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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

フィルムをマクロで

2017-10-10 07:05:51 | 撮影の方法
フィルムで撮影を行っていると、いざ撮影してしまった部分を拡大して、作品にしたいと云う事が良く起こります。実際レンズにクローズアップ・レンズを付けない限りは、拡大倍率も近接撮影時で0.1倍位ですから、後から画像を見てもう少し近寄れたらと悔しがることが良くあります。

その様な時にはディジタルが有利で、何しろ1,600万画素をフルに使って切り取ることが出来ます。おまけに素子サイズがAPS-Cですので、拡大倍率もフルサイズに比べて1.5倍稼げます。1,600万画素を普通のフィルムで比較すると、645判のフィルムカメラと云う事になりますから、ディジタルの恩恵は計り知れないものがあります。

そんなこんなで、フィルムで拡大して作品にしようとすると、35mm判のフィルムでは自ずと限界が出て来る事になります。いつもの撮影でISO50のリバーサルフィルムを使っている事は滅多にありませんし、使うとすればISO400の常用ネガカラー・フィルムか、ISO100のネオパンアクロスです。

拡大して見てみると、粒子の方が目立ってしまって鑑賞に堪えなくなるといった所で、これならば645判のブロニカか6×6判のヤシカDで撮影しておいた方がまだマシです。この様に書いていると、35mm判フィルムの出番が無くなってしまって、勢いAPS-Cサイズのディジタル一眼レフ一辺倒になってしまいます。

こうなってしまうとあまり面白くは無いので、マクロレンズの出番になってきます。マクロレンズとマイクロレンズ、いっぱい呼び方はありますが、0.1倍から0.5倍位までの間で被写体を拡大して撮影が行えるようになれば、フィルムのサイズ一杯に被写体が写り込みますので、後からの拡大トリミングが不要になって満足できるカットが得られます。

何もマクロレンズ購入と考える場合には、クローズアップ・レンズを取り付けるだけでもそこそこ拡大倍率が稼げますので、今保有しているレンズのライン・アップでなんとか満足したい時にはこの方法もお勧めです。#1から#3までのレンズを持っている事が必要で、おおっと思った時にすかさず装着する手間が有りますが、ポケットに入れておくだけでも余裕が生まれます。

しかし、拡大倍率を稼ぐと云う事はほんの少しの体の揺れや被写体の揺れだけで画面の被写体が大揺れ状態になって行く事を意味しています。即ち三脚必須であり、面倒な方はフィルム数本を使って練習を行えば、何とか0.5倍ほどの拡大率でもブレの無い画像を得ることが出来るようになります。手振れ補正機能が無いのがフィルムと諦めて、良く練習をして数カット余分に撮影しておけば、後から満足できること請け合いです。

台風一過の午後、晴れてきましたので100mmのマクロタクマーを取り付けて撮影に臨みます。ぶれを抑えるのに一苦労ですが、これも趣味の世界、上手く行ったときにはパソコンの前で一人にんまりと云った感じです。昔取った杵柄で小さなものばかり撮影していた時期がありましたので、これもまた良しといった所です。

それでは先月末に撮影した写真から掲載します。


Fujica ST605Ⅱ SMC Macro Takumar 100mmF4
撮影データ:1/125sec F8 Rollei SuperPan200
柿の実がしばらく見ぬ間に熟れてしまい、はじけてしまいました。しばらくすると小鳥たちのえさになってしまいます。
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Auto Yashinon DS-M 200mmF4

2017-10-08 18:51:18 | 国産レンズ
大阪のカメラ屋さんで偶然見つけたヤシノン・レンズで、毎度の200mmF4レンズですから値段もかなりお安く、喜んで購入してきたレンズです。この時代のヤシノン・レンズはY/Cマウントではなく、ごく一般的なM42プラクチカ・マウントを採用していました。国内外でも多くのメーカがM42マウントを採用していましたから、この様な取り合わせも成り立つわけです。

