これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

私とKGB

2022-03-26 08:47:14 | スパイ
【プーチン氏は根っからのスパイです!】
 ロシアのプーチン大統領は、ソ連国家保安委員会(KGB)のスパイでした。(KGBに16年間も在籍していた様です。)大学(レニングラード国立大学)を卒業して→→厳しい訓練を受け→→5年間ほど旧東ドイツで諜報活動し→→中佐になりました。 ソビエト崩壊後の1996年に政治家に転身しました。 1995年にロシア連邦保安庁(FSB)と言う機関が出来てKGBと同じような諜報活動をしています。政治家になったプーチン氏は、1998~99年までFSBの長官を勤めました。

 1999年に首相→→2000年~08年大統領→→08年~12年首相→→12年~現在・大統領 プーチン氏は23年間程も君臨しているのです。 弊害が山の様に積もっていると思われます。 韓国から優秀な専門家を雇って、『積弊清算』の粗治療をする必要が有ります。

 プーチン氏がスパイだったと言う記事は沢山出ていますが、KGBがドンナ事をやっていたのか?と言う報道は有りません。 多くの方は、「KGBは日本では活動しなかった」と誤解されている様なので、私の経験を書きます。

 ウイキペディアによると、FSBの要員は35万人もいるそうです!

【ソビエトとの商談】
 1980年代の話です。当時はソビエト連邦の時代でした。ソビエトから十数億円の商談が入り、モスクワでの長い商談の末・サイン寸前までこぎ着けましたが、何故かサインをしてくれませんでした。私は現地には派遣されなかったのですが、三人モスクワに足止めされていました。

 男性が東京本社に来て、「(ソビエトの衛星国の)某商社(A社)に〇百万円現金を届けたらサインする。私を信じられないと思うので、最後の交渉の時の出席者名を記載した席の配置図を持参した」と言うのです。

 私は直ぐに、大手企業の懇意にして頂いていたベテランの営業マンに相談に行きました。ソビエトと商談する人達の間では、次の❶~❹は常識だと言われました。

❶ A社はKGBが活動資金を調達する機関で、要求された現金を渡さないと、サインして貰えない。(A社は、日本を代表する有名な某ホテルの一室を事務所にしている。)

❷ モスクワから東京本社に掛けた電話や、ホテルでの会話は全てKGBに盗聴されている。 商談は日本で行うべきで有るが、ソビエトでする場合は盗聴されている事を前提にする必要が有る。 (現地での交渉内容は、逐次・担当の重役に電話で報告されていました。)

❸ 要求金額を呑んでも、貴社が契約するとKGBは判断している。( 逆に、契約金額はA社に渡す裏金を含んだ値になっている。)

❹ KGBが、日本で活動する為に足の付かない『円』が必要なので、ソビエトとの取引ではA社に金を渡す必要がある。

(注記) A社に渡す金は、税務署は経費として認めてくれませんから、裏金を作る必要が有りました。

【ハニートラップ】
 綺麗な女性諜報員が、色仕掛けで男性を誘惑して、情報を得る事を『ハニートラップ(honey trap)』と呼びます。

 1980年から4年間ほど、私は東京本社勤務でした。 友人達と若いマスター一人でやっている十数人しか入れないカウンター席だけの呑み屋に、月に一、二度行っていました。 客は大手企業の三十歳代の男性がほとんどで、四十歳代と二十歳代が少しいました。 女性は一人も見た事が有りませんでした。

 皆さん、目的の高級クラブから「重役さん達が帰ったから来て」と電話が掛かるのを待っていたのです。 そんな分けで、入れ替わり立ち代わり・客は出入りしましたが、店にいる間は皆で愉快な話をしました。

 ある晩、「B君が、初めてモスクワに出張するらしいので、乾杯をしよう!」と叫んだので、皆で盛り上がりました。(B君は大手商社の社員でした。) 10日程して、その店で呑んでいたら、B君が入って来ました。 B君が得意満面の顔で、「僕は日本ではモテないけど、ロシアではモテた!」と言い出しました。

 「モスクワの呑み屋からホテルに帰る途中で、若い綺麗な女性が英語で話しかけてきて、二人で飲みに行ったのだそうです。 その夜中に、ホテルのドアを叩く音がして、開けたら先ほどの女性が立っていたので、朝まで楽しんだ」と得意げな顔で言いました。

 四十歳代の男性が、「ロシアで流暢な英語を話す若い女性は100%・KGBのスパイだ!」、「後日、ホテルで楽しんでいる写真を持った男が近づいて来て、KGBに協力しないと写真をばら撒くぞ!と脅迫する」・・・B君に十分気を付けろとアドバイスしました。

 その次に呑み屋に行ったら、B君がいたので「その後、どうでした?」と聞いて見たら、『会社の近くの道を歩いていたら、日本人の男性が近づいて来て、封筒からホテルの夜の写真を見せて、「KGBに協力しなかったら、この写真をばら撒くぞ!」と脅した。「僕は独身だから、ばら撒かれても困らない」と言うと去っていった』と言う様な話をしました。 スパイの女性の顔が写っているのですから、写真はくれなかったそうです。

 B君は大手商社の社員でしたから、ソビエトとの商談時に内部機密情報(どこまで値引き出来るか?)をリークさせようとの目論見だったと推察されます。

 貴方の恋人や旦那さんが、ソビエトやロシアに出張した事が有ったら、「ハニートラップ引っかかった事が有るのでは?」と疑った方が良いかも知れません。

 貴方の周りで、「ロシアがウクライナに侵攻したのは、ウクライナと西側諸国にも責任が有る!」と主張される方がいたら、ハニートラップに引っ掛かった哀れな人では?と疑って見るべきです。

【スパイ防止法】
 1985年に自民党が議員立法として『国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案』を提出しましたが、審議未了で廃案になりました。 現在でも、日本にはスパイ防止法は無く、スパイ天国と呼ばれています。

 ソビエトが崩壊したのでKGBは廃止されましたが、その後はロシア連邦保安庁(FSB)が諜報活動を行っています。FSBは、日本でKGBと同じ様な事をやっているのでは?と思われます。

 前述のA社に闇の金を渡すのは違法行為です。バレると担当者と企業は罰せられますが、A社を取り締まる法律は有るのでしょうか?!

