Rを発売し、雑誌にDOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)エンジンを搭載していると紹介されていました。私は卒業設計にDOHCを選びました。非常に難しく、手間が掛かったので、下宿には週に1日だけ洗濯と風呂に帰りました。同級生からは「お前はあほだ!」と言われました。

 完成したら教授が日産からエンジンの図面を取り寄せてくれました。私の作成した図面に良く似ていました。

(6) 安全性の向上 :私の記憶では安全対策を先導したのはベンツです。

6-1) シートベルト ;シートベルトの使用は極めて効果大です。エアバック無しでも助かる確率が高いです。 日本人は従順なので、車に乗ったらシートベルトを着用しますが、アメリカ人は束縛されるのが嫌いな様で、シートベルトを着用しない人が多いい様です。一時期、着席すると自動的にシートベルトが装着出来る装置が市販されましたが、アメリカ人はナイフでシートベルト切断したそうです。

6-2) 衝突エネルギーの吸収 ;大昔の車は、車体を頑丈に作って衝突事故が発生しても、運転者と同乗者の損傷を軽減する設計思想を採用していました。 誰か?が、「運転席より前方を弱くして、衝突したらグニャグニャに壊れる様にして運動エネルギーを吸収させる方が安全だ!」考えました。現在の車は、この思想を改良して設計しています。

6-3) 車体を流線形にした ;車のフロント部に丸みを付けると、通行人と接触した時→→傷を軽減出来ると言う報告が有りました。

6-4) エアバッグ ;火薬で膨らませるエアバッグを1963年に発明したのは日本人(小堀保三郎氏)でしたが、誰も小堀氏の話を信用しませんでした。1970年代にアメリカで実用化されて、1980年にベンツがオプション装備として販売を開始しました。

(余談 :某社の社長の話し) 私はエアバッグの開発チームに参加した事が有ります。量産機械加工業者を探していた時、中規模の会社の社長に見積依頼をした事が有ります。最初訪問した時、社長は「眉唾物だ!」と相手にしてくれませんでした。2週間ほどして再度訪問すると、「是非ともやりたい!」と言うのです。

 社長はエアバッグ付きのベンツに乗っていたのですが、最初の訪問後に『九死に一生を得る』様な追突事故を起こしていたのです。

6-5) 安全確認実験 :自動車メーカーでは新型車を発売する前に、種々の実験をしています。その一つに衝突試験が有ります。車の中に人間の特性に似せて作った、超!超!高価な人形を乗せて→→時速50km/hでコンクリート壁面に衝突させて→→人形にドンナ力が加わったか?データーを採取しています。

(7) 信頼性向上 :「○○が起こる確率は一万分の一である」などと言う話を時々聞きます。発生確率を計算/検討するのが『安全工学』と『信頼性工学』です。 (破損すると人命に関わる事故が予想される)車の重要部品は、『安全工学』と『信頼性工学』をフルに活用して種々の検討を行い→→設計して→→機械的特性が保証された素材を入手して→→部品を製造し→→過酷な条件で実験を行って→→発生確率の検証を行っています。

(8) 利便性向上 :運転しやすさを追求する研究が行われ、種々の機構が開発されました。昔はハンドル操作に大きな力が必要でしたから、大型バスや大型トラックの運転手は男性に限定されていました。現在では、超!大型の建設機械でも女性が運転出来ます。 トラックの座席は座り心地が悪かったですが、快適な座席に取り換える事が出来ます。

8-1) オートマチックトランスミッション(AT) :現在はオートマが普及したので、運転が楽になっています。クラッチ(変速機)が無くなっている分けでは無く、自動的に切り替わるクラッチを採用しているのです。

8-2) パワーステアリング :私が子供の頃の自動車は、ハンドルの先に歯車が付いていて、人力で車軸を動かしていました。現在のハンドルは指先でも操作出来ます。

8-3) 電子料金収受システム(ETC) :日本では1997年からETCの実験が始まりましたが、色々有ってナカナカ普及しませんでした。2022年の普及率は94%の様です。

8-4) カーナビ :1991年にパイオニアが世界で最初のGPS式のカーナビを発売しました。

(余談 :長距離トラック) 2005年頃の話です。既に携帯電話が普及していました。遠方に大きくて重い荷物を運ぶ必要が有りました。助手席に奥さんを乗せた大型トラックがやって来ました。喫煙しながら、運転手と話をしたのですが、「自宅は青森ですが全国を走り回る。一度出かけると10日ほど帰らないので、時々家内を連れて走っている」、「携帯電話にA工場→→B工場に運べ、次はC工場→→D工場に運べと指示が有り、10日ほどすると青森の近辺に運ぶ様に会社が段取りしてくれる」と言っていました。 別の運送会社に依頼した時も、奥さんを連れていました。

