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通勤ローディ、たまにホビーレース

シマノ9000系デュラエースの記事を読んで思ったこと

2012-11-15 23:56:56 | シマノ製品調査
シクロワイヤードさんに、シマノ9000系デュラエースのインプレ記事が出ていました。こちら


記事の内容は、あまりない。広報資料を引用しましたって感じがアリアリ。
インプレライダーは、変速べた褒め。そこしかイイとこないの?ってぐらい、変速の性能の話に終始している。

…このままでは、面白くないので、少しツッコんでみようかしら?

まず、レバー。
「3D CADの進歩によって内部構造を極限まで削り落とした…」とありますが、これは、説明が舌足らずで、「3D CADのデータを使った応力解析の結果より、駄肉を落とすことができた」とか、「3D CADのデータを、成型をする仕入先と共有することで、型で作れる合理的な形状にできた」とかなんでしょうね。

よく文系の人は、理解できないが故に、CAEとかCADの事を「斬新な設計ができる魔法の道具」みたいに思っている人が多いもんです。
いい道具はいい仕事をする一つのツールではありますが、「勝手に設計を考えてくれる魔法の道具」には、まだなっていない事ぐらい理解して欲しいもんです…ってのは、オイラの愚痴ですね。

レバーでもう一つ。インプレライダーが、レバーの握り心地に言及していないのが気になります。書いていないことは、悪い方に気になる事か、良さを実感できなかったことでしょう。
個人的にも、レバーの形状は、次のモデル(9100系?)で変わると思います。
9000系の形状は、あまりにもプレーンすぎます。「太すぎるって文句が出るなら、細くすりゃいい」ってことはなく、ある程度の凹凸がないと、返って人間は握りに違和感を覚えるもんです。もし、9100系が出るなら、もう少しぐにゃぐにゃするか、凸凹するかするでしょう。


次に、スプロケット。
前に私、「ロー側はガス軟窒化じゃないか?」と書きましたが、大ハズレですね。チタン製とは恐れ入りました。
重量計算をやっていれば、チタン製であることに気付けたのかもしれません。反省します。
しかし、保守的なシマノがチタンを使うなんて驚きです。やっぱり、記事にもあるように、9000系は過去最大のモデルチェンジかもしれません。(←訂正:7900もチタンだったとのこと。勉強不足ですね。h.yさん、ありがとうございました)


次に、クランクとブレーキですが、これは、別の機会に取り上げさせてください。


最も気になるのが、ワイヤー。
「新開発のケーブルシステム」「ワイヤには接触面積を少なくする加工が、アウターケーブル内にはシリコングリスが封入され…」とあるが、どんな形状で、どんなメカニズムでフリクションを下げているのか分からない。
多分、記事を書いているのは文系の人なので、ツッコんでも出てこないので、一度、現物を見た上で、特許を調べてみようかしら?
シマノのワイヤーの製造元(開発元)まで調べないと出てこないので、大変ではりますが。


誰も褒めていないし、気にもしていないし、だけど大きく変わったのが、チェーン。(I LOVE CHAIN!です)
HPには、特殊PTFE処理と書いてましたが、その詳細が特許に書いていました。特開2011-148859の請求項5に、「Ni-P-PTFE」と。
特許中の説明でも「Ni-P-PTFE合金皮膜は滑り性が良好であるので、耐摩耗性がさらに向上する」とあります。


今までシマノ(=椿本)のチェーンと言えば、ジンクアロイこと、Zn処理。これをやめて、Ni-P系の処理に変えました。
特許も、Zn系の水素脆性対策の特許は放棄して、あっさりこのNi-Pに変更しています(←まだ出願状態だが)。よっぽど試験結果が良かったんでしょうね。
しかし、気になるのが、これって特許になるのか?ってこと。Ni-Pメッキなんて、20年前からある技術。今更チェーンに使いましたなんて、どこに目新しさがあるのでしょう?
ともかく、チェーンは激変しているハズです。見た目も性能も。どう激変したかは…分かりません。