 B君に接触したのは日本人の男性でした。KGBで日本人も暗躍していたのです。 その為に『円』が必要なので、A社が金集めをしていたのだと思いました。

ウクライナの問題と橋下徹氏の主張

2022-03-19 09:25:44 | 国際問題
【はじめに】
 私はウクライナ問題について、2月26日に『ウクライナへの侵攻』、3月12日に『ロシアを常任理事国から外しましょう!』、2回投稿しました。

 外国で日本の有名人(橋下徹氏)が、「人命が最優先だから、ウクライナはロシアに妥協して戦闘を停止すべきである!」と言う様な発言をしたと報道していました。 私は橋下氏の主張に違和感を感じたので、どこが私の考えと違うのか?ジックリ考えて見ました。

【ウクライナの基本データ】
 大昔のウクライナは現在よりも広い地域を支配していましたが、西側がポーランドに編入され、現在のウクライナは昔・ロシア帝国の一部になりました。ロシア革命後に1917年~20年・短期間独立国家でした。 その後、ソビエト連邦に吸収され、ソビエト連邦が崩壊した91年に独立しました。

 ソビエト連邦時代には農業が盛んで、工業地帯でもあり、ソビエトにとっては重要な地域だったと思います。

① 1917年 :独立→→ウクライナ人民共和国
② 1920年 :人民共和国政府が亡命して→→ソビエト連邦に併合された。
③ 1991年 :ソビエト連邦が崩壊→→ウクライナが独立

★ 人口 :4,373万人 (ロシア人≒17.3%)
★ 面積 :60.4万km2・・・日本の1.6倍
★ 一人当たりのGDP(MER)(2020年) :3,741USドル・・・日本≒40,089USドル
★ 一人当たりのGDP(PPP)(2020年) :13,128USドル・・・日本≒42,212USドル
★ 国境を接する国:ロシア、ベラルーシ、ポーランド(NATO)、スロバキア、ハンガリー(NATO)、ルーマニア(NATO)、モルドバ

【プーチン氏の要求】
 現時点で、プーチン氏がウクライナに要求している内容は以下の❶~➍の4点です。

 私は、4項目全てを認め無かったらプーチン氏は侵攻を終了させない腹積だと想像します。 4項目全てを認めても、ゼレンスキー政権の存続は認めない→→傀儡政権を樹立すると見ています。 そして、民主的な選挙による国会議員の選出も認めないでしょう! これは、ウクライナの植民地化です。

 更に要求をエスカレートさせて、ウクライナ全体をロシアが併合する恐れも有ります。

・・・ プーチン氏の要求 ・・・
❶ ウクライナの非武装化
❷ 北大西洋条約機構(NATO)に参加しては駄目だ!
❸ クリミア半島の併合を認めろ!
❹ ウクライナの東部の2州を独立国家として認めろ!

【堀江貴文氏】
 2011年に堀江貴文氏が、「戦争するくらいなら、尖閣をあげちゃえば!」と発言して、バッシングされました。 尖閣諸島は現在無人になっており、堀江氏の考えに賛同された方がいたのでは?と思います。 然し、中国は「かって朝貢していた国は、中国の領土だ!」と主張しているので、尖閣を簡単に渡したら、「沖縄をよこせ!」と要求してくる恐れが有ります。

 プーチン氏は「4,373万人も住んでいる国全体をよこせ!」と主張しているのです。 堀江氏は多分、中国が日本全体を要求したら「戦争するくらいなら、あげちゃえば!」とは言わないと思います。

【橋下徹氏の主張に対する反論】
 橋下徹氏は、「人命が大切だから、ロシアと交渉して、妥協点を見付けて、ウクライナ人は停戦すべきである!」と連日のように主張しています。見方によっては、「今回の問題はウクライナ側に責任が有る」と主張されている様に思えます。 私は、プーチン氏のエゴで起こした戦争だから、橋下氏はプーチン氏に対して、「人命が大切だから、ウクライナと交渉して、妥協点を見付けて、停戦すべきである!」と言うべきだと思います。

 橋下氏を支持する方は多いい様なので、「ウクライナに関する発言にも賛同されているのでは?」と想像します。 然し、橋下氏は前述のプーチン氏の不埒千万な要求については言及されません。橋下氏の主張は、プーチン氏の要求が常識的な内容で有る時のみ受け入れる事が出来ます。

 前述の❸と❹の要求だけならウクライナは呑めるかも知れません。然し、莫大な戦費を使って、それだけしか成果が得られ無かった時、プーチン政権が存続出来ると思われますか?