ヤシカといえば富岡光学な訳で、当時はヤシカのレンズのほとんどを富岡光学がOEM生産していました。後のジャパン・ツァイスのレンズは、ヤシカで生産していましたから、必然的に富岡光学のレンズという事になります。富岡光学の独特な写りは現代でも結構評判で、富岡銘のレンズを探される方も多いのですが、ヤシカのレンズは富岡光学な訳で、あまり苦労せずに探す事ができます。

それでも、あまり多量には生産されていなかった様で、今でもヤシカのレンズとカメラは希少品の部類に入ります。カメラ屋さんの中古品棚にあまり並んでいませんので、探すのは苦労しますが、メジャーな焦点距離のレンズは割合見つける事が出来ますので、一本くらいは持っておいても良いレンズとして探しています。

割と良く見つかるのが200mmF4のこのレンズで、どのメーカも大体この様な水道管の形状をしています。本格望遠レンズとしての需要にこたえて、かなり大量に販売されていた時期のレンズですから、現代になってみても中古価格は低いままで、リーズナブルに購入できる望遠レンズといった位置付けです。しかし、現代レンズと違って収差補正が施されていませんので、扱うときにはコツが要るといった感じです。

現代のレンズは分散レンズが仕組まれていて、にじみや色ずれ、そして収差フレアの無いはっきりとした結果を得る事ができます。購入するならば現代レンズとなる訳ですが、昔ながらの味わいを求めるときには、この様な200mmF4レンズを数種類購入しておいて、状況に応じて使い分けるといった所作が必要になってきます。

また、カラー撮影ではコントラストが下がってしまいますから、黒白フィルムに有色フィルタといった取り合わせで、コントラストを稼ぎながら撮影するといった方法も有効です。色々な方法がありますので、撮影しながら効果をつかんで覚えていくと、色々な撮影方法を実践できるようになりますので、これも勉強といった感があります。

台風一過の秋晴れになる予定でしたが、実際は曇り空。あまりコントラストも彩度も稼げない状況でしたから、思い切ってヤシノンレンズに色合いを任せる事にします。帰ってからは現像ソフトウエアで不足するコントラストを補正すれば、かなり満足できる画像に変わります。

そろそろ秋の雰囲気も濃くなって来ました。少しずつ色付いてきた景色をヤシノンレンズで切り取っていく。これもまた良いものです。


それでは先月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Yashinon DS-M 200mmF4
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO400
秋になると椿の実が赤く色付きます。椿自体は常緑樹ですが、秋にはこのようなお楽しみも有ります
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台風一過は富岡レンズで

2017-10-06 07:03:12 | レンズいろいろ
台風が過ぎ去っても、近頃は晴天になっていく事は少なくて、雨は降らないものの曇り空になっています。しかし、曇り空といっても明るい曇り空になって来ましたので、ディジタルカメラで撮影と、いそいそとレンズを出してきます。今回はSMCタクマー200mmF4で撮影を行う予定でしたが、コントラストが低いレンズですので、今回は富岡光学の色のりの良さに期待をかけます。

この時代の200mmF4レンズは、どのレンズも格好が良くてスレンダーな望遠レンズといった雰囲気です。昔レンズのように徳利型やラッパ型の勇ましいごつさはありませんので、手にとられた方も多かったと感じています。しかし、どのレンズも同じ様な癖を持ち合わせているために、買ったは良いけれど使わずじまいで、お蔵入りとなってしまったケースも多かったと聞いています。

今のレンズのように分散レンズを入れて、収差補正を行っているわけではありませんので、200mm位の焦点距離になってくると俄然収差フレアが多く出てきます。画像のコントラストが下がってしまいますので、眠たくて色が薄い仕上がりになってしまって、あまり面白くは無い状況であったろうと考えています。

それでも硬調なフィルムを使って撮影すれば、何とか調子も改善されますし、画像の解像度がある程度出ていますから、もったいないと思いながらチャレンジする感じでした。この為にこの時代の200mmF4レンズは、中古店で見かけてもかなりリーズナブルに購入する事ができます。何しろ数千円ですから私自身も飛びついて購入しました。

