「人口政策における国会議員の人口学者の相補的な役割」
国際人口問題議員懇談会・幹事長
参議院議員 増子輝彦
はじめまして。わたくしは日本の国際人口問題議員懇談会で幹事長を務めている参議院議員の増子輝彦といいます。
わたくし自身は、人口問題が社会の根幹を決める課題であるという認識を持ち、
1990年に国会議員に当選する前から、人口問題に関心を持っておりました。
人口問題は、一言でいえば人の「生きる、死ぬ」の問題だと考えています。
わたくしたち政治家にとって、一人ひとりの国民の生活、生命、財産ほど大切なものはありません。
その意味で人口問題への認識は政治家にとって不可欠の認識であると確信しています。
人口学は通常、数字で表されます。出生統計で世界中で1億人の子供が生まれとすれば、
これは多くの場合、世界中で、それぞれの夫婦にとってかけがえのない、かわいい子供が生まれてきたことを意味します。
そして赤ちゃんの世話で、みんなが大騒ぎしているのです。
世界中の家庭で、一人の命が生まれるということの意味はものすごく大きなものです。
政治家として考えたとき、その使命として最も重要なことは、その生まれた子供が望まれて、全ての人々の祝福に包まれて
生まれ、そして人が限りある生を精いっぱい生きぬいて、その命を全うすることできる社会を作ることだと思います。
政治家に必要な資質は、表面的な現実の後ろにある、生きた人々の声を、姿を見ることができる想像力であろうと思います。
そして人口学を専門に研究されている方々がその分野の研究に一生を捧げ研究しようと考えるのも、統計数字の後ろにある
一人ひとりのかけがえのない人生を理解し、数字の示す意味を深く理解されているからに他ならないでしょう。
「国会議員が、人口政策を評価し政治的な支援を強化するうえでの人口学者の役割」ということに関して
具体的に述べるならばそこにはいくつかの領域があります。
政治家にとって最も重要なのは、現実にもとづいた想像力と、それから生み出された理念を現実に移していく力です。
この意味からいえば、人口学者が命をかけて研究するに値するほど人口の分野に意味があるということを、
各国で国会議員に働きかけていただくことが重要であると思います。簡単にいえば教育係としての役割です。
現実的に考えた場合、人口学者が直接議員と接触することは難しい場合があると思いますが、アジア地域の場合、
多くの国に人口と開発に関する国会議員委員会があり、そのいくつかには常設の事務局があります。
たとえば日本の場合には、国際人口問題議員懇談会の事務局として、AFPPDの議長事務所も務めるAPDAという組織があります。
そのような組織と連携して、人口学者の側からその意味を国会議員に伝えるための働きかけをしても面白いと思います。
もう少し現実的な政策の面ではどうでしょう。
各国において課題になっている社会保障や年金などの問題は、人口構造の変化や経済構造という統計的な指標をもとに、
その政策協議が行われ、政策が立案されます。
その意味では、人口学や経済学における正確な統計や推計がなされなければ、
国家運営そのものができないということになります。
人口政策も国家の政策の一部であり、正確な統計情報がなければ的確な政治的対応もできません。
これに加えて、具体的に人口政策を評価する上での人口学者の役割ということになれば、
正確な情報と的確な分析ツールを示すということになるのではないでしょうか。
人口学立場から、人口学的現象がどのような社会的影響を持ち、その結果、どのような影響ができることが予測され、
そこで生じてくる課題はどのようなものだという点をもっと広く国会議員に周知していただくことが重要ではないかと
考えています。
評価の基準として考えた場合、統計的な数値で出てきた結果は最も重要なものです。
政策を立案する基盤も人口統計から与えられ、その政策の成果もまた人口統計に反映されます。
たとえば年少従属人口の多い国では通常、妊産婦死亡率も乳幼児死亡率も高いのが普通です。
この人口学的な数値をもとに適切な政策が立案され、実施されたとすれば、妊産婦死亡率も乳幼児死亡率も劇的に低下し、
10年後の人口統計に劇的な変化が示されます。
「国会議員が、人口政策を評価し政治的な支援を強化するうえでの人口学者の役割」についてまとめると、
人口学者は、基礎的な政策立案のための資料を準備し、その統計の意味を政策決定者に伝え、
さらにその成果を評価するための基本的な役割を持つ。
国会議員はこの、正確な情報、分析ツール、そこから派生する社会的課題をくみ取り、新しい政策を立案する役割を
持つことになります。この意味で、人口学者と政治家はまさしく相補的な役割を持っていると思います。
多くの人口学者のみなさまは政治家との接触に躊躇される場合が多いと思います。
しかし、社会をよりよい方向に導くために、ぜひ積極的に働きかけ、情報提供をしていただきたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
〈ましこ輝彦公式サイトhttp://www.mashikoteruhiko.com/〉