 ソビエトのアフガニスタン侵攻の時の様に戦争が膠着状態になったら、❸と➍の要求だけでプーチン氏が矛を収める可能性が有ります。 然し、そんな状況になりそうになったらプーチン氏は化学兵器や生物兵器を使用して、ウクライナ人の多量虐殺を行う恐れが有ります。 数十万人の市民が虐殺されたら、NATO諸国は軍事行動に出ざるを得ないと予想します。→→第三次世界大戦になる恐れが有ります。

 プーチン氏が核兵器の使用を仄めかせているのは、NATO諸国の軍事介入を防ぐ為の牽制球だと思われますが、膠着状態が続いたらキエフ等に小型の核爆弾を打ち込む可能性が有ります。→→NATOが軍事行動を起こして、→→第三次世界大戦に突入するかも知れません。

 ❷のNATOに参加しないと言う要求については、ウクライナが今・約束しても、ウクライナが軍隊を持った民主主義国家のままだったら、「永遠にウクライナが約束を守る」とプーチン氏は考えないでしょう。 ❷は❶とセットの要求なんだと思います。

 ❶の武装解除の要求は、「ウクライナが軍隊を解散したら、ロシア軍を撤退させる」と言っているのでは無いと思われます。 武装解除したゼレンスキー政権を存続させて、ウクライナが民主主義国家のままで、外交権を維持したら、将来・ロシアの覇権主義に異を唱える可能性が有ります。

 要するに、❶の「武装解除をしろ!」と言う要求は「ウクライナにロシアの傀儡政権を樹立する」と主張しているのです。 「無条件降伏しろ!」と言っているのと同じです。

【橋下氏の別の主張】
 橋下氏は、NATOがウクライナに「NATOに参加しませんか!」と誘った事が、事の始まりだから、「NATOはプーチン氏に譲歩して戦闘を終わらせるべきである!」と言う様な主張をされています。

 A家に息子(AA君)がいて、B家に眉目秀麗なお嬢さん(BBさん)がいて、BBさんに片思いしているストーカーのCC君がいたとします。AA君がBBさんにプロポーズしました。 それを聞いたCC君が自動小銃を持ってB家に乗り込み「俺の言う事を聞け!」と脅しています。

 第三者のH氏が割り込んできてA家の主人(A氏)に、「お前の息子がBBさんにプロポーズなんかするから、CC君が怒ったのだ! 責任を取って仲裁しろ!」と言いました。 H氏は、A氏に「息子AAには諦めさせて、一億円あげるから銃を収めてくれ!」と言わせようとしているのか? A氏をB家に行かせて「殺されるよりはマシだから、CC君の言う様にすべきだ!」とでも言わせるつもりでしょうか?!

【他山の火事では有りません!】
 岸田政権は欧米諸国に追随して、ロシアに対する経済制裁を行っています。 従って、日本はロシアの敵国の仲間になったのです。 ロシアとの貿易が難しい状態になりますから、不況下でのインフレ(スタグフレーション)になる恐れが有ります。 早急に、『しっかり』対策を練って実行する必要が有ります。

 プーチン氏が化学兵器や生物兵器を使用して多量虐殺をしたら、第三次世界大戦になる恐れが有ります。→→プーチン氏が日本に先制攻撃してくるかも知れません。 「岸田政権が対応出来るのか?」私は心配しています。

【橋下氏は弁護士です!】
 プーチン氏は、非合法な事をやってでも目的を達成する様に、厳しい訓練を受けた元KGBのスパイです。 国際ルールや人道主義なんか全く気にしない冷血漢だと見るべきです。

 橋下氏は、犯罪者の味方になって、理屈をこねまわして無罪を獲得したり、刑を軽減したりする事を生業にしています。 (今回は多分ボランティアで)プーチン氏の立場に立って発言しているのだと思われます。 偏見と言われるかも知れませんが、「この犯罪者は極悪人だから、無罪になったら、また重罪を犯すだろう!」、「もっと酷い事をするだろう」と気付いても弁護を止める分けにはいかないのが弁護士と言う職業です。

 日本は言論の自由の国ですから、橋下氏が自説を主張しても良いと思います。 然し、彼は大阪府知事と大阪市長を務めた有名人です。 テレビ等で彼が度々発言すると、日本人の多くが彼と同じ考え方だと誤解されそうなのが心配です。 私は断じて彼の考え方を支持しません!

 ウクライナの多くの国民が、生命の危険を恐れずに、ロシア軍に抵抗されている事に敬意を表します。

【停戦交渉】
 今週に入って、ウクライナとロシアが、以下の様な条件で停戦交渉しているとの報道が有りました。 ロシアは既に数兆円規模の戦費を使っていると予想している専門家がいます。 こんなに莫大な金を使ってしまったのに、得られた戦果が『ウクライナの非武装化』だけで、プーチン氏が満足するとは思えません。

 ウクライナと西側諸国にとっては、この条件で停戦出来れば『万々歳』です。 戦後の日本の様に軍隊を持たなかったら、軍事費が必要無いので、ウクライナはその費用を破壊されたインフラの復旧と経済発展に活用出来ます。アメリカとイギリスがウクライナを守るので有れば、西側諸国とその企業はウクライナを支援し/投資するので、短期間にウクライナは復興し→→発展すると予想します。

 この条件で停戦したら、プーチン政権が維持できるか?甚だ疑問です。 プーチン政権が存続出来たとしても、(私が恐れている)バルト三国への侵攻をロシア国民は許さない→→世界は少し平和になるでしょう! ウクライナが短期間で復興し、経済発展を始めたら、今回・プーチン氏に加担したベラルーシ共和国が西側諸国に接近してくるかも知れません。

 一方、「ロシアがいかに非道な国であるか!」を世界に知られてしまったので、西側諸国の企業からの投資は、戦争が終わっても激減すると予想します。 ロシアは中国ベッタリにならざるを得ません。 中国にしか頼れない国に対する、中国のやり方は(北朝鮮でやっている様に)「生かさず殺さず」です。 ロシアは、経済安全保障を中国に握られてしまいます。

漏れ聞こえてきた停戦条件 :ウクライナが軍隊を解散する(非武装化する)、その代わりウクライナの安全保障はアメリカとイギリスが保障する。

【余談 :ロシア人の領土拡大願望】
 ロシアは、ツアリーの時代から領土拡大主義を進めてきました。17世紀後半までに、ロシアは東方に進出して中国(清国)と国境を接するまでになっていました。1689年にピヨトル1世と康熙帝の間で国境を画定する条約(ネルチンスク条約)を締結しましたが、ロシアはその後も少しずつ東方に進出し、清国から樺太やカムチャッカ半島まで奪い取りました。 朝鮮半島も奪おうとし始めたので、日露戦争(1904年~05年)になったのです。

