かつては国内で生産されていたフィルムの中でも、ISO200フィルムはそれなりの地位を占めていて、かなり生産されていたのではないかと思います。ISO100のスタンダード・フィルムであるネオパンSSは使いやすいフィルムなのですが、反面もう少し高感度のフィルムが欲しいし、ネオパンSSの解像度は維持したいという欲求もありました。
この時代すでにトライXがあって、ISO400の高感度フィルムはすごく興味がありました。しかし、この時代のISO400フィルムですから、感度の犠牲になった解像度のほうはあきらめざるを得ませんでした。現代は平板粒子のコダックT-MAXシリーズがありますし、ヨーロッパのフィルムでも高感度なのに粒子は緻密で、新しい時代のフィルムを実感させてくれます。
しかし、日本国内で行われたISO200フィルムの生産は、かなり少ないというのが実情です。黒白フィルムではネオパンSSSがあったのですが、今一つ感度と描写が中途半端であったことが災いして、あまり微粒子が期待できなかった状況から早々に生産が終了してしまいました。カラー・フィルムも同じ印象で、ISO200のカラー・フィルムは輸出専用となってしまいました。
やはり高感度でキメの細かなフィルムが好評になります。このためISO400フィルムの改良が進んでしまって、日本国内ではISO200のフィルムを見かけなくなってしまいました。ISO200のフィルムはどちらかというと軟調に描写するものが多かったがために、はっきりと描写するISO100やISO400のフィルムが重宝されたのではないかと考えています。
ISO200のフィルムと言っても、実行感度はISO100程のものが多く、ISO100フィルムの乳剤で高密度描写が行えるものをISO200にしている感があります。増感現像で少し粒子が荒れても、高密度フィルムですから粒子荒れが目立たないと言う訳です。ヨーロッパ系のISO200フィルムではこの特性のものが多く、ISO100で撮影するとコントラストも高くなって緻密な描写になります。
今の時代でも輸入フィルムにはISO200感度のものが多く、フォマパンやスーパーパンもISO200の黒白フィルムです。また、逆輸入品のフジカラーC200やコダックのスーパーゴールドもISO200のカラー・フィルムです。しばらく探していると偶然入荷してきたりしますので、見つけた時に2個くらい購入してくるという感じです。
今回はISO100で撮影しようかと思いましたが、カラーネガ・フィルムでもありますので、ペンタックスSPとSMCタクマー120㎜F2.8の組み合わせで撮影することにしました。カラーネガ・フィルムは発色が濃厚ですので、コントラストの低いSMCタクマー120㎜F2.8の描写を幾分緩和してくれそうです。
今回は発色が濃厚でコントラストも幾分高めな、コダックさんのISO200フィルムを使う事にしました。梅雨の晴れ間の様な天気なのですが、湿度は低くなって五月晴れの天気に戻った一日となりました。花が少なくなっている時期なのですが、それでも少しは咲いている花がありますので、すかさず撮影します。紫陽花も咲きだしてきましたので、これからが楽しみといった感じです。
それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。
Asahi Pentax SP SMC Takumar 120mmF2.8
撮影データ:1/125sec F4 Kodak ColorPlus200(ISO200)
柿の葉も大きく伸びてきてそろそろ花も咲くと思っていましたが、まだ咲いていない木が多い中で待ちきれずに咲き出している木もありました。今年はかなり開花のばらつきが大きい様子です。
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