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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

フィルムは生もの

2016-01-21 19:15:00 | フィルムで行こう
ディジタルカメラで撮影している時には、一か月の間で一本位のフィルム消費量だった訳ですが、黒白フィルム現像を我が家で行うようになって、加えてカラー・フィルムの現像ルートが確立されてきたおかげで、フィルムとディジタルの使用比率が逆転してしまい、ディジタルカメラを使うのが月一度位と、フィルムを大量消費しています。

昨年秋からフィルムが値上げしてしまい、一時期は大量にストックしようと思っていた訳なのですが、フィルム自体はゼラチン膜で感光材を固定していますから、使用期限と云うものが存在します。乾燥雰囲気下でゼラチンが固化してしまうと、仕上がりにむらが出来たり色味がおかしくなってしまったりと、散々な目にあいます。

冷蔵庫にフィルムをしまい込む事を以前行っていましたが、しまいこんである事を忘れてしまったり、家の人にも良い目では見られなかったりする訳で、結局は見易い少し温度の低い棚に置いていることになります。フィルムを常温保管する訳ですから、使用期限の半分位でフィルムを使いきってしまう事が必要になります。

結局は残り一本で少しずつ継ぎ足して、各種類2本位のストックになる様に管理しています。現像したり、現像に持って行った後で一本フィルムを買ってきたりする訳ですから、費用が分散されてそれ程苦にはならないと云った感じです。35mmフィルムは、36枚撮りフィルムを買ってきて、ワンタッチ・パトローネに詰め替えて15枚撮り2本にして使いますので、それで良いかと思っています。

それでも被写体が多くて、15枚撮りのフィルムでは心もとない時には、24枚撮りのフィルムもストックしてありますので、充分に撮影することが出来ます。フジフィルムさんの業務用フィルムは、かご盛りで売られている唯一のフィルムですから、2・3個はストックしてあると云う具合です。パック売りのフィルムもまとめて買っておくと、コストも下がりそうですが、使用量がそう多くはありませんので、1個ずつ買っておく方が良い感じです。

フィルムは使用期限が長いのですが、生ものですから使用期限表示を常に見ておいて、半分以内の期限で使いきる様にコントロールしています。カラーネガ・フィルムは使用期限が長くてそれ程気にしなくても大丈夫ですが、プロフェッショナルユースの高価なフィルムは余り長くは無い感じです。黒白フィルムも需要が無い感じでストックを使うことになりますから、使用期限には気を遣います。

長くて2年と自身に言い聞かせて、買った日から1年の間に使い切る様にしています。使用期限を過ぎていても使えるには使えるのですが、色味やトーンが変わってしまう不安がありますから、結局のところはそれほど多くのストックを持っていないと云う事になります。

カメラ屋さんに現像を依頼したら、次のフィルムを一本買ってくる。このサイクルで末永くフィルムを愉しんでいこうと考えています。フジフィルムさんも写真文化の継続を謳っていますし、海外のフィルム・メーカさんも生産数は少なくなりましたが、継続して生産しておられますので、当面フィルムを購入することに関しては心配がなさそうです。

のんびりスローにカメラ・ライフを送る。フィルムは撮影スタイルにマッチして、都合がよいと感じている今日この頃です。
それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


Konica Auto S2 Hexanon 45mmF1.8
撮影データ:1/60sec F5.6 Kodak SuperGold 400
玄関先のつわぶきも花が終わってしまって、葉だけが残っています。冬枯れの雰囲気で貴重な緑色の被写体です。
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Yashica D(Yashikor 80mmF3.5)

2016-01-19 19:07:00 | 二眼レフで行こう
久しぶりの二眼レフ・カメラで、少しご無沙汰になっていました。この時代からすでにヤシカのレンズは富岡光学になっていましたので、写りも確かなものと購入したカメラです。一眼レフ・カメラに比べて幾分軽い二眼レフ・カメラですが、質実剛健な昔からのカメラですから、レンズ・シャッターの軽快さを存分に味わえる優れものです。

今となってみれば、クラシック・カメラの中にも入りそうなヤシカDですが、一眼レフ・カメラが浸透した後も作り続けられたカメラですから、ヤシカの二眼レフへの思い入れがひときわ光るカメラと云えそうです。このため、意外と新しさを持った二眼レフ・カメラとも言えますが、クラシック・カメラに入りそうな古い時代のものはヤシコールが付いて、近代の二眼レフの場合はヤシノンが付いているといった具合です。