 ロシアは、18世紀ころから温暖な南方方面への領土拡大政策(南下政策)を少しずつ/根気よく続けました。 ロシア帝国の領土は寒冷地でしたから、ロシア人達は国境を越えて、より良い土地に移住しました。ロシア人が定着すると、ロシア帝国がその土地を「我が領土である」と奪っていったのです。→→バルカン半島や中央ウアジアに進出しました。

 領土拡大願望はソビエト連邦になっても持ち続け、→→第二次世界大戦で日本が降伏した後に攻めてきて、北方四島を奪いました。

 1991年にソビエト連邦は崩壊しましたが、ロシア人の多くは今でも領土拡大願望を持ち続けているのだと思います。ソビエト連邦崩壊時に独立した国は、ロシア連邦が「取り戻すべきだ!」と考えている様に思います。 (ロシア国民の多くは、過去三、四百年間も領土拡大願望を持ち続けているのです。)

 高等教育を受けて西側諸国からの情報に接することの出来る若者達が、プーチン氏の覇権主義を批判しているかも知れませんが、ロシアの大半の国民はプーチン氏の考え方を支持していると見るべきです。

 日本は、敗戦で生活に困窮し、日本国憲法を押し付けられたので、「覇権主義は悪だ!」、「民主主義は善だ!」と考える国民が少しずつ、長い年月を掛けて増えてきました。 ウクライナへの侵攻でロシア国民が痛い目に合わないと、覇権主義を捨てて、民主主義的な考え方を持つ様にはならないでしょう!

ロシアを常任理事国から外しましょう!

2022-03-12 04:35:14 | 国際問題
【はじめに】
 ロシアがウクライナに侵攻したのは2月24日ですから、既に2週間以上経過した事になります。 私は正直、こんなに長くウクライナが持ちこたえられるとは思っていませんでした。 ウクライナ国民に敬意を表します。

 今回は私の持論である「ロシアを常任理事国から外すべき!」について書きます。 そもそも、常任理事国に『拒否権』が与えられているのは、5ヶ国が協力して世界平和に貢献してくれる事を期待している為だと思います。 国連加盟国のウクライナを武力で制圧しようとする国は、絶対に常任理事国で有ってはならないのです!

【理想の世界】
 私の考える理想の世界は、「内戦や戦争の無い平和な世界」、「全ての国で独裁者がいなくなり、国民が弾圧される事無く、民主的に暮らせる」事です。 私が生きている内に・そんな世界になって欲しいですが、21世紀末までに実現出来るか?怪しいですね!。

 第二次世界大戦後・アメリカが『世界の警察官』だった頃は、少しずつでも理想の世界が近づいて来そうに思えました。 然し、21世紀になって、アメリカの相対的な力が低下して来たので、理想から遠ざかっている様に見えます。

 ロシアのウクライナへの侵攻を許したら、第二次世界大戦前の「武力で弱小国を制圧しても良い」と言う時代に戻ってしまいます。 日本を含む西側諸国は、ロシアに対する経済制裁の反動で経済的に大きな痛手を被ると予想されますが、耐え忍ぶ必要が有ります。 ウクライナでは、多くの一般人が殺害されています。 ガソリンを始めとした物価の高騰が予想されますが、ウクライナ人の事を考えたら、耐えられるはずです。

【プーチン氏の非情性】
 「パーキンソン病が進んできたプーチン氏が焦って、今のうちにウクライナを手中に収めてしまおう!」と決断したのでは?・・・と言う記事を見かけます。 然し、私は、プーチン氏がKGBで厳しい訓練を受けて、諜報活動(非合法なスパイ活動)を経験した人間ですから「敵対する人間の生命なんか屁とも思わない冷血漢だ」と見てきました。 世界の多くの指導者達は、「少しは・プーチン氏に約束を守り、他国の人命を尊重する心が有るだろう!」と騙され続けてきたのだと思います。 その典型が安倍晋三氏だったと思います。

 私は、プーチン氏と金正恩氏は良く似ている様に思います。「俺に盾突くと、女でも殺すぞ!」と言う態度で、(見せしめの為に)本当に女性も殺して来ました。 ロシア国内でプーチン氏とその一派が、暗殺した人数は100人とも、1,000人とも言われています。

 今回のウクライナへの侵攻は、「俺に従わない国は軍隊を派遣して、攻め取ってやる、俺は世界を壊滅出来る量の核兵器を持っているから、第三国は手出しするな!」と言うプーチン氏の強い意志を表明したのだと考えます。

・・・ プーチン氏の関与が疑われている暗殺事件 ・・・
★ 2004年 :ノーバヤ・ガゼータ紙のアンナ・ポリトコフスカヤ記者が射殺された。
★ 2006年 :ロシアの元スパイのアレクサンドル・リトビネンコ氏がロンドンで殺害された。
★ 2015年 :野党指導者ボリス・ネムツォフ氏が殺害された。
★ 2018年 :イギリスで元ロシア軍情報機関大佐セルゲイ・スクリパリ氏と娘ユリアさんに神経剤の『ノビチョク』が使用された。
★ 2020年 :アレクセイ・ナバリヌイ氏の毒殺未遂事件

【ロシアの軍事行動】
 1991年にロシア連邦が成立しましたが、それ以来のロシア軍の軍事行動を列記して置きます。 2014年のクリミアの併合までの軍事行動は、ロシアの目的を達成しています。 (アフガニスタン侵攻は失敗しましたが、ソビエト連邦時代の軍事行動でした。)

 現在までの軍事行動では、燃料気化爆弾を使用したり、民間人を攻撃したりして、西側諸国から・その都度非難されてきましたが、プーチン氏にとっては口先の非難は蚊に刺された様なものだったと思います。