しかし、これだけの、表面処理の仕入先(設備?)を変更する程の大変更をしたにも関わらず、宣伝も告知もしないシマノ。
もう、奥ゆかしいんだか、じれったいんだか。


今日はここまで

デュラエースのコントロールレバー

2012-11-11 23:59:31 | シマノ製品調査
土曜日出勤。レッドブルを飲んで、気合を入れます。

帰り道、近所の中学校での看板。上下の文の繋がりが、意味不明です…。

日曜日は洗濯機が壊れ、てんやわんや。見に来てくれた方、すみません。

(↑ご臨終)

「エンジニアは、技術が命。開発・設計される製品は、機能を達成する事が最優先であり、見た目は後からついてくるものである」とは、よく言われる見解だが、そうは思わない。
デュラエースのコントロールレバーがその例。

まずは、カンパのレバーを見て欲しい。


実は、握りやすいだけで、芸はない。(←エルゴノミックでしょ?)

デュラエースのコントロールレバー。

気になる所が二つ。
カバーの2色成型と、曲がったレバー。

2色成型は、いいチャレンジだと思う。型内整形か接合かは分からないけど、カバーに適用するのは面白い。
ただ、見た目がイケテナイだけで。
それよりも、問題は、曲がったレバー。ダサい。媚びている。

レバーなんて、握り方はライダーが決めるもの。曲げて、「ここを握ってください」なんて、むしろ握りの自由度を奪うもの。
私は、曲がる以前の根元を握るのが好き。ブラケットの頭を握り、チョンがけのブレーキ。街中では、結構多用する。
この曲がったレバーは、違和感たっぷり。(←慣れていないだけでは?)

「あなたの好みに合わないだけでは?」
そうとも言えますが、この写真を見るとね、

えーと、曲がり角が見えますよね。
たぶん、CADで図面を書いて、テストライダーの好みに合うように、図面を変えていく開発方法ですよね。
この形、製品を見たらトレースできる人も多いのでは?

一方カンパは有機的。カーブが複雑でトレースが難しい。

バンダイによると、ガンプラには図面が存在しないそうです。
複雑な形状を、そのまま型に転送。角Rがいくつかなんて、製品には意味ないですもん。
余談ですが、バンダイの整形技術は、世界トップクラスです。
あんな精緻な成形品は、あとはカメラの部品ぐらいでしょう。

カンパもデータ転送で成形でしょう。形が複雑過ぎですもん。(いいか悪いかは、個人の好みですが)

ともかく、デュラエースのレバーは、図面があることがガンでしょう。図面に書ける表現の中でしか、形状を作れない。

イタリア人は合理的です(サボりたいだけ?)。形状部品に図面はいらんと判断したかもしれません。
日本人は勤勉で実直です。図面を書くぐらいは厭わないもんです。

日本人のマジメさは、私も好きですが、時には、サボることも、いい開発をする一つの要素かもしれませんね。

今日はここまで





デュラのクランク

2012-11-08 23:59:02 | シマノ製品調査
デュラエース9000番、巷では、「いいね!」だの「スゴイ!」だの言われてますが、なんかデュラ伝説(?)に踊らされているみたいで、その声があがる根拠がよく分からない。
(新型デュラに対しては、「…に変わりました。スゴイです」とか、「ライダーの事をよく考えた改善です」とか、「耐久性の向上に貢献しているのでしょう」とか、根拠レスな褒め方が多いので…)


一エンジニア的には、技術的に「スゴイ」って所と「お金を掛けて良くしたね」って所が、入り混じっていると思います。

技術の最もスゴイと個人的に思っているのは、変速機構。特許の数も相当出ていて、それに見合った小細工が功を奏しているように見えます。(使ったことはないので…)

製造技樹では、ペダルが衝撃的でした。あの形状で、長繊維の量産化をやるなんて…。

お金を掛けたのは、カセットスプロケット。先に書いたように、高いけど確実な機能を維持できる製品だと思います。ビジュアル的にも大きく影響する所なので、ここは高くてもヨシとします。(←何様?)