解放測光の一眼レフ・カメラが脚光を浴びている中でも、二眼レフ・カメラはその構造上、自動露出ではないにせよビュー・ファインダー用のレンズは絞り開放ですから、明るいファインダーでピント合わせが行えます。広々とした明るいファインダーは、一眼レフ・カメラの少し暗めファインダーと違って、隅々まではっきりと確認できますから、撮影意欲が否が応でも高まってきます。

加えて低い位置からのショットもこなすウエストレベル・ファインダーですから、一眼レフ・カメラにアングル・ファインダーを付けて撮影していたのが、嘘の様な感じで思い切り低い位置からの撮影が行えます。逆に高い場所にある被写体では、思い切りカメラを振り上げますから、アイレベルと少し違った見え方になってしまい、少し違和感を感じることになります。

80mmF3.5のヤシコールは3枚玉であるために、抜けが良い分周辺部分の怪しさが残りそうですが、結構善戦していて周辺部分まで破綻が少ない画像を提供してくれます。F3.5の解放絞り値も35mmフィルムに対するボケ量換算ではF1.8位になりますので、絞り開放では少し遠ざかった背景が一様に溶けあってくれます。しかし、絞り開放では昔レンズよろしく芯が無くなりますから、F8以上に絞りこんで撮影するとシャープさが出てきてしっかりとした画像になります。

手持ちで撮影するためには1/100秒以上のシャッター・スピードが欲しい所ですし、画像がある程度シャープで見栄えがするようにしたい欲求がありますから、F8以上の絞り値も必要になってきます。それだけ絞り込んでも、二眼レフ・カメラのレンズは自動絞りの必要がありませんので、円形絞りになっている関係上背景ボケの硬さはそれほど気にはなりません。絞りとシャッター・スピードの欲求を満たすためには高感度フィルム、即ちISO400位のフィルムが必要になります。

現代になって、ISO400フィルムの粒状性や画質が大幅に改善されていますから、二眼レフ・カメラが扱い易くなったと感じています。ISO400ネガフィルムは、黒白ではトライXがありますし、カラーではフジカラープロ400Hがあり、コダックさんではポートラ400があります。

小旅行に行ってきましたので、トライXを詰め込んで撮影して来ました。冬枯れの季節には黒白フィルムが不思議とマッチします。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/500sec F16 Kodak Tri-X 400(ISO200)
新年になって、春の様な暖かさになっている北陸ですが、ふと見上げると葉を落したけやきの枝が稲妻の様に見えて、思わず撮影しました。これから先、どの様な天気になるのか、心配な感じです。
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ブローニーで撮ろう

2016-01-17 10:45:00 | 二眼レフで行こう
昨年の師走から、想い出してみると余りブローニー・フィルムを使っていません。35mm判フィルムは、コニカオートS2やニッコールQオート200mmF4を購入したおかげで使用量が増えてフィルムが無くなる程でしたが、ブローニー・フィルムはほとんど使用なしの状態でした。

何しろスキャナでスキャンすると、4,000万画素位にしますからパソコンが悲鳴を上げてしまって、今となっては遅い処理スピードが尚更遅くなります。そのせいもあって、パソコン負荷が軽い35mmフィルムの比率が多くなるのも頷けます。せめて黒白フィルムでも自家現像の強みがありますからやっておこうと云う感じで、年末にトライXとネオパンアクロスを購入して来ました。

ゼンザブロニカもヤシカDも、中判カメラはファインダーの明るさが全然違いますし、大ぶりな操作感は、カメラを操作して写真撮影を行っていると云う欲求を満足させてくれます。露出計さえ持っていれば、簡単な操作で写真を撮影することが出来ます。重いのが中判カメラの特徴かと云うとそうではなくて、レンズ固定式2眼レフ・カメラのヤシカDは、一眼レフ・カメラと同じくらいか、軽い位です。

今となってみれば赤窓の付いた昔々のカメラは、現用出来るものがほとんど無くて、ある意味コレクタース・アイテムとなっています。このためカメラのほとんどが半自動のコマ送りが行えるセミ・オートマット式になっています。赤窓の付いているカメラが有ったとしても、現代のフィルムは10倍程感度が高くなっていますから、フィルムが感光してしまって実用的ではありません。