 クリミアの併合の後に、西側諸国はロシアに経済制裁を加え続けましたが、殆ど効果の無い内容でした。 その結果、クリミアの併合の前年(2013年)の外貨準備高は5,097億USドル→→14年≒3,862億→→15年≒3,680億→→17年≒4,327億→→21年≒6,306億USドルと推移しました。

 クリミア併合の時に、西側諸国は”毅然とした態度”で臨むべきだったのです。 余り効果の無い経済制裁で済ませてしまったので、ロシアに誤ったメッセージを伝えてしまい、プーチン氏が「ウクライナに侵攻しても、西側諸国は大したことは出来ない」と判断した様に思えます。

・・・ ロシアの軍事行動 ・・・
★ 1991年 :ソビエト連邦崩壊→→ロシア連邦
★ 1994年~96年   :第一次チェチェン紛争
★ 1999年~2009年 :第二次チェチェン紛争
★ 2008年 :南オセチア紛争 ;グルジアとロシアの紛争
★ 2014年 :クリミアの併合
★ 2015年~現在 :シリア内戦に介入
★ 2022年 :ウクライナへの侵攻

【プーチン氏とロシア国民の責任】
 習近平氏や金正恩氏とは違って、プーチン氏は国民の直接選挙で選ばれた大統領です。 他国で非合法活動していた、元スパイのプーチン氏を何回も大統領に選出したロシア国民の多くは、「人道主義の欠片すら持っていない」と見るべきです。 ウクライナへの侵攻についての責任は、プーチン氏だけでは無く、ロシア国民にも有ります。

 私は、「軍事力で弱小国を併合すべし!」と言う植民地時代の考え方を、現在のロシア国民の多くが未だに持っていると思います。

 「ロシアの若者達は西側からの情報に接しているので、プーチン氏の覇権主義に反対している」と言う記事を見掛けますが、多くの国民が覇権主義を支持している事が問題です。 ロシア国民の大半が「覇権主義は悪だ!」と考える様になるには、相当長い年月が必要です。

【ロシアを常任理事国から外すべきです!】
 皆さんは、「北朝鮮を常任理事国に絶対してはいけない!」と思われるでしょう! プーチン氏と金正恩氏は、ほぼ同じ『ならず者』ですから、ロシアは常任理事国で有ってはならないのです! 核兵器で他国を恫喝する国は、常任理事国になる資格が有りません。

 「夢物語だ!」と批判されそうですが、「人道主義や自由主義が大切だ!」、「覇権主義は悪だ!」と考える国々を説得したら、ロシアを常任理事国から外す事は可能だと思います。 (国連憲章の第5章・第23条~第32条が安全保障理事国に関する規定です。これらの内容を改正すれば常任理事国から外せます。)

 現在の国連加盟国は193ヶ国ですから、国連緊急特別総会を開いて、129ヶ国が『ロシアを常任理事国から外す決議』に賛成したら、私の夢が実現するのです。 今回、『対ロシア非難決議』に賛成した国は141ヶ国でした。

 今すぐにロシアを常任理事国から外そうと、西側諸国が動き出したらプーチン氏は核戦争を始める恐れが有ります。

 ウクライナの国民が今後も抵抗を続ける事が出来、経済制裁の効果が効いて・ロシアのインフレが酷い状況になったら、ロシア国民に「プーチン氏を追放したら、→→経済制裁を解除して、→→西側諸国はロシアの経済再建に協力する。但し、常任理事国から外す」と宣伝するのです。

 プーチン氏が排除されて、ロシアに新しい政権が出来ても、民主主義国家になるとは思えません。 然し、ロシアが常任理事国で無くなれば、国連は少し世界平和に貢献出来る様になるでしょう!。 そして、常任理事国を外す前例が出来れば、中国は(今までの様に)傍若無人な行動が出来なくなるでしょう!

(余談 :国連緊急特別総会) 特定の問題について、安全保障理事会が決定出来ない時は、常任及び非常任理事国の9ヶ国以上が賛成したら、国連緊急特別総会が開催出来ます。 
 この規定に従って、ジュネーヴで開催された国連緊急特別総会で、3月2日に対ロシア非難決議が採択されました。 この時、賛成したのは141ヶ国で、反対は5ヶ国、棄権が35ヶ国でした。

(余談 :現在の非常任理事国) 現時点の非常任理事国は次の10ヶ国です。 カッコ内は任期期限年です。
 アルバニア(23年)、ブラジル(23年)、ガボン(23年)、ガーナ(23年)、インド(22年)、アイルランド(22年)、ケニア(22年)、メキシコ(22年)、ノルウェー(22年)、アラブ首長国連邦(23年)

(余談 :国連憲章の改正)  過去・3回国連憲章は改正されています。参加国の2/3以上の国が総会で賛成し、2/3以上の国が署名すると改正されます。(和文と英文の国連憲章がインターネット上に公開されています。)

(余談 :国連憲章の不思議) 常任理事国は現在でも、アメリカ、フランス、イギリス、中華民国(台湾=The Republic of China)、ソビエト連邦(the Union of Soviet Socialist Republics)となっています。 中華人民共和国とロシア連邦とはなっていません。
 日本とドイツ等の国は、現在でも『敵国』と明記されています。 (第53条、第77条、第107条を読んでみて下さい。)

官僚について (その7)

2022-03-05 09:16:06 | 改革
【はじめに】
 今回は、『官僚について』の最終稿です。 ❶政治家と官僚の関係が、世界に例が殆ど無い特殊な物になった原因、❷官僚側から見た官僚の問題、➌国立大学や国立研究所の研究員(研究官僚)の問題について書きます。

【戦後日本の政権の歴史】
 学者の目から見た日本の政治家と官僚の「特殊な関係」と「特殊な問題点」については、常木淳先生の『日本の官僚制とその評価― 回顧と展望』を推奨します。10年以上前の論文ですが、インターネット上に無料で公開されています。(17ページ程です。)

