私は2年程前から友人の所有している、11室の小さな賃貸マンションの管理を、ボランティアでしています。 まだ短い期間ですが、色々有りました。 今回は、小さな賃貸マンションは、苦労が多いいのに『儲からない!』と言う話です。
【思わず笑ってしまう悪戯(いたずら〉】
2019年3月9日に『法律の不備を正せない日本』と言うタイトルで、家賃を滞納して、強制執行が入った部屋について書きましたが、これは・その後の話しです。
家賃保証会社が家具を撤去した後、部屋の内部と備品をチェックしたのですが、『ここまでやるか?!』と言う程の悪戯をしていました。 多分、家賃保証会社が厳しい催促をしたので、”腹いせ”にやったのだと思います。 復旧するのに、『家賃2年分ほど』も掛かりました。
① ユニットバスの取替 :家賃1年分ほど掛かりました。
② 換気扇2台の交換 :一台は新しかったのですが、壊していました。
③ インターホーンの取替 :分解して内部を壊していました。
④ 壁に6か所の穴 :大きなハンマーと金槌で叩いた様な穴
⑤ ガラス戸のガラスを2枚壊していました。
⑥ 3枚の網戸の網を切っていました。
⑦ 室内灯のスイッチのカバーを全て取り外し、スイッチが宙ぶらりんになっていました。
⑧ コンセントのカバーを全て取り外し、コンセントが宙ぶらりんになっていました。
⑨ 使用していなかったコンセントは、コンセントも無くなっていて、配線が漏電寸前の状態で放置されていました。 (大家と、「火事にならなくて幸いだった」と話しました。)
⑩ 2か所のガス・コンセントのカバーが無くなっていました。
⑪ シーリングライト用のコンセントを実に巧妙に壊していました。(一見、正常に見えました。)
⑫ エアコン用コンセントに200Vのシールを貼っていました。(100Vが正解)
⑬ 洗濯機パンの排水ホースを固定する部品が無くなっていました・・・パンの取り替えが必要になりました。
⑭ エアコン用配線を分電盤のノーヒューズブレーカーから取り外し、天井裏に押し込んでいました。 (無理な姿勢で、やっと手が届く位置まで押し込んでいたので、復旧作業が大変でした!)
【不法駐輪の退治】
私が管理している賃貸マンションは、地下鉄の駅まで3分弱の所に有ります。 建物の間に、10台ほど置ける屋根付きの駐輪場が有り、エントランス部に中形の自動車が3台置けるスペースが有ります。道路の向かい側に、200台ほど置ける、民間の有料駐輪場と、駅には公営の駐輪場があり、更に、歩道に有料の駐輪スペースが設けられています。
私がここの管理を始めた時、夜は30台ほど、昼間は50台ほど、酷い日はマンションの出入りに支障が有るほど沢山の自転車を駐めていました。 それで、私は、①住人が使用している自転車、②使用していない自転車、③住人以外の不法駐輪自転車に分ける事から始めました。
①住民が使用しているのは約15台で、②所有者不明が約15台、③住民で無い人が30台以上留めている事が分かりました。 警察に相談すると、「エンジン付きは関与するが、自転車は管轄外です。市の交通局に相談して下さい」と言われました。 交通局は、「民有地に放置された自転車を撤去する事は出来ません」との回答でした。
自転車の回収業者に相談すると、「駐輪禁止の表示をして、不法駐輪車に”○○日に撤去する”と言う警告札を各自転車に取り付ける」アドバイスを貰いました。 警告の札を取り付けると、日に日に、不法駐輪は少なくなり、業者に持って行って貰ったのは16台でした。 暫くすると、また不法駐輪車が増えて来たので、エントランス部に留めていた自転車を、毎日奥の駐輪場に移動して、警告の札を取り付けました。 他人の土地に勝手に置く『不届き者』にも、気の弱い人がいる様で、奥まで入って来て自転車を持ち帰れなかった様です。半年ほどで、6台溜まったので業者に渡しました。
努力が報われて、最近は不法駐輪車は週に1台程になり、余り支障が無いので大目に見ています。
【枯れ葉の掃除】