国際人口問題議員懇談会・幹事長
参議院議員 増子輝彦
はじめまして。わたくしは日本の国際人口問題議員懇談会で幹事長を務めている参議院議員の増子輝彦といいます。
わたくし自身は、人口問題が社会の根幹を決める課題であるという認識を持ち、
1990年に国会議員に当選する前から、人口問題に関心を持っておりました。
人口問題は、一言でいえば人の「生きる、死ぬ」の問題だと考えています。
わたくしたち政治家にとって、一人ひとりの国民の生活、生命、財産ほど大切なものはありません。
その意味で人口問題への認識は政治家にとって不可欠の認識であると確信しています。
人口学は通常、数字で表されます。出生統計で世界中で1億人の子供が生まれとすれば、
これは多くの場合、世界中で、それぞれの夫婦にとってかけがえのない、かわいい子供が生まれてきたことを意味します。
そして赤ちゃんの世話で、みんなが大騒ぎしているのです。
世界中の家庭で、一人の命が生まれるということの意味はものすごく大きなものです。
政治家として考えたとき、その使命として最も重要なことは、その生まれた子供が望まれて、全ての人々の祝福に包まれて
生まれ、そして人が限りある生を精いっぱい生きぬいて、その命を全うすることできる社会を作ることだと思います。
政治家に必要な資質は、表面的な現実の後ろにある、生きた人々の声を、姿を見ることができる想像力であろうと思います。
そして人口学を専門に研究されている方々がその分野の研究に一生を捧げ研究しようと考えるのも、統計数字の後ろにある
一人ひとりのかけがえのない人生を理解し、数字の示す意味を深く理解されているからに他ならないでしょう。
「国会議員が、人口政策を評価し政治的な支援を強化するうえでの人口学者の役割」ということに関して
具体的に述べるならばそこにはいくつかの領域があります。
政治家にとって最も重要なのは、現実にもとづいた想像力と、それから生み出された理念を現実に移していく力です。
この意味からいえば、人口学者が命をかけて研究するに値するほど人口の分野に意味があるということを、
各国で国会議員に働きかけていただくことが重要であると思います。簡単にいえば教育係としての役割です。
現実的に考えた場合、人口学者が直接議員と接触することは難しい場合があると思いますが、アジア地域の場合、
多くの国に人口と開発に関する国会議員委員会があり、そのいくつかには常設の事務局があります。
たとえば日本の場合には、国際人口問題議員懇談会の事務局として、AFPPDの議長事務所も務めるAPDAという組織があります。
そのような組織と連携して、人口学者の側からその意味を国会議員に伝えるための働きかけをしても面白いと思います。
もう少し現実的な政策の面ではどうでしょう。
各国において課題になっている社会保障や年金などの問題は、人口構造の変化や経済構造という統計的な指標をもとに、
その政策協議が行われ、政策が立案されます。
その意味では、人口学や経済学における正確な統計や推計がなされなければ、
国家運営そのものができないということになります。
人口政策も国家の政策の一部であり、正確な統計情報がなければ的確な政治的対応もできません。
これに加えて、具体的に人口政策を評価する上での人口学者の役割ということになれば、
正確な情報と的確な分析ツールを示すということになるのではないでしょうか。
人口学立場から、人口学的現象がどのような社会的影響を持ち、その結果、どのような影響ができることが予測され、
そこで生じてくる課題はどのようなものだという点をもっと広く国会議員に周知していただくことが重要ではないかと
考えています。
評価の基準として考えた場合、統計的な数値で出てきた結果は最も重要なものです。
政策を立案する基盤も人口統計から与えられ、その政策の成果もまた人口統計に反映されます。
たとえば年少従属人口の多い国では通常、妊産婦死亡率も乳幼児死亡率も高いのが普通です。
この人口学的な数値をもとに適切な政策が立案され、実施されたとすれば、妊産婦死亡率も乳幼児死亡率も劇的に低下し、
10年後の人口統計に劇的な変化が示されます。
「国会議員が、人口政策を評価し政治的な支援を強化するうえでの人口学者の役割」についてまとめると、
人口学者は、基礎的な政策立案のための資料を準備し、その統計の意味を政策決定者に伝え、
さらにその成果を評価するための基本的な役割を持つ。
国会議員はこの、正確な情報、分析ツール、そこから派生する社会的課題をくみ取り、新しい政策を立案する役割を
持つことになります。この意味で、人口学者と政治家はまさしく相補的な役割を持っていると思います。
多くの人口学者のみなさまは政治家との接触に躊躇される場合が多いと思います。
しかし、社会をよりよい方向に導くために、ぜひ積極的に働きかけ、情報提供をしていただきたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
〈ましこ輝彦公式サイトhttp://www.mashikoteruhiko.com/〉