許せないのは、クランクとコントロールレバー。機能からくる見た目が許せない。
あの「強く、軽くだけが正義ナリ」ってノリのクランクの設計思想は、正義だけども、空気を読んではいないと思う。(個人的な意見ですよ)


クランクは自転車の顔です。自転車のあの変わらないスタイルを正とするのであれば、あの形はその範疇を超えています。無論、変えちゃダメと言っている訳ではなく、今の自転車デザインの空気を読んだデザインの範囲の中で、ベストな設計を探して欲しいと言っています。

カンパのクランクは、あんなエイリアンがギア板に張り付いたような、不細工極まりない形には、していません。
技術云々ではなく、イタリア人独特の美意識が働いた結果だと思ってます。
もちろん、数値試験をしたら、デュラの圧勝に決まっています。

私はデュラのクランクは、今は使いません。
自転車が進化して(UCI規定が変わって)、そのスタイルがエイリアンっぽくなったら、考えます。

しかし、「エイリアンっぽい」って、何処かで聞いたような…?あっ!TTヘルメットだ!
デュラクランクは、TTやトライアスロンには、似合うのかもしれませんね。


次回は、コントロールレバーについてです。なんであんな…。


今日はここまで


トンガリコーン

2012-11-07 23:59:57 | シマノ製品調査
もうすぐトロバラで盛り上がらないといけないハズが、仕事の方が盛り上がってきました。どっちもとっても不安です。


昨日の続きです。

オイラならどんなカセットスプロケットを設計するか?
これは、もう決めています。(←なんの為に?)

樹脂で、トンガリコーンみたいな土台を作り、そこにスプロケットの歯だけ刺していくカセットスプロケット。具体的には、全歯とも樹脂のインサート成形になります。
もちろん、バラせません。歯の入れ替えも不可能です。
でも、実際、歯の入れ替えやりますか??バラすメリットありますか??

このカセットスプロケット…ならぬ、一体型スプロケットで軽量化はもちろん、歯の位置精度も上がります。
11速化になり、厳しい精度が求められるようになった今では、大事なことではないでしょうか?

課題は…、音かな?
多分、トンガリコーンの内側から、放射音が出てきます。いや、メガホンみたいなので、スゴイ音になるのかも。

オイラは、コンポの音なんて、全く気にしない人ですが、気にする人は気にするのかも。


今日はここまで





デュラエースのカセットスプロケットについて

2012-11-06 23:59:09 | シマノ製品調査
デュラエースが新型になってます。
そのカセットスプロケットに注目してみました。


先に書いた通り、スプロケットは硬度の硬い鉄系でないと、持ちません。巷では、アルミスプロケットなんて売られていますが、スプリント一発でオシャカです。ヒルクライム決勝用だと割り切ればアリですが。

そのデュラエースのスプロケットですが、その製法を推定してみました。実は、あまり自信はないので、「まぁ、そんな話もアリだよね」ぐらいで聞いてくださいな。


まず、トップ側とロー側の色が違います。メッキをしている感じではないし、多分、材質と熱処理と工法が違うのではないかと思っています。

まずロー側。面圧はトップ側に比べ、低めです。
工法は、全削りではないでしょう。安過ぎです。それに、デュラだって、量産品ですから。
色からすると、軟窒化でしょうか?であれば、低炭素鋼のファインブランキング、両面研磨して、ガス軟窒化でしょう。

トップ側は手強い。面圧が高いので、軟窒化では、モナカみたく、表面がパリッと逝きます。
高炭素鋼のFB、焼き入れ焼き戻し(中までガチガチ)、両面研磨かな?

原価は、ザックリと一枚200円。11枚で、2200円。市販品の売価は原価の10倍との乱暴な推定ですが、適正な売価は20000~25000円って所でしょうか?(実は、実売価を知らない…)


面白いのは、同時期に発表されたSORAのカセットスプロケット。
トップからローまで、汎用プレスのメッキ処理。

「トップは11Tなのに思い切ったことするなぁ」「これで、本気スプリントしたら、ギアの摩耗がスゴイよね」なんて思ってましたが、HPをよく見てみると、「SORAは、タウン・シティユースに」と書いてます。