 全国各地に大型トラックの運転手さん達が利用する、広い駐車場が付設された食堂が有ります。大抵は少し交通の不便な所に有るので、一般の方は余り利用されません。私は、その手の食堂を何カ所か利用しました。ボリューム満点で、安くて美味しかったです。

【第二次自動車革命】
 私は、中国が電気自動車(EV)の普及に取り組みだした『2016年』から『第二次自動車革命』が始まったと考えています。

 EVの技術はそれほど難しくないので、第二次自動車革命の課題は『自動運転に関する技術開発と実証実験/問題の抽出』だと思います。『レベル4』は公道で試験を行っています。

(1) 自動運転車 :レベル4→→レベル5
(2) 電気自動車(EV)

【電気自動車が普及してきたら】
 私は、2022年2月11日に『電気自動車(EV)の問題点 (その1)』、18日に『・・・(その2)』を投稿しました。 そこで触れ無かった問題点と世の中がどう変化するか?について書きます。

(1) 車の価格 :EVは、電池を除いて考えると、部品点数が大幅に減る為に車は安くなると予想します。中国がリチュウム電池の製造設備を近年急激に増設した為に、昨年(2022年)夏頃からリチュウム電池の在庫が急激に増加しています。今後、リチュウム電池メーカー間で熾烈な競争が始まり→→電池の価格が低下し→→EVも安くなると私は予想しています。

(2) 家庭用電気料金 :EVが普及してくると、電力の需給が逼迫(ひっぱく)して家庭用電気料金も高くなる恐れが有ります。(想像以上に電気料金が高くなる様だと、EVは普及し無くなるでしょう!)

(3) 燃料税の減少 :現在、燃料税(ガソリン税など)は年間『4兆円』ほど徴収されたいますが、電気には燃料税の様な税金が掛かっていないので、EVの普及に連れて税収は減ってきます。 多分、財務省は「EVの電気を区別して、税金を徴収する手段を模索している」と想像しています。

(4) 車の寿命 :EVになると、電池とタイヤを除くと、部品の点数は少なくなり、寿命の短い物が無くなります。『ユーロ7』では、「走行距離20万kmまたは10年間、規制値を保持する事」を要求しています。言い換えると、現在の常識では考えられない長い!長い!『保証期間』を要求しているのです。それだけ、EVの寿命は長いと考えているのだと想像します。

(5) 雇用の喪失 :EVの部品点数は大幅に少なくなるので、以下の職場で沢山雇用が失われます。
5-1) 自動車メーカーの工場従業員
5-2) 部品メーカーの従業員
5-3) 修理工場の従業員

(6) 中国の台頭 :今からエンジン車の会社を起こすのは高度な技術者をスカウトして、莫大な資金を集める必要が有ります。然し、EVの新会社を設立するのは、比較的簡単だと思います。その証拠は、中国が近年、EVを量産し始めた事です。

 EVでは、自動車メーカーが長年努力して蓄積した技術が必要で無くなります。日本を含めた欧米の自動車メーカーは、国家と一体になった中国のメーカーと熾烈な価格競争に立ち向かう必要が有ります。「中国車に関税を掛ける等々の対策をしないと、太刀打ち出来ないのでは?」と危惧しています。

 EVでは、価格競争が激化して、自動車メーカーの収益が大幅に低下すると予想します。『自動車は国家なり!』と言う時代が終わるのです。日本は別の『○○は国家なり!』と呼べる産業を育てる必要が有ります。

(7) 電池のリサイクル :リチュウムイオン電池は既に沢山使用されています。日本政府は2001年に『資源有効利用促進法』を制定し、リチュウムイオン電池のリサイクルを行う一般社団法人JBRCが設立されました。携帯電話については『MRN(モバイル・リサイクル・ネットワーク)』と言う組織が取り組んでいます。

 リチュウムイオン電池のリサイクル事業は赤字の様です。現在は、リチュウムは回収出来ず、ニッケルとコバルトが回収されています。 政府はリチュウムイオン電池のリサイクル技術開発に金を出して、採算ベースに乗る技術を開発する必要が有ります。古紙の様にリサイクルで利益が出る様になれば、中国に対抗出来ます。