このマンションの隣は某宗教法人の教会で、100坪ほどの敷地に、高さ10メートルほどの木が茂った雑木林の様でした。南向きの敷地ですが、教会には陽光が入らず、外から建物は(殆ど)見えない状態でした。母親と40歳前後の息子、娘の三人で暮らしていました。 ほぼ一年中、多量の葉が飛んで来るので、困ってしまい、ここの大家が「剪定か、伐採して欲しい」と何回もお願いした様です。 母親が、「庭の木を切ってはならない」と言うので、木は伸び放題だいだったのです。
去年の夏頃に、落葉を掃いていたら息子さんが通られたので状況を見てもらいました。「母が入院して、二度と帰って来れないと思われるので、切ります」と言ってくれました。信者数人で、10本ほど伐採して、枝も4/5ほど切ってくれました。(道路から教会が見える様になりました。) それからは、被害は少なくなっています。
道路を挟んだ向かい側に中規模の賃貸マンションが有ります。 幅1.5メール程の花壇(?)にソメイヨシノを植えていて、幹はドンドン太くなって、枝の大半は公道の上に張り出しています。 (現在のアスファルトは、雨も空気も通しますから、公道の下に根を張って成長しているのだと思います。)
毎年、11月になると、多量の枯れ葉が落ち、風でこのマンションのエントランス部に飛んで来て溜まります。 今年は特に酷く、一週間に飛んで来た枯れ葉は、45リットルのゴミ袋にギュウギュウに押し込んで、ほぼ一杯になりました。 一時間以上、箒で掃いてたので、腰が痛くなり、前のマンションの管理会社に電話して、「伐採して欲しい」と頼みました。「状況を確認して、大家と話して見る」と言った切り、連絡が有りません。
来年、証拠写真を撮って、粘り強く交渉しようと考えています。 野党の皆さん、『桜を見る会』を問題にするついでに、『隣のマンションのソメイヨシノの枯れ葉』も取り上げて下さい!
【畳屋さんの話し】
二年ほど前から友達の様になった畳屋さん(G氏)の話しです。 G氏はまだ五十歳代で、大手企業に勤めていましたが、両親が年老いて家業(畳屋)を継ぐ事になりました。 畳屋だけでは食べていけないと考えて、壁紙や床クロスの張替え職人に弟子入りして、1年ほど修行した後に家業を継いだそうです。
賃貸マンションでは、部屋が空くと大抵の場合、壁紙、床クロスや畳の張替えをします。 この世界は全国展開したリフォーム会社や無数の工務店など、競争が激しいですが、G氏は種々工夫して何処にも価格/技術で負け無い体制を構築しました。 G氏の仕事のやり方を以下に整理してみました。
① 畳の張替え :G氏の本業
② 壁紙や床クロスの張替え :G氏の本業
③ 網戸張替え :G氏の本業
④ 部屋やベランダの清掃 :掃除専門の職人さんを一人雇って、G氏か弟さんが手伝っています。
⑤ 大工工事と左官工事 :簡単な工事はG氏が、自分でやっています。 (非常に稀なケース以外には必要有りません。)
⑥ 塗装工事 :簡単な塗装はG氏が、自分でやっています。
⑦ ガラス戸の修理 :戸を外して→専門店で修理 (非常に稀なケース以外には必要有りません。)
⑧ 襖の張替え :襖を外して→専門店で貼替 (この賃貸には障子は有りません。)
⑨ 廃材の処分 :G氏は畳店(?)の近くに廃材を仮置くスペースを所有していて、数か所の工事で発生した廃材を、暇な時に纏めて処分場に運んでいます。この工夫で年間・100~200万円ほど経費節減が出来る様です。
マンションのリフォームには、畳屋、クロス貼り替え以外に、大工、左官、塗装などの職人が必要ですが、一般に職人さんは、材料を手配したり、見積をするのは苦手です。 G氏は、工事に必要な材料を自分で手配して、腕の良い職人さんに限定して仕事を回す事にしています。 見積依頼が入ると、自分一人で現場の状況を確認して、必要な職人さんの人数、材料を出して、直ぐに見積書を提出しています。 見積書は、FAXやメールに添付して提出し、原則として顧客に出向いて説明はしません。 職人さん達には、「この金額でやって下さい。足が出た時は相談しましょう!」と言うのだそうです。