今持っているゼンザブロニカもヤシカDも、セミ・オートマット式のカメラです1,960~70年代のカメラで、半自動巻き上げの機構が付いていて、コマ送り精度も確かなものがありますので、当時の技術力は相当に高かったと感じる事が出来ます。その後、フル・オートマット式になっていく訳ですから、技術の進歩もすごく速いと感じてしまいます。

何しろフィルム面積が35mmフィルムの4倍位ある6×6判ですから、フィルムの粒子はざらつき感を出すよりも滑らかさを出す様に働いてくれます。即ちしなやかで線の細い描写になる訳で、ぱっと見の印象はもやもやで、解像感が低い様な印象を受けますが、大きく引き伸ばしていくと細かな部分がはっきりと見えてきて、充分満足できるようになります。

中判であれば最低でも四つ切、出来れば半切り以上で鑑賞すると、その凄さが良く判りますよと、先達の方々は言います。なるほどその通りで、スキャンしたデータを居間のテレビで拡大して鑑賞すると、感心する程に緻密でおおらかな画として鑑賞できます。焼き付けを行って鑑賞すると、費用が結構掛かりますので現代の液晶テレビで鑑賞するのも悪くありません。

そんなこんなでヤシカDを久々に使って、撮影行に出掛けます。冬の光景ですから、わざと硬調のトライXフィルムを使って、静と動の動きを表現してみるのも悪くはありません。帰ったら現像して直ぐに鑑賞できる環境を有難く感じています。

それでは、年初めに撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/125sec F11 Kodak Tri-X 400(ISO200)
街中では見られなくなった田んぼで、刈り取られた稲の跡が冬の殺伐とした風景にマッチします。F11まで絞ってもきれいな前後ボケとなるのは、中判の得意とする所です。
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Takumar 200mmF3.5(Telemore 2x)

2016-01-15 19:12:05 | タクマー・レンズ
三協光機のコムラーを使って、昨年暮れの撮影が終わりましたが、コムラーついでに撮影したかったアイテムがあります。それはテレ・コンバータで、焦点距離が2倍に増やせる便利なアイテムです。昔は望遠レンズは135mmまでで、それよりも長い望遠レンズは高嶺の花ですから、簡易に超望遠が出来るテレ・コンバータは、アマチュアカメラマン必携のアイテムでもありました。

コムラー、即ち三協光機のレンズは、廉価版でしっかりと写る庶民の味方レンズでしたが、大当たりしたレンズは、このテレ・コンバータでもありました。名前はテレモアで今では中古品しかありませんが、簡単に手持ちのレンズが望遠レンズになる魅力は大きく、わざわざ高い望遠レンズを買わなくて済むと云う感じでした。

しかし、テレ・コンバータにも癖があって、装着するレンズを選びますし、被写体も選びますから、扱う際には注意が必要です。装着するレンズの画像そのものを2倍に拡大してくれるレンズですので、収差や色ずれの部分が拡大されて大きくなり、違和感が出て来ますから注意が必要な事と、絞り2段分位暗くなりますので、ピント合わせが難しくなる事です。

200mm望遠レンズは、APS-CサイズのK-5では600mm望遠レンズになりますから大変重宝なのですが、SMCタクマー200mmF4を付けるとフリンジが拡大されてコントラストが下がってしまいますから、あまりお勧めは出来ません。無難に150mmタクマーにするか、それともしっかりとした描写をする初代タクマーの200mmF3.5をチョイスするかですが、今回は初代タクマーの200mmF3.5で撮影することにしました。

昔ながらのタクマーでは、非球面レンズや分散レンズが搭載されていませんので、収差フレアやフリンジが拡大することに目をつむる必要があります。テレ・コンバータを使わない場合には気にならなかった収差やフリンジが目立って来ますから、被写体の輝度にも注意を払う必要がありますし、何しろ600mmの画角です。

手持ち撮影では、明らかに手ぶれ防止機能の限界が見える程の画面揺れとなりますから、しっかりとカメラをホールドするか、三脚に乗せる工夫が必要です。今回は手持ちでどこまでぶれなし撮影が行えるか、練習も兼ねて持ち出しましたので、数枚撮影してぶれの無い画像をピックしています。やはり時間に余裕がある時に三脚に付けて撮影するのが、ワーキング・ディスタンスが充分取れるレンズですから、ベストであろうと思います。