(8) 高速道路の防音壁が不要 :EVは静か過ぎるのが問題なので、音を発生する装置が義務付けられています。EVが普及したら高速道路の防音壁が撤去されて、景色を楽しみながら旅行する事が出来る様になると思います。

【ガソリンスタンドが少なくなってきます!】
 自動車の燃費が改善したのが最大の原因で、既に日本のガソリンスタンドの数は激減しています。ピークだった1994年には全国に6万ヵ所有りましたが、30年後の現在3万ヵ所以下になっています。

 EV用の急速充電器の規制を政府は23年度に緩和する方針を発表しました。ガソリンスタンドに急速充電器を設置しても、自家用車(マイカー)や業務用車の多くは家や事務所で充電すると予想されます。コンビニ、スーパーマーケット等の駐車場に急速充電器が設置されると予想します。 EVが主流の時代になったら、ガソリンスタンドの経営は成り立たなくなる可能性が有ります。

 消防法の改正で、2018年から、ガソリンスタンドの地下タンクは40年経過したら改修が必要になりました。タンクの回収には億円単位の金が必要ですから、ガソリンスタンドは益々減少すると予想します。→→仕事を失う方が沢山出てくるのです。


・・・ ガソリンスタンド数の推移 ・・・
★ 1994年 :60,000ヵ所 (100%)
★ 2000年 :53,600ヵ所 ( 89%)
★ 2010年 :38,700ヵ所 ( 65%)
★ 2019年 :29,600ヵ所 ( 49%)
出典 :不破雷蔵 『ガソリンスタンド数や急速充電スタンド数の推移をさぐる(2020年公開版)』

【自動車修理工場の仕事】
 以下に述べる様に、EVが普及したら自動車修理工場の仕事は減ると予想します。 電池とタイヤを除いて、EVの寿命は長いと思われるので車検の必要性について国は検討するべきだと考えます。

 EVは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの代わりに直流電動機(DCモーター)が付きます。構造が単純で部品点数が飛躍的に少なくなります。交換/点検が必要なスパークプラグ、エアフィルター(ろ過紙)、オイルエレメントが有りません。勿論、エンジンオイルも不要です。EVは、減速時にモーターが発電機になってブレーキ(回生ブレーキ)の役割をするので、ブレーキパッドの消耗毛が少なくなります。

 DCモーターは速度制御が簡単で、起動時に大きなトルクを発生させる事が出来るので、EVではクラッチ(変速機)が不要です。この点でも、修理工場の仕事は減ります。(但し、終減速機はEVでも必要だと思われます。)

【レベル5自動運転EVが普及したら?!】
 全国どこに行くのにも、人工知能(AI)が自動車を運転する『レベル5自動運転EV』が利用出来る時代を想像して見て下さい。車内にはハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルは有りません。 運転免許証は必要有りません。ご婦人達は会話を楽しみながら、気軽に観光旅行に出掛けられます。 電池の残量が少なくなると、AIが急速充電器の有る場所を探すので、”ガス欠”の心配が有りません!

FS映画の世界の様ですが、私は10年~15年後には『レベル5自動運転EV』が市販される様になると予想しています。『レベル4』は現在既に公道試験を行っています。『レベル4』の問題点を洗い出して、少し技術を高めれば『レベル5』が完成します。 問題は、国が『レベル5』に対応出来る様に道路を整備し、法律を整備する事です。









自動車革命と世の中の変化 (その2)

2023-03-04 12:26:10 | 工業技術
【はじめに】
 今回と次回は、ハイブリッド車(HV)と電気自動車(EV)が普及したら①世の中がドンナニ変化するか? ②普及させる為にはドンナ事が必要になるか?考えて見ました。

 ハイブリッド車は、❶燃費を向上させるだけで無く、❷ガソリン車やディーゼル車の排気ガス問題を低減させる為に開発されました。❶と❷の何方に重点を置くか?でハイブリッド車の方式が異なり、価格に差が出ます。 ハイブリッド車の方式について少し詳しく書きました。

【ハイブリッド車】
 ハイブリッド車(HV:ハイブリッドカー)には種々の方式の物が市販されています。方式の違いによって同じクラスのハイブリッド車でも価格に差が有ります。ハイブリッド車を選ぶ時は、①年間どのくらい利用するか?②燃料価格はどの程度になると予想するか?③メンテナンス費用?などを加味して決める必要が有ります。我が家の車の年間走行距離は3,000km以下なので、ガソリン車の方が経済的だと私は思います。

 15年ほど前に近所の御主人が65歳でリタイヤされ、直ぐに大型のハイブリッド車に買い替えられました。奥さんが病身で旅行などは出来ず、週に二、三回、数キロ先のスーパーに買い物に出掛ける時以外は殆ど車は利用しませんでした。

