
今日は連休中なのに雨だからガレージ作業。
まずは組み直し依頼のロンシン125cc2次側クラッチエンジンで、
以前に私と同じようにコンプリート化したらしいんだけどミッションの回転が重くなっちゃったって事でクラッチ側をバラすが、
ここまではとくに問題無かったからやはりケースの中みたいだ。

ケースを割ったらいきなり原因が分かって、
ミッションのメインシャフトに必要ないワッシャーが入っているからギアが押されて重くなっていただけ。

このワッシャーの本来あるべき場所はキックスピンドルのこの位置。
このワッシャーが無いとスピンドルがケースと干渉して削れていってしまうからで、
エンジンをかけてる間にスピンドルを引っ張ると異音がするから後から直ぐ分かるけど、その時は遅いんだよね。
で、じゃあなぜエンジンが完成してからやっとミッションの異変が分かったかなんだが、
ケースを閉めた時などにチェックを怠っていたから。
ケースを閉めたらスラスト方向のガタは適正かとか、
ギアチェンジをしてみて問題が無いかとか、私の場合はいちいちチェックして作業が戻らないようにしてるし、
この方が無駄な作業が無いから結果として1番早いし、
点検はいちいちやっていかないと、中華エンジンは何がある分からないからねぇ。
ちなみにこのエンジンもキックスピンドルストッパーのポンチがズレていて正しく組むとキックの遊びが多すぎて始動困難になるから修正しておいた。

ギアチェンジの点検をしていたんだがギアダウンの時に2速に飛び込んでしまう場合、
クラッチカバーとチェンジアームの隙間がどれくらいあるか確認しておこう。
125ccや150ccの場合ここの隙間があり過ぎるとギアチェンジでペダルが右側に押されると、
シフトドラムも右側に移動してギアが抜けてしまう。
だから腰下を全部組まないうちにクラッチカバーを閉めてチェンジアームを右側に何回か押して確認してしてもらいたいんだが、
この隙間は1ミリ以下にしてもらいたいんだがあまりに多い場合は、
チェンジアームの写真のところの先端を溶接で盛るか、クラッチカバーの丸い部分にアルミパテを盛ってから削って調整してやると良い。

分かりやすいよう矢印を書いておいたんだが、
溶接してあるんだから精度はまちまちで酷いのになるとチェンジが左右に2〜3ミリ以上動いてしまう物もある。
よってギアが飛ぶ場合はエンジンをバラす前にチェンジアームの左右のガタが多くないか確認してみよう。

ハイカムも組んではあったんだけどバルブスプリングの小さい方が抜いてなかったから底突きしてカムは回らないし、
バルブの傘を菱形に加工もしてなかったから、
このままエンジンかけてたらアッサリとブローしていたと思う…

このエンジンは結局私がやり直す事になったんだけど、
私も作り方は全て公開してるからいけないんだが見る人が見れば凄く簡単そうに作ってるように思ってしまうかもしれないが、
私も初めての時はケース開けたらワッシャーがコロンと落ちてどこにあったか分からなかったもんだ(笑)
今じゃ年間に何十機もエンジン組んでるから大丈夫だけど、
それでもバックギアの付いたバギーのエンジンは困らないように写真を撮りまくりながら作ってるくらいだから、
やっぱりバラす前に写真撮っておいて後々困らないようにするのが良いね。
そんな訳でとりあえず1機は終わったし、
ボトムニュートラルのクロスミッションも休み明けには送ってもらえるみたいだから今月もやっぱり忙しそうだかなぁ…
私が春にバラした新品のLC152もメインシャフトにこのワッシャーが組んでありました。ケースを締め込んでいくと重くなったので気づきましたが、確認作業はホントに重要ですね。
キックスピンドルが折れてしまいました。
キックスピンドルはクラッチカバーを外せば取り替えられますか。