シクロワイヤードさんに、シマノ9000系デュラエースのインプレ記事が出ていました。こちら
記事の内容は、あまりない。広報資料を引用しましたって感じがアリアリ。
インプレライダーは、変速べた褒め。そこしかイイとこないの?ってぐらい、変速の性能の話に終始している。
…このままでは、面白くないので、少しツッコんでみようかしら?
まず、レバー。
「3D CADの進歩によって内部構造を極限まで削り落とした…」とありますが、これは、説明が舌足らずで、「3D CADのデータを使った応力解析の結果より、駄肉を落とすことができた」とか、「3D CADのデータを、成型をする仕入先と共有することで、型で作れる合理的な形状にできた」とかなんでしょうね。
よく文系の人は、理解できないが故に、CAEとかCADの事を「斬新な設計ができる魔法の道具」みたいに思っている人が多いもんです。
いい道具はいい仕事をする一つのツールではありますが、「勝手に設計を考えてくれる魔法の道具」には、まだなっていない事ぐらい理解して欲しいもんです…ってのは、オイラの愚痴ですね。
レバーでもう一つ。インプレライダーが、レバーの握り心地に言及していないのが気になります。書いていないことは、悪い方に気になる事か、良さを実感できなかったことでしょう。
個人的にも、レバーの形状は、次のモデル(9100系?)で変わると思います。
9000系の形状は、あまりにもプレーンすぎます。「太すぎるって文句が出るなら、細くすりゃいい」ってことはなく、ある程度の凹凸がないと、返って人間は握りに違和感を覚えるもんです。もし、9100系が出るなら、もう少しぐにゃぐにゃするか、凸凹するかするでしょう。
次に、スプロケット。
前に私、「ロー側はガス軟窒化じゃないか?」と書きましたが、大ハズレですね。チタン製とは恐れ入りました。
重量計算をやっていれば、チタン製であることに気付けたのかもしれません。反省します。
しかし、保守的なシマノがチタンを使うなんて驚きです。やっぱり、記事にもあるように、9000系は過去最大のモデルチェンジかもしれません。(←訂正:7900もチタンだったとのこと。勉強不足ですね。h.yさん、ありがとうございました)
次に、クランクとブレーキですが、これは、別の機会に取り上げさせてください。
最も気になるのが、ワイヤー。
「新開発のケーブルシステム」「ワイヤには接触面積を少なくする加工が、アウターケーブル内にはシリコングリスが封入され…」とあるが、どんな形状で、どんなメカニズムでフリクションを下げているのか分からない。
多分、記事を書いているのは文系の人なので、ツッコんでも出てこないので、一度、現物を見た上で、特許を調べてみようかしら?
シマノのワイヤーの製造元(開発元)まで調べないと出てこないので、大変ではりますが。
誰も褒めていないし、気にもしていないし、だけど大きく変わったのが、チェーン。(I LOVE CHAIN!です)
HPには、特殊PTFE処理と書いてましたが、その詳細が特許に書いていました。特開2011-148859の請求項5に、「Ni-P-PTFE」と。
特許中の説明でも「Ni-P-PTFE合金皮膜は滑り性が良好であるので、耐摩耗性がさらに向上する」とあります。
今までシマノ(=椿本)のチェーンと言えば、ジンクアロイこと、Zn処理。これをやめて、Ni-P系の処理に変えました。
特許も、Zn系の水素脆性対策の特許は放棄して、あっさりこのNi-Pに変更しています(←まだ出願状態だが)。よっぽど試験結果が良かったんでしょうね。
しかし、気になるのが、これって特許になるのか?ってこと。Ni-Pメッキなんて、20年前からある技術。今更チェーンに使いましたなんて、どこに目新しさがあるのでしょう?