 戦後、左派系(≒革新系)の政党が政権を握った期間は非常に短く、逆に保守系の政党が長く続きました。 戦後を77年と数え、細川内閣を革新系に加えても、下に示す様に革新系が政権を握ったのは通算で7年強(約10%)にしかなりません。2009年~12年の民主党政権以外は、何れも短命に終わったので、殆ど何も出来なかったのです。

 戦後直ぐの頃は、官僚達は「天皇に仕える人間で有る」と言う風習が残っていて、高級官僚達は「自分達が国を支え、指導するのだ!」と言う信念を持って活躍した様に思います。議会制民主主義の考え方が少しずつですが、定着する様になってきて、→→国民と政治家の考え方が「政治家が主導すべきだ!」に変わって来ました。→→官僚の主人が『天皇』から『政権与党の政治家』に代わったのです。

 然し、戦後の日本では保守系政権(近年は自由民主党)が長く続いているので、官僚達の主人である『政権与党の政治家』が『自由民主党の政治家』と同義語になってしまいました。 戦前の官僚は天皇には逆らえませんでしたが、現在の官僚は自民党に逆らえなくなっているのだと思います。 その結果、先進国の中で他に例の無い、『日本独特の政治家と官僚の関係』が出来てしまいました。

 この『日本独特の政治家と官僚の関係』は政権与党の政治家と官僚には都合の良いものになっていますが、国家の発展/国民の権利の面では、年々・有害物質を発生させています。

・・・ 日本独特の政治家と官僚の関係の弊害 ・・・
❶ 官僚が政治家の『私事(わたくしごと)』まで忖度して、便宜を図る。
❷ 政治家の考えを忖度して、官僚が公文書を改竄したり、勝手に破棄する。
❸ ボンクラ政治家を大臣に任命しても官僚がカバーしてくれる、→→ボンクラ政治家を延命させる、→→日本の経済を停滞させる。
❹ 優秀な官僚が早期退職してしまう。

 政権を取る可能性が無い共産党や社会民主党などが『官僚は敵だ!』と見做すのは致し方無いと思いますが、野党第一党の立憲民主党が同じ態度では政権を任せられません。政権を取ったら官僚の協力は不可欠です!

 日本も将来、革新系と保守系の二大政党が出来て、政権交代が頻繁に行われる様になれば、官僚に『政治的中立/独立』が要求されます。 逆に言えば、官僚が政治的に中立でなければ『民主主義国家』とは呼べないのです!

・・・ 戦後の政権交代の歴史 ・・・
★ 45年~46年 :日本進歩党(幣原喜重郎)
★ 46年~47年 :日本自由党(吉田茂)
★ 47年~48年(10ヶ月弱) :日本社会党(片山哲)∔民主党∔国民協同党の連立政権
★ 48年(7ヶ月強) :民主党(芦田均)∔日本社会党∔国民協同党の連立政権
★ 48年~49年 :民主自由党(吉田茂)
★ 49年~54年 :民主自由党(吉田茂)∔民主党の連立政権
★ 54年~93年 :日本民主党(鳩山一郎)→→自由民主党
★ 93年~94年(9ヶ月弱) :日本新党(細川護熙)∔新生党∔新党さきがけ∔日本社会党∔公明党∔民社党∔社会民主連合・民主改革連合の連合政権
★ 94年(64日間) :新政党(羽田孜)∔日本新党∔公明党∔自由党∔改革の会∔民主改革連合との連合政権
★ 94年~96年(18.5ヶ月) :日本社会党(村山富市)∔自由民主党∔新党さきがけの連合政権
★ 96年 :自由民主党(橋本竜太郎)∔新党さきがけ∔日本社会党
★ 96年~2005年 :自由民主党
★ 2005年~09年 :自由民主党+公明党連立の連立政権
★ 2009年~10年(9ヶ月弱) :民主党(鳩山由紀夫)∔国民新党∔社会民主党の連立政権
★ 2010年~12年(33ヶ月) :民主党∔国民新党の連立政権
★ 12年~現在 :自由民主党+公明党の連立政権

【官僚側から見た問題 :魅力的職業か?】
 もう死語になってしまいましたが、私の子供の頃は『末は博士か大臣か』と言って、息子に勉強に励め!と諭す親がいました。 博士になるのは今でも大学で博士号を取ればなれますが、戦前に大臣になる為には『文官僚』か『武官僚』になる必要が有りました。

 戦後は官僚から直接大臣になる事は出来ません。官僚から政治家に転身する人は沢山います。そして、キャリア官僚は都道府県に出向して繋がりを設け、後に知事や市長になる方が多くいます。現在、知事の60%程がキャリア官僚出身者の様です。 他の先進国の様に、政権交代が頻繁に行われる様になったら、知事や市長に転身するのが難しくなると思います。 自民党天下が続いても、世襲議員が増えているので、官僚から国会議員になるのは将来は難しくなるでしょう!

 現在は「将来、大臣になりたい」と言う子供は殆どいない様で、多分、「将来、官僚になりたい」と言う子も少なくなっていると思います。 国家公務員のノンキャリア採用試験(一般職試験)や地方公務員の採用試験の受験者は今でも多いい様ですが、高校生や大学生になって「『夢』では食べていけない」と悟って、安定した職業を選択する様になる為だと思われます。

 近年、キャリア採用試験(総合職試験)の受験者が減少しており、特に東大生が少なくなっている様です。そして、若くして辞めてしまうキャリアが多くなっている様です。 この現象を問題視するコメンテーターがいますが、私は自然の流れで有り、寧ろ好ましい事だと考えています。

 総合職試験を目指す様な優秀な若者は、キャリア官僚なんかにならないで、優良企業に入って、バリバリ働くべきです。日本を活性化して、国際競争力を高めて頂きたい!

