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Super Takumar 55mmF2(黄文字のタクマー)

2017-08-13 16:26:51 | タクマー・レンズ
なぜこのようなレンズが存在しているのかと考えると、少し不思議な感じです。55mmF1.8の普及版キット・レンズが存在していて、おおよそペンタックスSPで撮影されていた方々はほとんど持っているレンズが有って、いまさらF2レンズといった感じです。その55mmF1.8レンズと全く同じ格好をして売られていましたので、不思議なレンズと表現することが出来ます。

国内ではそう多くの数は販売されていないようで、主力は海外輸出用のレンズであったと考えることが出来ます。国内販売と海外輸出品を区別するために、鏡胴の文字が白色と黄色になっていると聞きました。主力が海外輸出であったがために、生まれ故郷を偲ぶように戻ってきたレンズが、中古品として販売されている感じです。

主にSP500というペンタックスSPのシャッター・スピードを1/500秒に制限した廉価版SPに付いていたと聞いています。つまり入門用普及型カメラという位置付けです。国内向けにはペンタックスSPとスーパータクマー55mmF1.8がメインであり、1クリック絞り込めばF2位になりますから、さして希求感もなかったというのが本音であろうと思います。

外観と内部構成がスーパータクマー55mmF1.8と全く同じであり、唯一違う点はF2レンズの方がF2にするための絞り開口制限環が嵌め込まれていることと絞りの動きを制限するピンが追加されているだけです。その他はすべて同じであるがために、コストの点で言えば入門用レンズが普及版レンズよりもコスト高になる訳で、これはSP500にした事によるお値打ち感で相殺したという事ではないかと考えています。

希少なレンズなのですが、スーパータクマー55mmF1.8と瓜二つのレンズですので、現用するとなればスーパータクマー55mmF1.8を選択するのが自然です。このために中古品はあってもキット・レンズのタクマーよりリーズナブルな感じで、あまり購入意欲が湧かないレンズと表現することも出来ます。他メーカの独自設計F2レンズと比べるとみすぼらしい感じですし、特徴も少なげです。

リコーさんに問い合わせると判ることも多いと思いますが、一つはタクマーの55mmF1.8レンズが一つの完成した銘レンズであるという事があると思っています。SMCコーティングが施されてレンズ内部の迷光が少なくなり、完璧になったのですが、独自のダブルガウス型のレンズは一つの完成形で、FAレンズに至るまでずっと採用されました。

この構成を踏襲しながら、少し絞ることで解像度と被写界深度を稼ぎ、誰でもそこそこの満足感が得られるようにしたのが、スーパータクマー55mmF2であろうと考えています。実際に写してもほんの少しの違いなのですが、ピントが合わせやすくて、絞りこみを忘れて撮影してもそこそこ解像度は出ている感じです。入門用とすれば失敗しにくいレンズと考えて使うようにしています。

気軽に撮影して失敗が少ないので、思い切り絞り開放で撮影できて便利です。背景ボケが角ばらないので、丸ボケも簡単に作れます。使いやすいので撮影コマが増えた一日になりました。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 55mmF2
撮影データ:1/400sec F2 ISO100
道端に面白い花と近付いてみたら時計草でした。てっせんに比べて時計のような花ですが、愛嬌があって面白い花です。
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