私はG氏に2回お世話になりました。工務店やリフォーム会社から見積書が提出されるまで、10日ほど掛かりましたが、G氏は三日以内を原則としている様です。価格は、他社より30%~50%安かったです。
G氏は勉強家で、リフォームに必要な色々な資材のカタログを車に積んでいます。「カビが発生し易い部屋の対策は?」と相談したら、直ぐにカタログを出して来て、「これはどうでしょうか?」と説明してくれました。
私はG氏のやり方に感服して、「後継者を育てるべきだ!」と言ったのですが、「息子には好きな事をやって欲しい。他人に教えるのは難しい」と言いました。 私は、G氏の商売のやり方を全国に広めたくて、この文書を書きました。
【独身で身寄りが無い外国籍の住人】
最初にお断りしておきますが、私は差別主義者では有りません。 外国籍の身寄りの無い方でも、亡くなった時に大家に迷惑を掛けない体制に(法律を整備)して、最後を迎える時まで安心して賃貸マンションに住める世の中になって欲しいと考えています。
30年以上前からこの賃貸に、(子供のいない)朝鮮籍の独身の女性(K氏)が住んでいます。 入居した時は男性と住んでいた様ですが、現在は75歳ほどになられ、一人です。 私が管理を始めた時、「国内に身寄りがいるか?」聞いてみました。「80歳代で、寝たっきりの親戚が一人いる」と言われました。 そのすぐ後に、転倒して骨折され、歩くのが不自由になってしまいました。 かなり体調も良くない時期があり、「万一の場合、遺品の処分をどうしたら良いか?」調べました。
外国籍の方でも、国内に親族がおられたら、手続きは簡単な様です。 弁護士事務所・数か所に聞いて見ましたが、「国内に親族がいないケースは、母国に住んでいる親族を調査する必要が有るので、母国の弁護士事務所と契約して、調査を依頼する必要がある」との回答でした。「時間と膨大な金がかかります」とも言っていました。
朝鮮籍と言うと、全ての弁護士事務所は相手にしてくれませんでした。某弁護士事務所は、「数年前に、韓国籍の方の遺品処分を扱った事が有る」と言われましたが、「朝鮮籍で北朝鮮出身のケースは対応出来ません」とのことでした。 北朝鮮とは国交が無い為に、『北朝鮮在住の親族を調査するのが難しい』だけの問題では無いようでした。
国は、労働者不足を外国人に頼る方針ですから、今後は益々、賃貸に外国籍の方が入居される様になると思われます。 国内に身寄りが無い外国籍の方が、亡くなるケースが増えて来ると予想されます。 そんなケースの為の保険の創設や、大家を救済する法律の整備が必要です。
(余談) 賃貸に一人で暮していた方が亡くなったとします。家具や貯金を大家が勝手に処分するのは”違法行為”です。 その遺産を相続出来る権利がある親族を調査する必要があります。 大家は、弁護士に戸籍調査を依頼する事になります。 無くなった方が日本人だったとしても、高齢(長生きされた方)だったり、何回も結婚された方だったりすると、弁護士費用が嵩む事になります。
【猫を放置して夜逃げした女性】
このマンションの工事をしていた職人さんが、「別の現場から緊急の応援依頼が入ったので、今日は失礼します」と言って帰ってしまいました。 その職人さんから、次の日に聞いた話です。
ある賃貸マンションで、猫を沢山飼っていた独身の女性が、何か月か家賃を払わないで、夜逃げしました。 数か月後に強制執行が行われ、ドアを開けたら酷い悪臭で、部屋に入れなかったそうです。 そういったケースを扱う専門業者に、60万円以上支払って、人が立ち入れる状態にして貰ったそうです。 (先ず、徹底的に消毒する様です。)
猫が10匹以上死んで腐敗し、部屋中に糞が落ちて、悪臭を発生させていたのです。 家具を持ち出し、壁紙や床クロスを全て剥がした様ですが、「悪臭が酷く、長時間部屋におれないので、沢山人を集めて交代で作業した」と言っていました。