【官僚側から見た問題 :官僚主義】
 前々回に、国民の目から見た官僚主義の問題について書きましたが、今回は官僚側から見た官僚主義の問題点について書きます。

 官僚は、法律に従って/上司の指示の通りに業務を処理するのが本来の使命です。民間企業では社員の提案が大切ですが、「こんなにしたら、業務を効率化出来る」、「この職場は人が多過ぎる」、「こんなにしたら、外郭団体が必要ない」とか言ったら、多分・同僚から煙たがられると想像します。 役人は、創意工夫に秀でた人には向かない職種なんです。

 2022年1月22日に投稿した『森友問題の赤木氏の事件』に書いた様に、上司から違法な書類の改竄や破棄を指示されたら、従わざるを得ないのが官僚です。

【官僚側から見た問題 :残業が多いい】
 残業が多いいと言うのは本庁勤務のキャリア官僚に、ほぼ限定した問題です。 国会の委員会の答弁案を作成する為に、残業が必要になる様です。 従って、ノンキャリアでは残業問題は殆ど無いと思われます。

対策案❶:委員会の答弁 ; 答弁案は担当の大臣~大臣政務官が協議して決めるべきです。答弁案について官僚のアドバイスを得るのは良いと思いますが、国会の委員会室に官僚が入るのは禁止すべきです。答弁は大臣~大臣政務官の何れかが行うべきです。

対策案❷:残業規制 ; キャリア官僚にも、労働基準法第32条『労働時間』の規定を適用すべきです。 第32条は労働者を保護する為の規定で、『使用者』の残業については制約が有りません。大臣~大臣政務官は使用者だと思います。事務次官などの官僚のトップも使用者に含めても良いかも知れませんが、若手のキャリア官僚は『労働者』に該当すると私は考えています。 そして、当然のことですが、キャリア官僚にも残業代を支給すべきです。

対策案❸:議員立法 ; 法律案の作成は政党か議員達で作成すべきです。そうなったら、キャリア官僚の仕事量は大幅に減って、本来の仕事が出来ます。 先進国では『議員立法』が多数有ります。特に、アメリカでは大統領に法案提出権は無く、議員達が法案を提出し、国会で議論/決議する事になっています。 法律の呼び名を、提案を主導した議員の名前にしています。

(注記 :アメリカの国会議員の秘書) 日本の国会議員には公費(税金)で3人(政策担当秘書、第一・第二秘書)付きます。 アメリカの下院議員は常勤秘書が18人、非常勤秘書が4人、合計で22人まで公費で雇う事が出来ます。上院議員には公設秘書の制限が無く、平均44人ほど雇っている様です。 だから、アメリカでは議員立法が当然の様に出来るのです。

 日本では議員立法が非常に少ないですが、立法事務費として議員一人当たり『65万円/月(780万円/年)』も支給され、各議員には、税金で雇われた3名の秘書がついています。 「こんな端金(はしたがね)では議員立法なんか出来ない」と言うかも知れませんが、それでは幾ら欲しいのですか?・・・私は立法事務費の増額に賛成します。

 議員や政党が法案を作成する様にしたら、日本の政治は画期的に良くなると考えています。 票集めだけに熱心で、世事に疎い・ボンクラの政治家が数多く見受けられますが、法案を作成したり、改正案を作成する為には、政治家は種々勉強する必要が有ります。 議員立法制に移行したら、ボンクラ議員は排除される様になるでしょう!

(余談) 岸田内閣にも答弁が真面(まとも)に出来ない大臣がいます。彼女の下で働くキャリア官僚達は可哀そうです。 彼女がテレビに登場すると、見てられないのでチャンネルを回してしまいます。地元では人気が有るそうですから、次回も当選するのでしょう! 彼女に沢山公設秘書を付けても、議員立法の作成に参加するのは無理だと思います。 こんな人に投票してはいけません!

【官僚側から見た問題 :生涯所得が少ない】
 生涯所得が少ないと言う問題は、国家公務員のキャリア官僚に限定した問題です。ノンキャリア官僚は、終身雇用で有り、定年まで勤め上げれば、民間企業以上の生涯所得が得られています。

 キャリア官僚になる為には、難しい総合職試験に合格する必要が有ります。子供の頃から多くの時間を勉強に割いて、入学が難しい大学に合格して、大学でもそれなりに努力する必要が有ります。

 一方、日本でも大企業の重役の年収や退職金は億円単位になっています。キャリア官僚になれる人が、民間企業に就職したら重役になれる確率は高い様に思います。キャリア官僚の多くは定年前に天下りが要求されます。 キャリア官僚が中途退職が要求される時点での退職金は、民間企業に就職して重役になった大学の同級生と同等で有るべきだと考えます。その代わり、外郭団体への天下りは禁止すべきです。

 「天下りは駄目だ!」と言いながら、「キャリア官僚の中途退職は当然だ!」では、高給で退職金がガバット貰える外郭団体に再就職して、生涯所得の辻褄を合わせる事になります。

(余談 :勧奨退職) 2013年から国家公務員の早期退職募集制度がスタートしましたが、この制度で上乗せされる『金』は僅かですから、出世コースから弾き飛ばされたキャリア官僚は、外郭団体に再就職する悪い慣例は今後も続くと思われます。

【官僚側から見た問題 :忍耐・我慢】
 官僚とは、『忍耐と我慢』が強く無ければ長く務める事は出来ない職業です。 ボンクラの国会議員でも、当選回数が六、七回になると派閥人事で大臣になれます。官僚が用意した答弁案を真面(まとも)に読めない輩(やから)が時々います。キャリア官僚はこんな大臣にも、直接会って指示を仰ぐ必要が有るのです。 こんな大臣に仕えるキャリア官僚の身になって考えて見て下さい!