よく「デュラは耐久性がいい」なんて書かれますが、その比較対象がSORAとかだとすれば、その人は比較をしてはいけません。
デュラの持ってる性能を使う人は、スプリントやアタックなど、ある程度は脚のある激しいライディングを含めて評価の場とします。
SORAを使う人、シティやタウンで乗る人は、スプリントの頻度はあまりないでしょうし、そもそも、脚のない人が多いもんです。
そんな中での耐久性は、評価条件こそ穏やかなれど、結果として、寿命までの時間は、デュラと遜色ないのかもしれませんね。


まとめると、
「デュラは、カセットスプロケットでも、やっぱりお金をかけています」
「脚のある人は、SORAで本気乗りしちゃダメ」
「脚のないビギナーさん、クライマー、タウンユースの人は、デュラはいらない」
ですかね。


しかし、こう書いてみても、やっぱりオイラはデュラは欲しくならない。
むしろ、SORAの限界の方に興味が出ちゃうのは、やっぱりオイラが天邪鬼だからかしら?


今日はここまで


Happy wedding

2012-11-02 23:59:50 | シマノ製品調査
今日は、マルタ人の結婚お祝い会。イタリアンレストランでパーティです。


事の顛末について、いろいろ聞きましたが、何故結婚に至ったのかは、正直分かりませんでした。
ただ、分かったことは、国際結婚は、イロイロと面倒くさいという事。今も昔も役所の仕事は変わっていないようです。

このまま終わっては、自転車ブログではないので、ネタを一つ。

新型デュラ、色んな所で紹介されています。その中で見つけたのペダルの写真がこちら。

吹き出しちゃいました。長繊維丸出しの写真。HPには、「カーボン繊維」なんてご丁寧に書いてるし…。
素材コストは数倍。成型コストも数倍なのに、よく頑張ったもんです。このペダルにも、技術賞をあげたいもんです。

このペダルの上の金属は、靴の磨耗防止用です。「ペダルの磨耗防止」ではなく「靴の磨耗防止」です。
カーボン繊維は非常に攻撃性が高く、相手(靴)が樹脂系のソールであろうものなら、簡単に攻撃するでしょう。
「デュラのペダルにした途端、靴がダメになった…」なんて、間違ってもあってはならんことです。

HPには、「カーボン製ペダルボディ」「+4mm 軸仕様もラインナップ」「フロントピボットフローティングクリートも導入」なんてぐらいしか書いてませんが、この奥には、技術者の苦労がしのばれるペダルですよ、これは。
しかし、不思議なことにあまり欲しくならないのは、なんでだろう?

シマノの製品って、そんなにクールにしてないで、もう少し、「こんなに苦労しましたよ」ってストーリをしてもいいと思うのですが。
それでなら、もう少しエロいデザインになっても許されるのでは?

でも、新しくなったSORA。こっちは、もっと奥ゆかしい設計をしてますよね…。


がんばれ、シマノ!…買わないけど。


今日はここまで。

デュラエースの製造技術

2012-07-05 23:59:28 | シマノ製品調査
昨日はすっかり、新城選手に盛り上がってしまいました。

昨日はチャリ通、40km。
帰りが遅くなり、0時ぐらいに走ると、流石にツライですね。
そんな時間なので流したいけど、周りの車、トラックはスゴイ速度で脱いて行く。
深夜のトレーニングは、ちょっと身体に悪いかも…。


会社内で、鳥取、島根県の企業の合同展示会をやっていました。
行ってみると、ある樹脂成形屋さんのブースに、面白いモノが。

なんと、シマノのSTIレバーと、デュラのペダルが、技術力をアピールするサンプル品として置いてあります。

この会社、エンプラに特化した成形屋で、小さいながらも、シマノの樹脂部品を引き受けているようです。
工場拡大に伴い、島根に引っ越したそうで、もともとは大阪の会社だったとか。…「シマノ関西連合」の一員ですな。