 多分、年間走行距離は1,000kmほどだったと思われます。 同じクラスのガソリン車と比べてハイブリッド車の価格は高く、メンテナンス費用も割高ですから、年間走行距離が20,000km以上無いと経済的とは言えないと私は考えました。 近所の御主人は、ハイブリッド車のメリットとデメリットを調べ無かったと思います。

(1) 原動機の種類 :日本で生産されているハイブリッド車にはガソリンエンジンが採用されていますが、ヨーロッパではディーゼルエンジンを使用したハイブリッド車も生産されています。そして、ロータリーエンジンとガスタービンの使用も検討されています。

1-1) ガソリンエンジン :ガソリンエンジンの効率は、ディーゼルエンジンよりも低いですが、軽量でコンパクトです。 冷却水が必要です。(自動車用ガソリンエンジンの熱効率は24~28%程度です。)

1-2) ディーゼルエンジン :ディーゼルエンジンは、効率が高いのですが、重くて/図体が大きく、冷却水が必要です。 (トラック用のディーゼルエンジンの熱効率は30~34%程度です。)

 ディーゼルエンジンの最大の問題は、排気ガス(微粒子状物質=PM2.5)です。市販のディーゼルエンジン車には高価な除去装置が付いていますが、PM2.5を一番排出する起動時に除去装置が十分機能しないのです。

1-3) ロータリーエンジン :ロータリーエンジンの長所は、軽量/コンパクトで、振動が小さい事です。ロータリーエンジンは効率が悪い(燃費が悪い)と言われますが、ハイブリッド車に使用する場合はこの問題は軽減されると思います。 冷却水が必要です。

1-4) ガスタービン :ガスタービンは非常に軽量でコンパクトで冷却水が不要すが、自力では起動出来ません。低速時には出力が小さく、効率も悪いです。(定格速度で運転しても、他の原動機よりも効率が悪いです。)

 アメリカがウクライナに支援する事になった戦車(M1 エイブラムス)はガスタービン駆動です。 アメリカは、次世代の戦車(エイブラムスX)をガスタービン発電装置を搭載した電動モーター駆動にすると、(ハイブリッド戦車にすると)昨年発表しました。

(2) 原動機と電動機の役割分担 :ハイブリッド車には、原動機(エンジン)と電動機(モーター)に役割を分担させています。その方式には以下の3種類が有ります。

2-1) シリーズハイブリッド方式 :エンジンに発電機を接続し→→発電した電気で電池を充電し→→モーターで車軸を駆動するのをシリーズハイブリッド方式と呼びます。 エンジンを最適な条件で運転出来るので、効率が高い(燃費が良い)のですが、車の価格が高くなってしまいます。

2-2) パラレル(平行)方式 :発進時や急加速時にモーターに働いてもらい、走行中はエンジンが主体になって働く方式です。電池の容量を小さく出来るので、車の価格を安く抑える事が出来ます。

2-3) マイルドハイブリッド方式 :マイルドハイブリッド方式はパラレル式の一種です。車の発進時のみモーターを動かし、エンジンをサポートさせます。

(3) 原動機と電動機の結合方式 :ハイブリッド車には、(以下に説明する様に)2種類の原動機(エンジン)と電動機(モーター)の結合方式が有ります。

3-1) 同軸式 :同軸式とは、エンジンとモーター間にクラッチを挿入して、モーター単独でも車を運転出来る様にした方式です。 エンジンは、起動から低速運転では汚い排気ガスを出すので、この間を(排気ガスを出さない)モーターで駆動するのです。

3-2) 別軸式 :別軸式とは、エンジンとモーターをパラレルに配置して、エンジンでもモーターでも車軸を動かせる様にした方式です。大型のモーターでも採用出来るので、トラック等には適した方式の様です。

(4) プラグインハイブリッド車 :プラグインハイブリッド車(PHV)では、通常のハイブリッド車よりも大容量の蓄電池を搭載して、外部電力で蓄電池を充電出来る様にしています。 電気料金が安い時はEVとして、ガソリンや軽油が安い時は内燃機関車として使用出来ます。

 日本政府は2020年から、クリーンエネルギー自動車(CEV)として、プラグインハイブリッド車(PHV)を含む4種類の自動車を指定して補助金を出しています。 PHVは価格が高いので、補助金を付けても一部の用途で無いとペイしないと思われます。