 キャリア官僚になる為には、進学高校→→難関大学に入って→→学生になっても勉強する必要が有ります。 (現在は)知能指数の高い人間で無いと、キャリア官僚にはなれません。 周囲にボンクラな人がいたら無視すれば良いですが、上司のボンクラ大臣は無視出来ません。

 私が勤務した会社の重役人事は、某料亭に最大派閥の面々が集まって決めていました。私は『料亭人事』と呼んでいました。 『ゴマすり』だけが得意で重役になる輩がいて、そんな重役達を社内では『パナソニックのゴマすり器』と呼んでいました。

 来期に1億円以上の開発費が必要なケースでは、開発計画書以外に大きな文字で書いた、グラフや写真を入れた要約版を作成しました。『パナソニックのゴマすり器』達には、重役室に出向いて口頭で説明する必要が有りました。そんな重役のなかに、東大の工学部卒の方もいました。大学卒業後に全く勉強しないで、ゴマばかり摺っていた様で、頓珍漢な質問をするのが常でした。『忍耐と我慢』が必要でした。

 現政調会長の高石早苗氏は良く勉強されている様に見受けられます。ボンクラ大臣に慣れてしまった財務省のキャリア官僚達は、もしも高石氏が財務大臣になられたら右往左往するのでは?と想像します。今までとは真逆の『忍耐と我慢』が必要になるでしょう!

【国立大学と研究所の研究官僚の問題】
 文官僚と武官僚について書いてきましたが、日本にとっては工業と科学の研究開発が重要ですから、『研究官僚』についても書きます。研究官僚は私の造語です。 『研究官僚』は、国の研究機関の研究者や国立大学の教授・准教授などを指します。

 昔は、「石炭は国家なり」とか「鉄は国家なり」と言って石炭産業や鉄鋼産業に、国は力を注いで来ました。 20世紀の後半からは「半導体、IT及びAIは国家なり」とすべきでしたが、これらの分野では、残念ながら世界的に遅れを取ってしまいました。

 21世紀の日本のスローガンとして、「研究開発は国家なり」を掲げるべきです。 私の見立てでは、小泉内閣以来、研究開発費や国立大学の予算の縮小/削減を進めています。 「こんな状態を続けたら、将来日本人がノーベル賞を貰えなくなる!」と言う方が多いいですが、私は「日本の工業が国際競争力を失ってしまう!」方が心配です。

 与野党の政治家の多くが科学や工業に関心が無く、大学で文系の学科(法科や経済学科)で学んだ官僚達が省庁の実権を握っている事が、根本的な原因だと思います。

 一時期、博士を増やそうとして大学院大学を多数設立しましたが、大学や研究所の予算を減らした為に、博士号を取っても就職先が激減しました。 そして、活性化を図ろうとしたのか?国立研究所の研究員に任期制度を導入しました。一方では、民間企業の多くでは研究員も終身雇用です。

 有名な理化学研究所(理研)について調べて見ました。博士号を取得して理研に採用されても、一年契約の『任期制研究員』にしかなれません。普通は5年間延長され、→→特別に10年間・理研で研究を続ける事が出来ます。そして、幸運な人は『(終身雇用の)限定無期研究員』になれます。(理研は、半終身雇用制なのです。)

 理研で行っているのは『基礎研究』です。「基礎研究を一年契約でやれ!」、「結果を出せ!」と言うのは無理な話です。素晴らしい論文でも、発表後・直ぐには評価されないケースは多々有ります。

 インターネットに「(理研の)研究員は2,938人ですが任期制研究員は2,310人」と言う記事が有りました。 79%が任期制研究員で、21%が限定無期研究員と言う事になります。 ストレートで博士号を取得するとしても27歳です、それから10年経って限定無期研究員になれるか?どうか?の別れ道の時、37歳になっています。

 理研を含め国立の研究所のボス研究員は、部下の研究のチェックとアドバイス以外に、限定無期研究員になれない研究員の再就職先を考える必要が有ります。 民間企業が早期退職者を募集する場合、再就職先を探す部署を設けたりしますが、国立の研究所には・そんな部署が無いので、ボス研究員が探さざるを得ないのです。

 大学や研究所の予算が縮小されて、一方では国際的に通用する研究をする為には高額の研究施設や機材が必要になって来ています。大学や研究所の新規研究者採用数が減少しています。民間企業の研究所は原則終身雇用ですから、途中入社枠が少ない様です。 中国は2008年から優秀な研究者を世界中から招聘する『千人計画』を始めました。 こんな状況ですから、日本の有名なボス研究員が日本での研究を諦めて、部下を連れて中国に渡るケースが増えているのです。 こんな状態を放置していて、日本に未来は有ると思われますか?

 現在、修士課程に進む学生は増えていますが、博士課程を希望する学生は減っている様です。研究者になっても安定した就職先を見つけるのが難しい現状を、何と無く認識している為だと思います。 この点からも、将来・日本人のノーベル賞受賞者は減少すると私は危惧しています。

❶ 任期制研究員 :1年契約で5年まで延長出来る。特別に10年の延長が認められるケースが有る。
❷ 限定無期研究員 :定年60歳・・・終身雇用
❸ 特別嘱託研究員 :定年65歳ですが、有名な方は更に延長される様です。

(余談 :息子のケース) 私の息子の一人は、東大で博士号を取って、1年間ポスドクをやりました。給料は雀の涙程しか貰えなかった様です。 その後、理研に任期制研究員として採用されて『脳の研究』をしていましたが、薄給だった様です。 ボスが中国に招聘されたので→→息子は10年間ほどで理研を辞めて→→現在は、社員数人のベンチャー企業に移って、夢を追っ掛けています。 息子の嫁さんが民間企業の研究者で、それなりの給与を貰っているので、人並みの生活が出来ている様です。