初代タクマー200mmF3.5だけでも充分に重いのですが、テレ・コンバータを付けた事で重心が前の方に行ってしまって、少し扱い難くなります。それでも1/60秒までのシャッター・スピードではぶれがない画像を得る事が出来ました。フィルムではなかなかこの様には行きませんので、三脚も一緒に連れ出すことにします。

それでは今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Takumar 200mmF3.5
撮影データ:1/125sec F4 ISO100(Telemore 2x)
玄関先のろうばいが満開の時期を迎えています。レンズの性能からしても2倍のテレコンバータが精いっぱいと云う所で、少し甘めの描写になります。
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薄い被写界深度

2016-01-13 19:50:20 | レンズいろいろ
一眼レフ・カメラを使いだして、交換レンズにも目が向いて来て、色々取り替えて使うようになってくると、良いレンズとは一体どのようなものなのか、と云う疑問が湧きあがってきます。レンズもカメラも色々ありますし、どの様なレンズを先達の方々が探して装着しているのか、興味がありました。

色々と聞いてみた中で、現代でも通用する様な選び方がありました。今でもこれは核心をついているなと考えさせられます。それは被写界深度で、広角レンズでも標準レンズでも、そして望遠レンズでも当てはまる事です。良くあるザイデルの収差は、味付けとしても使えるので、あまり選択のポイントにはならないようです。

レンズには∞の表示と最大の距離表示があります。実はその間を使ってレンズの善し悪しが判ると云う訳です。そこの間にある被写体を探してファインダーを覗いてピントを合わせます。この間にある被写体すべてにピントが合う様なレンズは、ピントの山がつかみ難くて、かなり絞り込まないとはっきりとした像を結びません。

ザイデルの収差の中の球面収差が恐らく関係していると思いますが、しっかりと収差補正が行われている優秀レンズは、その間にある被写体の細かな部分で、はっきりとピントを合わせる事が出来ます。望遠レンズでは、かなり離れた被写体の一部分にはっきりとピントを合わせ込む事が出来る訳です。

タクマーのレンズは広角から望遠レンズまで、しっかりとピント位置が判る優秀レンズですから、絞り開放からはっきりとした像を結んでくれます。レンズが優秀であればある程、これに起因するはっきりとした被写界深度が災いして来ます。しっかりとピントを合わせ込まないとすべての部分が微妙なピント外しになってしまって、ふわふわな画像となります。

また、手ぶれ補正に頼っていても、簿妙な手ぶれは出て来ますし、被写体の微妙なぶれにも悩まされることになります。これがレンズ本来の持つシャープさを削いでしまう事になります。広角レンズならと云う気持ちがありますが、はっきりと見える分手抜きをしてしまう感じで、後から拡大してがっかりと云う事に悩まされます。

また、優秀なレンズは遠距離になろうとも、しっかりとした被写界深度を持っていますので、ピントを外すとうっすらとにじんでぼけて来ますから、事態は深刻です。ファインダー像は被写界深度が深めに見えますから、合ったつもりでシャッター切って、後からがっかり等と云う事になります。被写界深度に頼らないで、しっかりとピントを目標位置に合わせ込み、絞りは背景のボケ具合を合わせる程度と考えておいた方が良いと考えています。

優秀レンズはこの特徴で遠くの被写体でも、立体感のある撮影が出来ると考えています。タクマーに限らず、ぼけのきれいな単焦点レンズは優秀なレンズである訳で、余り手荒にピント合わせをしない事が好結果に結び付くと思っています。昔レンズ恐るべしです。

そんなこんなで、お正月は200mm初代タクマーにテレ・コンバータのテレモアを付けて、K-5で600mm望遠レンズの味を愉しみます。極薄の被写界深度で失敗コマも多く出来ますが、上手く合わせ込めた達成感を得るために、じっくり時間をかけて撮影を行います。

それでは、年初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Takumar 200mmF3.5
撮影データ:1/60sec F4 ISO100(Telemore 2x)
玄関横のじゅうりょうが赤い実を付けています。焦点距離が長くなっても最短撮影距離が同じなために、マクロ撮影が出来て少し得をした気分になります。
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