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通勤ローディ、たまにホビーレース

逃げてる選手は何W?

2010-08-14 12:36:20 | 日記
再び、自転車選手の出力ネタ。


スプリンターの最大出力は1000Wを超えますが、じゃあ、逃げている選手はどれぐらいの出力で逃げているのか?

第18ステージで、リクイガスのオスが残り3kmまで逃げていますので、こちらもSRMのデータを見てみました。
(ステージの結果は、カヴェンディッシュがスプリントで勝利)



197kmのステージのスタート後10km地点で、オス達は、800W程度の出力で(珍しく1発で)逃げを決めて、その後184kmほど逃げています。
この時の逃げペースが巧妙です。


スプリンターチームは、無論スプリントに持ち込みたいので、残り40~50kmぐらいから、逃げを追いかけだします。

この逃げを吸収する時のペース配分は、チームカーのPCで計算され、無線で選手に指示されますので、正に、計算し尽くされたペースで、チームで追撃します。
その結果、残り10kmぐらいで逃げを吸収し、ゴールまで「アタックが出ない程度の速度」でトレインを組み、集団をコントロールする・・・というのが、定番の展開です。


しかし、逃げているオス達も、そんな事は百も承知。
「逃げてへばった」的な、350Wから225Wまで徐々に出力を下げていく「逃げ集団の演技」が、残り60kmぐらいまで続きます。
ここでメイン集団が追撃をしますが、オス達は、あせらず、集団との差をコントロールしながら、徐々に出力を上げていきます。

残り20km、オス達の平均出力は300Wを超え、下り基調、追い風も相まって、集団の焦りっぷりの映像からは見られます。

ここで、残念ながら、逃げの協調体制が崩れた為、オスは単独逃げとなるものの、最後の10kmが平坦基調だったことと、意地になったコロンビアとSKYの引きによって、375Wの出力を振り絞るも、残り3kmで捕まってしまいます。


もう少し、いい逃げっぷりだっただけに、逃げ集団の協調体制が続いていたら、オスの逃げ切りもあったかもしれませんね。



余談ですが、スプリンターチームにとっては、このオスの粘りは、想定外だったのでしょう。
最後の直線では、どのチームも列車の数が少なすぎでした。

結果、混戦のスプリントとなり、こうなると、もう加速力の勝負。
SKYにとっては、残念な展開に、レンショーを欠いたコロンビアにとっては、カヴェの加速力勝負で、結果オーライだったのでしょうね。



逃げは、「逃げメンバー内での勝負」「集団との勝負」「天気」「風向き」など、不確定要素が多いので、個人の力もさることながら、如何に相手のウラをかくかの戦術が重要なのかも。
来年、ブリュイネル監督(@レディオシャック)あたりが、ステージ狙いでやってくれると、面白いかも。


もっとも、ワタクシが出ているような、ホビーレースなんかでは、「個人の力の問題」でしょうが。
・・・精進します。


今日はここまで。