ともかく、チェーンは激変しているハズです。見た目も性能も。どう激変したかは…分かりません。
しかし、これだけの、表面処理の仕入先(設備?)を変更する程の大変更をしたにも関わらず、宣伝も告知もしないシマノ。
もう、奥ゆかしいんだか、じれったいんだか。
今日はここまで
記事の内容は、あまりない。広報資料を引用しましたって感じがアリアリ。
インプレライダーは、変速べた褒め。そこしかイイとこないの?ってぐらい、変速の性能の話に終始している。
…このままでは、面白くないので、少しツッコんでみようかしら?
まず、レバー。
「3D CADの進歩によって内部構造を極限まで削り落とした…」とありますが、これは、説明が舌足らずで、「3D CADのデータを使った応力解析の結果より、駄肉を落とすことができた」とか、「3D CADのデータを、成型をする仕入先と共有することで、型で作れる合理的な形状にできた」とかなんでしょうね。
よく文系の人は、理解できないが故に、CAEとかCADの事を「斬新な設計ができる魔法の道具」みたいに思っている人が多いもんです。
いい道具はいい仕事をする一つのツールではありますが、「勝手に設計を考えてくれる魔法の道具」には、まだなっていない事ぐらい理解して欲しいもんです…ってのは、オイラの愚痴ですね。
レバーでもう一つ。インプレライダーが、レバーの握り心地に言及していないのが気になります。書いていないことは、悪い方に気になる事か、良さを実感できなかったことでしょう。
個人的にも、レバーの形状は、次のモデル(9100系?)で変わると思います。
9000系の形状は、あまりにもプレーンすぎます。「太すぎるって文句が出るなら、細くすりゃいい」ってことはなく、ある程度の凹凸がないと、返って人間は握りに違和感を覚えるもんです。もし、9100系が出るなら、もう少しぐにゃぐにゃするか、凸凹するかするでしょう。
次に、スプロケット。
前に私、「ロー側はガス軟窒化じゃないか?」と書きましたが、大ハズレですね。チタン製とは恐れ入りました。
重量計算をやっていれば、チタン製であることに気付けたのかもしれません。反省します。
しかし、保守的なシマノがチタンを使うなんて驚きです。やっぱり、記事にもあるように、9000系は過去最大のモデルチェンジかもしれません。(←訂正:7900もチタンだったとのこと。勉強不足ですね。h.yさん、ありがとうございました)
次に、クランクとブレーキですが、これは、別の機会に取り上げさせてください。
最も気になるのが、ワイヤー。
「新開発のケーブルシステム」「ワイヤには接触面積を少なくする加工が、アウターケーブル内にはシリコングリスが封入され…」とあるが、どんな形状で、どんなメカニズムでフリクションを下げているのか分からない。
多分、記事を書いているのは文系の人なので、ツッコんでも出てこないので、一度、現物を見た上で、特許を調べてみようかしら?
シマノのワイヤーの製造元(開発元)まで調べないと出てこないので、大変ではりますが。
誰も褒めていないし、気にもしていないし、だけど大きく変わったのが、チェーン。(I LOVE CHAIN!です)
HPには、特殊PTFE処理と書いてましたが、その詳細が特許に書いていました。特開2011-148859の請求項5に、「Ni-P-PTFE」と。
特許中の説明でも「Ni-P-PTFE合金皮膜は滑り性が良好であるので、耐摩耗性がさらに向上する」とあります。
今までシマノ(=椿本)のチェーンと言えば、ジンクアロイこと、Zn処理。これをやめて、Ni-P系の処理に変えました。
特許も、Zn系の水素脆性対策の特許は放棄して、あっさりこのNi-Pに変更しています(←まだ出願状態だが)。よっぽど試験結果が良かったんでしょうね。
しかし、気になるのが、これって特許になるのか?ってこと。Ni-Pメッキなんて、20年前からある技術。今更チェーンに使いましたなんて、どこに目新しさがあるのでしょう?
ともかく、チェーンは激変しているハズです。見た目も性能も。どう激変したかは…分かりません。
しかし、これだけの、表面処理の仕入先(設備?)を変更する程の大変更をしたにも関わらず、宣伝も告知もしないシマノ。
もう、奥ゆかしいんだか、じれったいんだか。
今日はここまで