それでも、タクマーのレンズでは曇り空の天気で、あまり良く撮影できたという経験がありません。どちらかというとコントラストがかなり下がって、彩度が低めで色乗りが悪いといった感じになります。曇天時とはいえ、このような結果になってしまっては面白くは有りません。反対に晴天ではっきりとコントラストが付いて、彩度も高くなる雰囲気では、レンズの特性と相殺されて好ましい画像になります。

色のりのよいレンズと言うことを考えて、レンズを検討します。ニッコールQオート200mmF4もありますが、何しろAi改造が行われていませんので、フィルムカメラのニコンFに取り付けるしかありません。やはりディジタルカメラという感じですので、オートヤシノンの200mmを引っ張り出して来ました。ヤシカのレンズは富岡光学がOEM生産していましたので、ヤシカのレンズは写りが良いという概念があります。

富岡光学のレンズであれば、暖色系の色を誇張する色乗りの良さがありますから、曇天時のコントラストが下がった状況でも、何とか持ち直す事ができます。ピンチの時の救世主レンズな訳で、ある程度の不足をカバーしてくれます。しかし当時の200mmF4レンズですから、収差のことは大目に見ないといけません。

帰ってきてからディジタル現像で低くなったコントラストを持ち上げると、見違えるようにはっきりとした画像になります。流石は富岡光学といった感じで、この様なあらかじめレンズの癖を考えた撮影行も悪くは無いと考えた次第です。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Yashinon DS-M 200mmF4
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO400
夏の間は葛の葉が勢いをつけていましたが、秋になるとちからしばが花穂を伸ばします。強い草で抜こうとしても引き抜けません。
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Super Takumar 85mmF1.9(Asahi Pentax SP)

2017-10-04 06:50:51 | タクマー・レンズ
大口径中望遠レンズは、大きなボケ味と画角が魅力です。標準レンズよりも少し大きなボケ味で少しトリミングしたような画角で撮影が出来ます。今まではAPS-CサイズのK-5撮で影していましたので、画角的には120mmレンズと同じくらいになってしまって、多少不満足感が残ります。フルサイズのK-1は魅力的ですが、フィルムを用いた撮影でも、十分に満足できる結果が残せます。

ポートレイト・レンズとして、人の自然な表情を捉えることができるレンズなのですが、何しろ大きくて重くて高いといった3拍子がそろったレンズでしたから、一般のカメラマンで揃える方も少なくて、大抵は105mmF2.8か135mmF3.5の普及品レンズで我慢するといった感じです。標準レンズで通す方もおいでましたので、それほど中古品でも見かける事がありません。

このレンズから始まって、SMCタクマーやオートタクマーの訳あり品を次々に購入していきましたので、一番まともなレンズがこのスーパータクマーという事になります。しかし、丁寧に使っていればどのレンズもしっかりと個性のある写りをしてくれますので、雰囲気に合わせて贅沢に使っているというのが現状です。

85mm大口径レンズは、なるべく絞り込まないで使うという事を良く聞きます。しかし、昔レンズのタクマーでは、絞り開放付近でにじみ等の収差フレアが出てくる事になります。あまりきれいには写ってくれないレンズですから、F2.8位まで絞り込んで使うと、解像感もぐっと上がって各々の個性が発揮された画像になります。

しかし、後ボケがかなり硬くなってきますので、ボケの形と解像感のせめぎ合いが起こるのもこのレンズで、良く背景の位置や形を勘案して構図に取り入れるようにしないと、満足できる結果にはなりません。絞り開放でも解像感がかなり確保されているのが、高級ポートレイト・レンズと称される所以で、絞り開放にてチャレンジする事も良くあります。

このスーパータクマー85mmF1.9は、オートタクマーと同じくエルノスター・タイプのレンズで、独特のほんわりとした描写が特徴になります。絞り込んでもあまり背景が硬くならないレンズで、はっきりと描写するのが少し苦手なレンズですが、ピントの芯はしっかりと出てきます。問題は浅い被写界深度で、手持ちで撮影していると微妙なピンボケを量産してしまう事にもなります。