(5) 給電コンセント付きハイブリッド車 :給電コンセントが付いたハイブリッド車が市販されています。停電時やキャンプに行った時に、家庭電気製品(炊飯器や湯沸かし器)が使用出来ます。

(6) 回生ブレーキ付きハイブリッド車 :モーター(電動機)は発電機としても使用出来ます。走行中の車の運動エネルギーで、ハイブリッド車に付いているモーターを回転させると発電機になります。運動エネルギーを電気エネルギーに変換して吸収出来るのです。発生した電気エネルギーは、蓄電池に充電します。 これを『回生ブレーキ』と呼びます。 (新幹線は回生ブレーキで減速しており、変電所などに設置した電池を充電しています。)

 通常のガソリン車などでは、ディスクを摩擦材で挟んで、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収します。回生ブレーキのメリットは、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して再利用出来る事と、ディスクブレーキで発生する粉塵(マクロプラ)を大幅に減らせる事です。(緊急停止する場合は、ディスクブレーキも作動します。)

【ハイブリッド車を普及させる為には!】
 日本でハイブリッド車の普及を阻害する要因は殆ど無いと思います。燃料価格が高止まりするか?更に高くなると、走行距離が長いユーザーは、ハイブリッド車に買い替えると予想します。政府がやるべき事は殆ど有りませんが、大型トラックのハイブリッド車に補助金を出して普及させるべきだと思います。(プラグインハイブリッド車への補助金は廃止すべきです。)

 日本には深刻な環境汚染問題が無いので、電気自動車(EV)を普及させる必要性が有りませが、欧米諸国に輸出出来る車は、近い将来電気自動車(EV)なってしまいそうな状況です。 日本の自動車メーカーは、国内の工場ではガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車を生産し、海外の工場ではEVを製造する事になりそうです。国際競争力を維持して、会社を運営出来るか?心配です。

【ハイブリッド車が普及したら?!】
 前述の様に市販のハイブリッド車には様々な方式が有ります。どの方式が普及するかによって、世の中の変化に違いが生じると思われます。マイルドハイブリッド方式では変化は少ない→→プラグインハイブリッド車が沢山出回ると変化は大きくなると予想します。

・・・ 好ましいい変化 ・・・
① 高効率 →→原油の輸入量が減らせる。
② 燃料消費が減る分だけ環境が改善する。

・・・ 問題点(好ましくない変化) ・・・
❶ 車の価格が高くなる。
❷ メンテナンス費用が高くなる。
❸ 燃料税がダウンする→→税収の減少。
❹ 車体重量が増加→→道路の負荷が増大して→→道路のメンテナンス費がアップする。

【電気自動車を普及させる為には!】
 前述の様に、日本国内で急いで電気自動車(EV)を普及させる必要性は無いと私は思いますが、何故か?少しずつですがEVが売れています。 欧米諸国からの政治的圧力で、政府がEV化を進めざるを得なくなる事が予想されます。

 EVが普及してきた場合に政府がなすべき責務は、次の2点だと思います。 ❶発電所を増設して、電力供給設備の能力を高めること、❷自動車関連の雇用喪失対策。 政府は急速充電器に補助金を出している様ですが、貴重な税金の無駄使いだと思います。

 なお、2022年2月11日と18日に『電気自動車(EV)の問題点 (その1)』と『・・・(その2)』を投稿しました。是非とも読んでみて下さい。

【電気自動車が普及したら?!】
 中国がリチュウム電池の製造設備を急激に拡大した為に、昨年(2022年)から生産過剰の状態になっており、リチュウム電池の価格が暴落する可能性が有ります。現在、EVの価格の『1/3』がリチュウム電池の価格だと言われていますので、近い将来、EVはガソリン車より安くなるのでは?と私は期待しています。

 EVは『静か』なために、目の見えない人にとっては危険な車です。その為に、音を発生する装置を取り付けている様です。

(余談) 近所に、目は人並みで、歩くのにも、物を持つのにも全く支障の無い方おられたのですが、急に耳が悪くなって全く聞こえなくなりました。「車の音が聞こえないので、公道を歩けない」と言って、買い物に行けなくなりました。

・・・ 好ましいい変化 ・・・
① 都市部の環境が改善する。
② 車の価格が安くなる可能性が有ります。
③ 車のメンテナンス費が安くなる可能性が有ります。・・・電池の寿命を別にすると。

・・・ 問題点(好ましくない変化) ・・・
❶ 電力需要が増大する→→電気が不足する。
❷ 燃料税がダウンする→→税収の減少。
❸ 雇用が大幅に減る。