発生した費用は、私の予想では2~3年分の家賃になったと思います。全て、大家が負担する事になります! (このケースは、法律で大家を救済するのは難しそうです。)
【思わず笑ってしまう悪戯(いたずら〉】
2019年3月9日に『法律の不備を正せない日本』と言うタイトルで、家賃を滞納して、強制執行が入った部屋について書きましたが、これは・その後の話しです。
家賃保証会社が家具を撤去した後、部屋の内部と備品をチェックしたのですが、『ここまでやるか?!』と言う程の悪戯をしていました。 多分、家賃保証会社が厳しい催促をしたので、”腹いせ”にやったのだと思います。 復旧するのに、『家賃2年分ほど』も掛かりました。
① ユニットバスの取替 :家賃1年分ほど掛かりました。
② 換気扇2台の交換 :一台は新しかったのですが、壊していました。
③ インターホーンの取替 :分解して内部を壊していました。
④ 壁に6か所の穴 :大きなハンマーと金槌で叩いた様な穴
⑤ ガラス戸のガラスを2枚壊していました。
⑥ 3枚の網戸の網を切っていました。
⑦ 室内灯のスイッチのカバーを全て取り外し、スイッチが宙ぶらりんになっていました。
⑧ コンセントのカバーを全て取り外し、コンセントが宙ぶらりんになっていました。
⑨ 使用していなかったコンセントは、コンセントも無くなっていて、配線が漏電寸前の状態で放置されていました。 (大家と、「火事にならなくて幸いだった」と話しました。)
⑩ 2か所のガス・コンセントのカバーが無くなっていました。
⑪ シーリングライト用のコンセントを実に巧妙に壊していました。(一見、正常に見えました。)
⑫ エアコン用コンセントに200Vのシールを貼っていました。(100Vが正解)
⑬ 洗濯機パンの排水ホースを固定する部品が無くなっていました・・・パンの取り替えが必要になりました。
⑭ エアコン用配線を分電盤のノーヒューズブレーカーから取り外し、天井裏に押し込んでいました。 (無理な姿勢で、やっと手が届く位置まで押し込んでいたので、復旧作業が大変でした!)
【不法駐輪の退治】
私が管理している賃貸マンションは、地下鉄の駅まで3分弱の所に有ります。 建物の間に、10台ほど置ける屋根付きの駐輪場が有り、エントランス部に中形の自動車が3台置けるスペースが有ります。道路の向かい側に、200台ほど置ける、民間の有料駐輪場と、駅には公営の駐輪場があり、更に、歩道に有料の駐輪スペースが設けられています。
私がここの管理を始めた時、夜は30台ほど、昼間は50台ほど、酷い日はマンションの出入りに支障が有るほど沢山の自転車を駐めていました。 それで、私は、①住人が使用している自転車、②使用していない自転車、③住人以外の不法駐輪自転車に分ける事から始めました。
①住民が使用しているのは約15台で、②所有者不明が約15台、③住民で無い人が30台以上留めている事が分かりました。 警察に相談すると、「エンジン付きは関与するが、自転車は管轄外です。市の交通局に相談して下さい」と言われました。 交通局は、「民有地に放置された自転車を撤去する事は出来ません」との回答でした。
自転車の回収業者に相談すると、「駐輪禁止の表示をして、不法駐輪車に”○○日に撤去する”と言う警告札を各自転車に取り付ける」アドバイスを貰いました。 警告の札を取り付けると、日に日に、不法駐輪は少なくなり、業者に持って行って貰ったのは16台でした。 暫くすると、また不法駐輪車が増えて来たので、エントランス部に留めていた自転車を、毎日奥の駐輪場に移動して、警告の札を取り付けました。 他人の土地に勝手に置く『不届き者』にも、気の弱い人がいる様で、奥まで入って来て自転車を持ち帰れなかった様です。半年ほどで、6台溜まったので業者に渡しました。
努力が報われて、最近は不法駐輪車は週に1台程になり、余り支障が無いので大目に見ています。
【枯れ葉の掃除】