勿論、こんな美味しいものには、がっちり食い付き、わざわざ説明員のエンジニアの方を捕まえて、マニアトークをさせてもらいました。

「このアルテグラのレバー、型割を攻めてますねぇ。ぱっと見は、抜き方が分からないですよ」
「そうなんです。本当は、ココも、ココも、もっと攻めたかったんですけどね。」
「材質は、○○で、添加剤は××ですか?」
「いや、コストの関係で、残念ながら材料は△△で、アルテの添加剤は□を◇%添加なんですよ。ただ、昔のアルミダイキャストのデュラレバーに比べたら、随分、軽量化できましたよ。」
「そうか、添加剤の関係で、デュラは軽くなるんですね。お金は掛かるんでしょうけど。」


「カーボンペダルの添加剤は?」
「○○繊維です」
「スゴイ!この形状で、成形がんばりましたね。いや、軽すぎるぐらい軽いですね」
「そうなんですが、本当は、ここの所まで、型で抜きたかったんですよ」
「△部を直接型で抜くのですか?!チャレンジャーですね」


いやいや、かなり製造技術に長けた方でしたが、デュラの苦労を垣間見ることができて、満足です。
もちろん(一応)仕事なので、名刺を渡して、後日、詳しく話を伺うことにしました。…本業の話ですよ。(←すぐにデュラの話をしそう…)

ちなみに、横のブースには、開発中の新型添加剤が。
まだ課題は残っているものの、もし、これが投入されたら、デュラはもっと軽くなりますね。


…でもね、デュラって、製造技術はスゴイけど、なんか工業製品の美しさしかなく、芸術性が低いのが、いいのかわるいのか。
フレームとの相性を考えると、やっぱり「イタリアンバイクには、カンパ」、「ドイツ、日本フレームにはシマノ」が合うのかも。見た目だけなら。

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ツール第5ステージ。

新城選手の「赤ゼッケン」(←前日の敢闘賞)が見れました。大興奮です。


今日も平坦ステージでしたが、終盤、この赤ゼッケンの新城選手が上がってきた。
「またスプリントするの?」と思ってましたが、今日はアシストとして、チームメイトを引き上げる役割だったようです。

結局、勝ったのは、またグライペル。2連勝。
今日も、ゴリラっぽい勝利の雄叫びを上げています。


明日も平坦ステージ。
ゴリラの3連勝なるか?カヴェ超特急が飛んでくるか?サガンが、またくどいガッツポーズを見せるか?

サガン以外は楽しみです。

どーでもいいのですが、前日の「ランニングポーズ」は、映画フォレスト・ガンプを真似してやったそうです。
意味不明…、脈絡なし…。…ってか、アンタのバイクには、「ターミネーター」が書いてあるじゃん。それをやれよ!




今日はここまで



DSG48

2012-06-18 23:59:32 | シマノ製品調査
AKBはよく知りませんが、DSGならマイブームです。


自転車の変速機がデュレイラーだというのは、昔から決まってるようですが、あの変速性能には不満です。
今の変速性能でも悪くはない…と思ってるのは、自転車が大好きな人だからだと思いますが、「変速速度」「変速ショック」の性能は向上できるのではないかと思っています。

一番のガンは、チェーン外れ、切れがあること。
プロのレースでも、デイビット・ミラーがチェーンが切れて、自分も切れたり(バイクを投げ飛ばした…)、アンディ・シュレックがチェーンが外れている間に、優勝争いから外れたり(コンタドールにアタックされた…)、ともかく、パンクと共に、自転車トラブルの最右翼です。

そんなチェーントラブルを防ぎ、性能を向上させる為には…と考えると、チェーンをやめることが、近道です。

昔シャフトドライブなんて自転車がありましたが、ベベルギアは効率が悪く、メンテも必要なので、自転車には不向きです。
バイクの世界でも、数社(モトグッチ、BMWなど)が採用しているぐらいです。

「となると、ギア駆動。となると、DSGでしょう…」ってのが、私の見解です。(←妄想でしょ?)


