MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

老人ホームで (4) 一緒に音楽を

2009-06-14 00:03:25 | その他の音楽記事

06/14   老人ホームで (4) 一緒に音楽を




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      私の室内楽仲間たち




 母親がお世話になっている施設から、再びお声がかかりました。


 でも、音楽は一人では出来ない。 少なくとも私には。


 前回は職員さんたちのご協力があり、とても有意義なひととき
を味わうことが出来ました。 ピアノに、トーンチャイムに大活躍
され、私としては皆さんのその様子を見ている方が、自分で音を
出すよりも楽しかったほどです。

 演奏する方も聴く方も、音楽を通じて共に喜び合えるなら、これ
以上素晴らしいことはありません。


 しかし、実は何人もの方々が、自宅で "深夜の個人練習" に
励んでおられたのです。 文字通り「寝る間も惜しむ」ほどの、
陰の努力! 本番の晴れやかな笑顔の裏には、このような
事情がありました。



 しかしみなさんは、大変お忙しい毎日なのです。

 「今回はどうしようか…?」 自分ひとりではどうしようもないこと
に、私は、改めて気付きました。




 「そうだ!」

 園から正式に依頼があった朝。 その日の午後は、仲間たち
と、久しぶりに会うことになっていました。 音楽を心から愛する
方々と。

 それはちょうど、上記の (42) ~ (46) で扱った日に当たります。



 その日は、私を含めて8人が集まりました。

 「たとえお一人でも、参加してくださる方がいると助かるな…。」
そう思い、お世話係りのSa.さんを通じて、恐る恐る休憩時に
切り出してみました。

 「実は私の母親が…。 前回はこんなふうで…。」



 ところが結果は予想を上回るものでした。 その場で何と3人、
最終的には4人の方が "確定" の返事を下さったのです!

 そしてそれ以外の方々も、無言の激励を送ってくれているのが
私にはよくわかったのです。

 何と自分は恵まれているのでしょう。




 まず、日頃は Violin を担当されることの多いSa.さん
"控えめに" 参加を表明してくれました。 (実は、このような
ヴォランティア演奏を、何度も経験しておられるのです。) 


 そして、こう付け加えられました。

 「必要なら別の仲間を引っぱり出してもいいですよ。」



 Viola のI.さん。 「最近楽器を新調したので、本番は多い
ほうがいいです。」


 チェロのT.さん。 「母親がお世話になった施設で、自分も
何度か演奏しています。」

 そして、そのときのプログラムにあった譜面を、翌日にはもう
郵送してくださったのです。



 チェロのSi.さん。 「あと数日すれば、その日の予定が
判りますが、それでもいいでしょうか?」 そして、その日を
わざわざ空けてくださいました。



 そして、ここに "にわか五重奏団" が出現したのです。


 みなさん、貴重な時間を割いてくれて、遠方までありがとう!



 編成、人数さえ決まれば、曲目の選定にはほとんど苦労が
ありませんでした。



  (続く)