このマンションの隣は某宗教法人の教会で、100坪ほどの敷地に、高さ10メートルほどの木が茂った雑木林の様でした。南向きの敷地ですが、教会には陽光が入らず、外から建物は(殆ど)見えない状態でした。母親と40歳前後の息子、娘の三人で暮らしていました。 ほぼ一年中、多量の葉が飛んで来るので、困ってしまい、ここの大家が「剪定か、伐採して欲しい」と何回もお願いした様です。 母親が、「庭の木を切ってはならない」と言うので、木は伸び放題だいだったのです。
去年の夏頃に、落葉を掃いていたら息子さんが通られたので状況を見てもらいました。「母が入院して、二度と帰って来れないと思われるので、切ります」と言ってくれました。信者数人で、10本ほど伐採して、枝も4/5ほど切ってくれました。(道路から教会が見える様になりました。) それからは、被害は少なくなっています。
道路を挟んだ向かい側に中規模の賃貸マンションが有ります。 幅1.5メール程の花壇(?)にソメイヨシノを植えていて、幹はドンドン太くなって、枝の大半は公道の上に張り出しています。 (現在のアスファルトは、雨も空気も通しますから、公道の下に根を張って成長しているのだと思います。)
毎年、11月になると、多量の枯れ葉が落ち、風でこのマンションのエントランス部に飛んで来て溜まります。 今年は特に酷く、一週間に飛んで来た枯れ葉は、45リットルのゴミ袋にギュウギュウに押し込んで、ほぼ一杯になりました。 一時間以上、箒で掃いてたので、腰が痛くなり、前のマンションの管理会社に電話して、「伐採して欲しい」と頼みました。「状況を確認して、大家と話して見る」と言った切り、連絡が有りません。
来年、証拠写真を撮って、粘り強く交渉しようと考えています。 野党の皆さん、『桜を見る会』を問題にするついでに、『隣のマンションのソメイヨシノの枯れ葉』も取り上げて下さい!
【畳屋さんの話し】
二年ほど前から友達の様になった畳屋さん(G氏)の話しです。 G氏はまだ五十歳代で、大手企業に勤めていましたが、両親が年老いて家業(畳屋)を継ぐ事になりました。 畳屋だけでは食べていけないと考えて、壁紙や床クロスの張替え職人に弟子入りして、1年ほど修行した後に家業を継いだそうです。
賃貸マンションでは、部屋が空くと大抵の場合、壁紙、床クロスや畳の張替えをします。 この世界は全国展開したリフォーム会社や無数の工務店など、競争が激しいですが、G氏は種々工夫して何処にも価格/技術で負け無い体制を構築しました。 G氏の仕事のやり方を以下に整理してみました。
① 畳の張替え :G氏の本業
② 壁紙や床クロスの張替え :G氏の本業
③ 網戸張替え :G氏の本業
④ 部屋やベランダの清掃 :掃除専門の職人さんを一人雇って、G氏か弟さんが手伝っています。
⑤ 大工工事と左官工事 :簡単な工事はG氏が、自分でやっています。 (非常に稀なケース以外には必要有りません。)
⑥ 塗装工事 :簡単な塗装はG氏が、自分でやっています。
⑦ ガラス戸の修理 :戸を外して→専門店で修理 (非常に稀なケース以外には必要有りません。)
⑧ 襖の張替え :襖を外して→専門店で貼替 (この賃貸には障子は有りません。)
⑨ 廃材の処分 :G氏は畳店(?)の近くに廃材を仮置くスペースを所有していて、数か所の工事で発生した廃材を、暇な時に纏めて処分場に運んでいます。この工夫で年間・100~200万円ほど経費節減が出来る様です。
マンションのリフォームには、畳屋、クロス貼り替え以外に、大工、左官、塗装などの職人が必要ですが、一般に職人さんは、材料を手配したり、見積をするのは苦手です。 G氏は、工事に必要な材料を自分で手配して、腕の良い職人さんに限定して仕事を回す事にしています。 見積依頼が入ると、自分一人で現場の状況を確認して、必要な職人さんの人数、材料を出して、直ぐに見積書を提出しています。 見積書は、FAXやメールに添付して提出し、原則として顧客に出向いて説明はしません。 職人さん達には、「この金額でやって下さい。足が出た時は相談しましょう!」と言うのだそうです。