…と、ここまでは、過去にも書いた話ですが、実際にその構造を具体化させると、思ったよりも大変。

まず、段数分だけギアが必要。これをフレームのBB付近の納める訳ですが、許される寸法は、BB幅からすると100mmまででしょう。
ギア一枚6mmだとしても60mm。ギアシフト分、クラッチ、変速アームを付けると…、100mmは厳しいですね。
DSGは、ギアセットが2セット、クラッチが2枚必要ですが、これの制御ユニット(サーボモータ?)も含めると…さてスペースがない。

どうやら、自動車のDSGをそんままの構造で自転車に適用するのは、難しそうです。
簡素なDSG構造を考えないと、変速ショックなくスパスパ決まる、あのDSG特有の変速を自転車で実現するのは難しそうですね。
夢は、AKB48ではなく、DSG48。48段の自動変速DSGです。(←別に48にこだわらなくても…)

あっ、もちろん、後輪の駆動はギア駆動。そう、車軸レスにするのは大前提ですよ。


まだ、自分で自転車を製作するには、ネタと知識が足りませんね。精進します。


今日はここまで


樹脂ブレーキ

2012-06-10 18:51:55 | シマノ製品調査
今日は子供達の補助輪外しの日。そーいえば、補助輪が取れた日って、今でも覚えているなぁ。

先日書いた、「樹脂(カーボン)ブレーキ」ですが、ちょっと調べたところ、実はもう、結構出てますね。
こんなの↓



ついでに、マグネシウムブレーキなんてのも。こんなの↓


何れも、欧州のメーカーです。

先日の樹脂屋との打合せでも、
「欧州では、もう既に使われている材料ですが…」
「欧州では、最近使われだした工法ですが…」
「欧州では、既に量産化している技術ですが…」
とかの欧州リスペクトな(ヘタレ)コメントが多く、日本の樹脂技術が遅れていることを痛感させられましたが、こんな自転車用ブレーキでも、日本のメーカは、樹脂化をやらない(やれない)もんですね。

今回の挙げた中では、「engage」のカーボンブレーキがいいかなと思います。

アームを二股に分けて、構造の工夫で応力低減させています。角Rも大きく取り、シャフト径も大きくと、樹脂設計の教科書通りの形をしてますね。
また、シューの取付け部に金属インサートを入れたり、板ばねを使ったり、「競技専用」なんて開き直らないで、日常使用もマジメに考えて設計したのだと思います。

ちなみに重さは130g(前後ペア。シューなし)と激軽。(ちなみに7900デュラの重さは293g)。
お値段はデュラよりちょっと高いぐらいだから、財布の軽量化もできますね。(←定番ネタ)


…という事で、もうカーボンブレーキに目新しさはなし。
仕方ないので、次は、エアブレーキでもやりますかね。(←…ネタ切れだろ?)


今日はここまで

@樹脂屋にて

2012-06-08 23:59:06 | シマノ製品調査
樹脂屋さんへ出張の日。
前回はハイエンドな樹脂(C-FRP)で、今回はローエンドな樹脂を見せて頂きました。


安い樹脂と高い樹脂は何が違うのか?

樹脂単体の種類(エポキシとかフェノールとか)だけでなく、混ぜ物(カーボンとか)、工法(射出成型とか)、熱処理でも、その特性が大きく変わり、お値段も大きく変わります。
今回の大手樹脂屋さんでも、既知の混ぜ物、工法の他に、新たな開発を進めています。


もし、私が自転車コンポの開発者だったら、間違いなく飛びついたでしょう。
「樹脂ブレーキ」
「(ばね感のある)超軽量カーボンクランク」
「(踏み面が巨大な)カーボンペダル」
「(乗り心地のいい)カーボンサドル」
「複合素材のカーボンハンドル」
「複合素材のカーボンスプロケットセット」
…、夢は広がります。(←てな事を考えながら、打合せをしていた。…ハイ、すみません、仕事します)


でも、自動車部品屋のオイラからすると、10~15倍のコストの材料なんて、どれも高嶺の花。
材料屋さんは、自社の材料開発技術で成立させることを目指しますが、構造設計屋からすると、如何に高い材料を使わずに済ませるかが、腕の見せ所です。

「すみません。スゴイのはもういいから、安い材料から見せてください」と言わざるを得ないのが、とっても残念です。
ただ、上があるから、下からスタートできるって安心感はありますけどね。


あーあ、今日だけは、胸に「シマノ」ってバッチを付けて、出張したかったですね。(いや、「カンパ」かな?)


今日はここまで