このために晴れた屋外ではかなり絞り込んで被写界深度をある程度確保するのですが、薄暗い雰囲気では被写界深度が浅くなりますので、撮影がかなり慎重になります。たまにはこのような撮影も緊張感が有って良いものですし、しっかりと体を固定して撮影します。台風が来る前のつかの間の撮影行は、フィルムの特性調べも兼ねて有意義なものとなりました。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


AsahiPentax SP Super Takumar 85mmF1.9
撮影データ:1/125sec F3.5 Fujifilm Neopan Acros100
公園のブランコ、夏休みも終わって人気がなくなった寂しさが漂います。金属の質感もよく出せるレンズと関心しきりです。
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台風が来る前に

2017-10-02 08:06:52 | 季節は進む
日本には来ないだろうと思っていた台風が、いきなり進路を変えてやってきました。休みの日になると雨が降って、なかなか撮影行にも出られませんでしたから、今回は昼からの休みを有効に使ってプチ撮影行です。台風が来てしまうと、台風一過の晴れ間が広がるのですが、雨や風でせっかくの草花が無くなってしまいますので、今のうちにという感があります。それにしても、今年は台風の発生がいまだに少ない年で、今年に冬はどうなるのか心配になります。

一通り夏の草花は撮影してしまいましたので、これから秋の季節の彼岸花や萩の花までは、まだ少し時期的な余裕があります。と入っても毎週週末は曇りや雨の天気で、雨こそ降ってはいないのですが暗い曇り空ですから、カラーフィルムの色のりも悪くてなかなか使う気にもなりません。

それならという事で黒白フィルムを持ち出します。丁度時期の来たネオパンアクロスが残っていましたので、ISO400くらいまで増感して使ってみようという気になりました。今ではフジフィルムさんの黒白フィルムも、ネオパンアクロス一種類になってしまいましたので、ネオパンプレストが無くて寂しい気もしますが、その分増感しても使えるフィルムに仕上がっています。

ISO200位が逆に粒状性やコントラストが改善されるような感じですから、積極的にISO200~400位までの増感現像を行うと良いのかもしれませんが、反面ネオパンアクロスの持っているしなやかさと柔らかさが多少削がれる印象もありますので、本来の持ち味を出していくときには、やはり晴れた日にISO100で使うという感じです。

今では、ISO200がローライ・スーパーパンですし、硬調でざらつきのある仕上がりが特徴のコダック・トライXがあります。国産フィルムに拘らなければ、海外フィルムも色々な個性を持っていますので、被写体に合ったフィルム選択が行える事を有り難く感じています。日本やヨーロッパ、そしてアメリカのフィルムでワールドワイドに撮影という事になりますが、このことも結構面白いと感じています。

色合いがあまり出ない天気ですから、黒白フィルムではトーンが出てきて満足するという事になります。しかし、あまり暗いレンズを用いるとシャッター・スピードも稼げませんので、今回の撮影行は大口径中望遠の85mmレンズを用いる事にしました。曇天ですのであまり逆光雰囲気になる事が少なく、今回はスーパータクマー85mmF1.9を用いています。

結構暗い雰囲気ですので、ISO400まで増感していても、絞り開放付近で1/30秒位のシャッター・スピードになります。昔も今も絞り開放付近ではかなり画像が甘くなりますので、この画像の甘さとフィルムの粒状感が相殺されて、ある程度ナチュラルに写る事への期待感があります。ネオパンアクロスでも増感現像を行うと、かなり硬調な仕上がりになりますので、どの位の写りになるのかという期待感があります。

帰ってきてからは自家現像で、1割ぐらい現像時間を長めにして増感現像を行います。フィルムを水洗してから良く見てみると程好いグラデーションで再現されていましたので、ほっとした感じでスキャニングを行います。結構シャッター・スピードが遅くなりましたので、手振れや被写体ぶれが懸念されましたが、ほぼ無風の環境下でもありましたので、何とか成功したという感じです。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


AsahiPentax SP Super Takumar 85mmF1.9
撮影データ:1/60sec F2.0 Fujifilm Neopan Acros100
まんさくの紅葉が始まる頃、すでに小さな来年のつぼみが出来ています。これからは葉が落ちて、枝だけになってしまいます。
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