私はG氏に2回お世話になりました。工務店やリフォーム会社から見積書が提出されるまで、10日ほど掛かりましたが、G氏は三日以内を原則としている様です。価格は、他社より30%~50%安かったです。
G氏は勉強家で、リフォームに必要な色々な資材のカタログを車に積んでいます。「カビが発生し易い部屋の対策は?」と相談したら、直ぐにカタログを出して来て、「これはどうでしょうか?」と説明してくれました。
私はG氏のやり方に感服して、「後継者を育てるべきだ!」と言ったのですが、「息子には好きな事をやって欲しい。他人に教えるのは難しい」と言いました。 私は、G氏の商売のやり方を全国に広めたくて、この文書を書きました。
【独身で身寄りが無い外国籍の住人】
最初にお断りしておきますが、私は差別主義者では有りません。 外国籍の身寄りの無い方でも、亡くなった時に大家に迷惑を掛けない体制に(法律を整備)して、最後を迎える時まで安心して賃貸マンションに住める世の中になって欲しいと考えています。
30年以上前からこの賃貸に、(子供のいない)朝鮮籍の独身の女性(K氏)が住んでいます。 入居した時は男性と住んでいた様ですが、現在は75歳ほどになられ、一人です。 私が管理を始めた時、「国内に身寄りがいるか?」聞いてみました。「80歳代で、寝たっきりの親戚が一人いる」と言われました。 そのすぐ後に、転倒して骨折され、歩くのが不自由になってしまいました。 かなり体調も良くない時期があり、「万一の場合、遺品の処分をどうしたら良いか?」調べました。
外国籍の方でも、国内に親族がおられたら、手続きは簡単な様です。 弁護士事務所・数か所に聞いて見ましたが、「国内に親族がいないケースは、母国に住んでいる親族を調査する必要が有るので、母国の弁護士事務所と契約して、調査を依頼する必要がある」との回答でした。「時間と膨大な金がかかります」とも言っていました。
朝鮮籍と言うと、全ての弁護士事務所は相手にしてくれませんでした。某弁護士事務所は、「数年前に、韓国籍の方の遺品処分を扱った事が有る」と言われましたが、「朝鮮籍で北朝鮮出身のケースは対応出来ません」とのことでした。 北朝鮮とは国交が無い為に、『北朝鮮在住の親族を調査するのが難しい』だけの問題では無いようでした。
国は、労働者不足を外国人に頼る方針ですから、今後は益々、賃貸に外国籍の方が入居される様になると思われます。 国内に身寄りが無い外国籍の方が、亡くなるケースが増えて来ると予想されます。 そんなケースの為の保険の創設や、大家を救済する法律の整備が必要です。
(余談) 賃貸に一人で暮していた方が亡くなったとします。家具や貯金を大家が勝手に処分するのは”違法行為”です。 その遺産を相続出来る権利がある親族を調査する必要があります。 大家は、弁護士に戸籍調査を依頼する事になります。 無くなった方が日本人だったとしても、高齢(長生きされた方)だったり、何回も結婚された方だったりすると、弁護士費用が嵩む事になります。
【猫を放置して夜逃げした女性】
このマンションの工事をしていた職人さんが、「別の現場から緊急の応援依頼が入ったので、今日は失礼します」と言って帰ってしまいました。 その職人さんから、次の日に聞いた話です。
ある賃貸マンションで、猫を沢山飼っていた独身の女性が、何か月か家賃を払わないで、夜逃げしました。 数か月後に強制執行が行われ、ドアを開けたら酷い悪臭で、部屋に入れなかったそうです。 そういったケースを扱う専門業者に、60万円以上支払って、人が立ち入れる状態にして貰ったそうです。 (先ず、徹底的に消毒する様です。)
猫が10匹以上死んで腐敗し、部屋中に糞が落ちて、悪臭を発生させていたのです。 家具を持ち出し、壁紙や床クロスを全て剥がした様ですが、「悪臭が酷く、長時間部屋におれないので、沢山人を集めて交代で作業した」と言っていました。
発生した費用は、私の予想では2~3年分の家賃になったと思います。全て、大家が負担する事になります! (このケースは、法律で大家を救済するのは難しそうです。)