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新しいことに挑戦することの重要性 成長ベクトルで考える

2007-12-28 12:43:44 | 成長戦略、事業戦略に役立つ情報
皆さん、おはようございます。中小企業診断士の青木公司です。

本日も冷えますね。冬に寒いことはいいことです。
冬らしいことができますよね。

鍋を仲間と囲む、お餅を食べる、スキーに行く、冬らしいおしゃれをする。

青木も購入したセオリーのコートを着て、外を歩くのがとてもうれしいです。

さて、本日は新しいことに挑戦することの重要性についてお話します。

青木の知り合いに、印刷業を生業にしている会社があります。
今の社長が40年前に立ち上げた会社で、活版印刷による小物への印刷を行っています。社長と、その息子さんによる、職人芸の美しい印刷、すべてバランスよく完璧に仕上る高品質な印刷技術には、得意先顧客から定評があります。納期面でも緊急飛び込みにも対応しているため、既存顧客の満足度は非常に高いです。また、社長とその息子の専務とも実直な人柄で、顧客にも好かれています。

しかし、10年連続で売り上げが下降しています。既存顧客数は減っておらず、むしろ、同業者に廃業者が出た場合、口コミの効果で、新たな取引先も少しですが、増えています。

なぜ、売り上げが下降しているのでしょうか。原因は、新しい印刷機の登場により、一般書体で簡易な印刷を中心にオンデマンド印刷機を持つ企業に流れるケースが出てきていたからです。

知り合いの会社もその流れは10年前からつかんでいましたが、自社の特殊印刷技術に自信があったため、お客は必ず自社のものを使うという自信により、なんら手を打っていませんでした。

また、新規顧客開拓についても、「不況時こそ、新しい取引先を増やそうとすると、貸し倒れなどで痛い目にあう」という社長の考えで、真剣に手を打っていませんでした。

結果として、売り上げは最盛期の4割にまで落ち込みました。

既存の事業には、景気変動に連動した波だけでなく、その事業、サービス自体に、成長する時期、成熟する時期、衰退する時期が必ずきます。自社のコア事業を強化することと同時に、外部環境を認識しつつ、常に新しい事業を考えるべきです。

皆さんは、成長ベクトル理論をご存知ですか。横軸に製品(=サービス)、縦軸に市場を取ります。その組合せにより、次の4つの戦略が展開されます。

・市場浸透戦略  :既存市場×既存製品
・新製品開発戦略 :既存市場×新製品
・新市場開拓戦略 :新市場×既存製品
・多角化戦略   :新市場×新製品

C社はコア事業が順調なうちに、将来の外部環境(=新しい印刷機の台頭)を踏まえ、一部、その印刷の取り込み(新サービス開発)か、コア事業の活版印刷技術の定評を使い、新規顧客開拓をすべきだったのです。

貸し倒れしないかどうかは、信用調査をきちんとすれば回避できることですよね。

既存事業が順調だからといって、安心していませんか。その今こそ自社の環境分析を行い、将来に向けての成長戦略を再確認するべきです。
コメント (4)
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